羊の木
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2018/日本 上映時間126分
監督:吉田大八
原作:山上たつひこ、いがらしみきお
脚本:香川まさひと
製作:長澤修一、太田哲夫、藤島ジュリーK.、中村家久、水野道訓、小佐野保、高橋誠、吉羽治、岩村卓、牧田英之、荒波修
エグゼクティブプロデューサー:豊島雅郎、福田一平
プロデューサー:井手陽子
アソシエイトプロデューサー:青村麻実、橋本竜太
撮影:芦澤明子
照明:永田英則、志村昭裕
美術:安宅紀史
録音:石寺健一
整音:矢野正人
装飾:山本直輝
衣装:小里幸子
ヘアメイク:酒井夢月
編集:佐藤崇
音楽:山口龍夫
主題歌:ニック・ケイブ・アンド・ザ・バッド・シーズ
スクリプター:工藤みずほ
制作担当:坪井力
助監督:甲斐聖太郎
キャスティングプロデューサー:坪井あすみ
ラインプロデューサー:榊田茂樹
アシスタントプロデューサー:中野有香
VFXプロデューサー:小坂一順
VFXスーパーバイザー:白石哲也
音楽プロデューサー:緑川徹、濱野睦美
出演:錦戸亮、木村文乃、北村一輝、優香、市川実日子、水澤紳吾、田中泯、松田龍平、中村有志、安藤玉恵、細田善彦、北見敏之、松尾諭、山口美也子、鈴木晋介、深水三章、川瀬陽太、木原勝利、白神允、中沢青六、村上和成、江原政一、大矢敬典、西山清孝、中野剛、鈴木隆仁、山口尚子、白川朝海、船崎良、渡邉蒼、大智、三宅希空、川上凛子、安藤結埜
パンフレット:★★★★(720円/情報量多めの良いパンフ。プロダクションノートのデザインが好き)
(あらすじ)
寂れた港町・魚深にそれぞれ移住して来た6人の男女。彼らの受け入れを担当することになった市役所職員・月末は、これが過疎問題を解決するために町が身元引受人となって元受刑者を受け入れる、国家の極秘プロジェクトだと知る。月末や町の住人、そして6人にもそれぞれの経歴は明かされなかったが、やがて月末は、6人全員が元殺人犯だという事実を知ってしまう。そんな中、港で起きた死亡事故をきっかけに、町の住人たちと6人の運命が交錯しはじめる。(以上、映画.comより)
予告編はこんな感じ↓
70点
※本作については、すでに宇多丸師匠の見事な時評がアップされているので、そっちを読めばいいじゃない!ヽ(TДT)ノ イイジャナイ!
今までジャニーズ事務所所属タレントのネットNG振りには苛立ちを覚えていたものの、いざ解禁になってみると寂しさを感じる…なんてことはどうでも良いとして。あの吉田大八監督作ということで、まったく興味がなかったワケではないんですが…。他に観たい映画が多い上に、引っ越しで忙しかったし、そもそも「死刑囚を集めるなら孤島で殺し合いをしてほしい派」
なので、スルー予定だったんですけれども。愛聴しているラジオ番組「ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル」(略称:タマフル)の映画時評コーナー「ムービーウォッチメン」の課題映画になったので、いそいそとTOHOシネマズ新宿で鑑賞いたしました。良い映画でしたな ( ´_ゝ`) ヨシヨシ いつも課題映画はタマフル放送前にアップしているのに、今回は引っ越しが忙しすぎて無理だったので、微妙にモチベーションが下がった感想をアッサリ気味に残しておきますね。
7番スクリーン、8割ぐらいの入りだったかと。
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最初にあらすじを雑に書いておくと、舞台は富山県魚津市っぽい魚深市。市役所で働く月末(錦戸亮)は上司から新規転入者6人の受け入れを命じられたので、「良いところですよ。人も良いし、魚も美味い!(o^-')b オススメ!」 なんて言いながら1人1人迎え入れるものの、実は全員、元殺人犯。刑務所の人権削減と地方の過疎化を防ぐための国家プロジェクトとして、「10年の定住を条件に地方自治体が身元引受人になる」ということだったのです。
ということで、メンバー紹介。平凡な役人・月末が迎えるのは…。
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パワハラにキレて上司を殺害した福元(水澤紳吾)。
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プレイがエスカレートして夫を絞殺した太田(優香)。
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寝ている時に一升瓶でDV夫を撲殺した栗本(市川実日子)。
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抗争相手を刺殺した元ヤクザの大野(田中泯)。
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「池袋ゴールデンチャイナ事件」(詳細は不明)という傷害致死事件を起こした杉山。
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そして、過剰防衛で相手を殺してしまった宮腰の6人なのです。
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で、福元は酒癖が悪くて暴れたりしつつも、床屋の主人が元受刑者だったことで受け入れられて。太田は、月末の父親とエロい関係になってしまい、月末から警戒されつつも、「まぁ、許す!m9`Д´) ビシッ」と受け入れられて。大野は、クリーニング店の客たちからは「あの人、前科者なんだって… 川´д)ヒソヒソ(д`し」なんて陰口を叩かれながらも、店長が受け入れてくれて。栗本は、目に付いた“死んだ生き物”の墓を作りつつ、真面目に働いていたら、ボンヤリと受け入れられて。とりあえずこの4人に関しては「社会に馴染めそうですな (´∀`) ヨカッタネー」って感じだったんですけれども。
イヤなおばさん役が多い安藤玉恵さん、今回はイイ役でしたな… (ノω・、) ヨカッタネー
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元殺人犯のうち4人は、なんとなく第2の人生をスタートしてましたよ。
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問題は、宮腰と杉山ですよ。年齢が近いこと、事件の概要が「運悪く相手が死んでしまった」感あふれていたこともあって、月末と宮腰は微妙に仲良くなっていくんですけれども。バンド活動を通じて、片想い続行中の石田と急接近したことを妬んだ月末が、つい元殺人犯だということを石田に伝えてしまい、それによって石田の宮腰への態度が硬化。シカモ、宮腰は未成年のころにも殺人を犯していて、地元の奇祭「のろろ祭」に参加した様子を記事にされる→それを見た被害者遺族がやってくるも返り討ちにする→一部始終を杉山に目撃されちゃったから、さぁ大変!Σ(゚д゚;) タイヘーン!
石田と宮腰が付き合ったことを知り、月末はつい卑劣な行動を取ってしまい…。
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それと同時に、のろろ祭りの記事で宮腰を見つけた犯罪被害者が来訪→殺害されるというね。
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杉山は、スピードワゴンが見たら「こいつはくせえッー!ゲロ以下のにおいがプンプンするぜッーッ!! (`Δ´)」と燭台を蹴り飛ばしそうというか、登場時から「あぁ、この人は更生しそうにないな… (´Д`;)」と多くの観客が諦観に包まれる人物でして。宮腰を強請りながら、魚深市でアンダーグラウンドなビジネス(例:シャブの売買)などを始めようと言いだすんですが、しかし。宮腰は「もうどうにでもな〜れ!ヘ(゚∀゚*)ノ」と、まったく関係のない人(a.k.a.スゲー可哀相な人)を車で轢いてから、杉山を殺害。そんなことをしでかしたとは知らない月末と合流すると、「のろろ祭」の「祭りの日に2人の生け贄が崖からダイブすると、一人は助かり、もう一人は沈んだまま死体が揚がらない」という伝承を無理矢理実行→宮腰が助かった…と見せかけて、巨大なのろろ像が落ちて来て撃沈→月末が助かりまして。最後は、月末と石田がラーメンだなんだと距離が縮まって、終わってたんじゃないかな、たぶん(うろ覚え)。
クライマックスに落下する「のろろ像」の頭部は、魚津市の海の駅蜃気楼駐車場横の広場にて、3月末まで展示されるそうな。
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基本的には「悪・即・斬」派ではあるものの、このブログで何度も「反省させると犯罪者になります」
を紹介していたりと、犯罪者の更生にも興味津々な僕ですよ。監督がインタビューで移民問題を引き合いにされているように、元殺人犯=他者全般のメタファーではあるワケですが、現実社会でのシミュレーションとしてストレートに受け取っても十分面白いなぁと。ごめんなさい、快楽殺人者や性犯罪者とはさすがに相容れないだろうけど(ちなみにアメリカには性犯罪者の村があるそうな)、ガマンにガマンを重ねた結果…みたいな状況って、自分でもあり得ることなワケで。コミュニティに馴染むっぽい4人とは僕も上手く付き合えそうと思ったし、ハッキリ言って、優香さんとセックスできるなら絞め殺されてもノー問題でございます(奥さんに読まれたらアウトな文章)。
本作でエロさが爆発する優香さん。抱いてもらえるなら死んでも良いです(なぜか受け身)。
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で、映画を見終わった後、原作コミック
を読んだら、かなり別物だったから驚いて。原作における元受刑者たちは、“他者”というより“異世界からの使者”的なニュアンスが強くて、土着ホラーっぽい読後感なんですよね。これはこれで面白いんですが、本作は原作のエッセンスを上手く抽出して青春サスペンス的な味わいに変えているから、スゲー感心いたしました。松田龍平さん演じる宮腰を「殺人鬼なんだ!Σ(゚д゚;)」と観客にわからせた上での「それでも友情は成り立つのか?」的な展開とか、結構考えさせられましたよ(絶対無理ですがー)。
序盤の殺人事件もやっぱり宮腰が…なんて思うのも“偏見”なんでしょうか。
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「探偵はBARにいる」
では空手家でしたが、本作の松田さんは寝技使いでしたよ。
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その他、錦戸亮さんを始めとする役者陣は素晴らしかったし(北村一輝さんの“悪い人オーラ”は超厭だった…)、僕は微妙に感じ取れないところですけど、“地方での青春”感も良かったなぁ。一応、「羊の木」というタイトルについて僕なりの解釈を書いておくと、中世ヨーロッパの人は木綿が「羊の成る木(バロメッツ)」という架空の植物から採れると思っていたそうで、要は「おとぎ話のような理想」の象徴であって。罪を犯した人が更生することもまた夢物語かもしれませんが、それでも。市川実日子さんが劇中で拾うあのお皿の絵の中で、羊の実がなっているところと、枯れてしまっているところとありますけども。いくつかは枯れてしまうとしても、どれかは実をなすという、そういう、監督の言葉を借りれば「ある希望の可能性」。その象徴としての「羊の木」、ということだという風に僕は受け取りましたけどね…という、宇多丸師匠のPA-KU-RI!m9`Д´) ダイナシッ
北村一輝さん、「8年越しの花嫁」では善人役だったけど、もともと“こういう役”が得意なのよね。
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可愛いような、不気味なような、不思議なビジュアルですよね。
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印象に残った場面を挙げると、「のろろ祭り」や「クライマックスの崖からのダイブ」もグッときたんですが(サスペンスながらも、青春の高揚感があって良かった!)、何よりもハートを捉えられたのが、宮腰が車で杉山を轢くシーン。その直前に轢かれる人のとばっちり感にも不謹慎ながら笑っちゃったし、あの決して脅迫に屈しない、心が折れない感じがたまらない。社会には、こちらが弱い立場だと思って、偉そうに振る舞う人間がいるじゃないですか。例えば、こちらがサービスでやっていることを当然のように受け止めて、さらに偉そうな要求をしてきたりとか(でも、お金は発生しない)、下請けに責任をチェストパスしてきたりとか…。
本当にね、突発的に暴力を振るいたくなる時があって。腕の1本でも折ったら「そんなつもりじゃなかったんですぅぅぅ…」とか涙を垂れ流しながら(鼻水もブレンドしながら)謝るんだろうな、こいつは。とは言え、こいつもこんな会社にいるから、こんなことを偉そうに言うクズに成り果ててしまっただけで、よくよく考えれば、そんな「弱い者たちが夕暮れ、さらに弱い者を叩く」的な社会に原因があるのかもしれないな…なんて、グダグダ考えるだけで、実際には「はい、喜んで!(o^-')b オマカセアレ!」と媚びた対応しか出来なくて。そんな僕を“小学生のころの僕”が見たら、大人になったと思うのか、いくじなしと思うのか、やるき茶屋の店員と思うのかーー。
ここまで読んだ方の気持ちを代弁する範馬刃牙を貼っておきますね。
![どうだっていいんだ]()
いや、何が書きたいのかって、いつも「自分で強いと思ってるやつに『NO』と断ってやること」をやってみたいものの、僕はまったくできないタイプだから、宮腰のように後先考えずに行動できる男を見ると、社会的には超アウトながらも、「そこにシビれる!あこがれるゥ!」という、JOJO要素が多めの感想文。もちろん何よりも大切な妻子がいる今、僕にそんなことはできないものの、だがしかし! 「飛べ、飛ぶなら、飛ぶとき、飛ぼう!」と強く思う自分は常にいる…って、ごめんなさい、すっかり着地を見失いました (´Д`;) ドウシヨウ
ここまで読んだ方の気持ちを代弁する素敵な曲
を貼っておきますね↓
ううむ、何の役にも立たないアホな感想になっちゃいましたな…。何はともあれ、“罪を償った人”について考えさせられる上に面白いという言うことナシの良い映画なんですが、やっぱり「死刑囚を集めるなら孤島で殺し合いをしてほしい派」
なので70点…という台無しな文章。まぁ、観て損はないので、興味がある人はチェックすると良いザマス。
山上たつひこ先生×いがらしみきお先生による原作コミック。これはこれで面白かったです。
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サントラ。デジタル盤
もあります。ジャケットがカッコイイですな。
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吉田大八監督の前作。僕の感想はこんな感じ。
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10人の死刑囚が孤島で殺し合う映画。面白いかどうかは、キミ次第だ(偉そうに)。
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2018/日本 上映時間126分
監督:吉田大八
原作:山上たつひこ、いがらしみきお
脚本:香川まさひと
製作:長澤修一、太田哲夫、藤島ジュリーK.、中村家久、水野道訓、小佐野保、高橋誠、吉羽治、岩村卓、牧田英之、荒波修
エグゼクティブプロデューサー:豊島雅郎、福田一平
プロデューサー:井手陽子
アソシエイトプロデューサー:青村麻実、橋本竜太
撮影:芦澤明子
照明:永田英則、志村昭裕
美術:安宅紀史
録音:石寺健一
整音:矢野正人
装飾:山本直輝
衣装:小里幸子
ヘアメイク:酒井夢月
編集:佐藤崇
音楽:山口龍夫
主題歌:ニック・ケイブ・アンド・ザ・バッド・シーズ
スクリプター:工藤みずほ
制作担当:坪井力
助監督:甲斐聖太郎
キャスティングプロデューサー:坪井あすみ
ラインプロデューサー:榊田茂樹
アシスタントプロデューサー:中野有香
VFXプロデューサー:小坂一順
VFXスーパーバイザー:白石哲也
音楽プロデューサー:緑川徹、濱野睦美
出演:錦戸亮、木村文乃、北村一輝、優香、市川実日子、水澤紳吾、田中泯、松田龍平、中村有志、安藤玉恵、細田善彦、北見敏之、松尾諭、山口美也子、鈴木晋介、深水三章、川瀬陽太、木原勝利、白神允、中沢青六、村上和成、江原政一、大矢敬典、西山清孝、中野剛、鈴木隆仁、山口尚子、白川朝海、船崎良、渡邉蒼、大智、三宅希空、川上凛子、安藤結埜
パンフレット:★★★★(720円/情報量多めの良いパンフ。プロダクションノートのデザインが好き)
(あらすじ)
寂れた港町・魚深にそれぞれ移住して来た6人の男女。彼らの受け入れを担当することになった市役所職員・月末は、これが過疎問題を解決するために町が身元引受人となって元受刑者を受け入れる、国家の極秘プロジェクトだと知る。月末や町の住人、そして6人にもそれぞれの経歴は明かされなかったが、やがて月末は、6人全員が元殺人犯だという事実を知ってしまう。そんな中、港で起きた死亡事故をきっかけに、町の住人たちと6人の運命が交錯しはじめる。(以上、映画.comより)
予告編はこんな感じ↓
70点
※本作については、すでに宇多丸師匠の見事な時評がアップされているので、そっちを読めばいいじゃない!ヽ(TДT)ノ イイジャナイ!
今までジャニーズ事務所所属タレントのネットNG振りには苛立ちを覚えていたものの、いざ解禁になってみると寂しさを感じる…なんてことはどうでも良いとして。あの吉田大八監督作ということで、まったく興味がなかったワケではないんですが…。他に観たい映画が多い上に、引っ越しで忙しかったし、そもそも「死刑囚を集めるなら孤島で殺し合いをしてほしい派」
7番スクリーン、8割ぐらいの入りだったかと。

最初にあらすじを雑に書いておくと、舞台は富山県魚津市っぽい魚深市。市役所で働く月末(錦戸亮)は上司から新規転入者6人の受け入れを命じられたので、「良いところですよ。人も良いし、魚も美味い!(o^-')b オススメ!」 なんて言いながら1人1人迎え入れるものの、実は全員、元殺人犯。刑務所の人権削減と地方の過疎化を防ぐための国家プロジェクトとして、「10年の定住を条件に地方自治体が身元引受人になる」ということだったのです。
ということで、メンバー紹介。平凡な役人・月末が迎えるのは…。

パワハラにキレて上司を殺害した福元(水澤紳吾)。

プレイがエスカレートして夫を絞殺した太田(優香)。

寝ている時に一升瓶でDV夫を撲殺した栗本(市川実日子)。

抗争相手を刺殺した元ヤクザの大野(田中泯)。

「池袋ゴールデンチャイナ事件」(詳細は不明)という傷害致死事件を起こした杉山。

そして、過剰防衛で相手を殺してしまった宮腰の6人なのです。

で、福元は酒癖が悪くて暴れたりしつつも、床屋の主人が元受刑者だったことで受け入れられて。太田は、月末の父親とエロい関係になってしまい、月末から警戒されつつも、「まぁ、許す!m9`Д´) ビシッ」と受け入れられて。大野は、クリーニング店の客たちからは「あの人、前科者なんだって… 川´д)ヒソヒソ(д`し」なんて陰口を叩かれながらも、店長が受け入れてくれて。栗本は、目に付いた“死んだ生き物”の墓を作りつつ、真面目に働いていたら、ボンヤリと受け入れられて。とりあえずこの4人に関しては「社会に馴染めそうですな (´∀`) ヨカッタネー」って感じだったんですけれども。
イヤなおばさん役が多い安藤玉恵さん、今回はイイ役でしたな… (ノω・、) ヨカッタネー

元殺人犯のうち4人は、なんとなく第2の人生をスタートしてましたよ。

問題は、宮腰と杉山ですよ。年齢が近いこと、事件の概要が「運悪く相手が死んでしまった」感あふれていたこともあって、月末と宮腰は微妙に仲良くなっていくんですけれども。バンド活動を通じて、片想い続行中の石田と急接近したことを妬んだ月末が、つい元殺人犯だということを石田に伝えてしまい、それによって石田の宮腰への態度が硬化。シカモ、宮腰は未成年のころにも殺人を犯していて、地元の奇祭「のろろ祭」に参加した様子を記事にされる→それを見た被害者遺族がやってくるも返り討ちにする→一部始終を杉山に目撃されちゃったから、さぁ大変!Σ(゚д゚;) タイヘーン!
石田と宮腰が付き合ったことを知り、月末はつい卑劣な行動を取ってしまい…。

それと同時に、のろろ祭りの記事で宮腰を見つけた犯罪被害者が来訪→殺害されるというね。

杉山は、スピードワゴンが見たら「こいつはくせえッー!ゲロ以下のにおいがプンプンするぜッーッ!! (`Δ´)」と燭台を蹴り飛ばしそうというか、登場時から「あぁ、この人は更生しそうにないな… (´Д`;)」と多くの観客が諦観に包まれる人物でして。宮腰を強請りながら、魚深市でアンダーグラウンドなビジネス(例:シャブの売買)などを始めようと言いだすんですが、しかし。宮腰は「もうどうにでもな〜れ!ヘ(゚∀゚*)ノ」と、まったく関係のない人(a.k.a.スゲー可哀相な人)を車で轢いてから、杉山を殺害。そんなことをしでかしたとは知らない月末と合流すると、「のろろ祭」の「祭りの日に2人の生け贄が崖からダイブすると、一人は助かり、もう一人は沈んだまま死体が揚がらない」という伝承を無理矢理実行→宮腰が助かった…と見せかけて、巨大なのろろ像が落ちて来て撃沈→月末が助かりまして。最後は、月末と石田がラーメンだなんだと距離が縮まって、終わってたんじゃないかな、たぶん(うろ覚え)。
クライマックスに落下する「のろろ像」の頭部は、魚津市の海の駅蜃気楼駐車場横の広場にて、3月末まで展示されるそうな。

基本的には「悪・即・斬」派ではあるものの、このブログで何度も「反省させると犯罪者になります」
本作でエロさが爆発する優香さん。抱いてもらえるなら死んでも良いです(なぜか受け身)。

で、映画を見終わった後、原作コミック
序盤の殺人事件もやっぱり宮腰が…なんて思うのも“偏見”なんでしょうか。

「探偵はBARにいる」

その他、錦戸亮さんを始めとする役者陣は素晴らしかったし(北村一輝さんの“悪い人オーラ”は超厭だった…)、僕は微妙に感じ取れないところですけど、“地方での青春”感も良かったなぁ。一応、「羊の木」というタイトルについて僕なりの解釈を書いておくと、中世ヨーロッパの人は木綿が「羊の成る木(バロメッツ)」という架空の植物から採れると思っていたそうで、要は「おとぎ話のような理想」の象徴であって。罪を犯した人が更生することもまた夢物語かもしれませんが、それでも。市川実日子さんが劇中で拾うあのお皿の絵の中で、羊の実がなっているところと、枯れてしまっているところとありますけども。いくつかは枯れてしまうとしても、どれかは実をなすという、そういう、監督の言葉を借りれば「ある希望の可能性」。その象徴としての「羊の木」、ということだという風に僕は受け取りましたけどね…という、宇多丸師匠のPA-KU-RI!m9`Д´) ダイナシッ
北村一輝さん、「8年越しの花嫁」では善人役だったけど、もともと“こういう役”が得意なのよね。

可愛いような、不気味なような、不思議なビジュアルですよね。

印象に残った場面を挙げると、「のろろ祭り」や「クライマックスの崖からのダイブ」もグッときたんですが(サスペンスながらも、青春の高揚感があって良かった!)、何よりもハートを捉えられたのが、宮腰が車で杉山を轢くシーン。その直前に轢かれる人のとばっちり感にも不謹慎ながら笑っちゃったし、あの決して脅迫に屈しない、心が折れない感じがたまらない。社会には、こちらが弱い立場だと思って、偉そうに振る舞う人間がいるじゃないですか。例えば、こちらがサービスでやっていることを当然のように受け止めて、さらに偉そうな要求をしてきたりとか(でも、お金は発生しない)、下請けに責任をチェストパスしてきたりとか…。
本当にね、突発的に暴力を振るいたくなる時があって。腕の1本でも折ったら「そんなつもりじゃなかったんですぅぅぅ…」とか涙を垂れ流しながら(鼻水もブレンドしながら)謝るんだろうな、こいつは。とは言え、こいつもこんな会社にいるから、こんなことを偉そうに言うクズに成り果ててしまっただけで、よくよく考えれば、そんな「弱い者たちが夕暮れ、さらに弱い者を叩く」的な社会に原因があるのかもしれないな…なんて、グダグダ考えるだけで、実際には「はい、喜んで!(o^-')b オマカセアレ!」と媚びた対応しか出来なくて。そんな僕を“小学生のころの僕”が見たら、大人になったと思うのか、いくじなしと思うのか、やるき茶屋の店員と思うのかーー。
ここまで読んだ方の気持ちを代弁する範馬刃牙を貼っておきますね。

いや、何が書きたいのかって、いつも「自分で強いと思ってるやつに『NO』と断ってやること」をやってみたいものの、僕はまったくできないタイプだから、宮腰のように後先考えずに行動できる男を見ると、社会的には超アウトながらも、「そこにシビれる!あこがれるゥ!」という、JOJO要素が多めの感想文。もちろん何よりも大切な妻子がいる今、僕にそんなことはできないものの、だがしかし! 「飛べ、飛ぶなら、飛ぶとき、飛ぼう!」と強く思う自分は常にいる…って、ごめんなさい、すっかり着地を見失いました (´Д`;) ドウシヨウ
ここまで読んだ方の気持ちを代弁する素敵な曲
ううむ、何の役にも立たないアホな感想になっちゃいましたな…。何はともあれ、“罪を償った人”について考えさせられる上に面白いという言うことナシの良い映画なんですが、やっぱり「死刑囚を集めるなら孤島で殺し合いをしてほしい派」
山上たつひこ先生×いがらしみきお先生による原作コミック。これはこれで面白かったです。
サントラ。デジタル盤
吉田大八監督の前作。僕の感想はこんな感じ。
10人の死刑囚が孤島で殺し合う映画。面白いかどうかは、キミ次第だ(偉そうに)。