建築学概論
原題:건축학개론
2012/韓国 上映時間117分
監督:イ・ヨンジュ
出演:オム・テウン、ハン・ガイン、スジ、イ・ジェフン、チョ・ジョンソク
パンフレット:★★★★(500円/コストが安い分、小さくして工夫してる感じが好き)
(あらすじ)
建築家のスンミン(オム・テウン)のもとに、仕事を依頼しにやって来たソヨン(ハン・ガイン)。ソヨンは、15年前にまだ大学生だったスンミンの初恋の相手だった。ソヨンの実家のあるチェジュ島に新しい家を造りながら、スンミンの脳裏には初恋の記憶がよみがえり、また新たな感情が芽生えていく。しかし、スンミンには婚約をしている女性がいて……。(以上、シネマトゥデイより)
予告編はこんな感じ↓
80点
※今回の記事は、「建築学概論」が好きな人は不快になる怖れがあるので、読まない方が良いです。
※今回の記事は、リア充野郎の恋愛自慢要素が含まれており、高確率で不快になる怖れがあるので、読まない方が良いです。
※今回の記事は、気持ち悪い自分語り的な文章がダラダラと書かれているので、そういうのが苦手な人は読まない方が良いです。
※今回の記事は、しっかりした映画の感想が書かれているワケではないので、他のブログを読んだ方が良いと思われます。
ううむ、大好きでした… (ノω・、)
新宿武蔵野館には水槽の展示がありまして。
なんかいろいろと考えているみたいでして。
中には携帯型CDプレイヤーなどが飾られているのです。
記事の切り抜きもロビーの柱だけでなく…。
劇場入口のポスターの近くにもあったりするという力の入れよう。
さらに…「初恋ミュージアム」!?
劇中で使われた模型などが飾られてました。新宿武蔵野館、本気だぜ… (;`Δ´) ヌゥ
僕がこの映画を知ったキッカケは、“信用できる漫画家”である花くまゆうさく先生のブログであり、公式ツイッターがフォローしてくれたのもあって、ずっと気にはなっていたんです。「韓国で410万人を動員し、それまでの恋愛映画の記録を塗り替え、“初恋ブーム”を巻き起こした」とか、評判も良いし…。でも、僕的にどうしてもイラッとしたのがこのキャッチコピー↓
「みんな、誰かの初恋だったーー。」だと!?
「バカ言うな ( ゚д゚)、ペッ」と。世の中、誰かが誰かに恋をすることはあり得ても、誰もが恋をされるワケじゃないのは、ある程度の年齢に達した人類なら誰もが痛感することであって、こんな欺瞞なフレーズがあるかと。ハッキリ言って、配給会社は、義務として“僕が初恋だった人”を連れて来てほしいというか、むしろ全人類に対してそのサービスを実施すべきじゃないでしょうか。こんなウソ&大げさ&まぎらわしいキャッチコピーはマジで許されないというか、JAROに訴えようかと迷うほど。もうね、観るのは止めようと思ってたんです。
…がしかし! 気が付けば「レイトショー割引を利用して、133席の新宿武蔵野館1の劇場に座っていた」という不思議。…いや、誤魔化すのは止めましょう(偉そうな口調で)。心ないキャッチコピーにイラッとしつつも、どうしてもどうしても気になってしまって、映画館まで足を運んでしまったのは、ちくしょう、“初恋”というキーワードに惹かれてしまったから…。
イ・ヨンジュ監督は、この映画が韓国で大ヒットして、男性のリピーターが多い理由を「男性のほとんどの人が初恋の人ではない人と結婚しているから、感情移入できたのでしょう ( ´_ゝ`)」と分析されているんですが、まぁ、それはそうなんだろうなぁと。このブログには腐るほど書いていることですが、僕は未だに“初恋”という呪いに囚われているところがありまして。
まぁ、僕は「浮気されて婚約破棄」というガッカリな別れ方ですから、佐藤さん(仮名)とは当然ながら甘酸っぱい思い出ばかりではなくて。特に終盤の僕の愚かさ&醜さと言ったら、映画に例えれば、激怒した観客が暴徒と化して監督を襲うレベルの作品であって。本当にどうしようもない記憶なんだけれども、やっと「あれも若さだった」と受け入れられるようになってみれば、彼女に会いたくて仕方なかったりするんだから、タチの悪い話。
もちろん40歳のオッサンとして冷静に分析すれば、今、佐藤さんと会ったって特に話すことはないし、そもそも別れ方が酷かっただけに間違いなく気まずい再会になるのは重々承知の助だからさ、そんな行動は起こさないワケですけれども! だが! しかし! それでも! 人間、夢に浸りたい時もあるじゃないですか…(遠い目)。「初恋の人に突然訪ねられて」、しかも「実は今も想ってくれていた」なんて、ポルノのように都合の良い展開だけどさ、それが悪いか!? 夢を見続けちゃ悪いってのかYO!!ヽ(TДT)ノ オオ~ッ!!
なんとなく「ブラックエンジェルズ」での松田鏡二さんの怒りの叫びも貼っておきますね。
ということで、何が何やらな文章を書いちゃいましたが(苦笑)、僕にとってこの映画はドストライクなのです (ノ∀`) スミマセン 「建築士スンミン(オム・テウン)の事務所にソヨン(ハン・ガイン)が突然現れて、『家を建ててほしい』と依頼してくる」という現代パートと、「15年前、大学時代のスンミン(イ・ジェフン)とソヨン(スジ)が“建築学概論”の授業で知り合って、仲良くなっていく」という過去パートが交互に展開する構成なんですけど、どっちのパートも役者さん同士のやり取りがスゲー良い感じで、気持ち良く世界観に浸れました。
現在パートの2人。オム・テウンは「人喰猪、公民館襲撃す!」で、ハン・ガインは「マルチュク青春通り」で観た記憶アリ。
過去パートの2人も良かった! イ・ジェフンはあの「高地戦」で薬漬けの大尉を演じた人だったり。
物語を乱暴に書いておくと、過去パートでは、スレ違いからスンミンがソヨンに冷たくする→会わなくなっちゃいまして。現在パートでは、2人は当時のお互いの想いを告白し合って、一夜を過ごすものの、スンミンは婚約者ウンチェ(コ・ジュニ)と結婚してアメリカに旅立ち、ソヨンは病気の父親と増築してオサレになった家に住むことになって。最後は、スンミンから思い出のCDプレイヤー&アルバムが届いて、それをソヨンが聞きながら、終わってましたよ。
劇中で鍵となる「記憶の習作」のMVを貼っておきますね↓ 超ムーディ!
何が素晴らしいって、「結局、2人は別々の道を進む」という終わり方。それは「2人で過ごした時、セックスの相性が合わなくて… 川;´∀`)(´∀`;) エヘヘ」という妙にリアルな話ではなく!(余計な文章) 思い出も大事なんですけど、それ以上に積んできた大切な人生がある(特にスンミン)ってことなんですよね、たぶん。切なくて、痛い別れではあるんだけど、未完成だった初恋に2人がピリオドを打てたのは確かであって、だからこそ、ラストシーンで「記憶の習作」を聞くソヨンはどこか清々しくもあるというか。これはね、非常に胸を打たれましたね… ( ;∀;) イイエイガダナー
この家から見える海がまた、物悲しくも力強くて、良い雰囲気だったり。
その他、「1つのイヤホンを使って2人でCDを聴く」「寝てる時にそっとキスをする」などの甘酸っぱい青春描写の数々とか、アホな親友ナプトゥク(チョ・ジョンソク)のボンクラ恋愛レクチャーとか、良いところは結構ありまして。特に凶悪だったのが「スンミンがゲスの偽物(GEUSS)を大事に着ていた→クソな先輩&ソヨンにバカにされて『こんなのいらない!ヽ(TДT)ノ』と母親にキレる→15年後、母親がまだ着てた… ('A`) カーチャン」のくだりで、ここは死ぬほど泣いたし、近々、母親に会いに実家に帰ることを決意するほどでしたよ。
親友のナプトゥク(チョ・ジョンソク)の恋愛指南シーンは、バカバカしくて楽しかったです。
この「GEUSS」のシャツのくだりには、グッときました…。
だがしかし! スゲー納得がいかないところもあって。大学時代の2人がスレ違ってしまうくだりが、「当時は携帯がなくて連絡がつかなかった」ってのはわかるんですけど…。身も蓋もありませんが、ごめんなさい、僕は「ちゃんと約束しておけYO!ヽ(`Д´)ノ」としか思えなくて、スンミンを憎悪するほどハードにイライラしました(「ポケベル、チェックしろ」とも強く思った)。つーか、今、振り返っても、あの展開に関してはかなり強引だと思ったり(スンミンがさすがにバカすぎるのでは…)。
それと、その晩にソヨンを泥酔させてどうこうしようとしたクソな先輩が何のヒドい目にも遭わないのもムカつきまして。作劇上、仕方のないことなのは、頭ではわかるものの、心では1ミリも許せない! もちろん「数時間にわたる拷問の末に殺される場面を流せ!」なんてことは要求しませんけど(苦笑)、例えば現代パートで「そういえばあの先輩ったら、変な商売に手を出して失敗して、自分の臓器の一部を売買された挙げ句、最近は駅前で物乞いをしているそうよ 川´∀`) カワイソウニ」「ざまぁ!ヘ(゚∀゚*)ノ ワラライフ!」的な会話シーンを入れてほしかったです…(無理な注文)。
「女性に酒を飲ませて~」的な手口を使うスーフリみたいなクズが即死する疫病とか流行ればいいのにな、そうだったらいいのにな。
ということでね、僕はずっと初恋相手の佐藤さんを思い出しながら&泣きながら観てたけど、最後は「そういえば、奧さん&娘との人生が大事だった!∑(゚Д゚)」と気付かされたりもして、ううむ、予想以上に好きな作品だったりしたのです… (〃∇〃) ウフフ ただ、こんなに甘酸っぱくも切ない初恋云々の映画なんて、このブログを訪れるマッチョな読者にオススメして良いものかと迷ってしまうところもあって。まぁ、都内の話になりますが、新宿武蔵野館は今週金曜日までならレイトショー割引を使えば安く観られるし、キネカ大森ならサービスデーがあったっけよ…。オット、他の映画ファンに教えちゃソンだ、あばよ!(唐突な不死身仮面アズテカオマージュ)
韓国のフォークグループ、展覧会のアルバム。「記憶の習作」が収録されております。
Exhibition 1
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建築学概論(ネタバレ)
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