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Channel: 三角絞めでつかまえて2
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タクシー運転手 約束は海を越えて(ネタバレ)

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タクシー運転手 約束は海を越えて



原題:택시운전사A Taxi Driver
2017/韓国 上映時間137分
監督:チャン・フン
製作:パク・ウンギョン
製作総指揮:ユ・ジョンフン
脚本:オム・ユナ
撮影:コ・ナクソン
美術:チョ・ファソン、チャン・イジン
衣装:チョ・サンギョン、チェ・ヨンサン
編集:キム・サンボム、キム・ジェボム
音楽:チョ・ヨンウク
出演:ソン・ガンホ、トーマス・クレッチマン、ユ・ヘジン、リュ・ジュンヨル
パンフレット:★★★★☆(700円/コラムや解説が素晴らしい! 映画の補完にピッタリな一冊)
(あらすじ)
1980年5月に韓国の全羅南道光州市(現:光州広域市)で起こった民主化を求める民衆蜂起の光州事件が描かれている。史実においては全斗煥らによるクーデターや金大中の逮捕を発端として、学生や市民を中心としたデモが戒厳軍との銃撃戦を伴う武装闘争へと拡大していった。作中ではソウルのタクシー運転手キム・マンソプは、10万ウォンと言う高額な運賃が得られることを期待し、ドイツ人記者のピーターを乗せ光州へと車を走らせ、検問を掻い潜り光州へ入る。そこでピーターは軍による暴虐を目撃し、その事実を全世界に発信するため撮影記録を持ち帰ることを決意する。キムも、仲間や市民との出会い、そして無残にも次々に死んで行く彼らを見るうち、次第にピーターの使命を理解するようになり、クライマックスではピーターのカメラを没収しようとする政府の追手とカーチェイスをしながらソウルへと戻る(以上、Wikipediaより)

予告編はこんな感じ↓




80点


※本作に関しては、映画評論家の町山智浩さんの「たまむすび」での紹介を読むと良いです。

最初にポスターを観た時は「ソン・ガンホ主演の人情コメディですかね ┐(´ー`)┌ ヤレヤレ」と思って、そんなに食指が動かなかったんですが…。劇場で予告編を観たら「光州事件」を扱っているようでしてね。一気に興味が湧いたので前売り券を購入。他の作品を優先していたらなかなか観に行けなかったんですけど、5月下旬、やっと新宿ピカデリーで鑑賞いたしました。熱い映画でしたヨ ( ;∀;) イイアツサダナー


6番スクリーン、上映最終週&1日1回上映ということで、結構埋まってた記憶。


前売り特典はポストカードだったり。



あらすじを適当に省略して書くと、主人公は個人タクシーの運転手、キム・マンソプ。奥さんを病気で亡くして、男手1つで11歳の娘を育てながらも、家賃も払えない貧乏生活を送っていたんですけれども。食堂で「外国人を乗せて光州に入って、通行禁止前までにソウルへ戻れば、大金(10万ウォン)がもらえる」という迎車話を聞きつけて、その仕事を横取り40万!( ̄ー ̄) フルイ! ドイツ人のピーターを乗せて光州に向かうんですが、実はピーターは記者でして。「光州で軍隊が市民を弾圧している」というウワサを聞きつけて、取材するために来たというから、マンソプったら「話が違うな… (`Δ´;) ヌゥ」と焦り始めるのです。


人の客を勝手に奪って、光州に向かうマンソプ。


ところが光州はこんな状態なのでした (´Д`;) イヤーン



光州に入ってみれば、軍隊のせいで街は荒れまくりであり、ビビったマンソプはすぐに帰ろうとするし、一度は帰っちゃうんですけど、市民たちが蹂躙されながらも必死に戦う姿に胸を打たれて、最終的には改心!ヽ(`Д´)ノ ウォォォォッ! タクシーを駆って、記者やデモ隊を助けまして。検問所を通過する際、軍に追われるも、仲間のタクシー軍団の助けを借りて、無事にピーターを空港まで送り届けると、光州事件は全世界に報道されましてね。最後は、2013年に韓国を訪れたピーターが「あの時の運転手さんに会いたい (´・ω・`)」みたいなことを語るニュースを初老のマンソプがタクシーで聞いたりして終了。確か記者の本人映像とかも流れていた気がするね(唐突なタメ口)。


最後は主人公らしく、使命感に目覚めてましたよ。



もうね、どこからどう見ても“普通のおじさん”にしか見えないソン・ガンホの演技力と、ベタに熱いストーリーをキッチリと上手に見せるチャン・フン監督の演出力にまんまとやられたというか。最初は「デモをするために大学に入ったのか?( ゚д゚)、ペッ」とデモをバカにしつつも、人権をハードに蹂躙されている現実を知って愕然となり、恐怖に怯えながらも権力に立ち向かう…という流れは、同じソン・ガンホ主演作「弁護人」とモロに被るワケですが、本作は「貧乏でシングルファーザーのタクシー運転手」という、より身近で弱い存在になっているところがキモであり、その分、より熱い話になっていたのではないでしょうか。


パンフによると「催涙弾に効く」ということで、歯磨き粉を塗るのが流行ったそうな。



映画後半、マンソプは記者を置いて光州から一度は逃げ出すワケですが、軍隊に捕まったら確実に拷問の末に殺される状況下で、ソウルでは大事な11歳の娘が1人で帰りを待っているんだから、観客的には決して彼を責められないワケですよ。でも、逃げた先の食堂でおにぎりを食べる→デモに参加していた“おにぎりをくれたおばちゃん”を思い出して、なけなしの勇気を振り絞って地獄状態の光州に戻るくだりはね、そりゃあ泣いた。ハッキリ言って、僕が彼の立場だったら100パーセント戻りませんけど、でも、やっぱり人間には「命を賭けてもやらなくちゃいけないこと」ってあるんじゃないか。そう思って、マンソプの男気に涙が止まらなかったです…僕が同じ立場だったら絶対戻りませんが(株を一気に下げた気がする文章)。


この私服軍人が超凶悪で恐ろしいのです… ((((°д°;)))) ガクブル


でも、勇気を振り絞って戻るマンソプ。このシーンのソン・ガンホは100点だッ!m9`Д´) ビシッ



あと、ユ・ヘジンが最高でした。今まで観たユ・ヘジンの中でもベスト・オブ・ザ・ベストという印象。彼が演じた光州のタクシー運転手ファン・テスルは「こんな気の良い人間がいるの?」と思うほど優しくてね…(しみじみ)。ハートをギュッと掴まれすぎて死にそうになったのが、マンソプが逃げようとするシーン。1ミリも責めないで、むしろ彼の気持ちを理解して、逃走を手伝ってあげるの。「あんたは悪くない。謝るべき連中は別にいる」って、そりゃあそうなんだけど、基本的に“心の狭い役”ばかり観て来たから、「なにこのユ・ヘジン!(°д°;) ヒィィ!」と衝撃を受けたというか。ああいう時に他人を思いやれる人間になりたいと心から思いましたよ。それと、リュ・ジュンヨルが演じた大学生ジェシクの“ちょっとバカっぽいけど真面目なキャラ”も良くて。テスルの家で和気あいあいとするシーンはスゲー愉快だったんですが、それ故に「後でジェシクが死ぬフラグ」がビシバシ立っているムードであり(実際、殺される)、もう可哀想で可哀想で「止めて… (ノДT)」とフライング涙を流していた…って、伝わりますかね。


ユ・ヘジンのコクのある顔面、大好きです。


この宴会シーン自体は最高だったんですが…。


死を予感した僕はすっかり愚地夏恵気分だった次第。
止めて…ッ


って、褒めまくっていますが、「実際は市民も銃を装備→銃撃戦が繰り広げられていた」とか「朝鮮総連が絡んでいた説」といったことを知って少し萎えたのと、僕は「検問所の軍人が見逃してくれるくだり」にグッと来ていた分、最後のタクシー軍団vs軍人のカーチェイスが蛇足に感じたので(いや、面白かったけどさぁ…)、80点という評価でございます。何はともあれ、こんなにストレートに熱く面白い映画もなかなかないと思うので、まだ上映している劇場もあるし、ぜひ観てみてくださいな。




サントラを貼っておきますね。良いジャケットですな。



光州事件の映画化作品。ヘビーそうですな…。



同じ時期を描いた、熱く面白くタメになる韓国の漫画でございます。



チャン・フン監督×ソン・ガンホ主演作。僕の感想はこんな感じ



予告編すら観ないで鑑賞してほしいチャン・フン監督作。僕の感想はこんな感じ



なんとなく連想したソン・ガンホ主演作。僕の感想はこんな感じ









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