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リリーのすべて(ネタバレ)

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リリーのすべて

リリーのすべて

原題:The Danish Girl
2015/イギリス 上映時間120分
監督・製作:トム・フーパー
製作:ゲイル・マトラックス、アン・ハリソン、ティム・ビーバン、エリック・フェルナー
製作総指揮:リンダ・レイズマン、ウルフ・イスラエル、キャシー・モーガン、ライザ・チェイシン
原作:デビッド・エバーショフ
脚本:ルシンダ・コクソン
撮影:ダニー・コーエン
美術:イブ・スチュワート
編集:メラニー・アン・オリバー
衣装:パコ・デルガド
音楽:アレクサンドル・デプラ
出演:エディ・レッドメイン、アリシア・ビカンダー、ベン・ウィショー、セバスチャン・コッホ、アンバー・ハード、マティアス・スーナールツ
パンフレット:★★★(720円/普通に良いパンフレットでしたよ)
(あらすじ)
1926年、デンマーク。風景画家のアイナー・ベルナー(エディ・レッドメイン)は、肖像画家の妻ゲルダに頼まれて女性モデルの代役を務めたことをきっかけに、自身の内側に潜む女性の存在を意識する。それ以来「リリー」という名の女性として過ごす時間が増えていくアイナーは、心と身体が一致しない現実に葛藤する。ゲルダ(アリシア・ビカンダー)も当初はそんな夫の様子に戸惑うが、次第にリリーに対する理解を深めていく。(以上、映画.comより)

予告編はこんな感じ↓




75点


※この映画に関しては、こちらの記事とかはちごろうさんの感想が参考になりますぞ。

もう5月の下旬だというのに、今さらながら3月公開の映画の感想をダラッと残しておきますよ。「観たい映画の覚え書き」で「△」を付けたように、それなりに興味はある作品だったものの、映画駄話会ではちごろうさんたちの話とか聞いてたら、すっかり“観た気分”になりまして。「これはDVDでいいな」程度に思っていたら、当ブログの読者の方が勧めてくれたのでね、ちょうどバルト9を達成して“映画を観たい情熱”が燃えさかっていたのもあって、いそいそとTOHOシネマズ新宿に足を運んできました。素敵な奥さん!Σ(゚д゚;) ヒィィッ」と思ったり。


11番スクリーン、結構混んでましたよ。
11番スクリーン


お話を乱暴かつ身も蓋もなく書いておくと、結構評価されてた風景画家のアイナーと、あまり認められていない画家のゲルダは超仲良しな夫婦でしてね。ある日、女性のモデルの代役としてアイナーにストッキングを履かせてみたりしたら、「なんか…すごく…いい感じです… (´Д`;) ハァハァ」と夫が“自分の中の女性=リリー”を覚醒させてしまって、チンコを股に挟んでみたりするエヴリデイに突入ですよ(男子なら1度はやったことがある行為)。最初はノリノリで女装させていたゲルダも、夫の本気度を知ってドン引きしつつも、世間ではリリーを描いた絵が大ウケしてるし、どうやらアイナーにはもう戻れないみたいなので、苦渋の決断として愛する夫を応援することを決意!川`Д´)人(`Д´し ウォォォォッ! リリーは世界初の性転換手術に2度挑戦すると、超満足しながらも術後の経過が悪くて死亡。彼女は風になったのでしたーー 川ノω・、) ムチャシヤガッテ...


なんとなく妻の絵のモデルになってみたアイナーでしたが…。
モデルになってみました

バレエダンサーのウラ(アンバー・ハード)に「リリー」と名付けられて巨神兵オーマのように覚醒!
リリーと名付けられました

ふざけて参加したパーティ会場で、誘って来た男とキスをしてしまったりするのです。
男とキス!

アイナーは苦しみながらもリリー化する一方でして。
リリーに目覚めました

奥さんのゲルダったら超ゲンナリしながらも!
夫に会いたい

夫が心底苦しんでいるのを目の当たりにして、応援することにしましてね。
苦しむリリー

最初の性転換手術は成功するも、2度目の手術の後、リリーは衰弱して死んでしまうのでした。
性転換手術


観る前は、もっと「世界初の性別適合手術を受けたリリー・エルベの頑張れ物語」かと思ってたんですが、実際に観てみたら、ゲルダの愛が試される話だった印象。当時の社会通念からすれば「コイツ、気持ちワリーな!川 ゚д゚) シネヨ!」となりそうなものの、苦しみながらも受け入れて支援する姿は感動的で。しかも、リリーが自分自身に夢中すぎて奥さんを結構ないがしろにするから、余計に「もう放っておけばいいのに… (´・ω・`)」ぐらいに思っちゃうんですが、「これが愛なんだよなぁ」と。なんて言うんですかね、「自分の側にいなくても、自分の存在が眼中になくても、相手が幸せでいてくれればいい」という“無私の心”から生まれる愛こそが本物なワケですけど、それってなかなか難しくてね…。僕も自分の妻子をそんな風に愛せるかしらなんて思ったりして。何にせよ、ゲルダ役のアリシア・ビカンダーは素晴らしくて、いろいろと賞を獲ったのも頷けましたよ。


最後まで夫に寄り添ったゲルダ。非常に勉強になりました。
仲良しな2人


リリーにもいろいろと考えさせられましたね。大なり小なり誰もが自分の肉体に対して違和感を持っているじゃないですか。例えば、小さいころから巨体が売りであり、羨ましがられることも多かった僕ですが(苦笑)、それなりにイヤな目にも遭ってるし、若いころは「ここまで大きくなくて良かった」と悩むことも多々あったわけですよ。とは言え、「性が違う」となれば、その違和感たるや凄まじいレベルなワケでね。前に「最後の1本~ペニス博物館の珍コレクション~」の感想で書きましたけど、“良き相棒”であるチンコを切るほどの苦悩って想像もつかなくて。だから、ゲルダへの態度には腹立つこともありながらも、「生まれながらにして、そこまで追い詰められているのか」と思うと、トランスジェンダーの人は大変だなぁと…。


男としては、こんな風に思うのが想像付かないもんなぁ… (・ω・;) ウーン
早く取り去って


まぁ、映画自体は非常にクオリティが高いんですが、それはそれとして。僕が上手いなぁと思ったのは、序盤のパーティ会場でリリーに近づいてくる男ヘンリク(ベン・ウィショー)のキャラ造形で、「ヘンリクはゲイで、リリーを“女装した男”として好きだった→リリーは女性として愛されたかった」という展開を描くことで、ゲイとトランスジェンダーの違いをわかりやすく見せていて、感心しました。逆に気になったのが、リリーの初恋の相手だった幼なじみハンス(マティアス・スーナールツ)がウラジーミル・プーチン大統領に激似なことで、出てきた瞬間から「えっ、この話にプーチンが絡むの!? Σ(゚д゚;)」と違和感を感じてしまって、ごめんなさい、アイツが出てくるたび素に戻ってたというね。あと、リリーに暴行したクズ2人は死んでほしかった…という、当ブログでは実にありがちな不満 (ノ∀`) スミマセン


ベン・ウィショーがゲイ役を演じるということで、一部のファン的には見逃せない作品な気がします。
ゲイのヘンリク(ベン・ウィショー)

ネットを検索したらすぐにこんな画像が見つかりました。みんな、そう思うよね。
プーチン似のハンス(マティアス・スーナールツ)

クソ野郎2人組、プーチンにコマンドサンボとかで殺されてほしかったなぁ(暴論)。
クソ野郎2人組


その他、パンフに載っていた「エディ・レッドメインが『ジュピター』の撮影中にラナ・ウォシャウスキーからアドバイスをもらった」という話が良かったとか、「カルーセル麻紀さんも大変だったのかな…」と思ったりとか、「現在は性転換手術のレベルが格段に上がっていて、特に本場タイではチンコを接合する技術も発達しているから、女性が怒った時に男性のチンコを切るだけでなく、再生不可能にするためチンコを隠したり刻んだりするようになった」なんて話を思い出したりとかしたんですが、恐ろしくどうでも良いザンス。久しぶりにゲルダのような素敵な奥さんを観て、僕も「もっと愛する人に尽くさねば!ヽ(`Д´)ノ」と気分が引き締まりましたよ。まだ上映している劇場もあるみたいなので、興味がある方はぜひ観てみてくださいな。




映画の原作本を貼っておきますね。



サントラもありましたよ。



荒俣宏先生による評伝画集。スゲー面白そうですが、買う金はなし。



トム・フーパー監督作といえば、これが一番良かったです。僕の感想はこんな感じ



エディ・レッドメインが悪役を演じた作品。カイロ・レン人気にあやかって、同じ中二病の悪役として再評価されないものか。










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