アンチヴァイラル
原題:Antiviral
2012/カナダ、アメリカ 上映時間108分
監督・脚本:ブランドン・クローネンバーグ
製作:ニブ・フィッチマン
撮影:カリム・ハッセン
美術:アーブ・グレイウォル
出演:ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ、サラ・ガドン、マルコム・マクダウェル、ニコラス・キャンベル、ダグラス・スミス、ウェンディ・クルーソン、シーラ・マッカーシー、ジェイムズ・ケイド
パンフレット:★★(700円/柳下毅一郎さんのコラムはわかりやすくて好きだけど、読み物がもう少しほしいかなぁ…)
(あらすじ)
著名人本人から採取された病気のウイルスが商品として取引され、それをマニアが購入しては体内に注射する近未来。注射技師シド(ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ)は、持ち出した希少なウイルスを闇市場で売りさばきつつ、自身も究極の美女ハンナ(サラ・ガトン)のウイルスを投与していた。そんなある日、ハンナが謎の病気で急死したのを機に、異様な幻覚症状に襲われる。未知のウイルスの宿主でもあるからなのか、何者かに追われるようにもなったシド。休むことなく続く幻覚と追撃に疲弊する中、彼は自分を取り巻く陰謀の存在に気付く。(以上、シネマトゥデイより)
予告編はこんな感じ↓
70点
最初は「時間があったら、観ようかな~」程度の気持ちだったんですけど、確か「ロイヤル・アフェア 愛と欲望の王宮」の時に予告編を観て、「結構面白そうじゃん!」と興味が湧きまして。渋谷のシネマライズに行って来ました。「クローネンバーグの血、恐るべし… (`Δ´;) ヌゥ」と思いましたよ。もうね、「ホラーSHOX [呪]」さんの素敵な記事とか頭巾くんの熱い感想とか読めば十分な気がするんですけど、僕なりに駄文を書き残しておきますね。
劇場には、記事の切り抜きがあったのはもちろんのこと…。
「ABAHOUSE LASTWORD」とタイアップしたスーツプレゼント企画もありました (`Δ´;) オサレナスーツ...
この映画の監督のブランドン・クローネンバーグは、父親があのデヴィッド・クローネンバーグなワケですけど、作風がスゲー似てるというか。主人公が見る“ゲンナリドリーム”や、ラストの“培養用の肉塊と化したセレブ”などのグロい肉体変容描写もあって、「あら、お父さんと同じ趣味なのね (´∀`) ウフフ」と微笑ましかったです。
この変な口になっちゃう場面は夢なんですが、やっぱり“お父さんの作風”を思い浮かべちゃいますよね。
お話的にもユニークで。「セレブを崇拝する余り、その細胞が混ざった培養肉を食べたり、セレブたちが罹った病気に感染したりするのが大流行している近未来ーー」ってのは、さすがに「おまえは何を言ってるんだ」的な世界観だと思いつつも、ウィルス抽出装置とか、顔画像が付いてるウィルスとか、出てくるガジェットにそこそこの説得力があったので、スムースに映画の世界に入れましたよ(とはいえ、注射描写は雑だと思ったんですが、消毒綿はあえて使わなかったんですかね?)。お父さんの作品で例えると、なんとなく「ビデオ・ドローム」を連想しましたね~。
こんな感じでセレブ肉が売られてたりする世界…。さすがに気持ちが悪いですな (´Д`;) イヤーン
で、「白バックなオサレムードに血の赤が映える」的な画面作りの中、物語が進むにつれて、非力な主人公がやたらと悲惨な目に遭いまくって。「おやおや、アート映画っぽく不条理に終了するのでしょうな (´,_ゝ`) ププッ」なんて思いきや! 悪質ブローカーのレヴィン(ジェイムズ・ケイド)の顔に注射を刺してキッチリ報復したり、ライバル会社の女社長テッサー(ウェンディ・クルーソン)と土壇場で交渉して右腕になったりと、エンタメ的な逆転劇が待ち受けていたので、結構ビックリしたというか、なかなか面白かったですよ。ちなみにオチを書いておくと、肉培養装置と化したセレブの“腕らしき部分”を主人公がメスで切って、その血を舐めてハァハァしながら終わってました。結局、「自分にウィルスを感染させる」というリスキーな運び屋をやっていたのは趣味の延長だった…ってことなんでしょうな。
クソ野郎の口にウィルス入り注射をグサーッ! ちゃんと刺さったところを見せるのもクローネンバーグ流。
役者さんたちも素晴らしくて、特に主人公のケイレブ・ランドリー・ジョーンズの病的&神経質なムードは、「X-MEN:ファースト・ジェネレーション」での好青年振りがウソのようで、心底感心いたしました。頭巾くんのブログによると、役作りはかなり頑張ったようですが、その苦労は報われたのではないでしょうか。あと、セレブ役のサラ・ガドンはキレイでしたね~。実写版「北斗の拳」
のリュウケン役で知られるマルコム・マクダウェルが(イヤな紹介文)、結構マトモな医者役かと思ってたら、「セレブの皮膚を腕に貼ると安心するよね!(o^-')b」と力説するおかしな人だったのも愉快でしたよ。
ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ、非常に良かったです。
ということで、お父さんの良いところを受け継ぎつつも、オレジナルなディストピアSFに仕上げていて、非常に好感が持てる映画でした (^ε^) ウッフン ブランドンという名前の二世は、リー家の長男といい、信用できるのかもしれませんな…(サンプルが少なすぎる説)。それと、最後に書いておきたいのが、オッパイ描写。セレブ役の1人が見せていたんですけども、確かサラ・ガドンもヌードのシーンで一瞬だけ乳首が見えたような気がしまして。アレは僕の願望が見せた幻なのか、それとも…? その答えは、アナタ自身が劇場で確かめていただければと思うのですが(勿体ぶった文章)、ごめんなさい、渋谷のシネマライズでの上映は本日までなので、観ようと思った人は急いでぇ!ヽ(´Д`;)ノ アアン
お父さんのデヴィッド・クローネンバーグ監督作。正直、よくわからなかった記憶 (´∀`;) エヘヘ
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ケイレブ・ランドリー・ジョーンズがバンシー役を演じた作品。彼が飛ぶシーンの高揚感は素敵すぎ。
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アンチヴァイラル(ネタバレ)
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