ダラス・バイヤーズクラブ
原題:Dallas Buyers Club
2013/アメリカ 上映時間117分
監督:ジャン=マルク・バレ
製作:ロビー・ブレナー、レイチェル・ウィンター
脚本:クレイグ・ボーテン、メリッサ・ウォーラック
撮影:イブ・ベランジェ
編集:ジョン・マック・マクマーフィ、マーティン・ペンサ
音楽:カート&バート
出演:マシュー・マコノヒー、ジャレッド・レト、ジェニファー・ガーナー、ダラス・ロバーツ、グリフィン・ダン
パンフレット:★★★★(500円/この値段にしては頑張った内容だと思う)
(あらすじ)
1985年、テキサス生まれの電気技師ロン・ウッドルーフ(マシュー・マコノヒー)はHIV陽性と診断され、余命30日と宣告される。米国には認可された治療薬が少ないことを知り、納得のできないロンは代替薬を求めてメキシコへ渡る。そこで米国への薬の密輸を思いついたロンは、無認可の薬やサプリメントを売る「ダラス・バイヤーズクラブ」を設立。会員たちは安い月額料金で新しい薬を手にすることができ、クラブはアングラ組織として勢いづく。しかし、そんなロンに司法の手が迫り……。(以上、映画.comより)
予告編はこんな感じ↓
85点
今年から新作映画を観る本数を年間120本に絞る予定ということで、いくら尊敬する映画評論家の町山智浩さんが「たまむすび」で紹介しようとも、スルーするつもりだったんですが、しかし! なんかスゲー評判が良かったのでね、3月上旬、新宿シネマカリテでレイトショー割引を利用して観てきました。同じ男として憧れちゃいましたね… (ノω・、) イイオトコダナー
やってきたのは新宿シネマカリテ。アカデミー賞の後だったせいか、スゲー混んでましたよ。
記事の切り抜きがあるのはもちろんのこと…。
こんな大きい立て看板もあったりしてね。
エレベーターも「ダラス・バイヤーズクラブ」一色だったり。
まず、書いておきたいのが、役者さんのこと。アカデミー主演男優賞、僕的には「ウルフ・オブ・ウォールストリート」のレオナルド・ディカプリオにあげたい気持ちでいっぱいだったんですけど、この映画のマシュー・マコノヒーを観たら、「あ、ディカプリオは今回も無理だ!Σ(゚д゚;)」って即座に思うほどスゴかった! つーか、演技が素晴らしいのは当然としても、単純にあそこまで痩せただけでもマジで偉いと思うのです。
この痩せっぷり、ハンパじゃないぜ!
いや、例えば「体脂肪率30パーセントが14パーセントに!ヘ(゚∀゚*)ノ ヤセマシタワ!」的に痩せても「それはスゴいですなー (・∀・) ガンバッタネ」程度の評価ですけれども、マコノヒーの場合は筋肉まで落としたのが超偉い。筋トレをやっている人ならわかってもらえると思うのですが、人間、鍛えた筋肉を捨て去るほど苦痛なことはないじゃないですか…。歯を食いしばりながら重いバーベルを必死に持ち上げて、腕が悲鳴を上げているのを我慢しながらダンベルをカールして、やっと肥大した筋肉を手に入れたのに、それをあえて自ら捨てるだなんて、マジでMOTTAINAI(突然のアルファベット表記)。今まで役者を目指したことはありませんが、僕には絶対無理だなとあらためて思ったり。
もし自ら筋肉を捨てなくてはならなくなったら、僕は“若き日の郭海皇”のように涙を流すと思います…。
なんとなく「もったいないとらんど」を貼っておきますね↓ 明日には消える筋肉なんて…(勝手な替え歌)。
他の役者さんも素晴らしくて、(ごめんなさいすでに何百人の人が通過したネタだとわかっていながらもどうしてもどうしても書いておきたいので多くの読者を失うことになろうともわざとらしく記しておきますよREADY?3,2,1,GO!ヽ(`Д´)ノ)ジャッジド・レド…じゃなかった(苦笑)、ジャレッド・レトも見事でしたね! 「レクイエム・フォー・ドリーム」
でヤク中になって片腕切断された時は「自業自得!m9・∀・) ビシッ」としか思えませんでしたけど、今回のドラッグクイーンのレイヨン役はスゲー可哀想でね… (ノω・、) グスン あの痩せっぷりもスゴいし、かなり見直しました。取って付けたような文章で恐縮ですが、ジェニファー・ガーナーも良い感じでしたよ。
ガチでドラッグクイーンっぽく見えたジャレッド・レト。マーク・ボランの切り抜きを貼りまくるのが可愛い。
ジェニファー・ガーナーもサイを両手にカッコ良かった…って、「エレクトラ」が混ざっちゃった!∑(゚Д゚) ワザトラシイ
で、何よりも物語にグッときました。アル中&ヤク中で、ゲイや女性を差別するようなクズだったロンが、精神的に成長していく姿には、素直に胸を打たれましたよ。彼が生き延びるための薬を求めたのは、“死への恐怖”だけでなく、“余命を言い放つだけで親身にならない医者”や、“エイズだと発覚した途端、手のひらを返した仲間たち”への“怒り”が原動力だったと思うんです(車の中で一人で泣くシーンはこっちも超泣いた!)。
余命30日と診断され、荒れるロン。だがしかし、なんとここから7年も生きるからビックリ。
ただ、そうやって自分のために薬を買うようになり、自分のために薬を売りさばいていった結果、周囲の人たちも救われて。怒りの対象が”癒着する政府と製薬会社と医学界”に変わったりと、自分自身の社会を見る目や価値観も変化して、最終的には赤字だろうとも他の人のためにダラス・バイヤーズ・クラブを続けるほど、人間的に大きくなるというね…。僕的に超良かったのが、スーパーでレイヨンをかばうシーンで、彼はあそこで元友人の醜さを見ることで昔の自分がクソだったことに気づいたんですよね、たぶん。彼を見るレイヨンの表情も含めて、非常に感動的で、何よりも溜飲が下がってうれしかったです (・∀・) イイネ!
非常に溜飲が下がる名シーンなのです。
要は、死に直面したことで生き甲斐を見つけた男の話であって。ラスト、製薬会社との裁判には負けたものの、ロンはみんなに祝福されて、その後、ロデオに挑むシーンで映画は終わるワケですが…。最初は「あら、最後にチャレンジしたのね!ヘ(゚∀゚*)ノ ガンバッテ!」と思ったんですけど、そういうことではなく。映画冒頭ではロデオを眺めるしかできなかった彼が、自分なりに強く生きたことで、精神的に「カウボーイ=自分が憧れていた“強い男”」になれたことのイメージ的な場面というかさ。「強さは決して“力”じゃなくて、“男らしさと正しさ”なんだな…」と、今から30年以上前、串田アキラさんから熱く教えられたこと、あらためて思い出しましたよ。
ということで、聴いてください、串田アキラさんで「1たす2たすサンバルカン」↓(ラジオパーソナリティ口調で)
つーか、一番僕が思ったのは、「人間ってのは変われるんだな」ってこと。実際のロンは36歳の時にエイズと診断されて、38歳の時に「ダラス・バイヤーズクラブ」を設立したので、行動した時は現在41歳の僕よりも年下だったワケですが、この話を知って心から尊敬いたしました。なんか「ミルク」を観た時の気分に近いというか、同じ男として憧れてしまった次第。
本物のロンはこんな人だったのね。髙田延彦さんがいたら、確実に「男認定」する逸材。
なんかね、花山薫に憧れる片平巡査のような気分になりましたよ…。
その他、「変にドラマチックな演出を入れないで、淡々と描いていたのも、非常に功を奏してた」とか「エイズ患者の女性を見つけてセックスをするシーン、馳星周先生の『マンゴー・レイン』を思い出した」とか「70年代の設定なのに今の日本を映したのはスゲーどうかと思った…」とか「なんとなく『フィラデルフィア』
と『蜘蛛女のキス』
を連想したけど、正直、どっちの話もうろ覚え」とか「ジェニファー・ガーナーの演技は良いけど、ボブ・サップの扱いが雑では…って、『エレクトラ』
が混ざっちゃった!∑(゚Д゚) ワザトラシイ」とか、書きたいことはいろいろとあるんですが、面倒くさいので割愛!ヽ(`Д´)ノ 変にエモいところはないんですけど、でも、スゲー感動的で良い映画でしたヨ ( ;∀;) イイエイガダナー 「人間、何かを始めるのに遅いってことはないんだな!」と無闇なやる気が湧きつつも、具体的に何をすれば良いのかサッパリなのでね、とりあえずマコノヒー繋がりで“1日2回の自慰行為”にチャレンジしようと思います(前にも書いたオチ)。
ジャン=マルク・バレ監督作。まぁ、これは観ることはなさそうかな… (・∀・;) エヘヘ
サントラ。結構良い感じだと思う。
ガス・ヴァン・サント監督×ショーン・ペン主演作。結構影響を受けた映画だったりします。
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ダラス・バイヤーズクラブ(ネタバレ)
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