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オオカミの家(ネタバレ)

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※今回の記事は、本作が好きな方は不快になる怖れがあるので、気をつけて!
 
 
 

 

オオカミの家

 
 
原題:La Casa Lobo
2018/チリ 上映時間74分

監督・脚本:クリストバル・レオン、ホアキン・コシーニャ

製作:カタリーナ・ベルガラ、ホアキン・コシーニャ

製作総指揮:ニレス・アタラー

脚本:アレハンドラ・モファット

出演:アマリア・カッサイ、ライナー・クラウゼ

パンフレット:★★★★☆(990円/デザインが不気味なのが良いし、解説記事も充実。本作を理解したい人にはマストの一冊。同時上映の短編「骨」のポスター型パンフも付いてます)

(あらすじ)
美しい山に囲まれたチリ南部で、「助けあって幸せに」をモットーに掲げて暮らすドイツ人集落。動物が大好きな少女マリアは、ブタを逃してしまったために厳しい罰を受け、耐えきれず集落から脱走する。森の中の一軒家に逃げ込んだ彼女は、そこで出会った2匹の子ブタにペドロとアナと名づけて世話をするが、やがて森の奥からマリアを探すオオカミの声が聞こえてくる。マリアがおびえていると子ブタは恐ろしい姿に変わり、家は悪夢のような世界と化す。(以上、映画.comより)


予告編はこんな感じ↓

 

 

 

70点

 

 

いつの放送かは失念しましたが(汗)、私が愛聴しているラジオ番組「アフター6ジャンクション」で話題になったので、「オリジナルA4クリアファイル」付きの前売り券を購入して、それなりに楽しみにしてましてね。同番組の週刊映画時評コーナー「ムービーウォッチメン」の今週の課題映画になったということで、9月6日(水)、会社帰りに家系ラーメンを食べてからシアター・イメージフォーラムにて鑑賞いたしました。「凄ェ…ッッ!Σ(°д°;) ヒィィッ」と度胆を抜かれましたよ。

 

 

当日のgif。観客は30人ぐらいだった記憶。



最近は、あまり事前情報を入れないで観るのが好きでしてね(微笑)。本作については、「世界中で評価されているストップモーションアニメ」とか「あのアリ・アスター監督が本作に惚れ込んで、同時併映の短編『骨』の製作総指揮を務めた」とか「チリの犯罪カルト集団『コロニア・ディグニダ』が題材になってる」程度の知識しかなかったので、「オオカミと七匹の子ヤギ」をストップモーションアニメにしつつ「虐待」を描いた見里朝希監督の短編「マイリトルゴート」を連想してたんですが…。もうね、予想とまったく違ってました。

 

 

「マイリトルゴート」はYouTubeで観られます。私の感想こんな感じ。

 

 

一番驚かされたのは、アニメ表現。舞台となる「オオカミの家」では、物体が次々とアニメ的に姿を変えていく上に、壁面も次々と塗り替えられていって、しかもどの場面も「一枚のアート」としてなりたつクオリティになんですよ。最初に流れた同時併映の短編「骨」(14分)も、骨が次々と姿を変えていったり、等身大の人間(?)も出てきたりして、かなりおかしな内容でしたけど、本作については「まさかこんなアニメ表現があるとは!Σ(゚д゚;)」と。凄まじくタメになるパンフによると、本作はさまざまな国の美術館やギャラリーで「実寸大の部屋のセットを組んで展示していた作品」を少しずつ変えては撮影し、5年間かけてストップモーションアニメにした…というモロにアートな作品でしてね。美術や何やらにはすっかり疎い私ですけど、これは観た瞬間、「アート!Σ(゚д゚;)」と思ったし、とにかく「今、凄いものを観ている」という感覚に包まれたというか。これ、マジで一見の価値アリだと思います。

 

 

鑑賞中の私の気持ちを代弁する範馬刃牙を貼っておきますね(「刃牙道」第4巻より)

 

 

しかも、内容は「おぞましい」のひと言。前述の通り、長期に渡って男児に性加害を実施していた犯罪カルト集団「コロニア・ディグニダ」が題材なんですが(誰もが世界史上でも稀に見るチャイルド・マレスターだということが公になったジャニー喜多川とジャニーズ事務所を連想するのでは)、本作は「一捻り」あって。そこから逃げ出した女性が2匹の子ブタを保護して一緒に暮らし始めるも、彼女自身が虐待ばかりでまともな教育を受けていないから、自分がされたようなことをしてしまう…ってな調子だから、ゲッソリですよ ('A`) ゲッソリ もうね、次々と様相を変えていくビジュアル(変化するたびにやたらと目や口から黒いモノが流れ出るのが不気味だし、「十字架がハーケンクロイツになって窓枠になる」とか、細かい部分もよくできてる)とにかく圧倒されるし、「結局、反逆した子どもたちに食われそうになって、自分を虐待していたオオカミに助けを求めてしまう」というゲッソリなオチも含めて、悪夢を観た気分になった次第。


 

鑑賞後の私の気持ちを代弁する範馬刃牙を貼っておきますね(「刃牙道」第4巻より)

 

 

ただ、正直なところ、ごめんなさい、退屈でもありました (´∀`;) エヘヘ これ、宮﨑駿監督の「君たちはどう生きるか」とか、フィル・ティペット監督による渾身のストップモーションアニメ「マッドゴッド」を観た時も「似た感覚」に襲われたというか。「いや、本当にアート的だし、スゴいものを観てる自覚はあるんだけど、なんか飽きてきたな…いや、本当にアート的でスゴいのだけれども… (´Д`;)」的な? たぶん私の脳には情報過多な作品なんでしょうな…。だから、なんかね、ああん、上手く書けないんですけど、ごめんなさいって感じです(突然、投げ出した感じの文章)

 

 

そんなワケで、鑑賞後、こんな気持ちの私もいた次第「範馬刃牙」第30巻より)

 

 

その他、「短編『骨』は事前知識がないとサッパリだな」とか思ったりしましたけど、それはそれとして。微妙なことも書いちゃいましたが、スゴい作品なのは間違いないです。「合う!ヘ(゚∀゚*)ノ」「合わない!(・A・)」がハッキリ分かれそうな気がしますが、映画(特にアニメ)が好きな人は一度は観ておくと良いんじゃないかと強く思います。おしまい。

 

 

 

 

今年観た「コロニア・ディグニダ」を扱った映画。私の感想はこんな感じ。

 

 

「コロニア・ディグニダ」を扱ったエマ・ワトソン主演作。未見なんですよね…。

 

 

 

 なんとなく貼ってみた、アリ・アスター監督のデビュー作。私の感想はこんな感じ。

 

 

 

 


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