原題:No Time to Die
2021/アメリカ 上映時間164分
監督・原案・脚本:キャリー・ジョージ・フクナガ
製作:マイケル・G・ウィルソン、バーバラ・ブロッコリ
製作総指揮:クリス・ブリガム
原案:ニール・パービス、ロバート・ウェイド
脚本:ニール・パービス、ロバート・ウェイド、フィービー・ウォーラー=ブリッジ
撮影:リヌス・サンドグレン
美術:マーク・ティルデスリー
衣装:スティラット・アン・ラーラーブ
編集:エリオット・グレアム、トム・クロス
音楽:ハンス・ジマー
主題歌:ビリー・アイリッシュ
出演:ダニエル・クレイグ、レイフ・ファインズ、ナオミ・ハリス、ロリー・キニア、レア・セドゥー、ベン・ウィショー、ジェフリー・ライト、アナ・デ・アルマス、ダリ・ベンサーラ、デビッド・デンシック、ラシャーナ・リンチ、ビリー・マグヌッセン、ラミ・マレック、クリストフ・ワルツ
パンフレット:★★★☆(880円/ビジュアル多め。過去作を取り上げた記事が良かった!)
(あらすじ)
現役を退きジャマイカで穏やかな生活を送っていたボンドのもとに、CIA出身の旧友フェリックス・ライターが助けを求めにやってきたことから、平穏な日常は終わりを告げる。誘拐された科学者を救出するという任務に就いたボンドは、その過酷なミッションの中で、世界に脅威をもたらす最新技術を有した黒幕を追うことになるが……。(以上、映画.comより)
予告編はこんな感じ↓
70点
別に「『007』シリーズは全部観てる!ヽ(`Д´)ノ」と言うほどのファンではないものの、ピアース・ブロスナンから劇場に足を運ぶようになったし、ダニエル・クレイグの「007」は基本的に好きだったので、本作も2020年1月に前売り券を買って楽しみにしていたものの、コロナ禍による延期が重なって、ようやく2021年10月に公開されたというね…(遠い目)。まぁ、ちょうど愛聴しているラジオ番組「アフター6ジャンクション」の週刊映画時評コーナー「ムービーウォッチメン」の課題映画にもなったということで、公開週の月曜日、仕事帰りにTOHOシネマズ渋谷で「レミニセンス」とハシゴ鑑賞いたしました。「お疲れ様でした ( ´_ゝ`) シミジミ」と思ったり。
前売特典は場面写真のポストカード5枚セットでした。
3番スクリーン、6割ぐらいの入りだったような(座席は全解放)。
遅めの夕食として、タンドリーチキンとキャベツのトルティーヤサンドを食べながら観たのです。
「ええっ、そんな雑に!? Σ(゚д゚;)」と驚かれるほどに、適当なあらすじを垂れ流しますと。映画は“ミスター・ホワイトの娘”であるマドレーヌが幼い頃、悪の組織「スペクター」に家族を殺されたテロリスト・サフィンに復讐として襲撃されつつも、なんとなく命を助けられるシーンから始まりまして。で、場面が変わって、前作「スペクター」の少し後。ボンドとマドレーヌったら、イタリアのマテーラにて、うふふあははとイチャつく生活を送っていましてね(苦笑)。そんなボンドが元カノのヴェスパーの墓参りをしてみたら、墓が爆発ッ!Σ(°д°;) ヒィッ! スペクターの手下どもの襲撃を退けて逃走するも、マドレーヌが実はブロフェルドの娘だと判明したので、「裏切りやがったな!(`Δ´)」とキレたボンドがションボリ顔のマドレーヌと別れると、オープニングが始まるのでしたーー。
ビリー・アイリッシュによる主題歌「No Time To Die」を貼っておきますね↓
さて、また場面が変わって5年後。ボンドは、今度はジャマイカで悠々自適ライフを送っていたら、CIAのフェリックスがやってきてロシアの細菌学者オブルチェフを捕まえる任務を依頼されまして。で、「新たな007」のノーミが登場したり、新人エージェントのパロマと任務をこなしたり、ボンドがスペクターの罠にハマッたと思ったら逆にサフィンの罠によってスペクターが全滅したり、実はサフィンの手先だった国務省のアッシュのせいでフェリックスが死んだり、収監されているブロフェルドに会いに行ったら生物兵器(DNAが登録されている以外の人は無害)が感染してブロフェルドが死んだり、マドレーヌがボンドとの間にできた娘マチルドを育てていたことが分かったりと、すったもんだがありました (´∀`) アラアラ いろいろあって、マドレーヌ&マチルドがサフィンにさらわれたので、生物兵器の破壊も兼ねて、ノーミとともに千島列島っぽい秘密基地に潜入すると、マドレーヌたちは救い出したものの、サフィンの邪魔のせいで生物兵器に感染&脱出も間に合わないということで、「僕と同じ青い目だ… ( ´_ゝ`)」と自分の娘の存在にシンミリするボンドにミサイルが直撃! MやらQやらが「惜しい人を亡くしました (´・ω・`) ザンネン」ムードの中、マドレーヌが車を走らせながらボンドの物語を娘に聞かせる感じで映画は終わってた気がします、たぶん。
エンドクレジットで流れる「愛はすべてを越えて」を貼っておきますね↓ 「女王陛下の007」のオマージュなんだって (゚⊿゚) ヘー
まず、好きだった部分を書きますと、いわゆる「映画のルック」は全体的に超カッコ良かったし、アクション的にも面白いシーンが多かったし(特に序盤のマテーラでのアクションが好き)、「マドレーヌがボンドとの別れ際にお腹に手を当ててた→妊娠を示唆していた」などの演出も良かったし(って、さえぼう先生のツイートのおかげで気付いたんですがー)、途中にしか出てこないお助けエージェントのパロマ(アナ・デ・アルマス)は魅力的だったし、ベン・ウィショー演じるQも相変わらず素敵だった&ボンドたちに自宅に押しかけられたシーンは微笑ましかったし(猫を飼ってて男性の恋人がいる!)、マチルドが噛みつきでサフィンから逃れるシーンでは「噛道」を連想してホッコリしたし、死を覚悟したボンドがラストに「僕と同じ青い目だ… ( ´_ゝ`)」と自分の子どもに想いを馳せる姿にはセンチな気分になったりもしたし…(かつてあった「金髪碧眼のボンド」としての批判への意趣返し的な意味合いも若干あったのかしらん)。「劇場で観るアクション映画」としては普通に満足しております。
噛みつきは子どもでも大人に有効な攻撃…というどうでも良い文章(「週刊少年チャンピオン2021年44号」「バキ道」第107話より)。
でも、正直なところ、クレイグ版ボンドの中では一番微妙だったかなぁ (・ε・) ウーム 特にガッカリしたのがラシャーナ・リンチ演じるノーミですよ。別に「黒人で女性の007」を出すのはノー問題というか、むしろ「そう来たか!Σ(゚д゚)」とグッと来たんですけど、劇中でたいして活躍もしなければあまりカッコ良くも描かれないし(「戦闘現場に遅れてきて『乗ってく?』じゃねぇよ、バカ」と思った)、さらには彼女に「007はあなた」みたいなことを言わせるとか、僕は「なんで出したの?(゚д゚;)」としか思えなかったです。中盤に出てくるパロマが最高すぎただけに、あんな風にもっとしっかり見せ場を作ってあげてほしかったですよ。設定は良かっただけに、これは本当に大きな不満でした。あと、僕的に「007」シリーズはワンマンアーミー的な部分に魅力を感じているので、前回に続いてチーム感が漂っていたのはちょっとノイズというか(もちろん現代的ではないので難しいとは思いますがー)。そりゃあQとか他のキャラの活躍も観たいけど、それはスピンオフとかでやってほしいなぁと。その他、終盤のワンカット風アクション、スゲー頑張ってましたが、ごめんなさい、残念ながら新しさは感じられなくて。僕的には既視感の強さの方が気になっちゃった次第。
それと、裏切り者アッシュの死に方がつまらないとか、中ボス要員のサイクロップス(ダリ・ベンサラ)がオプティックブラストを出さないそれほど強そうに描かれていないのは仕方ないとしても。ハッキリ言って、クライマックスの展開にはあまり乗れなかったのです。もうね、「スペクターのボンド暗殺計画が軒並みアホっぽい」とか「ブロフェルドの義眼の万能性」とか「サフィンのブロフェルド暗殺計画の杜撰さ(直接触れない状況だったらどうしたの?)」とか「手入れが大変そうな秘密基地」といったあたりはアクション映画の雑味であり萌え要素としてスムースに消化できるけれど、そんなバカバカしい状況の中で「主人公の死」を深刻かつ感動的に描かれてもさぁ。いや、しみじみして少し涙も出ましたが、とはいえ、「ずいぶんご都合的な生物兵器だよな」とか「サフィン、何がしたかったんだろうな(「ラパチーニの娘」を読めばわかるのかな…)」と乗り切れない自分もいたというか。ううむ、度重なる監督交代やら脚本家投入やらの事情を考えるといろいろ大変だったんでしょうけど、「ボンド、こんな話で死んじゃうの?(゚Д゚)」と思っちゃう僕もいた…って、伝わるでしょうか。
鑑賞後、僕の気持ちを代弁する加藤清澄を貼っておきますね(「グラップラー刃牙」第5巻より)。
ただ、エンドクレジットの最後に「ジェームズ・ボンドは帰ってくる!」といったテロップがMCU映画ライクに出てきたワケで。そりゃあ十中八九、次のボンドのことを指すとは思いますが、だがしかし。本作が本当にクレイグ版ボンドの最終作とも言えないのではないか。例えば「No Time To Die」というタイトル、恥ずかしながら僕はとても英語力が低いので(汗)、「時間がないから死ね」ぐらいの意味かと思っていたら、Google翻訳によると「死ぬ時間はない」って意味だそうで。とはいえ、ミサイルがモロに直撃してたように見えたし、あそこから助かる可能性はさすがにゼロではないか? フクナガ監督的には「もう生還の確率はないです」ぐらいの気持ちでああいう演出にしたんだろうし…。いや、でも、もしかするとあの瞬間、ミサイルの着弾点に足を向けた姿勢でジャンプすることで、当たる面積を最少にしてダメージを抑えつつ爆風の勢いを利用して海まで飛ばされていたなんてこともあるのではないか? すみません、自分でも書いてて「無理だな」と思いました (´∀`;) エヘヘ
イメージ的にはこんな感じ(「ジョジョの奇妙な冒険 第1部 カラー版」第4巻より)。
まぁ、何はともあれ、「ビジュアルがカッコいいアクション映画」として普通に楽しかったし、鑑賞前にドキュメンタリー「ジェームズ・ボンドとして」を観ていたのもあって、非常に感慨深い作品だったというか。「ダニエル・クレイグ、お疲れ様でした ( ´_ゝ`) シミジミ」という心境になりましたよ。非常にアホなことに「仕事帰りに『レミニセンス』と2本立てで観る」という状況に興奮してしまって、せっかく買った前売り券を使うのを忘れてしまったのでね、今度は吹替版でしみじみしようと思っております。おしまい。
CD版のサントラがありましたよ。
映画の公開記念で配信されたドキュメンタリー。これを観ると、クレイグ版ボンドの好感度がガン上がりしますぞ。
クレイグ版ボンド1作目。チンコの拷問シーンが白眉! マーティン・キャンベル監督の映画って結構好き。
前作の直後から始まるという斬新な2作目。そういえばマーク・フォースター監督だったのね。爆破シーンが好き。
サム・メンデス監督による3作目。結局、クレイグ版ボンドでは一番面白かった印象。僕の感想はこんな感じ。
サム・メンデス監督が続投した4作目。足が折れたまま撮影していたとは…。僕の感想はこんな感じ。
キャリー・ジョージ・フクナガ監督の長編デビュー作。これ、劇場で予告編を観ました(映画は観てない)。
キャリー・ジョージ・フクナガ監督が注目された刑事ドラマ。これは確かに面白かった!