シェイプ・オブ・ウォーター
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原題:The Shape of Water
2017/アメリカ 上映時間124分
監督・製作・原案・脚本:ギレルモ・デル・トロ
製作:J・マイルズ・デイル
脚本:バネッサ・テイラー
撮影:ダン・ローストセン
美術:ポール・オースタベリー
衣装:ルイス・セケイラ
編集:シドニー・ウォリンスキー
音楽:アレクサンドル・デスプラ
視覚効果監修:デニス・ベラルディ
出演:サリー・ホーキンス、マイケル・シャノン、リチャード・ジェンキンス、ダグ・ジョーンズ、マイケル・スタールバーグ、オクタビア・スペンサー、デビッド・ヒューレット、ニック・サーシー、ナイジェル・ベネット、ローレン・リー・スミス、マーティン・ローチ、モーガン・ケリー
パンフレット:★★★★☆(820円/監督インタビューや町山智浩さんのコラムなど、情報が充実してて、作品の補完に最適!)
(あらすじ)
1962年、冷戦下のアメリカ。政府の極秘研究所で清掃員として働く女性イライザは、研究所内に密かに運び込まれた不思議な生き物を目撃する。イライザはアマゾンで神のように崇拝されていたという“彼”にすっかり心を奪われ、こっそり会いに行くように。幼少期のトラウマで声が出せないイライザだったが、“彼”とのコミュニケーションに言葉は不要で、2人は少しずつ心を通わせていく。そんな矢先、イライザは“彼”が実験の犠牲になることを知る。(以上、映画.comより)
予告編はこんな感じ↓
90点
※本作については、尊敬する映画評論家の町山智浩さんの「たまむすび」での紹介を読んでから「映画ムダ話」(216円)を聞けば間違いないので、要チェックだぞ!m9`Д´) ビシッ
※今回の感想は、グロい動画が貼ってあるので、気をつけて!
僕にとってギレルモ・デル・トロ監督は「パンズ・ラビリンス」
と「パシフィック・リム」
という“100点の映画を2本撮った男”であり、そりゃあ前評判が良い本作も観る気マンマンということで、「2018年に絶対観たい新作映画10本」の1本に選びつつ、前売り券も購入。ちょうど愛聴しているラジオ番組「ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル」の映画時評コーナー「ムービーウォッチメン」の課題映画になったので、元ネタといわれる「大アマゾンの半魚人」
を観てから、TOHOシネマズ新宿に足を運んできました。「優しい映画ダナー (´∀`=) ホッコリ」と思ったり。
メイキングも面白くて、実に良い買い物でした。
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7番スクリーン、アカデミー賞効果なのか、平日の昼間なのに8割は埋まってましたよ。
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あらすじを雑かつ適当に書いておくと、舞台は1962年のアメリカ。発話障害者のイライザ(サリー・ホーキンス)は政府の極秘機関「航空宇宙研究センター」で清掃員として働いていたら、研究所で「不思議な生きもの」(a.k.a.半魚人)と出会いまして。ゆで卵をあげたり、音楽を聞かせたりと交流していたら、彼が解剖されることになったので、隣人で親友の画家ジャイルズ(リチャード・ジェンキンス)と救出作戦を実行。ロシアのスパイだったホフステトラー博士(マイケル・スタールバーグ)の助けも借りて、見事救出すると、2人で愛を育みましてね…(しみじみ)。“彼”を逃がそうとする雨の日、研究所を管理するストリックランド(マイケル・シャノン)に居場所を突き止められて、港で銃撃されるも、“彼”が鋭利なツメで首を切り裂いて倒すと、瀕死のイライザと海中に潜って、2人は水中でハッピーエンド…ってな調子(現実かジャイルズの妄想かは不明)。
2人はこんな風に出会いまして。
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研究所を脱出させてからはラブラブになりましてね。
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最後はこんな感じで終わってました。
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まぁ、本作の「あそこの描写はこういう意味だッ!m9`Д´) ビシッ」的なことは、怪獣LOVEな映画評論家の町山智浩さんの「映画ムダ話」(216円)を聴けば十分なので、そちらをチェックしていただくとして(「本作は『大アマゾンの半魚人』
と続編の『半魚人の逆襲』
を足したもの」とか「ラスト、撃たれた”彼”の復活はイエス・キリストをなぞっている→だからストリックランドは『神だったのか!』と言う」とか「ラゴンも音楽好き」とかかゆいところに手が届く感じ)。僕は1ミリの思い入れもないものの、いわゆる「怪獣好き」とされる人たちの間で「大アマゾンの半魚人」
が特別な作品ということぐらいは知ってましてね。本作に登場する「不思議な生きもの」を観て真っ先に連想するのは、同監督による「ヘルボーイ」
のエイブ・サピエンであり、続編の「ゴールデン・アーミー」
では半魚人とエルフの悲恋を描いていたなぁなんて思い出したりもして(演じているのは同じくダグ・ジョーンズ)。もうね、「デル・トロ監督ったら、半魚人が大好きなんだな (´∀`=) アラアラ」とその“強い愛”を思うだけで、心がホッコリするというかさ。パンフで監督自身も語っていましたが、監督が「大アマゾンの半魚人」で不遇な末路を迎える半魚人に幸せな物語をあげたかったことが、映画を観ているだけでビンビン伝わってきて、2人が結ばれるラストは泣いちゃいましたね… (ノω・、) ヨカッタネー
「大アマゾンの半魚人」の元祖半魚人はこんなビジュアルでして。
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「シェイプ・オブ・ウォーター」の“彼”は、少し知的で神々しいムードも漂ってましてね。
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「ヘルボーイ」のエイブはもっとスッキリしております。
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ちなみにウルトラシリーズに出てくる海底原人ラゴンはこんな感じ。
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さすがに別物だけど、「超神ビビューン」のバシャーンも貼っておきますね。
![バシャーン!]()
それに加えて、発話障害者のイライザやゲイのジャイルズ、黒人の清掃員ゼルダ(オクタビア・スペンサー)などのマイノリティたち(痛みを知っている人々)が活躍して、敵となるのが男社会のプレッシャーで暴走するマッチョな中間管理職のストリックランドというのも、現代の社会状況を反映する「今の時代の物語」になっていて上手いなぁと。半魚人役のダグ・ジョーンズは相変わらず100点だし、音楽や美術関係も素晴らしいし…。アカデミー賞で監督賞や作品賞などを見事受賞できて、良かったなぁと。本当にね、文句ナシの名作だと思ったり。
マイケル・シャノン演じるストリックランド。暴走する人間こそが怪物なのです。
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とは言え、僕も最近までは「魚って、切り身の状態で泳いでいるんじゃないの? (゚⊿゚)」と思ってたレベルの現代っ子ですよ(45歳の文章)、ラブシーンの数々を素敵だと感じながらも、ごめんなさい、「ヌルヌルしてそう」とか「生臭そう」とか「あの人、歯を磨いてないよね?」とか、どことなく冷めて観る自分もいた…という台無しな感想。それと、なんて言うんですかね、デル・トロ監督や町山智浩さんに限らず、例えば名著「怪獣使いと少年 ウルトラマンの作家たち」
を書いた切通理作先生とか、「怪獣に思い入れを持つ人」って本当に目線が優しくて尊敬しているんですけど…。僕は幼いころに「ウルトラマンレオ」で宇宙人や怪獣に触れた男なので、どうしても通り魔的なイメージの方が強くて。すぐモンスターを「殺るか殺られるか」という目線で観てしまうんですよね… (´・ω・`) ウーン
「レオ」で一番ショッキングだったのが、“奇怪宇宙人”ツルク星人でして。
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この通り魔全開な所業を見て! 子ども番組なのに非道すぎるYO!(´Д`;) イヤーン
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巨大化するとなぜか怪獣っぽくなるのも信用できなかったというね。
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だから、できればもっと半魚人に人間どもを血祭りにあげてほしかったし、両者のバトルを展開してほしかった。「オレサマオマエマルカジリ!」ライクに暴力装置と化すダグ・ジョーンズが観たかった…って、誰からも共感を得られなさそうですな (´∀`;) スミマセン つーか、本作に登場する「不思議な生きもの」を観て真っ先に連想するのは、同監督による「ヘルボーイ」
のエイブ・サピエンであり(2回目)、そりゃあ「シェイプ・オブ・ウォーター」のような“美しい大人のおとぎ話”も良いですけど、僕的には「ヘルボーイ」の3作目が観たい…3作目が観たいんですYO!ヽ(TДT)ノ ウワァァァン! 残念ながら「続編は100%ない」なんてことになったようですが、ちくしょう、こうなったら原作者のマイク・ミニョーラの弱みを握って…(犯罪の臭いがする文章)。
「ゴールデン・アーミー」
の続編が作られないなんて、世の中、どうなってんだよ!
って、ワケのわからない文章を書いてすみません(汗)。その他、「仲良しの黒人清掃員がオクタビア・スペンサーという直球な配役」とか「半魚人とセックスした告白をまったく引かずに聞けるゼルダの胆力」とか「猫を食べたことを反省する“彼”が可愛かった」とか「マイケル・シャノンのタフガイ役は相変わらず怖いな… (`Δ´;)」とか「リチャード・ジェンキンス、『キャビン』
でも相棒が半魚人にこだわってたね」とか「本作の“水棲人間描写”を観て、『アクアマン』のハードルが微妙に上がった」とかとか、思うところはありますが、時間がないので割愛! 周辺情報も含めて「優しい映画ダナー (´∀`=) ホッコリ」と思ってね、とても温かい気持ちになりましたよ。まぁ、「サリー・ホーキンスの自慰」や「ちぎれた指」、「新鮮な猫の首なし死体」など、家族で観ると微妙に空気が固まりそうなシーンも入っていますけど、スゲー良い映画なのは間違いないので、興味がある方は観に行くと良いですぞ。
かなりほしいサントラ。デジタル盤
や輸入盤
もあります。
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小説版。ストリックランドの奥さんの話とか盛り込まれているそうな。
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メイキング本。ちょっとほしいけど、金はなし。
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一番好きなデル・トロ監督作はやっぱりこれ。本作と結構似てますよね。
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元ネタになったジャック・アーノルド監督作。「半魚人の逆襲」
も買おうかな…。
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類似が指摘されている1961年のソ連映画。ちょっと興味あります。
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リチャード・ジェンキンスが出ているホラー映画。未見の方は観ておくと良いです。
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原題:The Shape of Water
2017/アメリカ 上映時間124分
監督・製作・原案・脚本:ギレルモ・デル・トロ
製作:J・マイルズ・デイル
脚本:バネッサ・テイラー
撮影:ダン・ローストセン
美術:ポール・オースタベリー
衣装:ルイス・セケイラ
編集:シドニー・ウォリンスキー
音楽:アレクサンドル・デスプラ
視覚効果監修:デニス・ベラルディ
出演:サリー・ホーキンス、マイケル・シャノン、リチャード・ジェンキンス、ダグ・ジョーンズ、マイケル・スタールバーグ、オクタビア・スペンサー、デビッド・ヒューレット、ニック・サーシー、ナイジェル・ベネット、ローレン・リー・スミス、マーティン・ローチ、モーガン・ケリー
パンフレット:★★★★☆(820円/監督インタビューや町山智浩さんのコラムなど、情報が充実してて、作品の補完に最適!)
(あらすじ)
1962年、冷戦下のアメリカ。政府の極秘研究所で清掃員として働く女性イライザは、研究所内に密かに運び込まれた不思議な生き物を目撃する。イライザはアマゾンで神のように崇拝されていたという“彼”にすっかり心を奪われ、こっそり会いに行くように。幼少期のトラウマで声が出せないイライザだったが、“彼”とのコミュニケーションに言葉は不要で、2人は少しずつ心を通わせていく。そんな矢先、イライザは“彼”が実験の犠牲になることを知る。(以上、映画.comより)
予告編はこんな感じ↓
90点
※本作については、尊敬する映画評論家の町山智浩さんの「たまむすび」での紹介を読んでから「映画ムダ話」(216円)を聞けば間違いないので、要チェックだぞ!m9`Д´) ビシッ
※今回の感想は、グロい動画が貼ってあるので、気をつけて!
僕にとってギレルモ・デル・トロ監督は「パンズ・ラビリンス」
メイキングも面白くて、実に良い買い物でした。

7番スクリーン、アカデミー賞効果なのか、平日の昼間なのに8割は埋まってましたよ。

あらすじを雑かつ適当に書いておくと、舞台は1962年のアメリカ。発話障害者のイライザ(サリー・ホーキンス)は政府の極秘機関「航空宇宙研究センター」で清掃員として働いていたら、研究所で「不思議な生きもの」(a.k.a.半魚人)と出会いまして。ゆで卵をあげたり、音楽を聞かせたりと交流していたら、彼が解剖されることになったので、隣人で親友の画家ジャイルズ(リチャード・ジェンキンス)と救出作戦を実行。ロシアのスパイだったホフステトラー博士(マイケル・スタールバーグ)の助けも借りて、見事救出すると、2人で愛を育みましてね…(しみじみ)。“彼”を逃がそうとする雨の日、研究所を管理するストリックランド(マイケル・シャノン)に居場所を突き止められて、港で銃撃されるも、“彼”が鋭利なツメで首を切り裂いて倒すと、瀕死のイライザと海中に潜って、2人は水中でハッピーエンド…ってな調子(現実かジャイルズの妄想かは不明)。
2人はこんな風に出会いまして。

研究所を脱出させてからはラブラブになりましてね。

最後はこんな感じで終わってました。

まぁ、本作の「あそこの描写はこういう意味だッ!m9`Д´) ビシッ」的なことは、怪獣LOVEな映画評論家の町山智浩さんの「映画ムダ話」(216円)を聴けば十分なので、そちらをチェックしていただくとして(「本作は『大アマゾンの半魚人』
「大アマゾンの半魚人」の元祖半魚人はこんなビジュアルでして。

「シェイプ・オブ・ウォーター」の“彼”は、少し知的で神々しいムードも漂ってましてね。

「ヘルボーイ」のエイブはもっとスッキリしております。

ちなみにウルトラシリーズに出てくる海底原人ラゴンはこんな感じ。

さすがに別物だけど、「超神ビビューン」のバシャーンも貼っておきますね。

それに加えて、発話障害者のイライザやゲイのジャイルズ、黒人の清掃員ゼルダ(オクタビア・スペンサー)などのマイノリティたち(痛みを知っている人々)が活躍して、敵となるのが男社会のプレッシャーで暴走するマッチョな中間管理職のストリックランドというのも、現代の社会状況を反映する「今の時代の物語」になっていて上手いなぁと。半魚人役のダグ・ジョーンズは相変わらず100点だし、音楽や美術関係も素晴らしいし…。アカデミー賞で監督賞や作品賞などを見事受賞できて、良かったなぁと。本当にね、文句ナシの名作だと思ったり。
マイケル・シャノン演じるストリックランド。暴走する人間こそが怪物なのです。

とは言え、僕も最近までは「魚って、切り身の状態で泳いでいるんじゃないの? (゚⊿゚)」と思ってたレベルの現代っ子ですよ(45歳の文章)、ラブシーンの数々を素敵だと感じながらも、ごめんなさい、「ヌルヌルしてそう」とか「生臭そう」とか「あの人、歯を磨いてないよね?」とか、どことなく冷めて観る自分もいた…という台無しな感想。それと、なんて言うんですかね、デル・トロ監督や町山智浩さんに限らず、例えば名著「怪獣使いと少年 ウルトラマンの作家たち」
「レオ」で一番ショッキングだったのが、“奇怪宇宙人”ツルク星人でして。

この通り魔全開な所業を見て! 子ども番組なのに非道すぎるYO!(´Д`;) イヤーン

巨大化するとなぜか怪獣っぽくなるのも信用できなかったというね。

だから、できればもっと半魚人に人間どもを血祭りにあげてほしかったし、両者のバトルを展開してほしかった。「オレサマオマエマルカジリ!」ライクに暴力装置と化すダグ・ジョーンズが観たかった…って、誰からも共感を得られなさそうですな (´∀`;) スミマセン つーか、本作に登場する「不思議な生きもの」を観て真っ先に連想するのは、同監督による「ヘルボーイ」
「ゴールデン・アーミー」
って、ワケのわからない文章を書いてすみません(汗)。その他、「仲良しの黒人清掃員がオクタビア・スペンサーという直球な配役」とか「半魚人とセックスした告白をまったく引かずに聞けるゼルダの胆力」とか「猫を食べたことを反省する“彼”が可愛かった」とか「マイケル・シャノンのタフガイ役は相変わらず怖いな… (`Δ´;)」とか「リチャード・ジェンキンス、『キャビン』
かなりほしいサントラ。デジタル盤
小説版。ストリックランドの奥さんの話とか盛り込まれているそうな。
メイキング本。ちょっとほしいけど、金はなし。
一番好きなデル・トロ監督作はやっぱりこれ。本作と結構似てますよね。
元ネタになったジャック・アーノルド監督作。「半魚人の逆襲」
類似が指摘されている1961年のソ連映画。ちょっと興味あります。
リチャード・ジェンキンスが出ているホラー映画。未見の方は観ておくと良いです。