※今回の感想は、本作が好きな人は高確率で不愉快になると思うので、読まない方が良いです。
リメンバー・ミー(字幕版)
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原題:Coco
2017/アメリカ 上映時間105分
監督・原案:リー・アンクリッチ
共同監督:エイドリアン・モリーナ
製作:ダーラ・K・アンダーソン
製作総指揮:ジョン・ラセター
原案:ジェイソン・カッツ、マシュー・オルドリッチ、エイドリアン・モリーナ
脚本:エイドリアン・モリーナ、マシュー・オルドリッチ
編集:スティーブ・ブルーム
歌曲:クリステン・アンダーソン=ロペス、ロバート・ロペス、ジャーメイン・フランコ、エイドリアン・モリーナ
音楽:マイケル・ジアッキノ
日本版エンドソング:シシド・カフカ、東京スカパラダイスオーケストラ
声の出演:アンソニー・ゴンサレス、ガエル・ガルシア・ベルナル、ベンジャミン・ブラット、アランナ・ウバック、レニー・ビクター、ジェイミー・カミル、アナ・オフェリア・ムルギア、ナタリア・コルドバ=バックリー、ソフィア・エスピノーサ、アルフォンソ・アラウ、ガブリエル・イグレシアス、エドワード・ジェームズ・オルモス、ロンバルド・ボイアー、ダイアナ・オルテッリ、ブランカ・アラセリ、チーチ・マリン、ルイス・バルデス、ジョン・ラッツェンバーガー
声の出演(日本語版):藤木直人、松雪泰子、橋本さとし、石橋陽彩、横山だいすけ、渡辺直美、大方斐紗子、大抜卓人、カイミ、シシド・カフカ、鈴木拡樹、高柳明音、多田野曜平、立木文彦、チョー、恒松あゆみ、寺田ちひろ、茂木欣一、安野希世乃
パンフレット:★★★☆(720円/関係者のインタビュー多めの素敵なパンフ)
(あらすじ)
天才的なギターの才能を持つ少年ミゲルはミュージシャンを夢見ているが、過去の悲しい出来事が原因で、彼の一族には音楽禁止の掟が定められていた。ある日ミゲルは、憧れの伝説的ミュージシャン、デラクルスの霊廟に飾られていたギターを手にしたことをきっかけに、まるでテーマパークのように楽しく美しい「死者の国」へと迷いこんでしまう。ミゲルはそこで出会った陽気で孤独なガイコツのヘクターに協力してもらい、元の世界へ戻る方法を探るが……。(以上、映画.comより)
予告編はこんな感じ↓
50点
※本作が好きな人は、そーす太郎さんのブログやはちごろうさんの感想を読むと良いんじゃないかな。
※今回の記事は、「マッドマックス 怒りのデス・ロード」
のネタバレに触れているので、気をつけて!
ディズニー×ピクサーは映画業界における「信頼のブランド」になっており、一応、「2018年3月公開で観たい映画の覚え書き」で「○」を付けながらも、あまり観る気が起きなかったのは、「ジョン・ラセターが立場を利用してセクハラをするクズ野郎だったから」というワケではなく。最近は、もうこの手の“クオリティの高い良さげな作品”を観るよりも「ジョン・ウーが撮ったどうかしている映画」などを優先して生きて行こうと思っているので、スルーするところだったんですが、しかし。愛聴しているラジオ番組「ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル」の映画時評コーナー「ムービーウォッチメン」の“最後の課題映画”になったのでね、「付き合いますか ( ´_ゝ`)」と。日曜日、新宿ピカデリーで「あなたの旅立ち、綴ります」を観てから、同時上映の「アナと雪の女王 家族の思い出」と続けて鑑賞しました。合わなかったです (・ε・) ウーン
「あなたの旅立ち、綴ります」と連続で5番スクリーン。満席でしたよ。
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お話を雑に書くと、「主人公ミゲルは、頭の固いOut of Baseなババアから反対されていた音楽をやるために、伝説の歌手デラクルス(故人)のギターを弾いてみたら“死者の国”へ→あーだこーだと揉めた結果、胡散臭いダメ骸骨だと思っていたヘクターが“自分の曾々祖父”であって、デラクルスが曲を奪うために彼を殺害していたことが判明→一族総出で暴露して、デラクルスの権威が失墜→現世に戻ったミゲルが死にかけていた曾祖母ココの前でヘクター(a.k.a.ココの父親)が作った『消臭力』『リメンバー・ミー』を歌うと、痴呆症から復活!→ミゲルは音楽活動が許される&ヘクターは名誉が回復して、ハッピーエンド」ってな調子。ハッキリ言って、メキシコを舞台にして「死者の日」などの文化を描く姿勢、そしてそのクオリティの高さは文句ナシだし、音楽シーンの数々も見事としか言いようがなくて。特にヘクターがココに「リメンバー・ミー」を捧げた父娘描写&ミゲルの歌唱シーンは「ジャージー・ボーイズ」
の「君の瞳に恋してる」が重なってスゲー泣いたし、基本的には良い映画なんじゃないかなって思っているんですよ、マジで。
エル・サントが出てきたのもうれしかったです(「プロレススーパースター列伝」
より)。つーか、映画出演とかデラクルスも少し参考にした様子。
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「ジャージー・ボーイズ」
の「君の瞳に恋してる」を貼っておきますね↓
ただ、僕がこの世界でトップクラスに嫌いなのが「親もしくは親族が勝手に押しつけてくるもの」でして。もちろんいろいろな家庭の事情がありますし、何らかのメタファーなんでしょうけど、本作の「曾々祖母イメルダによる音楽禁止の掟」はあまりにもバカバカしすぎて乗れなかったんですよね…。物語展開のための設定にしか見えないというかさ。ババアはまだ百歩譲るとしても、ミゲルの両親とか「いい年して自分の頭で判断できないの?」って(まだ「ババアの目が届かないところで、母親だけは認めてくれている」とかさぁ)。もうね、ババアがミゲルのギターを破壊する場面とか、完全な虐待だと思ってスゲー激怒したし、ジェフ・ジャレットみたいで懐かしかった…って、なんだそりゃ ( ゚д゚)、ペッ
ということで、ジェフ・ジャレットの動画を貼っておきますね↓ これなら良し!(何が?)
つーか、すべてが「ミゲルが『リメンバー・ミー』を歌うクライマックス」のためのお膳立てにしか見えなくて。こういう「家族に何かを禁止されている話」って、親子やまだ祖父&祖母ぐらいに禁じられるなら飲み込めなくもないけど、曾々祖母なんて遠い存在が決めた合理性ゼロの掟に盲目的に従うって、どんだけバカ揃いの一族なんだと。要は、「忘れられることが本当の死」という展開を終盤でドラマチックに描くには、ヘクターを曾々祖父ぐらいの過去の人にしないと「生者の誰かが覚えている」だろうから、「曾々祖母が音楽を禁止→子孫が未だに守っている」なんて不自然極まりない設定にしたんじゃないですかね(だって「プロを目指すこと」じゃなくて「音楽」自体が禁止ですよ?)。申し訳ないんですが、「イメルダが死んだ時点で娘のココが解禁しろよ(手紙を大事に持っていたくせに!)」とか、文句が次々と出てくるありさまであり、本当に不愉快でしたね。
例えば、僕が大好きな漫画「虹色ラーメン」
でも家庭をないがしろにする夫が登場。
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あっさりと家族よりラーメンを選んじゃいましてね。当然ながら母親はラーメン嫌いになって。
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息子をラーメンから遠ざけるワケです。こういうのって、親子ぐらいだとまだわからないでもない。
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それ以外でも、例えばアレブリヘの扱いも製作者の胸先三寸でしかなくて。終盤、デラクルスのところに乗り込む際、戦闘力的に相当頼りになるイメルダのアレブリヘ「ペピータ」が参戦しないから、使用制限があるのかと思ったら、ミゲルが落下する時にタイミング良く現れてさぁ…。僕はもっと「ふふっ、私のアレブリヘに勝てるかな?( ̄ー ̄) ニヤッ」みたいな使役バトルが繰り広げられるのかと期待してたので、終盤のご都合的な扱いはマジでゲンナリいたしました。その他、「そもそも死後の世界では自分の死因が明らかにならないの?(あんなにシステマチックな世界なのに!)」とか、些末なところが気になって、どうしようもなくて。クライマックスの「リメンバー・ミー」には、そりゃあ感動したけどさ、僕的には「マッドマックス 怒りのデス・ロード」
のフュリオサによる「リメンバー・ミー!? (`Δ´;) ブッコロス!」を何度も観ますよって話。
唐突ですが、100点の映画「マッドマックス 怒りのデス・ロード」
の名場面を貼っておきますね。
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「デラクルスがヘクターの曲を奪ってた云々の展開は松江哲明監督と加賀賢三さんの『童貞をプロデュース。』を巡る騒動を連想した」なんてことは置いとくとして。まぁ、何はともあれ、僕には合わない映画でしたヨ (・ε・) ウーン とは言え、世間の評判はすこぶる良いし、所詮は「エンド・オブ・キングダム」に92点を付けるようなブログなのでね(苦笑)、興味がある方は気にせずに劇場へ足を運んでいただけると幸いです。おしまい。
国内盤のサントラ。デジタル盤
や輸入盤
もあるザンス。
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公式アートブック。映画の世界観が好きな方はどうぞ。
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本作のサイドストーリーを描いた絵本。ミゲルが音楽と出会うまでを描いているそうな。
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リー・アンクリッチ監督作。僕の感想はこんな感じ。
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リメンバー・ミー(字幕版)

原題:Coco
2017/アメリカ 上映時間105分
監督・原案:リー・アンクリッチ
共同監督:エイドリアン・モリーナ
製作:ダーラ・K・アンダーソン
製作総指揮:ジョン・ラセター
原案:ジェイソン・カッツ、マシュー・オルドリッチ、エイドリアン・モリーナ
脚本:エイドリアン・モリーナ、マシュー・オルドリッチ
編集:スティーブ・ブルーム
歌曲:クリステン・アンダーソン=ロペス、ロバート・ロペス、ジャーメイン・フランコ、エイドリアン・モリーナ
音楽:マイケル・ジアッキノ
日本版エンドソング:シシド・カフカ、東京スカパラダイスオーケストラ
声の出演:アンソニー・ゴンサレス、ガエル・ガルシア・ベルナル、ベンジャミン・ブラット、アランナ・ウバック、レニー・ビクター、ジェイミー・カミル、アナ・オフェリア・ムルギア、ナタリア・コルドバ=バックリー、ソフィア・エスピノーサ、アルフォンソ・アラウ、ガブリエル・イグレシアス、エドワード・ジェームズ・オルモス、ロンバルド・ボイアー、ダイアナ・オルテッリ、ブランカ・アラセリ、チーチ・マリン、ルイス・バルデス、ジョン・ラッツェンバーガー
声の出演(日本語版):藤木直人、松雪泰子、橋本さとし、石橋陽彩、横山だいすけ、渡辺直美、大方斐紗子、大抜卓人、カイミ、シシド・カフカ、鈴木拡樹、高柳明音、多田野曜平、立木文彦、チョー、恒松あゆみ、寺田ちひろ、茂木欣一、安野希世乃
パンフレット:★★★☆(720円/関係者のインタビュー多めの素敵なパンフ)
(あらすじ)
天才的なギターの才能を持つ少年ミゲルはミュージシャンを夢見ているが、過去の悲しい出来事が原因で、彼の一族には音楽禁止の掟が定められていた。ある日ミゲルは、憧れの伝説的ミュージシャン、デラクルスの霊廟に飾られていたギターを手にしたことをきっかけに、まるでテーマパークのように楽しく美しい「死者の国」へと迷いこんでしまう。ミゲルはそこで出会った陽気で孤独なガイコツのヘクターに協力してもらい、元の世界へ戻る方法を探るが……。(以上、映画.comより)
予告編はこんな感じ↓
50点
※本作が好きな人は、そーす太郎さんのブログやはちごろうさんの感想を読むと良いんじゃないかな。
※今回の記事は、「マッドマックス 怒りのデス・ロード」
ディズニー×ピクサーは映画業界における「信頼のブランド」になっており、一応、「2018年3月公開で観たい映画の覚え書き」で「○」を付けながらも、あまり観る気が起きなかったのは、「ジョン・ラセターが立場を利用してセクハラをするクズ野郎だったから」というワケではなく。最近は、もうこの手の“クオリティの高い良さげな作品”を観るよりも「ジョン・ウーが撮ったどうかしている映画」などを優先して生きて行こうと思っているので、スルーするところだったんですが、しかし。愛聴しているラジオ番組「ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル」の映画時評コーナー「ムービーウォッチメン」の“最後の課題映画”になったのでね、「付き合いますか ( ´_ゝ`)」と。日曜日、新宿ピカデリーで「あなたの旅立ち、綴ります」を観てから、同時上映の「アナと雪の女王 家族の思い出」と続けて鑑賞しました。合わなかったです (・ε・) ウーン
「あなたの旅立ち、綴ります」と連続で5番スクリーン。満席でしたよ。

お話を雑に書くと、「主人公ミゲルは、頭の固いOut of Baseなババアから反対されていた音楽をやるために、伝説の歌手デラクルス(故人)のギターを弾いてみたら“死者の国”へ→あーだこーだと揉めた結果、胡散臭いダメ骸骨だと思っていたヘクターが“自分の曾々祖父”であって、デラクルスが曲を奪うために彼を殺害していたことが判明→一族総出で暴露して、デラクルスの権威が失墜→現世に戻ったミゲルが死にかけていた曾祖母ココの前でヘクター(a.k.a.ココの父親)が作った
エル・サントが出てきたのもうれしかったです(「プロレススーパースター列伝」

「ジャージー・ボーイズ」
ただ、僕がこの世界でトップクラスに嫌いなのが「親もしくは親族が勝手に押しつけてくるもの」でして。もちろんいろいろな家庭の事情がありますし、何らかのメタファーなんでしょうけど、本作の「曾々祖母イメルダによる音楽禁止の掟」はあまりにもバカバカしすぎて乗れなかったんですよね…。物語展開のための設定にしか見えないというかさ。ババアはまだ百歩譲るとしても、ミゲルの両親とか「いい年して自分の頭で判断できないの?」って(まだ「ババアの目が届かないところで、母親だけは認めてくれている」とかさぁ)。もうね、ババアがミゲルのギターを破壊する場面とか、完全な虐待だと思ってスゲー激怒したし、ジェフ・ジャレットみたいで懐かしかった…って、なんだそりゃ ( ゚д゚)、ペッ
ということで、ジェフ・ジャレットの動画を貼っておきますね↓ これなら良し!(何が?)
つーか、すべてが「ミゲルが『リメンバー・ミー』を歌うクライマックス」のためのお膳立てにしか見えなくて。こういう「家族に何かを禁止されている話」って、親子やまだ祖父&祖母ぐらいに禁じられるなら飲み込めなくもないけど、曾々祖母なんて遠い存在が決めた合理性ゼロの掟に盲目的に従うって、どんだけバカ揃いの一族なんだと。要は、「忘れられることが本当の死」という展開を終盤でドラマチックに描くには、ヘクターを曾々祖父ぐらいの過去の人にしないと「生者の誰かが覚えている」だろうから、「曾々祖母が音楽を禁止→子孫が未だに守っている」なんて不自然極まりない設定にしたんじゃないですかね(だって「プロを目指すこと」じゃなくて「音楽」自体が禁止ですよ?)。申し訳ないんですが、「イメルダが死んだ時点で娘のココが解禁しろよ(手紙を大事に持っていたくせに!)」とか、文句が次々と出てくるありさまであり、本当に不愉快でしたね。
例えば、僕が大好きな漫画「虹色ラーメン」

あっさりと家族よりラーメンを選んじゃいましてね。当然ながら母親はラーメン嫌いになって。

息子をラーメンから遠ざけるワケです。こういうのって、親子ぐらいだとまだわからないでもない。

それ以外でも、例えばアレブリヘの扱いも製作者の胸先三寸でしかなくて。終盤、デラクルスのところに乗り込む際、戦闘力的に相当頼りになるイメルダのアレブリヘ「ペピータ」が参戦しないから、使用制限があるのかと思ったら、ミゲルが落下する時にタイミング良く現れてさぁ…。僕はもっと「ふふっ、私のアレブリヘに勝てるかな?( ̄ー ̄) ニヤッ」みたいな使役バトルが繰り広げられるのかと期待してたので、終盤のご都合的な扱いはマジでゲンナリいたしました。その他、「そもそも死後の世界では自分の死因が明らかにならないの?(あんなにシステマチックな世界なのに!)」とか、些末なところが気になって、どうしようもなくて。クライマックスの「リメンバー・ミー」には、そりゃあ感動したけどさ、僕的には「マッドマックス 怒りのデス・ロード」
唐突ですが、100点の映画「マッドマックス 怒りのデス・ロード」

「デラクルスがヘクターの曲を奪ってた云々の展開は松江哲明監督と加賀賢三さんの『童貞をプロデュース。』を巡る騒動を連想した」なんてことは置いとくとして。まぁ、何はともあれ、僕には合わない映画でしたヨ (・ε・) ウーン とは言え、世間の評判はすこぶる良いし、所詮は「エンド・オブ・キングダム」に92点を付けるようなブログなのでね(苦笑)、興味がある方は気にせずに劇場へ足を運んでいただけると幸いです。おしまい。
国内盤のサントラ。デジタル盤
公式アートブック。映画の世界観が好きな方はどうぞ。
本作のサイドストーリーを描いた絵本。ミゲルが音楽と出会うまでを描いているそうな。
リー・アンクリッチ監督作。僕の感想はこんな感じ。