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判決、ふたつの希望(ネタバレ)

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判決、ふたつの希望



原題:L'insulte
2017/レバノン、フランス 上映時間113分
監督・脚本:ジアド・ドゥエイリ
脚本:ジョエル・トゥーマ
撮影:トマソ・フィオリッリ
編集:ドミニク・マルコンブ
音楽:エリック・ヌブー
出演:アデル・カラム、カメル・エル・バシャ、リタ・ハーエク、クリスティーン・シュウェイリー、カミール・サラーメ、ディアマンド・アブ・アブード
パンフレット:★★★★(720円/コラム4本に対談記事、キーワード解説、年表など、超タメになります)
(あらすじ)
レバノンの首都ベイルート。自動車修理工場を営む、キリスト教徒のレバノン人トニー(アデル・カラム)と、住宅補修の現場で働くパレスチナ難民のヤーセル(カメル・エル=バシャ)。そんな二人の間に起きた些細な口論が、ある侮辱的な言動をきっかけに法廷へと持ち込まれる。両者の弁護士が論戦を繰り広げるなか、メディアはこの衝突を大々的に報道。事態は国全土を巻き込む騒乱へと発展していく……。(以上、Movie Walkerより)

予告編はこんな感じ↓




80点


※この映画については、尊敬する映画評論家の町山智浩さんの「たまむすび」の紹介こちらの監督インタビューを読んでみて!
※この記事は「シグマ15」に従って書いています。


僕は愛聴しているラジオ番組「アフター6ジャンクション」の週刊映画時評コーナー「ムービーウォッチメン」の課題となった作品は基本的に足を運んでいるんですが、今年から「リスナーカプセル」に選ばれた映画も観るようにしてましてね(ここまでほぼコピペ)。本作は9月7日の放送で「リスナーカプセル」に入ったということで、10月上旬、TOHOシネマズ日比谷にて、「マンマ・ミーア! ヒア・ウィー・ゴー」「コーヒーが冷めないうちに」を観てから、TOHOシネマズシャンテで鑑賞いたしました(その後、「響 HIBIKI」をハシゴ)。「あるある!Σ(゚д゚;)」と思ったり。ちなみに本作は「日本で商業公開された3本目のレバノン映画」であり(1本目は「無防備都市 ベイルートからの証言」で、2本目は「キャラメル」)、レバノン史上で初めてアカデミー賞外国語映画賞にノミネートされた作品なんだとか。


日曜日ということで、スクリーン3は8割ぐらい埋まってた記憶。



スゲー良い映画でしたよ。あらすじを驚くほど雑に書いておくと、「キリスト教徒のレバノン人トニーがバルコニーからの水漏れを利用して、工事現場で働くパレスチナ難民のヤーセルたちに嫌がらせ→ヤーセルが悪口を言う→トニーがヤーセルの上司にクレームを入れる→謝罪に来たヤーセルをトニーがハードに侮辱→ヤーセルがトニーの腹部を強打→トニーがケガをしたまま働いて気絶した結果、奥さんが流産の危機に→訴訟で決着だッ!( `Д´)(`Д´ ) ブッコロス」ってな調子。裁判が進むと、本人たち以上に世間が大騒ぎし始めちゃって、両陣営の憎悪があまりにボーボー燃えるので、大統領が仲裁に入ろうとするほどでしてね。だがしかし、「ダムールの虐殺の生き残りだった→だからパレスチナ難民を嫌っていた」というトニーの悲しい過去が発覚したり、ヤーセルの車の故障をさりげなくトニーが直したりすると、2人のハートは急接近。ある晩、ヤーセルはトニーの元を訪れてハードに侮辱→起こったトニーに腹部を殴られると、「すまなかった」と謝罪して立ち去りましてね。結局、裁判はトニーが敗れるも、2人の顔は晴れやかなのでしたーーというムードで終わってた気がするんだけど、君はどう思う?(自信なさげに)


トニー(左)とヤーセル(右)の距離が縮まるシーン、スゲー良かったですな。



ハッキリ言って、「レバノン」なんて国の名前を聞いても「ババンババンバンバン、はぁ、レバノンノン♪」ぐらいの寒いギャグしか浮かばない僕ですよ(当ブログでは8年振り2度目!)。本作を観ることで、レバノンのさまざまな事情を知ってスゲー勉強になったし、何よりも“些細なキッカケ”から大事になってしまう展開に「こういうことって、あるある!Σ(゚д゚;)」と身につまされるところがあって(仕事でも友人関係でも夫婦でも“ネットで見かける争い”などでも!)。「レバノン人」や「パレスチナ難民」といった肩書きではなく、お互いを「1人の人間」として認識することで和解するという着地はね、そりゃあ理想“論”的なハッピーエンドと揶揄されるかもしれませんけど、でも、やっぱり真理であって、ほとんどの争いごとに適用できることなんだろうなぁと。なんかね、己の中の憎悪が燃えている時は1歩引くのが大事だと思ったり。まぁ、2人は納得したとしても周囲が憎悪で燃えているまま終わるのが少し気がかりではありますが、さすがは今年のアカデミー賞にノミネートされただけのことはあるというか。劇場用長編映画は本作で4本目だそうですけど、「クエンティン・タランティーノ監督の撮影助手をしていた」というジアド・ドゥエイリ監督は今後注目じゃないでしょうか。社会派ドラマとしても法廷モノとしても面白い良い映画だと思うのでね、興味がある方はチェックしてみてくださいな。


ああん、つい貼っておきますね↓




おしまい (・∀・) レバノンノン



レバノン内戦をイスラエル側から描いたアニメーション。僕の感想はこんな感じ



日本で商業公開された2本目のレバノン映画。トニーを演じたアデル・カラムが出演しているそうな。



ちなみに第90回アカデミー賞外国語映画賞を受賞したのはこの作品。観ようかなぁ。









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