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多十郎殉愛記(ネタバレ)

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多十郎殉愛記



2019/日本 上映時間93分
監督・脚本:中島貞夫
脚本:谷慶子
監督補佐:熊切和嘉、谷慶子
製作:藤原寛
エグゼクティブプロデューサー:片岡秀介
チーフプロデューサー:古賀俊輔
プロデューサー:新野安行、谷垣和歌子
アシスタントプロデューサー:城内政芳
撮影:朝倉義人
美術:松宮敏之
照明:山中秋男
録音:田代博司
殺陣:清家三彦
装飾:大橋豊
装身具:井上充
衣装:古賀博隆
美粧:大村弘二
結髪:広瀬紀代美
編集:米田武朗
音楽:栗山和樹
主題歌:中孝介
記録:永倉美香
キャスティング:杉野剛
助監督:匂坂力祥
制作担当:中森幸介
出演:高良健吾、多部未華子、木村了、三島ゆり子、栗塚旭、山本千尋、永瀬正敏、寺島進
パンフレット:★★★(850円/シンプルなデザイン。3本のコラムが良くて、特に蓮實重彦さんのレビューが良かった!)
(あらすじ)
尊皇攘夷派の長州や薩摩脱藩志士たちと新撰組や見廻り組が抗争を繰り広げていた幕末の京都。長州を脱藩した清川多十郎は、居酒屋・満つやの用心棒をしながら、なんとか糊口をしのぐ生活を送っていた。満つやを切り盛りするおとよは多十郎に好意を寄せるが、おとよの思いを多十郎が気づく気配はなかった。町方からの注進で多十郎の存在を知った見廻組は、新撰組に目にものを見せようと多十郎襲撃を企てるが……。(以上、映画.comより)

予告編はこんな感じ↓




50点


※今回の記事は、本作が好きな人は不快になる怖れがあるので、気をつけて!

正直、中島貞夫監督についてはよく存じ上げないものの(「脱獄広島殺人囚」は大好き!)、「あの高良健吾さんが時代劇に挑む!」という点で興味が湧いたし、「ラスト30分壮絶な死闘に泣け!」というキャッチコピーがスゲー気になってしまったので、前売り券を購入。5月14日(火)、丸の内TOEIに足を運んできました(その後、「ある少年の告白」を鑑賞)。「失望サセテクレル ( ゚д゚)」とカタカナで思ったり。


前売り特典は「多十郎謹製手拭い」でした。


スクリーン1、20人ぐらいはいた記憶。


鑑賞後の僕の気持ちを代弁するシコルスキーを貼っておきますね(「バキ」より)。



劇中の構成を無視して雑にあらすじを書いておくと、時代設定は幕末。主人公は長州藩でもトップクラスの腕前を持つ侍・清川多十郎(高良健吾)でして。親の借金から逃げるために脱藩浪人になって、京都の貧乏長屋で適当に暮らしていたら、尊皇攘夷派の元同僚が「桂小五郎(永瀬正敏)を守るために力を貸してほしい」と頼んできましてね。まったくやる気がないので断ったものの、そのことを多十郎に恨みを持つ岡っ引きが見廻組に報告。脱藩してきた弟・数馬(木村了)が長屋にやって来て「兄上のいくじなし!ヽ(`Д´)ノ」などと罵っていたところに見廻組の抜刀隊が急襲して、数馬は目を負傷しまして。お互いに恋心を抱いていた小料理屋女将おとよ(多部未華子)に数馬を託すと、2人が京を離れるまで、囮になって見廻組と対決! あーだこーだと頑張るも、最終的には抜刀隊隊長の溝口蔵人(寺島進)にタイマンで負けて捕縛されてました (´Д`;) オトヨー!


中孝介さんによる主題歌「Missing」を貼っておきますね↓




ううむ、率直に書かせてもらうならば、なかなかフラストレーションが溜まる作品でしたよ…。まぁ、主演の高良健吾さんは独特の色気があってカッコ良くて。フンドシ姿やら着物からチラリと覗くふとももやらには「オッス!ヽ(`Д´)ノ」「オッス!ヽ(`Д´)ノ」と興奮する方も少なくなかったのではないかな?(突然、偉そうに) 序盤や中盤で見せる立ち回りも楽しかったし(特に居酒屋で岡っ引きどもを追い払うシーンは痛快!)、その他、劇中の美術なども良かったし、決して良かったところも少なくないと思わないでもないのです(奥歯に物が挟まった文章)。


こういうシーンとかは好きでしたよ。




ただ、一番期待していた「ラスト30分壮絶な死闘」がちょっとなぁ…(´・ω・`) ウーン まず、ドラマ的に盛り上がらないというか。パンフを読んで知ったんですが、本作は1926年に伊藤大輔監督が撮った「長恨」という映画から着想されたとのこと(だから映画の冒頭で「伊藤大輔監督の霊に捧ぐ」という献辞が出る)。で、その作品は「武士の兄弟が女に恋をする→女は看病するうちに失明した弟に恋をする→失恋した兄は2人を逃がすために新撰組と戦う」というクライマックスなんだそうですが…。本作は元ネタにあった“三角関係要素”を省いて同じ展開を描いているせいで、「長州藩のゴタゴタに小料理屋の女将を勝手に巻き込んだ話」にしか見えなくて。終盤の「多十郎が囮になって逃がす行為」は自己犠牲というより自業自得感が強いから、「これを『殉愛』と言われても… (・ε・) ソウカナァ」微妙な気持ちが拭えなかったんですよね。

そして、肝心の主人公vs多人数の戦闘描写もいたって「普通」だった印象。パンフを読むと、高良健吾さんも斬られ役の人たちもスゲー頑張ってるし、スタッフのみなさんも情熱を注ぎ込んだようで、それなりには楽しめたものの、ごめんなさい、「ラスト30分壮絶な死闘」というほどではなかったというか。ラストの見廻組隊長とのタイマンも悪くはなかったけどさ、結局は「どこかで見たような戦い」だったし、ううむ、もっと新しいものを見せてくれるのかと期待してたんだけどなぁ…。「負けて捕縛される」というオチもなかなか居心地が悪くて、ハッキリ言って、かなり失望した次第。あと、唐突に雑な要望を書いておくと、あのムカつく岡っ引きは斬り殺してほしかったです。


「ラスト30分壮絶な死闘」を鑑賞中の気持ちを代弁する機動隊隊員を貼っておきますね(「範馬刃牙」より)。



そんなワケで、「ラスト30分壮絶な死闘に泣け!」というキャッチコピーにワクワクしすぎちゃったのかもしれませんが、結構ガッカリいたしました(ある意味では「泣いた」と言えますがー)。とは言え、それは僕が「期待値コントロール」に失敗しただけで、気負わずに普通に観れば普通に楽しめる時代劇という可能性は高いし(パンフでは蓮實重彦さんが、多部未華子さんがミスキャストではと高を括っていた自分の浅はかさを深く恥じて涙に暮れてたり、監督&キャストたちの勝利認定をしてたりとかなりの高評価 (°∀°)b オススメ!)、何よりも本作の高良健吾さんの色っぽさは最強レベルなのでね、気になる人はぜひ観てみてくださいな。




11月5日にはDVDが発売されます。



中島貞夫監督作で一番好きなのはこれです。スゲー面白かった!



クライマックスの殺陣が大好きな時代劇を貼っておきますね。









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