2022/韓国 上映時間125分
(あらすじ)
1980年代の韓国。安全企画部(旧KCIA)の海外班長パクと国内班長キムは、機密情報が「北」に漏れたことから、組織内にスパイがいることを告げられる。組織内の人間全員が容疑者という状況の中、パクとキムはそれぞれ部下とともに捜査を開始する。二重スパイを見つけなければ自分たちが疑われるという緊迫した状況下で、スパイを見つけ出すことができないパクとキムは互いの動向を監視するようになり、次第に対立を深めていく。そんな中、大統領暗殺計画が発覚し、その緊張は頂点に達する。(以上、映画.comより)
予告編はこんな感じ↓
85点
韓国映画のスパイモノにハズレなし!m9`Д´) ビシッ いや、まぁ、そりゃあ私だって乗りきれない作品がなかったとは言えませんが(急に日和った文章)、とりあえず「①アクション演出のレベルが高い」し、「②”北朝鮮と休戦状態”という状況がフィクションと相性が良い」し、「③自国の政府&組織をクソみたいに描くのに躊躇がない」のもあって、常に60点以上の満足度は保証されている印象があるんですよね。
なんとなくスパイ映画の時に貼りたくなる範馬刃牙を貼っておきますね(「範馬刃牙」第1巻より)。
しかも、NETFLIXのドラマ「イカゲーム」(私は未見)で世界的スターになったイ・ジョンジェの初監督作となれば、当然ながら「観る気ゲージ」は満タン…ということで! 愛聴しているラジオ番組「アフター6ジャンクション2」の週刊映画時評コーナー「ムービーウォッチメン」の課題映画になったのもあって、10月10日(火)a.k.a.マグロの日、仕事帰りに新宿バルト9で鑑賞してきました。いいもの見せてもらいましたヨ (´∀`=) ヨカッタワー
KINEZO会員デーを利用して1400円だったんですが、U-NEXTのポイントを使うことで、実質無料ッ!(眉唾な文章)
当日のgif。からあげ味のポテトが気になって、つい散財しちゃったものの、味はそれなりでした。
鑑賞後の私の気持ちを代弁する範馬刃牙を貼っておきますね(「範馬刃牙」第12巻より)。
身も蓋もなく雑に話を書きますと、舞台は1980年代、軍事政権真っ只中の韓国。全斗煥大統領の暗殺未遂事件が起きるわ、北朝鮮に工作員を送り込む計画がバレるわと、機密情報が漏れまくりでして。安全企画部(旧KCIA)のアン部長(キム・ジョンス)に「北朝鮮のスパイ(モグラ)”トンニム”を見つけ出せ!m9`Д´) ビシッ」と命令され、海外チーム班長のパク(イ・ジョンジェ)と、国内班長キム(チョン・ウソン)は、お互いのチームを調べ合ってハードに対立する…ってな調子。
海外チームと国内チームのどちらに「北」のスパイがいるのか? どちらも拷問上等で容赦なく調べ合うのです。
で、最終的にはパクがトンニムだと判明するものの、そこで話が終わらないから面白い。光州事件を経験して全斗煥大統領を激しく憎んでいるキムもまた、同志と大統領暗殺を企ててまして。キムは大統領がタイでの遊説中、パク&北朝鮮の工作チームを利用して殺そうとするんですが、しかし。北朝鮮側は大統領を暗殺したら戦争をスタートする気マンマンであり(約600万人の一般市民が死ぬ計算)、パクは「あくまで平和に南北統一したい派」なので、自国の暗殺計画を妨害!ヽ(`Д´)ノ ウォォォォッ! 凄惨な銃撃戦が勃発する中、あまりにもガッカリしてフッキレーター化したキムは、自分の手で大統領を殺そうとするも、失敗して死亡しましてね。その後、パクは北朝鮮の工作チームに撃たれるも、元同僚(イ・ソンミン)の娘チョ・ユジョン(コ・ユンジョン/この子も実は北朝鮮の工作員だった)に「自分みたいにはなるな」的なメッセージを伝えると、「チョは他の工作員たちに反抗したのかな、粛清されただけなのかな (・∀・) ドッチカナー」的な銃声が聞こえて、映画は終わってましたよ。
クライマックスの展開は「ラングーン事件」を意識したんですかね。
ちなみにコ・ユンジョン演じるチョ、最後にスパイだと発覚して、結構ビックリしました… (´Д`;) キヅカナンダ
「俳優さんが監督する」ってのは、クリント・イーストウッドやメル・ギブソンのような大当たりもあれば、「まぁ、残念でしたな (´∀`;) ハハハ」的なことになったりもするワケですが、本作に関しては、イ・ジョンジェの初監督振りはお見事でした。もうね、「男性が喜ぶ”さしすせそ”」で褒めてみると、こんな感じ↓
あの名作「ヒート」を思わせるハードな銃撃戦を繰り広げるなんて、さすが!(*゚∀゚)=3 ムッハー!
北朝鮮工作チームの「片腕だけ鎖を付けて高速で吊り上げる拷問」、しらなかった!(o^-')b フレッシュ!
安全企画部&北朝鮮工作チームの人権無視描写がバラエティに富んでる上に容赦がなくて、すごーい!Σ(゚д゚;) スゲェ!
パクがキレたカン部長(ソン・ヨンチャン)をカウンターでビンタして追い詰めるシーン、センスいい!(´∀`) ステキ
それに比べて、「リボルバー・リリー」は… ('A`) ガッカリ
「さ」は、とにかく銃撃戦描写がイイ!(°∀°)b イイ! 「拳銃よりライフルだよね (・∀・) ダヨネー」ってな感じで、やたらとライフルを撃ちまくっていて。その演出や演技が迫力&説得力に満ちていて、とにかく興奮させられました。「し」「す」「せ」に関しては、韓国映画は全体的に軍事政権時代の暴力描写に容赦がない傾向があって。もちろん本作もまたスムースに「国家による暴力シーン」が連発するし、人権無視な拷問シーンが何度も出てくるんですが、見せ方がフレッシュだったり、制作サイドのセンスを感じさせたりする場面が本当に多かった。例えば上にも書きましたけど、映画序盤でパクがキレた上司にカウンターで暴力を振るうシーンは唐突に「偉そうなクズがボコボコにされる気持ち良さ」を堪能できてちょっと笑っちゃったし、北朝鮮工作チームが捕らえたパクを片腕だけで高速で引っ張り上げる場面も新鮮で良かった(というか、北朝鮮チームは話が通じなさそうでマジ怖かった)。なんて言うんですかね、映画から作り手の「こういうシーンを見せたい!ヽ(`Д´)ノ」という気持ちがビンビン伝わってくるんですよね(って、私が勝手に電波を受信してる可能性もありますがー)。
韓国は実銃が撃てるせいなのか、軍隊経験がある人が多いからなのか、銃器描写がリアルな作品が多いですよね。
で、すみません、「そ」は余計だった気がしないでもないんですが…。「イ・ジョンジェとチョン・ウソンの仲良し記事」によると、本作の予算は205億ウォン=約22億3,235万6,030円程度。韓国ではそのぐらいの金額でも、ハリウッド映画と遜色のないしっかりハードかつリッチに見える映画が撮れるんだなぁと。ううむ、今年公開された「リボルバー・リリー」の予算はその半分の11億円だから、比べちゃうのは可哀相なのかもしれませんけど、とはいえ、直近で観た「大規模銃撃戦」つながりでかなり連想しちゃったんですよね… (´・ω・`) ウーン 私はそれほど興味がある分野ではありませんが(格闘アクションの方が好きなので)、日本のガンアクションももうちょっと頑張ってほしいと強く思ったり。
東京での銃撃戦シーン、その直前の「亡命希望者の妻子置き去り」の非道さもあって、超良かった!
その他、役者さんも軒並み素晴らしかったですな。全員褒めたいんですが、私的に一番グッときたのは、キム役のチョン・ウソン。本作のクライマックス、パクのせいで北朝鮮工作チームの大統領暗殺が失敗する…と確信した瞬間、吹っ切れて暴走するキムの姿はね、まさに「フッキレーター」としか形容しようがなくて(若干の「もうどうにでもな〜れ」感もある)、すっかりLOVEずっきゅんなアタシ (´∀`=) スキヨ 今まで私的には「アシュラ」の時の「ちょっと頭が悪くて追い詰められていくイケメン汚職刑事(デカ)」のチョン・ウソンがストライクだったんですが、本作のキム役もまた最高でしたよ。大統領の車の窓ガラスに銃弾をバンバン撃ち込むシーンとか、すごくて笑っちゃった。ただ、北からの亡命者を演じたファン・ジョンミンを含めて、「イ・ジョンジェと仲良しです」的な役者さんたちのカメオ出演は、「知ってる顔」がやたらと出てくる割にはすぐいなくなるので逆にストレスになったというか。上手く書けないんですけど(汗)、私的には人数が多すぎてノイズになった…ってのはどうでも良いですかね。
今回のチョン・ウソン、「大義を抱え込みすぎて大変なことになっちゃった人」って感じでホント好き。
なんとなく「サウナフィン」のCMを貼っておきますね↓ヘ(゚∀゚*)ノ フッキレーター! 魔改造版もチェックしてみて!
その他、「敵アジトの自爆シーン、床が落ちる場面の見せ方がユニークだった」とか「乱戦でも物怖じせずに男の股間を蹴り上げるチョン・ヘジンを愛してる」とか、褒めたいところが盛りだくさんなんですが、長くなるので割愛! そんなワケで、いいもの見せてもらいましたヨ (´∀`=) ヨカッタワー さすがに「韓国のアクション映画は全部面白い!」とまでは思わないけど、とはいえ、平均値が高いというか、あらためてその底力を見せつけられた気分。イ・ジョンジェ、役者としても監督としても、次の作品にも期待しております。おしまい。
私がイ・ジョンジェを意識したのはこの作品からでした。私の感想はこんな感じ。
追い詰められるチョン・ウソンが愉快なバイオレンス映画。私の感想はこんな感じ。
「光州事件」について知りたい人にオススメのソン・ガンホ主演作。私の感想はこんな感じ。
1980年代初頭、軍事政権下の韓国の酷さを知りたい人にオススメのソン・ガンホ主演作。私の感想はこんな感じ。
同名の人間狩りムービー。私の感想はこんな感じ。