ホワイト・バレット
原題:三人行 Three
2016/香港、中国 上映時間88分
監督・製作:ジョニー・トー
製作・脚本:ヤウ・ナイホイ
製作総指揮:ピーター・ラム
脚本:ラウ・ホーリョン、マク・ティンシュー
撮影:チェン・シュウキョン
編集:デビッド・リチャードソン
音楽:ザビエル・ジャモー、ロー・タイユー
出演:ルイス・クー、ビッキー・チャオ、ウォレス・チョン、エディ・チョン、ロー・ホイパン、ラム・シュー、ミミ・コング・トス・ヤン、チョン・シウファイ、マイケル・ツェー
パンフレット:なし
(あらすじ)
強盗団系マフィアの容疑者・シュン(ウォレス・チョン)は、警察の追手から逃げきれないと判断し自らの頭を撃ち、病院へと運ばれるが、人権を主張し断固として治療を拒否する。しかしそれは、仲間たちに助けてもらう時間稼ぎのための口実であった。チャン警部(ルイス・クー)は、マフィアの企みを知りながら騙されたふりをして一気にマフィア逮捕を目論む。そんな中、脳外科医のトン(ヴィッキー・チャオ)は、シュンの開頭手術を少しでも早くするために、警察に対してひと芝居打つが、シュンに見破られてしまう。三人の命をかけた戦いの火蓋が切って落とされようとしていた-。(以上、公式サイトより)
予告編はこんな感じ↓
75点
※この記事は「シグマ15」に従って書いています。
ジョニー・トー監督作はいつだって見逃せないということで、1月某日、「疾風スプリンター」&「ドラゴン×マッハ!」を観てから、新宿武蔵野館の1番スクリーンで鑑賞いたしました。「変な映画ね (´∀`=) アラアラ」と思ったり。公式サイトのあらすじが若干違うので、僕なりに書いておくと、「尋問中、刑事に頭を撃たれて病院に運ばれるも、意識を取り戻して手術を拒否しつつ、何かを企んでいる強盗シュン」と「強盗団の情報を探るとともに、部下がシュンの頭部を撃ったことを揉み消そうとするチャン警部」と「腕は確かなんだけど、いろいろ失敗しちゃって、絶賛自分探し中の脳外科医トン」が、病院内で「あーでもない、こーでもない!ヽ(`Д´)人(`Д´)人(`Д´し」と駆け引きする…って感じなんですね。
チャン警部と強盗のシュンが駆け引きするだけでなく…。
チャン警部と脳外科医トンも、シュンへの対応を巡って対立するのです。
今まで観たことがない新手の“病院ノワール”というか。本作は3人の登場人物の心理戦がメインなんですが、強盗シュンを演じたウォレス・チョンのクセ者感がハンパではない上に、チャン警部役のルイス・クーもいろいろな役柄を演じてきた俳優なだけに(特に同監督との「ドラッグ・ウォー/毒戦」は素晴らしかった!)、今回は良いクーなのか、悪のクーなのか、遠い海から来たクー
なのかわからず、観客はその一挙手一投足にドキドキさせられる…って、1つ無駄な文章を書いちゃいましたな、すみません。ブロガーとはウケを狙って、つい不要なボケを入れてしまうものなのです…(多くのブロガーを勝手に巻き込んだ文章)。脳外科医トンを演じたヴィッキー・チャオも真面目で融通が利かない感じがなかなか良くて、そんな彼女がまんまとシュンの罠にハマって刑事の命を危険にさらす→逃げようとしてチャン警部に3連発でビンタされる場面は、あまりに容赦がなくて逆に笑っちゃいました。そしてクライマックス、病院内にて超スローで繰り広げられるワンカット風の銃撃戦は圧巻のひと言で、もう一度観たくなるほどだったし、そんなハードな状況の直後に「医療ミスで体が不自由になったと抗議していた患者が自殺を図る→奇跡的に歩けるようになった!」なんて展開が起きた時は、「なにこの変な映画!Σ(゚д゚;)」と驚きましたよ。
このビンタシーン、「淵に立つ」でのスナッピーなビンタ並にハートを掴まれたというね(わかりにくい例え)。
ラスト、散々な目に遭ったトンがそれでもシュンを救おうとするのは予想通りとしても、「チャンがシュンを射殺しようとすると、ことごとく失敗→結局、助ける」という展開もまた胸アツでして。チャンの刑事としての良心がそうさせたのか、何らかの運命的な力がこれ以上道を踏み外さないようにしてくれたのかはわかりませんが、最後にトンとチャンがシュンを救う場面は、合成丸出しなのはキツかったけど(汗)、なかなかグッときた次第。一応、オチを書いておくと、トンはなんとなく立ち直って、チャンは隠蔽工作を告白して警察を退職し、シュンは植物状態っぽくなって終了。悪党がキッチリ残念な最後を迎えるあたりは溜飲が下がって良かったです。な〜んて、褒めまくっているものの、正直、病院内のやり取りはさすがにフィクション感が強すぎて乗れないところが多かったし(ジョニー・トー映画にそんな指摘をしても仕方ないんですが…)、ラム・シュー演じるファット刑事の無能振りにはかなりイライラしたので、75点という着地でございます。おしまい。
良いクーなのか悪いクーなのか惑わされるジョニー・トー監督作。僕の感想はこんな感じ。
何度も書いてますが(汗)、一番好きなジョニー・トー監督作はこれ。クーも出ております。
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ホワイト・バレット(ネタバレ)
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