i 新聞記者ドキュメント
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2019/日本 上映時間113分
監督・撮影:森達也
企画・製作・エクゼクティブプロデューサー:河村光庸
プロデューサー:飯田雅裕、石山成人
アソシエイトプロデューサー:塩沢葉子、上尾歩
監督補・撮影:小松原茂幸
編集:鈴尾啓太
音楽:MARTIN
出演:望月衣塑子、森達也、伊藤詩織、籠池泰典、籠池諄子、上村秀紀、前川喜平、菅義偉、安倍晋三、吉田豪
パンフレット:★★★(800円/監督やプロデューサーの話が面白かった)
(解説)
映画「新聞記者」の原案者としても話題を集めた東京新聞社会部記者・望月衣塑子を追った社会派ドキュメンタリー。オウム真理教を題材にした「A」「A2」、佐村河内守を題材にした「FAKE」などを手がけた森達也監督が、新聞記者としての取材活動を展開する望月の姿を通して、日本の報道の問題点、日本の社会全体が抱えている同調圧力や忖度の実態に肉迫していく。(以上、映画.comより)
予告編はこんな感じ↓
80点
僕的に「日本アカデミー賞」は何の権威も認めていないし、まったく好きではなくて。正直、いつも「誰が選んでるんだよ ( ゚д゚)」と思うことしきりでしてね。特に今年の最優秀作品賞に関しては、あの「凪待ち」や「よこがお」、「愛がなんだ」、「岬の兄妹」がスルーされて、「キングダム」や「翔んで埼玉」なんて映画がノミネートされた挙げ句(作品自体は嫌いじゃないけどさぁ…)、「新聞記者」が受賞したのは結構イラッとした…ということで(もちろん「反日の捏造記者をモデルにした作品ガー」なんて意見はアホだと思いますがー)。なんとなく「新聞記者」
の主人公のモデルになった望月衣塑子記者を扱った作品の感想をアップしておきますね。
「森達也監督のドキュメンタリーは必ず観る主義」というワケではないんですけど、「新聞記者」
も観たし、一応、付き合いで足を運ぼうかな…と思っていたにもかかわらず、気が付けば11月公開作なのに年をまたいじゃいましてね(汗)。2月12日(水)、アップリンク吉祥寺にて、「ザ・ピーナッツバター・ファルコン」と連続鑑賞いたしました(その後、仕事に行ってから、帰りに「ナイト・オブ・シャドー 魔法拳」を観た)。こっちの方が好きでしたヨ (°∀°)b ヨカッタ!
アップリンクで鑑賞する際は、つい伊良コーラを買ってしまいがち&加藤清澄気分になりがちなアタシ。
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4番スクリーン、観客は19人でした。
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あらためて書きますが、本作の主人公は、「新聞記者」
のモデルになった望月衣塑子記者でしてね。彼女が「辺野古新基地建設の赤土問題」や「伊藤詩織さん準強姦事件」や「森友学園問題」や「加計学園問題」などを取材しつつ、官邸の記者会見で質問をしては上村秀紀報道官の質問妨害に遭う様子が映し出される…ってな調子(で、合間合間に“官邸記者会見の撮影を申請するも却下される森達也監督”が描かれる)。まぁ、恥ずかしながら本作を観るまでは望月衣塑子記者に興味がなかった&よく知らなくて (ノ∀`) エヘヘ そりゃあいくらドキュメンタリーと言えども「ウソはつく」ワケですから、当然ながら“ある程度のバイアス”はかかっていると思いつつも、さすがは「A」や「A2」、「FAKE」など、社会から叩かれている人を撮ってきた森監督なだけあって、本作の彼女もまた実に魅力的に映ってました。まさに“映画の主人公”を観ているかのようで(って、実際にそうですけど)、望月記者の活躍振りを観るだけでも楽しい映画じゃないかしらん。
森達也監督、取材対象を面白く見せる手腕は相変わらずでしたな(って、望月記者自身がもともと魅力的なんだとも思いますが)。
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ちなみに吉田豪さんがチラリと映ったのはうれしかった…という、どうでも良いファン心理。
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例えば、麻生太郎財務大臣の「つまらないこと」発言もプチ鹿島さんの分析を読むと味わい深くなるように、そりゃあ官邸や記者クラブ側からすれば、「こっちはこっちでいろいろあるんだよ!(`Δ´;)」って面もあるんだろうけれども。観客的には、望月記者がちゃんと取材をした上で官邸での質問に臨んでいる姿を見せられているだけに、雑な回答しかしない菅義偉内閣官房長官はやっぱり不誠実に見えるし、記者クラブは“権力におもねって同じ記者を守らない厭な奴ら”に見えちゃいますわな。一番酷いなと思ったのは、上村秀紀報道官の質問妨害で、いくら彼ら側に立ったとしても、政府が一記者に対してあんな露骨な嫌がらせをやるのはどう考えても「ナシ」だし、それを黙認する記者クラブも既得権益が大事なんだなぁと。あの一連のシーン、僕的には「A」で「転び公妨」を目撃した時のような、権力側の悪意や見苦しさを感じて、非常に不快ながらも面白かったです。ちなみに「映画秘宝」で映画評論家の町山智浩さんが「羊たちの沈黙」のクラリスを引き合いに出されていて「なるほど」と思ったんですが、確かに「男社会への挑戦」的な面もあるんだろうな…と思ったり、思わなかったり (・ε・) ドッチダヨ
僕的に好きじゃなかったところを挙げると、映画の終盤で望月記者が怒りのあまりにデーモン化するアニメパートは心底どうでも良かったですね(「映画秘宝」のインタビューによると「ナチュラル・ボーン・キラーズ」を観てから、ずっとやりたかったそうですが)。あと、最後に森監督の主張がナレーションで流れるんですが、若干の“マイケル・ムーアみ”を感じたというか。「それほど“i=個”が大事ということを伝えたいんだな」と思うと少しホッコリしたものの、とはいえ、ごめんなさい、説教くさくて好きじゃなかったです。そりゃあ、1944年の「パリ解放」で丸刈りにされた女性たちを引き合いに出して「一色に染まった“正義の暴走”の怖さ」に触れたこと自体は好感が持てたものの、「だったら劇中で“左側”のネガティブな要素も描かないと説得力がないのでは?」なんて思っちゃうのは意地悪でしょうか(「中立じゃないとダメ」なんじゃなくて「中立ぶっている」のが好きじゃない。その点で「三里塚のイカロス」は優れていたと思う)。
映画で説教されると、ついこんな気持ちになりがちな心の狭いアタシ(「バキ」より)。
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本作の「Q&Aイベント」を貼っておきますね↓ 「新聞記者」と同じプロデューサーだったのね (゚⊿゚) ヘー
その他、思ったところを書いておくと、「籠池夫妻が面白い」とか「前川喜平さんの『出会いバー報道』をした読売新聞は最低だな」とか「あの山口敬之さんを露悪的に映していなくて驚いた(当たり前ではありますが…)」とか「ザ・ニュースペーパーが出てきたのはうれしかった」とか「猫が可愛かった」とか「河村プロデューサーのオファー通り、森達也監督が撮った『新聞記者』が観たかったな」とかとかとか。それと、本作で流れる「脅迫電話」が本当に醜悪で驚いたというか、人種差別的な発言をしたり、情報源として頼りきっているくせに「マスゴミ」なんて言葉を使ったり、安易に「反日」とか「売国」認定するような人間にはなりたくないものですな…ってのは説教くさいですカネー。まぁ、何はともあれ、森達也監督らしいと思いきや、意外と「らしくもないぜ」を歌いたくなったりもする1本であり(不要な文章)、でも、トータルすると僕は結構好きでしたヨ (°∀°)b ヨカッタ! まだあちこちで上映されているので、興味がある方は観ておくと良いザンス。おしまい。
望月衣塑子記者の著書。ちょっと読む気になってきました。
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森達也監督作。僕の感想はこんな感じ。
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最初は森達也監督がオファーされたという映画。僕の感想はこんな感じ。
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2019/日本 上映時間113分
監督・撮影:森達也
企画・製作・エクゼクティブプロデューサー:河村光庸
プロデューサー:飯田雅裕、石山成人
アソシエイトプロデューサー:塩沢葉子、上尾歩
監督補・撮影:小松原茂幸
編集:鈴尾啓太
音楽:MARTIN
出演:望月衣塑子、森達也、伊藤詩織、籠池泰典、籠池諄子、上村秀紀、前川喜平、菅義偉、安倍晋三、吉田豪
パンフレット:★★★(800円/監督やプロデューサーの話が面白かった)
(解説)
映画「新聞記者」の原案者としても話題を集めた東京新聞社会部記者・望月衣塑子を追った社会派ドキュメンタリー。オウム真理教を題材にした「A」「A2」、佐村河内守を題材にした「FAKE」などを手がけた森達也監督が、新聞記者としての取材活動を展開する望月の姿を通して、日本の報道の問題点、日本の社会全体が抱えている同調圧力や忖度の実態に肉迫していく。(以上、映画.comより)
予告編はこんな感じ↓
80点
僕的に「日本アカデミー賞」は何の権威も認めていないし、まったく好きではなくて。正直、いつも「誰が選んでるんだよ ( ゚д゚)」と思うことしきりでしてね。特に今年の最優秀作品賞に関しては、あの「凪待ち」や「よこがお」、「愛がなんだ」、「岬の兄妹」がスルーされて、「キングダム」や「翔んで埼玉」なんて映画がノミネートされた挙げ句(作品自体は嫌いじゃないけどさぁ…)、「新聞記者」が受賞したのは結構イラッとした…ということで(もちろん「反日の捏造記者をモデルにした作品ガー」なんて意見はアホだと思いますがー)。なんとなく「新聞記者」
「森達也監督のドキュメンタリーは必ず観る主義」というワケではないんですけど、「新聞記者」
アップリンクで鑑賞する際は、つい伊良コーラを買ってしまいがち&加藤清澄気分になりがちなアタシ。

4番スクリーン、観客は19人でした。

あらためて書きますが、本作の主人公は、「新聞記者」
森達也監督、取材対象を面白く見せる手腕は相変わらずでしたな(って、望月記者自身がもともと魅力的なんだとも思いますが)。

ちなみに吉田豪さんがチラリと映ったのはうれしかった…という、どうでも良いファン心理。

例えば、麻生太郎財務大臣の「つまらないこと」発言もプチ鹿島さんの分析を読むと味わい深くなるように、そりゃあ官邸や記者クラブ側からすれば、「こっちはこっちでいろいろあるんだよ!(`Δ´;)」って面もあるんだろうけれども。観客的には、望月記者がちゃんと取材をした上で官邸での質問に臨んでいる姿を見せられているだけに、雑な回答しかしない菅義偉内閣官房長官はやっぱり不誠実に見えるし、記者クラブは“権力におもねって同じ記者を守らない厭な奴ら”に見えちゃいますわな。一番酷いなと思ったのは、上村秀紀報道官の質問妨害で、いくら彼ら側に立ったとしても、政府が一記者に対してあんな露骨な嫌がらせをやるのはどう考えても「ナシ」だし、それを黙認する記者クラブも既得権益が大事なんだなぁと。あの一連のシーン、僕的には「A」で「転び公妨」を目撃した時のような、権力側の悪意や見苦しさを感じて、非常に不快ながらも面白かったです。ちなみに「映画秘宝」で映画評論家の町山智浩さんが「羊たちの沈黙」のクラリスを引き合いに出されていて「なるほど」と思ったんですが、確かに「男社会への挑戦」的な面もあるんだろうな…と思ったり、思わなかったり (・ε・) ドッチダヨ
僕的に好きじゃなかったところを挙げると、映画の終盤で望月記者が怒りのあまりにデーモン化するアニメパートは心底どうでも良かったですね(「映画秘宝」のインタビューによると「ナチュラル・ボーン・キラーズ」を観てから、ずっとやりたかったそうですが)。あと、最後に森監督の主張がナレーションで流れるんですが、若干の“マイケル・ムーアみ”を感じたというか。「それほど“i=個”が大事ということを伝えたいんだな」と思うと少しホッコリしたものの、とはいえ、ごめんなさい、説教くさくて好きじゃなかったです。そりゃあ、1944年の「パリ解放」で丸刈りにされた女性たちを引き合いに出して「一色に染まった“正義の暴走”の怖さ」に触れたこと自体は好感が持てたものの、「だったら劇中で“左側”のネガティブな要素も描かないと説得力がないのでは?」なんて思っちゃうのは意地悪でしょうか(「中立じゃないとダメ」なんじゃなくて「中立ぶっている」のが好きじゃない。その点で「三里塚のイカロス」は優れていたと思う)。
映画で説教されると、ついこんな気持ちになりがちな心の狭いアタシ(「バキ」より)。

本作の「Q&Aイベント」を貼っておきますね↓ 「新聞記者」と同じプロデューサーだったのね (゚⊿゚) ヘー
その他、思ったところを書いておくと、「籠池夫妻が面白い」とか「前川喜平さんの『出会いバー報道』をした読売新聞は最低だな」とか「あの山口敬之さんを露悪的に映していなくて驚いた(当たり前ではありますが…)」とか「ザ・ニュースペーパーが出てきたのはうれしかった」とか「猫が可愛かった」とか「河村プロデューサーのオファー通り、森達也監督が撮った『新聞記者』が観たかったな」とかとかとか。それと、本作で流れる「脅迫電話」が本当に醜悪で驚いたというか、人種差別的な発言をしたり、情報源として頼りきっているくせに「マスゴミ」なんて言葉を使ったり、安易に「反日」とか「売国」認定するような人間にはなりたくないものですな…ってのは説教くさいですカネー。まぁ、何はともあれ、森達也監督らしいと思いきや、意外と「らしくもないぜ」を歌いたくなったりもする1本であり(不要な文章)、でも、トータルすると僕は結構好きでしたヨ (°∀°)b ヨカッタ! まだあちこちで上映されているので、興味がある方は観ておくと良いザンス。おしまい。
望月衣塑子記者の著書。ちょっと読む気になってきました。
森達也監督作。僕の感想はこんな感じ。
最初は森達也監督がオファーされたという映画。僕の感想はこんな感じ。