キック・アス ジャスティス・フォーエバー
原題:Kick-Ass 2
2013/アメリカ、イギリス 上映時間103分
監督・脚本:ジェフ・ワドロウ
製作:マシュー・ボーン、ブラッド・ピット、アダム・ボーリング、タルキン・パック、デビッド・リード
製作総指揮:マーク・ミラー、ジョン・S・ロミタ・Jr.、スティーブン・マークス、クラウディア・ボーン、ピエール・ラグランジェ、トレバー・デューク=モレッツ
原作:マーク・ミラー、ジョン・S・ロミタ・Jr.
撮影:ティム・モーリス=ジョーンズ
美術:ラッセル・デ・ロザリオ
衣装:サミー・シェルドン・ディファー
編集:エディ・ハミルトン
音楽:ヘンリー・ジャックマン、マット・マージェソン
出演:アーロン・テイラー=ジョンソン、クリストファー・ミンツ=プラッセ、クロエ・グレース・モレッツ、ジム・キャリー、モリス・チェスナット、ドナルド・フェイソン、ジョン・レグイザモ、クラーク・デューク、オーガスタス・プリュー、リンジー・フォンセカ、リンディ・ブース、ロバート・エムズ、モニカ・ドラン、スティーブン・マッキントッシュ、オルガ・クールクリナ、ダニエル・カルーヤ、トム・ウー、アンディ・ナイマン
パンフレット:★★★★(700円/情報量が多くて良い感じ)
(あらすじ)
キック・アス、ヒット・ガールというヒーローの姿を捨て、普通の学園生活を送っていたデイブ(アーロン・テイラー=ジョンソン)とミンディ(クロエ・グレース・モレッツ)。しかし、卒業がせまり将来について考えたデイブは、スーパーヒーロー軍団を作り、世界の平和を守ることを決意する。キック・アスの活躍に触発された元ギャングの活動家スターズ・アンド・ストライク大佐(ジム・キャリー)とともに「ジャスティス・フォーエヴァー」を結成したデイブだったが、そんな彼の前に、打倒キック・アスを誓うレッド・ミスト(クリストファー・ミンツ=プラッセ)がマザー・ファッカーと名を改め、悪の軍団を率いて姿を現す。(以上、映画.comより)
予告編はこんな感じ↓
97点
※今回の記事は、かなり気持ち悪い上にダラダラと読みにくく、この映画が好きな人も嫌いな人も不快になる怖れがあるので、読まない方が良いかもしれません。
※今回の記事は、「麦子さんと」のネタバレに触れているので、気を付けて!
2回、観てきました。文句は多いけど大好きでしたヨ (´∀`) ウフフ ちくしょう、気が付けば公開1ヵ月にして都内での上映館がゼロになっているみたいですが、今さらながら感想をアップしておきますね。
1回目は公開初日。深夜のUCとしまえんに走って行って、走って帰宅しました。
劇場にはキャラクターの立て看板が飾られてましたよ。
2回目はTOHOシネマズ有楽座。来るのはたぶん初めて…だと思う。
本当は100点を付けたかったーー (ノД`) ハッキリ言って、クロエ・グレース・モレッツちゃん演じるミンディ=ヒット・ガールに関しては文句なしどころか、実際に会ったらお小遣いをあげたいほどの素晴らしさ(なんとなくアウトな文章)。前作と比べると、若干、アクション面&ゴア描写で劣る感のある本作ですが、いろいろなミンディの姿を見られるだけでもグッとくるじゃありませんか。ヒット・ガールとしての活躍振りはもちろんのこと、ユニオンJにキュンキュンしたり、クソ女どもにイジメられてションボリしたり、ゲロゲリ棒で仕返ししたりと(このシーンの留飲の下がりっぷりは近年稀に見る素晴らしさ!)、萌え死にそうになる場面が目白押しなのです (〃∇〃) ウフフ 前作
でハートをギュッと掴まれて以来、彼女の出演作をいろいろと観てきましたが、やっぱりミンディ役が一番魅力的でしたなぁ…(しみじみ)。
映画は前作を思い出す銃撃トレーニングからスタート。イタズラっ子のような表情が最高でしてね。
保護者の目を盗んで、ヒットガールとしても活動中なんですが…。
バレてしまって学生生活と向き合うハメになって。いろいろあって、こんな服も着たりするのです。
憎まれ役として見事すぎたビッチ軍団。このシーン、今年のベスト留飲ダウン賞受賞は間違いないと見た(なにこの賞)。
ユニオンJの公式動画っぽい↓ てっきり映画オリジナルのキャラかと思ったら、実在しててビックリ。
そして、何よりも自分に娘が出来たこともあって、すっかり保護者目線→前よりも思い入れがハンパじゃなくて。まるで「隣る人2」(勝手な続編)でむっちゃんが成長した姿を見せられているような気分でもあり、正直、僕的にはもうヒット・ガールなんて危ないことは全然してほしくない心境。このまま“普通の女子高生”としてダンスチームに所属して、危険な目に遭わずに終わってくれればと強く願っていただけに、気安く危ない道に誘うデイブの野郎をブチのめしたくて仕方がなくて。アクションシーンの数々も、素直に燃える気持ちと、「ああん、そんなことしたら危ないYO!ヽ(´Д`;)ノ ハラハラ」という気持ちが入り混じって、脳がグラグラしまくってました。
この妄想ダンスシーンは少し恥ずかしくて身悶えしましたが、このままダンスチームで頑張ってほしい親心(親じゃないけど)。
高速道路を走る車の上での銃撃アクション、超燃えつつも、心配で心配で仕方なくて… (´Д`;) ハラハラ
というか、あえて現実と混同した文章を書きますが、いくら凄まじく強かろうと、少女が単身で自警活動をするなんてダメ絶対!ヽ(`Д´)ノ そこら辺の倫理観&リアリティのバランスが前作より良くないと思うのですよ。僕はミンディの自警行為には反対だし、「マーカス(モリス・チェスナット)がちゃんと彼女の『隣る人』であればあんなことには…」と思うし、そもそも普通の高校生活をバカにすんなというか、あんな嫌な奴らだけ描くなんて全然フェアじゃない。大体、狂った親父のせいで友だちはデイブしかいなくて、そのまま初恋の相手もアイツって、あんまりな青春じゃないですか… (ノω・、)
まぁ、彼女が幸せなら良いのですが…。
でも、例えば「一流ピアニストは小さいころから強制的に何時間もハードな訓練をさせられている→それを虐待と呼ぶのか?」という問題もあったりして。「過酷でもそれが本人の道なのかもしれない」と。だから、本当にね、保護者(気分)としては何とかしたいのに何もできないイライラ感がつのったんですけれども! ラスト、ヒット・ガールという茨の道を自分で選んだミンディの清々しい顔には何も言えなくて…。デイブにファーストキスを捧げて、バイクで颯爽と旅立つ姿を観た僕は、なんとなく今年見た「麦子さんと」の最後、“自分でしっかりと進み始めた麦子の姿”も重なったりもして。「娘が独り立ちする時って、こんな気持ちなのかしら… (ノω・、)」と嗚咽を漏らして泣きながら、彼女の選択をしみじみと受け入れた次第。
ミンディがバイクで走る去るシーンでこの歌が流れてたら、映画的には超台無しですけど、座席で泣き死んだと思います。
あとね、何が素晴らしいって、オルガ・カーカリナが演じたマザー・ロシア!ヽ(`Д´)ノ 「ターミネーター2」のサラ・コナーなど“懸垂で登場する女性キャラは信用できる”という法則があるワケですが(眉唾な文章)、その“ドルフ・ラングレンと神取忍選手がフュージョンしたようなビジュアル”には胸が高まりまくって、「心にアナタいっぱい!ヘ(゚∀゚*)ノ ホエホエ!」と「ドッキドキ!LOVEメール」状態に突入(なんだこれ)。中盤、彼女が繰り広げる“警官10人殺し”はこの映画の白眉であって、もう褒めるところしかないキャラクターなのです。
発達した広背筋を見せつけながらの登場なんて、ワンダフルだわ、素敵だわ!ヘ(゚∀゚*)ノ ダワ!
駆けつけた警官10人を単身で皆殺し! 度肝を抜かれましたよ。
だから、クライマックスのヒット・ガールvsマザー・ロシアは、もちろんミンディに勝ってほしかったものの、複雑な心境でしたよ… (´・ω・`) アクション的には、ヒット・ガールの頑張りに胸を打たれたというか、あらゆる攻撃を無効化されつつも、飛びつき腕十字を仕掛けたりとか、なかなか良かったなぁと。とは言え、「てっきり“自殺する手段”だと思い込んでいた薬物が強力なアドレナリンで、超スピードで逆転する」というオチ自体は悪くないんですけど、“決め台詞”の前にキック・アス側のシーンを挟む編集に興を削がれたというか、非常にダメだと思ったり。まぁ、何はともあれ、マザー・ロシア役のオルガ・カーカリナはボディビルダーだそうですが、今後もぜひアクション映画でその存在感を発揮しまくってほしいですな~ (´∀`) ウフフ
このバトル、ヒット・ガールとしては通過儀礼的な意味もあるんですよね。
アドレナリンの場面は「アドレナリンを操作するガイア」を思い出したけど、どうでもいいね (ノ∀`) スミマセン
ということで、上記の要素だけなら100点だったんですが、ごめんなさい、「いろいろと失敗してるなぁ… (・ε・;) ウーン」とは思ってて。正直、座席で激怒したり、失望したりする場面も多かったりはしたのです。とりあえずそれはほとんど男キャラのせいなんですが、個条書きで適当に残しておきますね↓
<① まったく乗れないキック・アス>
演じたアーロン・テイラー=ジョンソンの“普通のイケメン感”も気にくわない…というやっかみな文章。
僕的に前作が100点の映画になった理由の1つが「一般人がスーパーヒーローを目指すという物語がそこそこリアルに描かれていたから」でしてね。特に「デイブに恋人が出来た途端、自警活動がどうでも良くなる」という展開がスゲー面白かったんです。世の中、「リア充、ケンカせず」が真理なだけに、そりゃそうだよなぁと。乗りかかった船ということもあって、最終決戦には臨むものの、最後にキック・アスとしての活動を辞めて終わるのは、非常に納得が行くオチだったワケですよ。
だから、この2作目に関しては、新キャラのスターズ・アンド・ストライク大佐の自警活動とか父親を殺されたレッド・ミストの復讐などにイヤイヤ巻き込まれる形で復活するのかと思いきや! 「普段の生活に飽きた (`∀´) ヘラヘラ」だけって…。そもそも前作でビッグ・ダディが拷問の末に殺されたのはテメェのせいなんだし、ビッグ・ダディの無残な死に様も目撃しているんだし、自分も人も殺しちゃったんだし、現実がハードということを散々思い知ったんだから、もう少し考えろよと。
父親(ギャレット・M・ブラウン)が殺されちゃうのも自業自得に見えましたよ。
しかも、コイツ、ミンディのヒット・ガール活動を止めるならまだしも、テメェの活動再開時に頼るわ、彼女が辞めようとしたら必死に引き留めるわ…。すっかりミンディを親目線で観るようになっていた僕的には「テメェは死ね!(`Δ´;) クズガ!」と激怒しまくり。恋人ケイティ(リンジー・フォンセカ)の雑な扱いも気にくわないし(彼女がナニの大きさの台詞を言ったのは、ちょっと原作っぽいと思った)、ナイト・ビッチ(リンディ・ブース)とヤリまくるのもさぁ…。コイツに関しては1ミリも乗れなかったです。
ミンディにトレーニングを頼む姿勢も許せない。本気で強くなりたいなら、少女に頼らず木口道場とか通え!
<② 拍子抜けだったスターズ・アンド・ストライク大佐>
中の人が「宣伝しない」とか言い出したのは、凄まじく株を下げましたな。
今回、ポスターでは4人のキャラクターが散りばめられていて、そのうちの1人が新キャラのスターズ・アンド・ストライク大佐。あのジム・キャリーが演じるということで、「単なる正義キャラじゃないんだろうな~」というか、ありがちではありますけれども、ゴリゴリの右翼ネームが表すように「暴走する正義」担当だとドキドキしてたのは僕だけじゃないハズ。独善的な彼の姿を目の当たりにして、「正義ってなんジャロ (´・ω・`)」とキックアスが悩んだりするのだろう…と思ったんですが、しかし! 普通に良い人だったというね…。
そりゃあ、逆にビックリはしましたよ。確かにジム・キャリーのタフガイ役が観られたのは楽しかったし、ビール瓶を投げてバットで攻撃するくだりとかはカッコ良かったです。でも、結局、途中退場しちゃうし、そのビッグネームの割には扱いが悪いし、「別にジム・キャリーじゃなくて良くね?」と。登場の仕方も唐突だし、それこそ「キックアスがテレビで観て影響を受ける→復活のキッカケに」とか、いろいろとやりようはあったんじゃないでしょうか。ジム・キャリーの演技やタフなムードは良かっただけに、超勿体なく感じました。
ビール瓶×バット攻撃は、ちょっと「加藤清澄のビール瓶×飛び蹴り」を連想したり(「バキ」第7巻より)。
<③ 保護者失格のマーカス>
一見、頼れる風ではあるものの、ミンディのアジトすら突き止められないダメ刑事。
すっかり保護者気分の僕的には、モリス・チェスナット演じるマーカスのダメっぷりにはイライライライライライライライラいたしました。あえて書きますけれども、“狂人のような親に虐待に近い育てられ方をした少女”に対して、全然ちゃんと向き合ってない。コイツ自身は独身=子育て経験がないんだろうし、ミンディが上っ面を取り繕うのが上手いというのもありますが、お前は刑事なんだから、もう少ししっかりしろよと。なぜ彼女がゲロゲリ棒を同級生たちに使ったのか、そこを考えてやれよと。マジでコイツは「光の子どもの家」の保育士さんたちのツメの垢を煎じたフリカケを毎日ホカホカのご飯にかけて食べるべきであり、現在、ポレポレ東中野でリバイバル上映中のドキュメンタリー「隣る人」をルドヴィコ療法で強制的に見せるべきと強く思いました。
なんとなく2012年のベストである「隣る人」の予告編を貼っておきますね↓ 良い映画!
というかさ、結局、監督・脚本のジェフ・ワドロウがダメなんですよね。前作とフィクション・ラインが違っちゃってるし、テーマも何を描きたいのかよくわからない。例えば、クライマックスのヒーロー軍団vsヴィラン軍団は、燃えなくはないんだけれども、現実世界で善人が不良にケンカで勝てないのは、そもそもの攻撃性や暴力への慣れの違いがあるワケで。ミンディと特訓済み&場慣れしている&ダメージに強い特性を持つキック・アスが戦えるのは良いとしても、他の人たちが悪党どもと互角に戦えるのは唐突に見えましたよ。せめて「こういう戦術があったから~」といった理由付けがあったら、スゲー乗れたのになぁ… (´・ω・`) ザンネン
格闘技の専門家ですら素人のケンカ自慢に不覚を取ることがあるワケですから、普通の人が強いってのは…(「バキ」第8巻より)。
最後だって「他の人たちがマスクを捨てて日常に戻る→日々の暮らしの中で世界を良くしていく道を選ぶ」のかと思ったら、キック・アスが片手懸垂して「真剣にビッグ・ダディを目指します♪ (o^-')b」的なムードで終わるのは、なんか飲み込みづらい。今後は軍隊に入ったりとか、さまざまな経験を積むのかもしれませんが、「それで良いのかなぁ… (・ω・;) ウーン」って思っちゃいました。エンドクレジット後、サメに足と股間を食いちぎられたマザー・ファッカーが登場してましたけど、3作目は作らなくて良いような気がします…。
この人、両脚失ってましたが、どうするんですかね。
その他、「部下のハビエル(ジョン・レグイザモ)を殺された時のマザー・ファッカーはカッコ良いのに、その後、あまり成長が見られないのはどうよ」とか「マザー・ロシア以外の悪人たちのキャラが弱い」とか「アス・キッカー(オーガスタス・プリュー)は死ぬべき」とか「マザー・ロシアが“片目を奪った相手”と対決するスピンオフを作れ!」とか、思うところはいろいろあるんですけど、長くなったので割愛!ヽ(`Д´)ノ ダラダラと不満を書き連ねましたが(苦笑)、以前、「96時間 リベンジ」を観た時の心境と非常に似ているというか、とどのつまりはミンディとマザー・ロシアが最高だったのでね、今回は97点という着地。僕の中で「ボンクラがヒーローになる映画」としては「スーパー!」が一番なんですけど、「キック・アス」
と「ジャスティス・フォーエバー」も、“ヒット・ガールの成長譚”と考えれば、なかなか良く出来ているんじゃないでしょうか。とりあえず僕はBlu-rayが出たら即買うつもりだし、新橋文化劇場あたりで2作品の同時上映が組まれたりしたら、絶対足を運びますYO!ヘ(゚∀゚*)ノ フォーエバー!
マシュー・ボーン監督による一作目。100点の映画でしたな…(しみじみ)。
サントラです。前作の方が好みだったカナー。
ジェフ・ワドロウ監督作。それなりには楽しい総合格闘技映画でございます。
マーク・ミラーによる原作本。映画より救いがないので気を付けて!
マーク・ミラーによる原作本の続編。映画とは内容が違う様子。早く発売されないかしらん。
マーク・ミラーによるヒット・ガールのスピンオフ。当然、予約済みなのです。
“ボンクラがヒーローになる映画”としてはこれが一番だと思っております。僕の感想はこんな感じ。
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キック・アス ジャスティス・フォーエバー(ネタバレ)
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