レ・ミゼラブル
原題:LES MISERABLES
2012/イギリス 上映時間158分
監督:トム・フーパー
原作:ヴィクトル・ユーゴー
原作・作曲・脚本:クロード=ミシェル・シェーンベルク
原作・脚本:アラン・ブーブリル
脚本・作詞:ハーバート・クレッツマー
脚本:ウィリアム・ニコルソン
製作:ティム・ビーヴァン、エリック・フェルナー、デブラ・ヘイワード、キャメロン・マッキントッシュ
製作総指揮:ライザ・チェイシン、アンジェラ・モリソン
出演:ヒュー・ジャックマン、ラッセル・クロウ、アン・ハサウェイ、アマンダ・セイフライド、エディ・レッドメイン、アーロン・トゥヴェイ、サマンサ・バークス、ヘレナ・ボナム=カーター、サシャ・バロン・コーエン
パンフレット:★★★★(700円/実に良い出来だけど、もっと豪華な装丁にしてほしかったような)
(あらすじ)
1815年、ジャン・バルジャン(ヒュー・ジャックマン)は、19年も刑務所にいたが仮釈放されることに。老司教の銀食器を盗むが、司教の慈悲に触れ改心する。1823年、工場主として成功を収め市長になった彼は、以前自分の工場で働いていて、娘を養うため極貧生活を送るファンテーヌ(アン・ハサウェイ)と知り合い、幼い娘の面倒を見ると約束。そんなある日、バルジャン逮捕の知らせを耳にした彼は、法廷で自分の正体を明かし再び追われることになってしまい……。(以上、シネマトゥデイより)
予告編はこんな感じ↓
70点
※今回の記事は、グダグダに長くなってしまってかなり読みづらいので、そういう文章が苦手な人は読まない方が良いです。
正直なところ、気にはなってたんですけど、いかにも“ミュージカル大作”ってムードが面倒臭かったし、他に観たい映画(特に香港映画)が次から次へと公開されて時間が取れなくて…。すっかりスルーしようかと思ってたら、このブログの読者で定期的にメールをくれる方が観に行くみたいだったので、なんとなく影響を受けてユナイテッド・シネマとしまえんに足を運んで来ました。舞台版が観たくなりましたね~。
確か僕が小学4年生くらいの時、母親が“児童向け「レ・ミゼラブル」”って感じの「ああ無情」
を買ってくれまして。読んでみたら、スゲー感動したんですよね…(しみじみ)。まぁ、正直なところ、どういう話かはよく覚えてないんですけど、なんとなく「ジャン・バルジャンは大した男だぜ!ヘ(゚∀゚*)ノ」的な印象だけはボンヤリと残ってる感じ…って、わかっていただけるでしょうか。
とは言いつつも、そんな僕でも唯一ハッキリ覚えてて、今でも大好きなのが、あの「それは彼にあげたものですヨ (´,_ゝ`)」エピソード。ジョジョの第一部と第二部で引用されてることでも有名ですが(つーか、いろいろなところで使われてるハズ)、「世間に冷たくされて、やさぐれているジャン・バルジャンが、教会に泊まった時に銀の食器を盗んで逃亡して、アッサリ警察に逮捕されるものの、神父が『それは彼にあげたものですヨ (´,_ゝ`)』と証言してくれたので無罪放免になり、『オレ、イイ人になるッス!ヽ(TДT)ノ』とすっかり改心する」という元祖スゲー良い話なんです。
ジョジョ第一部で使われてましたが、ジョースター卿の場合は恩を仇で返されるところが荒木飛呂彦先生テイスト。
で、僕はミュージカルがそこそこ好きなのもあって、映画序盤、ジャン・バルジャンがこのお馴染みのエピソードを歌いながら実践してくれるだけで、流れる涙は滝のよう ( ;∀;) イイハナシダナー 囚人時代、巨大なフランス国旗を「魁!!男塾」の秀麻呂のように一気に持ち上げるシーンもカッコ良かったし、世間の冷たい風にさらされるダイジェストも酷くて面白かったし、映画が始まってすぐに胸を掴まれちゃいましたね~。
ジャン・バルジャンはパン1個の窃盗&脱獄の合わせ技で19年投獄されたという設定だったり ( ;Д;) ヒドイハナシダナー
なんとなく大塾旗を秀麻呂があげるシーンを貼っておきますね。
善良な人間に更生したジャン・バルジャンは、「世間のほとんどの人が前科者には凄まじく冷たくあたる」というハードな世界に生きてるので、マドレーヌという別人になりましてね。8年後の世界では、工場経営に成功した挙げ句、市長になるという成功街道をばく進中だったんですが…。そこで登場するのが、シングルマザーのファンテーヌ! この時代のシングルマザーは「淫売め!川`∀´)」なんて罵られるのがデフォルトらしく、病気の娘のため、髪を売り、歯を売り、体を売って、とにかく虐められて堕ちていくんです…。特に、彼女が「I Dreamed A Dream」を歌う場面は、その歌詞の内容もあんまりすぎるワケですが、一部妄想を交えながら、超適当に意訳するとこんな感じ↓
川ノω・、)
昔はあたしも夢を見てたっけ…
人生に可能性があったころ、
素敵な人に愛されるって思ってた
神様に祝福されるって思ってたの
若かったあのころ、何も怖くなかった
夢は次々と浮かんでは消えてって、
支払う対価なんか考えたこともなくて、
毎日が喜びと楽しみにあふれてたっけ
でも、夜、獣がやってきて、
柔らかいその声で忍び寄って、
あたしの希望や夢を踏みにじっていったの
彼と過ごした夏は楽しかったなぁ
毎日が発見と不思議に満ちていて
神様から子どもを授かったのに、
秋になったら、彼はいなくなっちゃった
今もね、彼が迎えに来てくれる夢を見るの
そんなことあり得ないのにね
そんな夢、すぐ現実に打ち消されてしまう
あたしはあたしの人生を夢見てて
こんなはずじゃなかったの
こんな場所にいるあたしは、
もう夢には戻れない
もうね、今も泣きながらこの文章を書いているということで、「あの~、そこをそう訳すと変ですよ? (・ω・;) チガウノニ」的なツッコミは却下!ヽ(TДT)ノ フォンテーヌはすでに「① シングルマザー 5飜」「② 世間が超冷たい 2飜」「③ 病気の娘のために体を売る 6飜」「④ まだ完全にやさぐれていない(故に、現状が辛い)4飜」という、僕のハートを強打する要素が数え役満状態なのに、この「I Dreamed A Dream」を歌うシーンで裏ドラが20枚追加されて、数えトリプル役満に到達(なにこの例え)。彼女は、土壇場で何とかジャン・バルジャンに救われるものの、結局、病気で娘を想いながら死んじゃうんですが、ずっと涙が掛け流し状態でしたよ… (ノДT) シヌカトオモッタ
可哀相にもほどがあるファンテーヌ。工場で娘がいることが発覚してからの転落振りは地獄のようでした。
アン・ハサウェイが歌う「I Dreamed A Dream」を貼っておきますね↓
同時進行的に、ジャン・バルジャンの正体がバレて鬼警部ジャベール(ラッセル・クロウ)に追われたりとか、多少のタイマンを張ったりするシーンがあったりするものの、そこは結構どうでも良くて (・∀・) アッサリ 死の間際、ファンテーヌから娘コゼット(イザベラ・アレン)を預かることを約束したジャン・バルジャンは、彼女を迎えに行くんですけど…。このコゼットが超可愛いの!ヽ(´Д`;)ノ ハァハァ
ジャン・バルジャンを目の敵にする鬼警部ジャベール。コイツの改心問題には、あまり興味はなかったり。
こんなシーンもありましたけど、アダマンチウムの爪が出たりはしないので、退屈な印象。
ところが、このコゼットの登場でグッとくるんですYO!ヽ(`Д´)ノ
一昨年に娘のマナ子が生まれてからの僕は、不憫な子どもが出てくるだけで涙腺が緩んでしまう仕様になってましてね。今回もすっかりコゼットの保護者気分であり、彼女をスゲー粗末に扱ってた宿屋夫婦はマジで撲殺したかったです。ジャン・バルジャンがコゼットを保護した後、馬車の中で歌う「Suddenly」は映画オリジナル曲なんだそうですが、「突然、あなたという素敵な贈り物に出会えて、私は死にたいくらい幸せです (´∀`)」って感じの歌詞にはね(超意訳)、マナ子が生まれた時の心境とシンクロ率が120パーセントを越えてしまって、涙とともに体が溶けてしまいそうなほど。なんとなくシングルファーザー気分に浸りながら(注:僕の奧さんは生きてます)、「僕も娘を頑張って育てよう… (ノДT)」とスクリーンに誓った、冬の夜なのでしたーー(なんだこれ)。
コゼットを保護したジャン・バルジャンですが、実は僕でした(どうかしてる文章)
サシャ・バロン・コーエンとヘレナ・ボナム=カーターが演じる宿屋夫婦には超ムカつきましたよ。
ただ、舞台が9年後に移り、成長したコゼットがアマンダ・セイフライドになっちゃうと、上手く説明できないんですけど、「こう育ったか… (´・ω・`)」と複雑な心持ちに。しかも付き合う男マリウスが、「HICK ルリ13歳の旅」でクズ男を演じたエディ・レッドメインだと思うと、「こういう男を選んだか… (´・ω・`)」と、さらにテンションが下がったりもして。何か微妙に乗れなくなってきたんですよね…(面倒臭い観客)。
成長したコゼット。スゲー良い子なんですけど、自分の娘がアマンダ・セイフライドになると思うと、何かなぁ…。
マリウスも悪い奴じゃないんだけど、いつも口が半開きの印象があるし…。
そんな中、またもや僕の涙腺を決壊させたのが、宿屋夫婦の娘エポニーヌ(サマンサ・バークス)。「あの宿屋夫婦の娘だから、どうせビッチなのだろうよ (`Δ´) ケッ」と非道い決めつけをしていたら、これが超良い子なんですよ。マリウスに絶賛片想い中なんですけど、「アタシなんか、愛されなくても仕方ないわ… 川´・ω・`)」って感じでスゲーいじらしい!ヽ(`Д´)ノ 革命運動に熱を上げていたマリウスたちが武装蜂起すると、彼を守るために男装して戦いに参加し、最後は身代わりに銃弾を受けてしまうというね…。本当に可哀想というか、ごめんなさい、「代わりにマリウスが死ねば良かったのに ( ゚д゚)、ペッ」と心の狭いことを考えたりもしたんですが、そうなると話が終わっちゃいますな ┐(´ー`)┌ ヤレヤレ
いじらしさが爆発するエポニーヌ。死の間際にコゼットの手紙をマリウスに渡すシーンも泣ける!
ううむ、何だか長くなっちゃったので、適当に終盤の流れを書いておくと、革命軍に捕まったものの、ジャン・バルジャンのおかげで助かったジャベールは、「悪人も善人になるんだ→今までの私は間違ってた ('A`)」って感じで自殺。コゼットとマリウスは結婚することになり、「お尋ね者が側にいたらコゼットは幸せになれないだろう (´・ω・`)」と思ったジャン・バルジャンは姿を消すものの、宿屋夫婦のおかげで発見されまして。修道院でコゼットとマリウスに見守られながら幸せに息を引き取ると、最後は登場人物がバスティーユ広場に集結して、みんなで「Do You Hear The People Sing?」を歌って終わってました。
悪くない終わり方だとは思いますけど…。
まぁ、ストーリーや歌、出演者の演技とかは大好きだし、全編歌いまくり(ほぼ台詞ナシ)なのもOKだったんですが、明確な不満点がありまして。アップを多用しまくって“引きの画”が全然なくて、セット全体もあまり映さないから、圧迫感を感じて結構息苦しかったんですよね。たまに全体像が映ると、逆に違和感を感じちゃったりもして。周囲の位置関係とかわかりにくいことが多いし…。あと、変に舞台版をなぞってるから、映画的に上手く処理できてないところもあって。特に革命前夜、さまざまな登場人物が歌う「One Day More」なんて全然カッコ良くなかったし、登場人物がバスティーユ広場に集結するラストも何だかスゴいようなスゴくないような感じに見えちゃって、「これは舞台の方が良いのでは?(゚Д゚)」と思った次第。
大人数が“舞台上に集まる”からグッと来る気がするんですよね…。
ということで、現在、今年4月から始まる帝国劇場の「レ・ミゼラブル」が観たかったりします (・∀・) 映画自体は別に嫌いではないんですけど(特にコゼットが成長する前まではかなり好き)、とにかく圧迫感を感じたので、積極的にはオススメできないかなぁ。出演者のファンは観ても損しないと気がしますがー。
一応、昨年10月15日の製作発表記者会見で出演者が「民衆の歌」を披露した動画を貼っておきますね↓
おしまい 川´ω`) ウフフ
トム・フーパー監督作。僕の感想はこんな感じ。
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小学生のころに読んで感動した本が簡単に見つかるなんて…。ネットって便利だなぁ。
ああ無情 (世界の名著)
ヴィクトル・ユゴーによる原作小説。こっちは読んだことないッス (ノ∀`) テヘ
レ・ミゼラブル (1) (新潮文庫)
amazonの解説を読む限り、かなりタメになりそうな一冊。
「レ・ミゼラブル」百六景〈新装版〉 (文春文庫)
読みやすそうな漫画版もあります。
レ・ミゼラブル (まんがで読破)
みなもと太郎先生による漫画版も読んでみたいけど、現在(2013/1/19)、高価になっております…。
レ・ミゼラブル―完全版 (fukkan.com)
映画のサントラ。収録されてない曲もあるみたいなので注意!
レ・ミゼラブル~サウンドトラック
ミュージカルの25周年記念コンサートを収録した一枚。良さげですな。
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ここから映画化作品を貼りますね。1935年版は、リチャード・ボレスラウスキー監督×フレドリック・マーチ主演作。
噫無情 レ・ミゼラブル(1935年版) [DVD]
1952年版はルイス・マイルストン監督×マイケル・レニー主演だそうで。
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1957年に作られたジャン=ポール・ル・シャノワ監督×ジャン・ギャバン主演作。
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ロベール・オッセン監督×リノ・ヴァンチュラ主演による1982年版。フランスのテレビシリーズのだとか。
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1998年版はビレ・アウグスト監督×リーアム・ニーソン主演作。「96時間」を観た後だと、ジャン・バルジャンがジャベールを瞬殺しそう。
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2000年版はフランスのテレビシリーズをまとめたもの。監督はジョゼ・ダイヤンで、主演はジェラール・ドパルデュー,
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世界名作劇場版の総集編。第24作だそうですけど、知らなかった…。
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レ・ミゼラブル(ネタバレ)
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