Quantcast
Channel: 三角絞めでつかまえて2
Viewing all articles
Browse latest Browse all 2570

竜とそばかすの姫(IMAX2D版)(ネタバレ)

$
0
0

※今回の記事は、本作が好きな人は間違いなく不快になると思うので、気をつけて!

 

 

 

 

 

 

竜とそばかすの姫

 

2021/日本 上映時間121分

監督・原作・脚本:細田守

企画:スタジオ地図 

作画監督:青山浩行

CG作画監督:山下高明 

CGキャラクターデザイン:ジン・キム、秋屋蜻一

CGディレクター:堀部亮、下澤洋平

美術監督:池信孝

プロダクションデザイン:上條安里、エリック・ウォン

色彩設計:三笠修

衣装:伊賀大介、森永邦彦、篠崎恵美 

撮影監督:李周美、上遠野学、町田啓 

編集:西山茂

音楽監督:岩崎太整 

音楽:岩崎太整、ルドウィグ・フォシェル、坂東祐大

メインテーマ:millennium parade × Belle

リレコーディングミキサー:佐藤忠治

スーパーバイジングサウンドエディター:勝俣まさとし

ミュージックスーパーバイザー:千陽崇之

キャスティングディレクター:増田悟司、今西栄介

制作:スタジオ地図

出演:中村佳穂、成田凌、染谷将太、玉城ティナ、幾田りら、森山良子、清水ミチコ、坂本冬美、岩崎良美、中尾幸世、森川智之、宮野真守、島本須美、役所広司、石黒賢、ermhoi、HANA、佐藤健、津田健次郎、小山茉美

パンフレット:★★★(820円/キレイなビジュアルが満載。ネタバレされているのは好き)

(あらすじ)
高知県の自然豊かな田舎町。17歳の女子高生すずは幼い頃に母を事故で亡くし、父と2人で暮らしている。母と一緒に歌うことが大好きだった彼女は、母の死をきっかけに歌うことができなくなり、現実の世界に心を閉ざすようになっていた。ある日、友人に誘われ全世界で50億人以上が集う仮想世界「U(ユー)」に参加することになったすずは、「ベル」というアバターで「U」の世界に足を踏み入れる。仮想世界では自然と歌うことができ、自作の歌を披露するうちにベルは世界中から注目される存在となっていく。そんな彼女の前に、 「U」の世界で恐れられている竜の姿をした謎の存在が現れる。(以上、映画.comより)


予告編はこんな感じ↓

 

 


20点

 

※この映画については、伊藤聡さんのnoteがオススメでございます。

 

ハッキリ言って、細田守監督の前作と前々作はイマイチ乗り切れなかったんですけど(汗)、アニメ的な演出力は素晴らしいと常々思っているし、「あの『サマーウォーズ』から約10年振りにインターネットの世界を描く」というのも気になるし、そりゃあ観ようと思ってましてね。ちょうど愛聴しているラジオ番組「アフター6ジャンクション」の週刊映画時評コーナー「ムービーウォッチメン」の課題映画になったということで、7月26日(月)、TOHOシネマズ新宿auマンデイを利用して、レーザーIMAX2D版を鑑賞いたしました。「これはないわー (´∀`;) ナイワー」と思ったり。

 

 

TOHOシネマズ新宿のレーザーIMAX、ほぼ満席だったような。

 

タンドリーチキンとキャベツのトルティーヤサンドを食べながら鑑賞いたしました。

 

 

本作を観た人が「そんな話じゃないだろ!(`Δ´)」と怒りそうなくらい、そこそこ重要な登場人物すらもザックリと省いたあらすじを書いておきますと。かつて快活だった少女・すずは母親が他の子どもを救うために溺死したことがトラウマになって、すっかり暗い女子高生になってしまい、人前で歌うのも無理だったんですけれども。ある日、友人のヒロに誘われて、仮想世界「U(ユー)」に「ベル」という名前でアカウントを作ってみたら、そこでは自然と歌えた上に、ファンが大量発生ですよ ヘ(゚∀゚*し ララライ! さらにはヒロの力を借りて、「U」でコンサートを開くまでになるんですが、暴れ回る嫌われ者の「竜」と出会ったら、すっかり「気になるアイツ」になってしまうというね (´∀`し キニナル-

 

 

ということで、公式動画を貼っておきますね↓

 

 

 

で、あーだこーだあって、「竜」の正体が「親から虐待されていた少年・恵」であることが判明するも、保護するために居場所を教えてもらうとしても信用されないので、ベルは「U」の世界で顔出し→「すず」として歌いまして 川 ゚д゚) アーイタイー いろいろあって、すずは単身で恵が住んでいる東京の街に向かうと、彼の暴力的な父親にも怯むことなく立ち向かって、父親ったら「ひぃぃぃ〜 (°д°;) ヒィィィ」と退散。それを目撃した恵ったら「オレも立ち向かうYO!(o^-')b ヤッテミル!」ってな調子であり、すずが高知に戻ってみれば、父親との関係は修復され、片想いだった幼馴染みのイケメンとも良いムードになり、みんなの前で歌えるようになって、めでたしめでたし…ってな調子で終わってたような気がします。

 

 

ということで、公式動画を貼っておきますね↓

 

 

 

本作を観る前、未見だった「デジモンアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム」huluで鑑賞したんですよ。「なるほど、これは当時にしてはかなり斬新な世界観だし、よくできてるわー ( ´_ゝ`) ナルホド」と感心して。ついでに妻と劇場で2回観たほど好きな「サマーウォーズ」を久しぶりに観たら、これまたスゲー面白くてね…(しみじみ)。その流れで、「またネットの世界を描くのだから、さぞスゴいことになっているんでしょうな!」と思ってたら、意外とそうでもなかったので、少しガッカリしました。なんて言うんですかね、もうネットがそれほど広い世界じゃないことが判明している昨今、いくら劇中で起こる出来事の数々が「子ども向けの寓話」だとしても、「その例え、上手くないですよ (´∀`) ンモウ!」感があったというか。

 

つーか、「ネットの悪意」があまりにも画一的な描き方なのはゲッソリしましたね。今どき「ネットで悪口を書き込む人が“太ったザマス系オバサン”」って、さすがに手垢にまみれまくってる展開じゃないですか。いや、もちろん“そういう人”もいるだろうけど、それこそ「クールな幼馴染みが書き込んだりしてんじゃないの?」的な怖さがあるわけでさぁ。あと、ネットには「手っ取り早くお金が稼げる」という良さ/怖さもあって。すずが「ベル」としてブレイクするくだり、収益絡みはどう描くのかなと思っていたら、ヒロが友人に何の相談もせずに「儲かったお金はすべてチャリティーに!( ̄ー ̄し ニヤッ」と、早口の説明台詞をかまして問題をスルーしたから、なんだそりゃ ( ゚д゚)、ペッ それと、いくら「正義の暴走」を描くにしても「ユーザーに強制身バレできるアイテムを渡して放置」とかあり得なさすぎるというか、あの「U」の運営はマジでクソだと思ったり。

 

 

唐突ですが、ネットの悪意を体現しているように見える片岡輝夫を貼っておきますね(「餓狼伝」第17巻より)。

 

 

とはいえ、上記の不満は「『ファミリー向け映画』だから仕方ないな」と許せてはいたんですよ。「子どもに向けてネットの世界を描くのだから、ある程度の分かりやすさは必要なんだろうなー」的な感じで、僕も大人ですし(現在48歳)。そして何よりも「すず=ベル」の歌唱シーンが本当に素晴らしくて。終盤、恵に信用してもらうために素顔を晒して歌う展開自体に言いたいことがないワケではないんですけど(汗)、あの歌声一発でやられてしまったというか。細田監督による演出もスゴいんですが、本作のMVPは間違いなく中村佳穂さん&音楽チームでしょうな〜。もうね、クライマックスの歌唱シーンではボロボロと泣いてしまったし、「ネットでは『賛否両論』なんて記事があがってて、確かにネットの描き方はどうかと思ったけど、なかなか良い映画じゃないか ( ;∀;) イイエイガダナー」なんて思ってたんですよ、その後の展開を観るまでは。

 

ごめんなさい、終盤の展開だけはマジで「ない」です。「50億人云々と言っておきながら、竜の正体は日本人なのかよ」というのは全然良いとしても(「幼馴染みが『竜』の正体かも?」的なミスリードから、海外の人かと思ってた)、「登場人物たちの超ご都合的な探偵化(「オレ、分かるかも!」じゃねぇよ)」とか「48時間ルールの悪意全開な描き方(モロに動画の証拠が残ってるのにさぁ…)」とか「あんな動画が加害者本人に送りつけられるほどの事態になっていたら、ネットの“良識ある人たち”が通報しまくってるでしょ」とかとかとか、苛立ちポイントが無限大であり、何よりも「虐待加害者の元に未成年の少女をひとりで行かせる」ってのがアウトすぎ。

 

そりゃあ「死んだ母親のように自分も他者のためにリスクある行動を〜」みたいなことを描きたかったんでしょうけど、「もうちょっと考えようよ… (´Д`;)」と思わざるを得なかったです。母親の友人だった5人の中年女性(a.k.a.したり顔の役立たず集団)だけでなく、すずの父親も知った風なムードで娘の行動を後押ししてましたが、ごめんなさい、「信じる」という言葉に酔って大人としての責任を放棄したバカにしか見えなかったし、その後の「“まっすぐな瞳”で見つめただけで『ひぃぃぃ〜 (°д°;) ヒィィィ』と加害者が退散する展開」の陳腐さは筆舌に尽くしがたいし、さらに、さらに、さらに、さらに、虐待の被害者である子どもに「オレも立ち向かうよ (o^-')b ヤッテミル!」みたいなことを言わせるのって「夏の大作映画」が発信するメッセージとしては最低最悪じゃないでしょうか。

 

 

そんなワケで、鑑賞後の僕の心境を代弁する相原コージ先生を貼っておきますね(「サルまん 21世紀愛蔵版」より)。
納得できーん!

 

 

その他、「すず=ベルという名前、本作がオマージュを捧げている『美女と野獣』よりも『夏への扉 キミのいる未来へ』の悪女を連想しちゃった」とか「カミシンとルカの告白絡みのシーンは結構好き」といったことは置いとくとして。本当にね、演出とか音楽とか超良いところがある分、終盤の展開に超ムカついてしまったんですよね…。僕的には細田監督作で一番嫌いな映画になった次第。正直、細田監督だけじゃなく、「関係者全員、この映画がOKだと思うの?(°д°;) マジ?」と良識を疑うレベルでしたよ。ただ、大ヒットしているみたいだし、みんな観に行けば良いと思います。おしまい。

 

 

 

 

映画は好きじゃなくても、かなりほしくなる本作の主題歌。「初回生産限定盤」もあるみたい。

 

 

こちらはサウンドトラック盤。「初回限定仕様」もあるみたい。

 

 

細田守監督による小説版が出ております。


 

細田守監督の前作。僕の感想はこんな感じ。

 

 

細田守監督作。久しぶりに観直しましたけど、面白かったです (o^-')b イイネ!

 

 

 

本作のモチーフとなったディズニー映画。ダンスシーンとか従者とか、わかりやすくオマージュを捧げてましたな。

 

 

 

 


Viewing all articles
Browse latest Browse all 2570

Trending Articles



<script src="https://jsc.adskeeper.com/r/s/rssing.com.1596347.js" async> </script>