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リビング ザ ゲーム(ネタバレ)

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リビング ザ ゲーム



原題:Living the Game
2018/日本、台湾 上映時間88分
監督:合津貴雄
製作:田嶋敦、中嶋雷太、ルビー・チェン
カメラ:宮川公一郎
編集:ハーバート・ハンガー
音楽:ビルガー・クラウゼン
制作:佐々木伸之
出演:ももち、梅原大吾、チョコブランカ、ゲーマービー、ジャスティン・ウォン、ルフィ
パンフレット:★★★★★(700円/有識者3人のコラムは勉強になるし、年表などが付いているのも良いし、映画の「採録」もありがたい。マストバイ!m9`Д´) ビシッ)
(解説)
テレビゲームの大会に参加するプロゲーマーたちに密着したドキュメンタリー。1991年に登場した日本発の対戦型格闘ゲーム「ストリートファイターII」を契機に、2000年代に入り世界各地で開催されるようになった大規模なゲーム大会。そんな中、ゲーム関連企業などをスポンサーにつけ、人前でゲームプレイを見せることを生業とするプロゲーマーたちが登場。ゲーム大会を転戦し、世界各地を駆けめぐり賞金を獲得する彼らの試合は会場の観客だけでなく、ネット中継で観戦する世界中のゲームファンから熱狂をもって迎えられている。ラスベガスで毎年開催され、最も権威ある格闘ゲーム大会と言われている「EVO」で2度の連続優勝を果たしたプロゲーマー梅原大吾。その大吾に強いライバル心を燃やす、ももち。大人たちから理解されず、社会の冷ややかな目とも戦いながら、格闘ゲームの世界に生きる世界各国のゲーマーたちの姿が描かれる。(以上、映画.comより)

予告編はこんな感じ↓




100点


ああん、今さらながら3月公開作の感想をアップしておきますね。なんとなく興味はありながらも、「まぁ、所詮はゲーマーの話だしな ┐(´ー`)┌ ヤレヤレ」って気もしたので、スルーするところだったんですが、しかし。4月から始まったTBSラジオの新番組「アフター6ジャンクション」にて、いわゆる「eスポーツ」を結構取り上げるムードだったので、何かの映画を観た時に他館前売り券(※小規模な映画館では、他の劇場で公開中の映画の前売り券が売ってたりする)を購入。4月下旬、新宿で「時間回廊の殺人」を観てから、渋谷のイメージフォーラムで鑑賞いたしました。感動した!ヽ(TДT)ノ ウワァァァン!


他の劇場で前売り券を買って安く観るという生活の知恵。


公開から1ヵ月以上経っているのもあってか、観客は3人でしたよ。



映画の内容をザッと書くと、カリスマプロゲーマー「梅原大吾」と、堅牢なプレイスタイルで知られる「ももち」を軸に、ももちの恋人の「チョコブランカ」、台湾の「ゲーマービー」、フランスの「ルフィ」、そして北米最強のゲーマー「ジャスティン・ウォン」たちに「ゲームとの出会い」や「ゲーム観」を語ってもらったりしつつ、数々の大会での彼らの激闘を映していく…ってな調子(とは言っても、試合自体はそんなに映らない)。一応、最後の展開を書いておくと、ももちは“世界最高峰の格ゲー大会”EVO2015を制するもCAPCOM CUP FINALS 2015では17位で敗退。ライバル視していた梅原は準優勝となり、ももちにはなんとなくションボリムードが流れるも、チョコブランカとの結婚を発表。ファンミーティングでファンと試合をして、ホッコリしたムードで終わってたんじゃないかな、たぶん。


梅原さんに直接対決で勝てない上に、その存在を超えられずに苦悩するももちさん… (´・ω・`) ウーン


最終的には、チョコブランカさんと結婚してましたよ(画像は引っ越し時のもの)。



まず、映画としてスゲー面白かったですよ。最近の僕は「結局、“よくできた実話”にフィクションは敵わないんじゃないか?」(別に「週刊実話」とかのことじゃないヨ (o^-')b ネンノタメ)なんて考えを抱くことがあるんですが、本作はまさにそんな感じ。ハッキリ言って、僕はeスポーツやプロゲーマー事情に疎い方なので、詳しい人が観たらどう感じるかはわかりませんけど(汗)、「カリスマゲーマーの梅原さんを超えようとするももちさんのドラマ」は、両者のキャラの対比がフィクションのようによくできていて(“派手で記憶に残る”長嶋茂雄選手と“地味ながら記録を残した”野村克也選手のライバルストーリーを連想させる…って、梅原さんは記録もスゴいワケですが)。梅原さんの求道者的な雰囲気は超カッコイイし、せっかくEVO2015で優勝しても敗者のゲーマービーの方に声援が飛ぶももちさんの切なさには涙が出たし、「結果を残すだけでなく、試合内容で魅せることが大事」というプロフェッショナル論(プロスポーツの試合でもよく言われることですな)も考えさせられたりするし…。ラスト、チョコブランカさんと結婚してイベントに出るももちさんの姿には「それでも人生は続くんだよな」とグッときたし、もうね、本作には「eスポーツ」の名称通りのスポーツ映画のようなドラマと熱さがあって、面白いとしか言いようがなかったです。


映画鑑賞後に観たプロゲーマーときどさんのインタビューも良かったので、貼っておきますね↓




それと、約1年半に渡る撮影で集めた素材を上手に編集したなぁと。例えば、ももちさんがケンを使って“投げ技の反復練習”をする場面、「ケンの手が相手に届くか届かないか」が、その後の“梅原さんの存在=自分が到達したい場所”になかなか届かないももちさんの現状を表すのにわかりやすく使われていて見事でしたよ。あと、僕ですら観たことがあった「背水の逆転劇」を当事者の解説を交えて見せる構成は、格闘ゲームをあまり知らない人にもそのスゴさがスムースに伝わるんじゃないかと思って、感心いたしました。


作中では、ケンのこの動作が象徴的に使われていたのです。



超有名な「背水の逆転劇」を貼っておきますね↓ 湧く観客たちにもグッとくる動画ですな。




つーか、観ているうちにゲームとの思い出が甦ってきてね…(しみじみ)。僕が愛読している「グラップラー刃牙」には「男子は誰でも一生のうち一回は地上最強を夢みる」という有名な台詞があって。僕自身は、父親の拳と長姉の恫喝によって心が折れまくる幼年期だったため、そこまで地上最強を夢見た感はないんですけれども。保育園のころからゲーセンに通うほど大好きだったのでね、ゲームに関しては「もしかしたら才能があるのでは?(・∀・)」なんて夢見たことが確実にあった。とは言っても、単に勉強も運動もダメだったから「せめて… (´Д`;) アァン」と願った程度のことであって、「ゼビウス」の最初のBGMが鳴り止んだ直後に敵キャラにぶつかって死んだ時や、オタクの友人がドット単位でキャラを動かしていたことを知った時、そして「ストII」ザンギエフをチョイスしたものの全然勝てなかった時などを経て、身の程を知っていったワケですよ。で、いろいろと忙しくなったこともあって、30歳を過ぎたころから次第にやらなくなった…という「マイゲーム・マイライフ」


「グラップラー刃牙」の有名な台詞を貼っておきますね。


ところが刃牙ったら、のちにこんなことを言ったりするというね(「バキ」より)。



ただ、この映画に出て来た人たちは「諦めなかった人たち」なんだなぁと。いや、天才だカリスマだと称賛される梅原さんだって、誰よりも努力していながらも、自分にプライドを持てずに「オレ、いつまでこんなことやってんだろう」とか「害だな、毒だな、自分にとっては毒だ」なんて自問自答して、悩んで、一度はゲームから離れたことがあったワケでさ。世間からは「ゲームやって遊んで暮らそうなんて甘いんだよ (`∀´) カエレ!」とか「可愛い振りしてあの子、割とやるもんだね 川´д)ヒソヒソ(д`し」なんてバカにされたりするし(1つ不要なウソ)、実際にどうやって稼げばいいのかもあやふやだったプロゲーマーという“道”を必死にもがいて進んできたんですよね。要は、本作は「でもやるんだよ!ヽ(`Д´)ノ」と頑張って“道”を切り開いてきた&今も切り開いている人たち、勇気ある開拓者たちの物語であって。そりゃあ、僕は別にプロを目指すほど強くも上手くもなかったけれど、そもそも彼らほどの真摯さが、情熱が、愛情があったのか? なんかね、スクリーンに映るプロゲーマーたちはあまりにも眩しくて、鑑賞中は涙が止まらなかった次第 (iДi) イイエイガダナー


梅原さんが独白する場面とか、スゲー泣いちゃいましたよ。



なんとなく荻昌弘先生による「ロッキー」の解説動画を貼っておきますね↓




その他、「格闘ゲームがeスポーツの主流かと思いきや、そうでもないのね」とか「僕のゲーム人生のハイライトは『ファイナルファイト』マイク・ハガーでワンコインでクリアしたこと」といったことは置いとくとして。例によって、とりとめのない感想文になっちゃいましたが(汗)、感動しましたYO!ヽ(TДT)ノ ウワァァァン! 気がつけば僕もこんなお金にならないブログをアホみたいに書いてますけど(って、アフィリエイトを貼ってるからパンフ代ぐらいにはなるけどね (ノ∀`) テヘ)、とても勇気をもらいました。なんとまだ渋谷のイメージフォーラムで上映されているし、横浜のシネマリンでも来週から公開されるということで、興味がある方はぜひ観てみてくださいな。合津貴雄監督、これが長編デビュー作だそうですが、次作も期待しております。おしまい。




梅原大吾さんの著作。他にも結構出してますけど、どれもタメになりそうですな。



劇中でメインとなる対戦格闘ゲーム。正直、僕のスキルではついていけなさそう… (`Δ´;)



パンフで若木康輔さんが引き合いに出していた映画。確かに似てるかも。








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