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恐怖の報酬 オリジナル完全版(ネタバレ)

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恐怖の報酬 オリジナル完全版



原題:Sorcerer
1977/アメリカ 上映時間121分
監督・製作:ウィリアム・フリードキン
原作:ジョルジュ・アルノー
脚本:ウォロン・グリーン
撮影:ジョン・M・スティーブンス、ディック・ブッシュ
美術:ジョン・ボックス
編集:バド・スミス
音楽:タンジェリン・ドリーム
出演:ロイ・シャイダー、ブルーノ・クレメル、フランシスコ・ラバル、アミドウ、ラモン・ビエリ
パンフレット:★★★★(800円/本作の当時の評価などが載っていて、タメになりました)
(あらすじ)
南アメリカの奥地にある油田で爆発が発生したとの知らせが、300キロ離れた小さな村ポルベニールに入ってくる。反政府派ゲリラによるものと思われ、多数の犠牲者も。油田火災を鎮火するには爆薬による爆風に頼るしかないものの、石油会社の倉庫にあった40ダースものダイナマイトはゲリラに奪われていた。残ったニトログリセリンを道なき道300キロ運ぶ以外に方法はない。高額の報酬と国外へ出られる旅券がかけられ、この危険な液体をトラックで運搬する者が募られた。選ばれたのは、ドミンゲス(ロイ・シャイダー)、セラーノ(ブルーノ・クレマー)、カッセム(アミドゥー)、そしてマルケス(カール・ジョン)の4人。2台のトラックにニトログリセリンが積み込まれ、出発の準備が進められる。しかしマルケスはニーロ(フランシスコ・ラバル)に殺され、マルケスの代わりとしてトラックに乗りこむ。実はニーロの正体は殺し屋であり、ドミンゲスもアメリカで銀行強盗、セラーノはパリの銀行で不正を働き、カッセムはパリで爆破事件をおこした爆薬のプロという、犯罪者たちだった。でこぼことした道なき道を進んでいく4人。彼らを待ち受ける運命とは……。(以上、Movie Walkerより)

予告編はこんな感じ↓




95点


2018年の最後に観た映画の話を書いておきますね。最初、「映画秘宝」か何かで本作が公開されることを知った時は「昔、テレビで観たっけ? (゚⊿゚)」ぐらいの感想であり、正直、それほど興味は湧かなかったんですよ。ところが、「キックボクサー ザ・リベンジ」を鑑賞した時に予告編を観たら、まったく観たことがなかった上に、スゲー面白そうでしてね(「観た」という記憶はどこから!?)。とは言え、なかなか時間が作れなかったんですが、12月31日、急遽、時間に余裕ができたので、いそいそとシネマート新宿に足を運んできました。「これほど面白いとは!(°д°;)」とビックリしましたよ。


鑑賞当日のシネマート新宿のgif。吊り橋の展示とかあって好感が持てました。



ニトログリセリンの危険性については、小さいころ、ノーベルの伝記を読んで知った…なんて、僕の話は置いとくとして(どうでも良い書き出し)。パンフやらネットの記事やらを読むと、「同時期に公開された『スター・ウォーズ』の影響で大コケ」「本作の元となった1953年にアンリ=ジョルジュ・クルーゾー監督が撮ったオリジナル版と比較されて叩かれた」「北米以外では監督の意向を無視して30分カットした短縮版が公開された」などなど、かなり不遇な作品みたいなんですけれども。これが実際に観てみれば、「なんでこれがヒットしなかったの!? Σ(゚д゚;)」と思うほどにスゲー面白かったから素直に驚いたし、現在は再評価されているという話も納得いたしました。


ウィリアム・フリードキン監督自身も「最高傑作」だと信じているそうな。



特に「オリジナル版と比較された」という点においては、“「UTAMARU-NEXT」の付き合いで加入したU-NEXT”にオリジナル版があったので、いそいそと観てみたんですが、「フリードキン監督版の方がスゴくね?(゚⊿゚)」と。いや、確かにオリジナル版もスゲー面白かったんですけど、とは言え、本作はドキュメンタリータッチで撮られていて臨場感が半端ないし、各キャラのバックボーンが厚みを増しているし、サスペンス要素もブラッシュアップされてるし…。な〜んて僕が思えるのは「すでに本作の評価が高いことを知っている“未来人目線”だから」という可能性もありますわな ┐(´ー`)┌ ヤレヤレ 何はともあれ、当時もしっかり評価している人はいて、その1人がジャン=クロード・ヴァン・ダムの盟友であるピーター・ハイアムズ監督だった…ということは記録として書き残しておきましょう(偉そうに)。


オリジナル版の予告編↓ こっちも良い映画なんですがー。




お話は「いろいろな事情を抱えて南米の田舎に潜伏している4人の犯罪者たちが、大金を得るためにニトログリセリンを2台のトラックで命懸けで運ぶ」という内容でして。前半で「殺し屋でした ( ´_ゝ`)」「爆弾テロを実行しました (o^-')b」「横領しちゃった (ノ∀`)」「強盗に失敗して刺客に追われてる… (´・ω・`)」といった男たちそれぞれの世知辛い事情をじっくり見せて、後半から「死の運搬」がスタートするんですが、前述の通り、ドキュメンタリータッチ=画面からリアルな焦燥感が伝わってくるので、ハラハラという以上に、ずっと“ヒリヒリしたムード”が漂っていた印象。つーか、この作品を30分削ったら台無しだよなぁと思ったり。

しかも、オリジナル版にはない「トラックで吊り橋を渡るシーン」の迫力といったら!(*゚∀゚)=3 ムッハー まぁ、今ではCGでアッサリと遜色のない映像が作れちゃうのかもしれませんが(汗)、僕的にこれは大金と手間をかけてガチで撮ったからこその迫力だと信じてる、信じてる、どうか信じさせてーー(なんだこれ)。一応、オチを書いておくと、せっかく力を合わせて難所を乗り越えて“チーム感”が生まれたのに、1台は朗らかに会話していたら、突然、パンクして崖に転落→2名爆死。残ったもう1台は、1人は地元ゲリラの襲撃に遭う→相打ちになって死んじゃったものの、ロイ・シャイダーだけ生き残ったので、幻覚を見ながらも徒歩でゴール!ヽ(TДT)ノ ヤッタァ! 大金を得て、これで帰れるんだ…と思っていたら、彼を狙う刺客が訪れるというバッドエンドなのでした… ヘ(゚∀゚*)ノ ザンネーン!


ロイ・シャイダー with 食い詰め野郎3人がお金ほしさにニトロの運搬をすることになりまして。


大雨強風注意報が確実に発令する天候の中、揺れまくる吊り橋を渡ったのに、なぜ無事だったのかというと…。


なんとグリセリンが見事に結晶化していたのじゃ…って、やだ、「バキ」が混ざっちゃった!(*ノ▽ノ) キャッ



パンフによると、原題の「Sorcerer(魔術師)」は監督がマイルス・デイヴィスのアルバムからヒントを得たそうですが、確かに作品と合ったタイトルだったというか(ちなみにオリジナル版の原題は「Le Salaire de la peur(恐怖の報酬)」)。「因果を背負った男たちの末路」(爆破テロリストは爆死し、妻を捨てた男は手紙すら出せず、殺し屋は射殺されて、強盗もツケを払う)は、バッドエンドなのに超然としていて、鑑賞後も不思議な余韻が残った…って、観た人ならわかってくれるよな!(突然のタメ口) 至極当たり前の話なんですけど、昔の映画でもスゲェ作品はあるんだなって、あらためてうれしくなったりもしてね。旧作なので当ブログのランキングからは除外しましたが、「映画秘宝」の方ではベスト10に入れた次第。本作は権利の関係上、まだ日本でソフト化される見通しはないそうですけど、ありがたいことに現在も劇場公開されているということで、ぜひ劇場で観てみてくださいな (°∀°)b ミテミテ!




タンジェリン・ドリームによるサントラ。僕はまったく知りませんでしたが(汗)、名盤とされている様子。



U-NEXTで観たアンリ=ジョルジュ・クルーゾー監督版。いや、こっちも良く出来てて面白いんですよ。



ウィリアム・フリードキン監督作で一番好きなのは、これですかね。



1977年に本作のスゴさを見抜いていたピーター・ハイアムズ監督作を貼っておきますね。









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