ゲット・アウト
![ゲット・アウト]()
原題:Get Out
2017/アメリカ 上映時間104分
監督・脚本・製作:ジョーダン・ピール
製作:ジェイソン・ブラム、ショーン・マッキトリック、エドワード・H・ハム・Jr.
製作総指揮:レイモンド・マンスフィールド、クーパー・サミュエルソン、ショーン・レディック、ジャネット・ボルトゥルノ
撮影:トビー・オリバー
美術:ラスティ・スミス
編集:グレゴリー・プロトキン
出演:ダニエル・カルーヤ、アリソン・ウィリアムズ、ブラッドリー・ウィット、ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ、キャサリン・キーナー、スティーブン・ルート、ベッティ・ガブリエル、マーカス・ヘンダーソン、キース・スタンフィールド
パンフレット:★★★(720円/コラムは3本とも良いんですが、この手の映画のパンフはネタバレ前提で作ってほしい)
(あらすじ)
アフリカ系アメリカ人の写真家クリスは、白人の彼女ローズの実家へ招待される。過剰なまでの歓迎を受けたクリスは、ローズの実家に黒人の使用人がいることに妙な違和感を覚えていた。その翌日、亡くなったローズの祖父を讃えるパーティに出席したクリスは、参加者がなぜか白人ばかりで気が滅入っていた。そんな中、黒人の若者を発見したクリスは思わず彼にカメラを向ける。しかし、フラッシュがたかれたのと同時に若者は鼻から血を流し、態度を急変させて「出て行け!」とクリスに襲いかかってくる。(以上、映画.comより)
予告編はこんな感じ↓
80点
※この映画は、ネタバレを知らないで観た方が絶対面白いので、未見の人は読んじゃダメ!
※本作については、尊敬する映画評論家の町山智浩さんの「たまむすび」での紹介とイベントでの解説動画をチェックしてみて!
非常に前評判が高いホラー映画ということで、スゲー気になってましてね。「映画秘宝まつり2017」での最速上映で1回目を観てから(2本立てだったので、続けて「IT イット “それ”が見えたら、終わり。」も鑑賞)、2ヵ月半後の12月1日=映画の日に吉祥寺オデヲンで2回目を観て来ました。「そ…そうきたかァ〜ッ(°д°;)」と感心しましたよ。
1回目の会場は浅草公会堂。鑑賞後、「ツイシネ」をやられているペップさんと飲みました。
![映画秘宝まつり]()
で、2回目は吉祥寺オデヲンへ。初めての映画館ってドキドキするわぁ (´∀`=) ドキドキ
![吉祥寺オデヲン]()
劇場はかなりキレイな感じで、観客は多めだったり。
![劇場ロビー]()
ロビーにはサッポロポテトの自販機があったりしましてね。
![サッポロポテトが売ってた]()
ついブラックコーヒーと一緒に買ってしまったのでした。
![ブラックコーヒーとサッポロポテト]()
スゲー良くできたホラー映画でしたよ。劇中に出てくる“どこかおかしい白人たち”を「黒人を洗脳して奴隷にしている差別主義者」的に思わせといて、実は“度が過ぎた黒人アコガレを持つ人たち”であり、「“凝固法”という特別な手術によって、黒人の体を乗っ取っている」なんて展開が繰り広げられるから、「なるほどなぁ (°д°;)」と。しかも、すべてを知ってから2回目を観ると、本当に丁寧かつさりげなく伏線を張っていてね…。主人公クリスが車で跳ねてしまった鹿を見つめたりとか、亡くなった(とされた)祖父が陸上選手で走るのが大好きだったりとか、この街にいる黒人たちがクリスの使うスラングや拳を合わせる動作を理解してなかったりとか、クリスが催眠術に対抗するために使うのが綿だったりとか(これは平山夢明先生のコラムで気付きました (ノ∀`) テヘ)、数えるとキリがないほど。タイトルの「ゲット・アウト」だって、マイノリティがよく言われるフレーズというだけでなく、「(自分の頭の中から)出て行け!」という意味にも受け取れたりするし、とにかく隅から隅までよく練られているのです。
信用できそうなムードだった恋人ローズもグルで、黒人を捕まえては“白人の意識”を移植していたのです。
![ローズ(アリソン・ウィリアムズ)]()
使用人ウォルターの中にはローズの祖父が入っていて…。
![使用人ウォルター]()
使用人ジョージーナは祖母が乗っ取っていたと。笑顔で泣いたのは、意識下にいる“本来の肉体の持ち主”が反抗したから。
![この笑顔が怖い!]()
監視しているように見えて「窓に映る自分」に見惚れていたのも、そういうことだったのね (`Δ´;) ナルホド
![使用人ジョージーナ]()
真相を知った瞬間の僕の気持ちを代弁する烈海王を貼っておきますね。
![そ...そうきたかぁ〜]()
で、本作の何が上手くて気持ちいいかって、空気感がリアルなところ。僕みたいな心の狭いイチャモン野郎は、ホラー映画とか観ているとすぐに「ほら、さっさと逃げ出せよ!(`Δ´) イライラ」とか「早く電話すればいいだろうに!( ゚д゚) クソガ!」といった野暮なツッコミを入れがちなワケですけど、主人公のクリスったら冷静で常識的な判断をするし、そんな人間でも「おかしいとは思うけど、微妙に帰りづらい」という雰囲気をちゃんと作っているから、「これは拉致されても仕方ないな (´∀`) シカタナシ」とスムースに納得できたんですよね。一応、オチを書いておくと、クリスは携帯のフラッシュを使うことで、彼を襲っていた使用人ウォルターの“肉体の持ち主”の記憶を呼び起こす→実は黒人を誘惑する係だった恋人ローズをウォルターが射殺して即自殺→親友のロッドがパトカーで迎えに来てくれて、映画は終わってたんじゃないかしらん。
主人公のクリスがバカな行動をしないので、余計なストレスが溜まらないのは結構イイ感じ。
![クリス(ダニエル・カルーヤ)]()
フラッシュ撮影が伏線となって、最後に逆転するあたりもよく出来てましたな。
![フラッシュ撮影]()
ただ、個人的には1ミリも信じてないので、催眠術で行動不能に陥る場面はそんなに好きじゃないカナー (・ε・) ウーン
![スプーンを使った催眠術]()
ちなみに「ゲットアウト=ゲラウト」と聞くとチャック・ルイス選手を思い出す…という、どうでも良い「餓狼伝」
。
![ゲラウト]()
まぁ、僕的にこの手のジャンル映画は「最高70点」という基準がボンヤリあったので、1回目の鑑賞後は一緒に飲んだペップさんに「良い映画だけど70点!m9`Д´) ビシッ」なんて偉そうに伝えたんですが、2回目を観たらあまりの出来の良さに感動したので、10点プラスの80点という着地(信用ならない採点基準)。つーか、本作のような「アコガレ風の差別者」ってかなりタチが悪い…と思う以上に、僕自身もそういう面があるような気がしたのでね(意識しないで酷いこと言ってそう)、気をつけたいと心から思いました。おしまい。
デジタル盤のサントラでございます。ちょっとほしいかも。
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ジョーダン・ピール監督が製作・脚本・主演を務めたコメディ。猫の声はキアヌ・リーヴスだとか。
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元ネタと言われるスタンリー・クレイマー監督作。恥ずかしながら未見です (´∀`;) エヘヘ
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原題:Get Out
2017/アメリカ 上映時間104分
監督・脚本・製作:ジョーダン・ピール
製作:ジェイソン・ブラム、ショーン・マッキトリック、エドワード・H・ハム・Jr.
製作総指揮:レイモンド・マンスフィールド、クーパー・サミュエルソン、ショーン・レディック、ジャネット・ボルトゥルノ
撮影:トビー・オリバー
美術:ラスティ・スミス
編集:グレゴリー・プロトキン
出演:ダニエル・カルーヤ、アリソン・ウィリアムズ、ブラッドリー・ウィット、ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ、キャサリン・キーナー、スティーブン・ルート、ベッティ・ガブリエル、マーカス・ヘンダーソン、キース・スタンフィールド
パンフレット:★★★(720円/コラムは3本とも良いんですが、この手の映画のパンフはネタバレ前提で作ってほしい)
(あらすじ)
アフリカ系アメリカ人の写真家クリスは、白人の彼女ローズの実家へ招待される。過剰なまでの歓迎を受けたクリスは、ローズの実家に黒人の使用人がいることに妙な違和感を覚えていた。その翌日、亡くなったローズの祖父を讃えるパーティに出席したクリスは、参加者がなぜか白人ばかりで気が滅入っていた。そんな中、黒人の若者を発見したクリスは思わず彼にカメラを向ける。しかし、フラッシュがたかれたのと同時に若者は鼻から血を流し、態度を急変させて「出て行け!」とクリスに襲いかかってくる。(以上、映画.comより)
予告編はこんな感じ↓
80点
※この映画は、ネタバレを知らないで観た方が絶対面白いので、未見の人は読んじゃダメ!
※本作については、尊敬する映画評論家の町山智浩さんの「たまむすび」での紹介とイベントでの解説動画をチェックしてみて!
非常に前評判が高いホラー映画ということで、スゲー気になってましてね。「映画秘宝まつり2017」での最速上映で1回目を観てから(2本立てだったので、続けて「IT イット “それ”が見えたら、終わり。」も鑑賞)、2ヵ月半後の12月1日=映画の日に吉祥寺オデヲンで2回目を観て来ました。「そ…そうきたかァ〜ッ(°д°;)」と感心しましたよ。
1回目の会場は浅草公会堂。鑑賞後、「ツイシネ」をやられているペップさんと飲みました。

で、2回目は吉祥寺オデヲンへ。初めての映画館ってドキドキするわぁ (´∀`=) ドキドキ

劇場はかなりキレイな感じで、観客は多めだったり。

ロビーにはサッポロポテトの自販機があったりしましてね。

ついブラックコーヒーと一緒に買ってしまったのでした。

スゲー良くできたホラー映画でしたよ。劇中に出てくる“どこかおかしい白人たち”を「黒人を洗脳して奴隷にしている差別主義者」的に思わせといて、実は“度が過ぎた黒人アコガレを持つ人たち”であり、「“凝固法”という特別な手術によって、黒人の体を乗っ取っている」なんて展開が繰り広げられるから、「なるほどなぁ (°д°;)」と。しかも、すべてを知ってから2回目を観ると、本当に丁寧かつさりげなく伏線を張っていてね…。主人公クリスが車で跳ねてしまった鹿を見つめたりとか、亡くなった(とされた)祖父が陸上選手で走るのが大好きだったりとか、この街にいる黒人たちがクリスの使うスラングや拳を合わせる動作を理解してなかったりとか、クリスが催眠術に対抗するために使うのが綿だったりとか(これは平山夢明先生のコラムで気付きました (ノ∀`) テヘ)、数えるとキリがないほど。タイトルの「ゲット・アウト」だって、マイノリティがよく言われるフレーズというだけでなく、「(自分の頭の中から)出て行け!」という意味にも受け取れたりするし、とにかく隅から隅までよく練られているのです。
信用できそうなムードだった恋人ローズもグルで、黒人を捕まえては“白人の意識”を移植していたのです。

使用人ウォルターの中にはローズの祖父が入っていて…。

使用人ジョージーナは祖母が乗っ取っていたと。笑顔で泣いたのは、意識下にいる“本来の肉体の持ち主”が反抗したから。

監視しているように見えて「窓に映る自分」に見惚れていたのも、そういうことだったのね (`Δ´;) ナルホド

真相を知った瞬間の僕の気持ちを代弁する烈海王を貼っておきますね。

で、本作の何が上手くて気持ちいいかって、空気感がリアルなところ。僕みたいな心の狭いイチャモン野郎は、ホラー映画とか観ているとすぐに「ほら、さっさと逃げ出せよ!(`Δ´) イライラ」とか「早く電話すればいいだろうに!( ゚д゚) クソガ!」といった野暮なツッコミを入れがちなワケですけど、主人公のクリスったら冷静で常識的な判断をするし、そんな人間でも「おかしいとは思うけど、微妙に帰りづらい」という雰囲気をちゃんと作っているから、「これは拉致されても仕方ないな (´∀`) シカタナシ」とスムースに納得できたんですよね。一応、オチを書いておくと、クリスは携帯のフラッシュを使うことで、彼を襲っていた使用人ウォルターの“肉体の持ち主”の記憶を呼び起こす→実は黒人を誘惑する係だった恋人ローズをウォルターが射殺して即自殺→親友のロッドがパトカーで迎えに来てくれて、映画は終わってたんじゃないかしらん。
主人公のクリスがバカな行動をしないので、余計なストレスが溜まらないのは結構イイ感じ。

フラッシュ撮影が伏線となって、最後に逆転するあたりもよく出来てましたな。

ただ、個人的には1ミリも信じてないので、催眠術で行動不能に陥る場面はそんなに好きじゃないカナー (・ε・) ウーン

ちなみに「ゲットアウト=ゲラウト」と聞くとチャック・ルイス選手を思い出す…という、どうでも良い「餓狼伝」

まぁ、僕的にこの手のジャンル映画は「最高70点」という基準がボンヤリあったので、1回目の鑑賞後は一緒に飲んだペップさんに「良い映画だけど70点!m9`Д´) ビシッ」なんて偉そうに伝えたんですが、2回目を観たらあまりの出来の良さに感動したので、10点プラスの80点という着地(信用ならない採点基準)。つーか、本作のような「アコガレ風の差別者」ってかなりタチが悪い…と思う以上に、僕自身もそういう面があるような気がしたのでね(意識しないで酷いこと言ってそう)、気をつけたいと心から思いました。おしまい。
デジタル盤のサントラでございます。ちょっとほしいかも。
ジョーダン・ピール監督が製作・脚本・主演を務めたコメディ。猫の声はキアヌ・リーヴスだとか。
元ネタと言われるスタンリー・クレイマー監督作。恥ずかしながら未見です (´∀`;) エヘヘ