原題:Druk
2020/デンマーク 上映時間115分
監督・脚本:トマス・ビンターベア
製作:シーセ・グラウム・ヨルゲンセン、キャスパー・ディシン
脚本:トビアス・リンホルム
撮影:シュトゥルラ・ブラント・グロブレン
美術:サビーネ・ビズ
衣装:エレン・レンス、マノン・ラスムッセン
編集:アンネ・オーステルード、ヤヌス・ビレスコフ・ヤンセン
出演:マッツ・ミケルセン、トマス・ボー・ラーセン、マグナス・ミラン、ラース・ランゼ、マリア・ボネビー、ヘリーヌ・ラインゴー・ノイマン、スーセ・ウォルド
パンフレット:★★★★☆(1000円/少し高めながら、読み物多めでデザインや作りもしっかりした素敵パンフ)
(あらすじ)
冴えない高校教師のマーティン(マッツ・ミケルセン)と3人の同僚は、ノルウェー人の哲学者が提唱した「血中アルコール濃度を一定に保つと仕事の効率が良くなり想像力がみなぎる」という理論を証明するため、実験をすることに。朝から酒を飲み続け、常に酔った状態を保つと授業も楽しくなり、生き生きとするマーティンたち。生徒たちとの関係も良好になり、人生は良い方向に向かっていくと思われた。しかし、実験が進むにつれて次第に制御がきかなくなり……。(以上、映画.comより)
予告編はこんな感じ↓
70点
※本作に使われている音楽について知りたい方はこちらのリストをチェックしてみてくださいな。
“北欧の至宝”と呼ばれるドルフ・ラングレンマッツ・ミケルセン主演であり、アカデミー賞の国際長編映画賞を受賞したということで、一応、気にはなってましてね。ちょうど愛聴しているラジオ番組「アフター6ジャンクション」の週刊映画時評コーナー「ムービーウォッチメン」の課題映画になったということで! 9月8日(水)、渋谷のシネクイントにて、「プロミシング・ヤング・ウーマン」鑑賞時の上映トラブルでいただいた無料チケットを使って、朝イチの回を観てきましたよ(その後、「遊星王子2021」をハシゴ)。「酒は飲んでも飲まれるなッ!Σ(°д° ) クワッ!」と思ったり。
スクリーン1の観客は25人ぐらい。コーヒーを飲みながら観たのです。
まず、「ウソ・大げさ・まぎらわしさ」などを適度に交えながら、あらすじをザッと書いておきますと(JAROに通報されそうな書き出し)。映画は「湖の周囲をリレー形式で走りながら飲む」という、高校生たちのハードな飲酒シーンから始まりまして。で、場面が変わると、高校の歴史教師マーティン(マッツ・ミケルセン)の冴えない日常がスタート。かつては大学教授を目指していたものの、生活のために夢を諦めたっぽい彼は、一緒に暮らしている妻&子どもたちとは疎遠気味であり、授業がイマイチすぎるせいで保護者から吊し上げを食らったりして、ションボリ気味のエブリデイなのです (´・ω・`) ションボリ
なんとなくデンマークの飲酒事情がわかるサイトを貼っておきますね。
そんなある日のこと。心理学の教師ニコライ(マグナス・ミラン)の40歳の誕生日を他の同僚2人と祝った時、彼から「人間は血中アルコール濃度を常に0.05%に保つことによってリラックスした状態になり、人生が豊かになる」(by 哲学者フィン・スコルドゥール)といったことを聞いていたので、酒を一杯あおってから授業に臨んだところ、大好評!Σ(゚д゚) マジカ! それを聞いた音楽教師ピーター(ラース・ランゼ)や体育教師トミー(トマス・ボー・ラーセン)も真似してみれば、彼らも授業の雰囲気が良い感じになったから不思議なものですよ。さらに妻との会話も増えて順風満帆になったので、マーティンったら調子に乗って濃度制限を撤廃→飲みまくって血中アルコール濃度を0.12%まで引き上げてみたら、足元はおぼつかなくなるも、またもや授業は大成功!ヘ(゚∀゚*)ノ ヒャッハー! ピーターやトミーも酒量を増やしていったというね。
なんとなく厚生労働省のサイトを貼っておきますね。
だがしかし。調子に乗って、4人で「行こうぜ、飲酒の向こう側!ヽ(`Д´)(`Д´)(`Д´)(`Д´)ノ ウォォォォッ!」と、アルコール度数の高い酒を限界を超えてガンガン飲んでみれば、マーティンは家族との約束をすっぽかした挙げ句に妻の浮気を指摘して大ゲンカに発展→別居するわ、ピーターはベッドでおねしょするわ、トミーは完全にアルコール依存症になるわと、散々な状況に陥りましてね… ('A`) ゲンナリ あーだこーだあって卒業式を迎えると、トミーは酔った状態で海に落ちて死んでしまうものの、マーティンは妻と復縁できるムードになった…ということで。卒業生たちに勧められて飲みまくるマーティンは、みんなの前で悲しみと喜びを抱えながら踊り、海へダイブするのでしたーー。
最後に流れるスカーレット・プレジャーの「What A Life」を貼っておきますね↓
ハッキリ言って、全体的には乗れなかったです。英題の「ANOTHER ROUND」は「もう一杯!(°∀°)b」という意味だそうで。ただ、本作はお酒の話…というよりは、いわゆる「ミドルエイジクライシス」に直面した男たちを描いていて、彼らの気持ち自体はわかるんですよ。あと、僕だって何かある時は栄養ドリンク(微量のアルコールが含まれている)を飲んだりするし、「何かの時にお酒を飲んで挑みたい」的な気持ちも共感します。しかし、国民のほとんどがガンガン飲める体質な上に、アルコール度数が低い酒なら16歳から買える&家で飲む分には年齢制限ナシというデンマークとは飲酒感覚が違いすぎるというか。「ロシアではウォッカを何杯もイッキ飲みする」「ロシアではメチルアルコールも薄めて飲めば大丈夫」というのは前田日明さんのリングス話の定番ですが(絶対盛ってると思う…そこが大好きなんですがー)、そういうことが問題なくできる体質のヨーロッパ系と、僕のような「日本酒を三合飲んだらほろ酔いです (´∀`=) ウフフ」的なモンゴロイド系とは、潰れるまでの時間が比較にならないほど長くて。アルコールとの接し方が全然違う感じがしましたよ。
なお、僕が「メチルアルコール」を知ったのは「北斗の拳」第2巻のおかげ。飲んじゃダメ、絶対!m9`Д´) ビシッ
日本人の約40%はアルコールに弱い体質ということで(モンゴロイド系特有だそうな)、血中アルコール濃度0.05%の時点ですぐバレる人がほとんどだろうし、そもそもの実験自体がバカバカしく見えたという身もフタもない感想。特に、調子に乗って濃度を上げていく展開とか「バカなの?(゚д゚;)」としか思えなくないですかね(まぁ、そういう映画なんですがー)。アルコールなんて政府公認のハードドラッグみたいなものなのだから、トミーがアルコール依存症になって死ぬくだりとか、「そりゃ依存症になるだろ (´Д`;) ウーン」というか。ごめんなさい、あまりに予想通りの結果すぎて、全然同情できなかったです(彼を慕っていた“メガネ坊”は超健気だったけれども。そっと手をつなぐシーンが好き)。たまたま飲み過ぎてそういう状態に陥っちゃったのならまだしも、ああいう「泥酔して乱痴気騒ぎする」的な経験ってのはせめて若いうちに済ませておくものではないでしょうか。その他、主人公たちが繰り広げる“斬新な”授業、お酒のおかげというよりは「これまでちゃんと自分の仕事に向き合ってなかっただけじゃないの?」と思ったり。
本作の飲酒実験を観た僕の気持ちを代弁する門田憲次を貼っておきますね(「餓狼伝」第17巻より)。
な〜んて知った風な文章を書いちゃいましたが(苦笑)、正直なところ、恥ずかしながら僕も、48歳の今でも泥酔して記憶を喪失することがあるし(ここ最近、実家で甥っ子たちに会うと「おじちゃん!( ・∀・)」「おじちゃん!(´∀`)」と慕われるのがうれしくて、ついつい飲み過ぎちゃう…)、あまり偉そうなことは言えないカナー (´∀`;) エヘヘ まぁ、文句が多めながらも、マッツ・ミケルセンをはじめとする役者さんたちの泥酔演技は見事だったし(飲んで演じてるのかと思った!)、ラストに見せるマッツ・ミケルセンのダンス&ダイブのフォームが素敵だったので、70点という着地。何はともあれ、世間では「酒の勢いを借りて何かする」ことはドーピングだと断罪されることも少なくなく、確かに「酒の力を借りないと本音を言えない」なんてのはダメだと思いますけど(本作でも、主人公は泥酔したことで「妻の浮気を知っていたこと」を言えた…って感じでしたよね、確か)、とはいえ、ある程度は仕方ないのではないか、にんげんだもの (・ε・) ミツヲ 飲酒という行為をそれなりに好む僕的には、「酒は飲んでも飲まれるな」という言葉を胸に、これからも適度にお酒と付き合おうと思います。おしまい。
マッツ・ミケルセン×トマス・ビンターベア監督作。僕の感想はこんな感じ。
少し思いだしたドラッグムービー。僕の感想はこんな感じ。
少し連想した飲酒ムービー。僕の感想はこちらにアップ予定なんですが、まだ書けてない… (`Δ´;) ウーム
観る前に僕が酔っ払ってしまった映画…。僕の感想はこんな感じ。
有名な痛飲映画。未見なんですよねー。