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弁護人(ネタバレ)

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弁護人

弁護人

原題:변호인/The Attorney
2013/韓国 上映時間127分
監督・脚本:ヤン・ウソク
脚本:ユン・ヒョノ
撮影:イ・テユン
美術:リュ・ソンヘ
衣装:クォン・ユジン、イム・スンヒ
照明:オ・スンチョル
音楽:チョ・ヨンウク
武術:ユ・サンソプ
出演:ソン・ガンホ、イム・シワン、キム・ヨンエ、クァク・ドウォン、ソン・ヨンチャン、チョン・ウォンジュン、イ・ハンナ、シム・ヒソプ、リュ・スヨン、イ・ソンミン、オ・ダルス
パンフレット:★★★(700円/盧武鉉モデルとなった事件の解説がちゃんと載ってました)
(あらすじ)
1980年代初頭、軍事政権下の韓国。税務弁護士として多忙な毎日を送っていたソン・ウソク(ソン・ガンホ)は、若い頃に世話になったクッパ店の息子ジヌ(イム・シワン)が国家保安法違反容疑で逮捕されたことを知る。拘置所へ面会に行ったウソクはジヌの信じられない姿に衝撃を受け、ジヌの弁護を引き受けることにするが……。(以上、映画.comより)

予告編はこんな感じ↓




85点


今までは「年内に観た新作映画の感想は年内にアップする」という感じでやってきたものの、昨年はとうとう更新しきれなくて… (´・ω・`) 今さらながら2016年11月公開作の感想を垂れ流しておきますよ。「法廷モノ」ってそれなりに楽しめるイメージだし、主演がソン・ガンホということで、間違いなく面白いだろうと思って、前売り券を購入しまして。とは言え、仕事が忙しくて、なかなか足を運べなかったんですが、12月半ばの上映最終日、徹夜明け→2時間ほど寝てから新宿シネマカリテで鑑賞いたしました。「燃えろ、民主主義!ヽ(`Д´)ノ ウォォォォォッ!」と思ったり。ちなみにこの日はその後、「『ライムスター宇多丸の映画カウンセリング』刊行記念 公開映画カウンセリング&サイン会」に参加してから「ドント・ブリーズ」「ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー」を連続鑑賞した…というのは別のお話。


ロビーには定番の記事の切り抜きがあるだけでなく…。
記事の切り抜き

なんと法廷が! こういうのをわざわざ作る姿勢が大好き (^ε^) ウッフン
ロビーの展示

スクリーン2、最終日だからなのか、かなり混んでましたよ。
スクリーン2


もうね、「ストレートに燃える映画」でした。お話をウソを交えながら乱暴に書いておくと、主人公のソン・ウンソク(主演俳優と監督の名前を合体させたもの)ったら、貧乏&高卒ながらも弁護士を目指して勉強してましてね。お金がないため、クッパ屋で食い逃げをしたりしつつも、なんとか司法試験に合格しまして。不動産登記といった「他の弁護士がやらない仕事」に目を付けて必死に営業したせいで、周囲の弁護士からは陰口を叩かれまくるんですが、頑張った結果、念願のマイホームをゲット! 7年振りに、食い逃げしたお店に謝りに行くと、店のおばちゃんったら「借りは顔と足で返すもんだ (´∀`=し イインダヨ」なんてスムースに許すから、全僕が号泣!ヽ(TДT)ノウワァァァン! 客席からもスンスンスンと鼻をすする音が聞こえまくりであり、少しだけ「僕も若いころに1度くらいは食い逃げしておくんだったナー (ノ∀T)」なんて思ったりするほどでしたよ(アウトな思考回路)。


主人公のソン・ウンソクは金儲けのことしか頭にないんですが、苦労人&ソン・ガンホが演じてるので憎めない感じ。
税務弁護士ソン・ウンソク


で、事務長としてオ・ダルス演じるパク・ドンホを迎えると、さらに税務弁護士として荒稼ぎまっしぐら→増長。すっかり常連と化したクッパ屋に行って、酔った勢いで「大学まで行ってデモをやるなんて、親が泣いてるぜ!(`∀´) アホウガ!」と学生デモを批判すると、新聞記者の同級生に「お前は何もわかってない!(`Δ´) クソガ!」なんて言われてケンカになったりしましてね。しかも、おばちゃんの息子の大学生ジヌにもその姿勢を批判されたので、「卵で岩は割れないんだぞ!(`Δ´;) 」と偉そうに言うと、ジヌは「たとえ弱い卵でも、速度さえあればはるかに頑丈な岩を砕くことが可能!m9`Д´) ビシッ」なんて返答をしたというね。


スピードさえあれば、紙袋でもワリバシが割れるって「グラップラー刃牙」に書いてありました。
紙袋でワリバシを!


そんな1981年のある日、大統領に就任した全斗煥が反政府活動の取り締まりをハードにしたため、普通の読書会に参加していたジヌが逮捕→拷問されるエブリデイに突入! クッパ屋のおばちゃんに助けを求められたソン・ウンソクは正義に目覚めて人権派弁護士にトランスフォームしましてね。拷問のせいですっかり弱気になったジヌに「やっぱり卵で岩は割れなかったよ… (ノω・、)」なんて弱音を吐かれれば、「インパクトの瞬間、使用するすべての関節を固定すれば自己の体重をそのまま卵に乗せることができる!m9`Д´) ビシッ」剛体術の理屈を持ち出して逆に励ますほどであり、その熱意は周囲を動かすも、何だかんだあって裁判には敗北… ('A`) ワタシマケマシタワ だがしかし、ソン・ウンソクはその後も人権派として民主化運動を続けて、その“やる気パルス”が周囲にも伝播した結果、彼が逮捕された時の裁判では多くの弁護士が「オレも彼の弁護人!ヽ(`Д´)ノ」「オレも!ヽ(`Д´)ノ」ってな調子で、ハーツ・オン・ファイヤーなのでしたーー(どことなく投げやりな文章)。


親しい人の苦境を目の当たりにして、すっかり心を入れ替える…という大好物なパターンでございます。
私が弁護を

インパクトの瞬間、関節を固定すれば体重を乗せられるって「グラップラー刃牙」に書いてありました。
剛体術の理屈


まず、映画として本当に面白かった。作りは非常にオーソドックスなムードながらも、役者さんたちの見事な演技で「熱さと勢いに呑まれた」というか。とにかくソン・ガンホは素晴らしいのひと言で、彼の熱演を観ているだけでグッとくるし、おどけ担当のオ・ダルスとの掛け合いも楽しいし、ファンなら必見の1本でございます。“悪”の描き方も良くて、クァク・ドウォンが演じた特高警察の長チャ・ドンヨンがほとばしるほど憎らしくて最高だし、彼に拷問されるジヌ役のイム・シワンも頑張っててね…(しみじみ)。そして、何よりもクッパ屋のおばちゃんを演じたキム・ヨンエの「健気なおばちゃん振り」が100点であり、僕もあんなクッパ屋に通いたいと心から思いましたよ。その他、終盤に味方になる新聞記者役のイ・ソンミンも良い感じでしたな。


ソン・ガンホとオ・ダルスがイチャイチャしてるだけでスゲー愉快でしたよ。
愉快な2人

クァク・ドウォン、柔道で痛めつける描写がリアルで良かったね(投げが重そう)。
チャ・ドンヨン(クァク・ドウォン)

イム・シワンの拷問されっぷりは涙なしでは観られませんでしたよ… (ノω・、)
ジヌ(イム・シワン)

そしてクッパ屋のおばちゃんが素敵すぎ! 敗訴後、恨み節を言わないあたりも超泣けた!
クッパ屋のおばちゃん(キム・ヨンエ)


このお話の主人公のモデルは韓国の大統領だった盧武鉉で、モデルとなった事件もあるそうで。さらに劇場で関連書籍として紹介されていた「沸点 ソウル・オン・ザ・ストリート」を読んだらね、恥ずかしながら、今さら「韓国は民主主義を獲得するために頑張ったんだな… (ノДT)」と。僕はウソを書いちゃいましたが(汗)、劇中では「卵で岩を砕くことはできない。でも、いつかは卵から生まれた鳥が岩を越える時がくる」というフレーズが何度か出てきていて。劇中で主人公が言うようにデモなんてムダだなんだとバカにされがちだけど、そういうことのためにも必要なんだろうなとあらためて思った次第。


劇場で紹介されていた「沸点 ソウル・オン・ザ・ストリート」は名著でした。翻訳は「九月、東京の路上で」の人です。
「沸点」だと!?

主人公が卵を投げられてしまう展開もまた意味深だったり。
卵を投げられました


てなワケで、僕のような学のない人間に「そういえば主権は国民にあるんだった!Σ(゚д゚;) ソウイエバ!」と「民主主義の大切さ」を熱く気付かせてくれる、素晴らしい映画でしたヨ ( ;∀;)イイエイガダナー まだいろいろなところで上映されたりするみたいなので、「俗物が正義に目覚める系映画」などが好きな人やソン・ガンホのファンは観ると良いですぞ。




非常に熱く面白いのでマジで読んでほしい韓国の漫画。お母さんがとにかく泣ける!



韓国の民主化運動に火が点くキッカケになった酷い事件の映画。観ようかしらん。









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