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寄生獣(ネタバレ)

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寄生獣

寄生獣

2014/日本 上映時間109分
監督・脚本・VFX:山崎貴
原作:岩明均
脚本:古沢良太
製作:市川南、中山良夫
エグゼクティブプロデューサー:奥田誠治、阿部秀司、山内章弘
プロデューサー:川村元気、佐藤貴博、守屋圭一郎
プロダクション統括:佐藤毅
撮影:阿藤正一
照明:高倉進
美術:林田裕至、佐久嶋依里
録音:白取貢
装飾:茂木豊
編集:穗垣順之助
音楽:佐藤直紀
主題歌:BUMP OF CHICKEN
キャラクタービジュアルディレクター:柘植伊佐夫
VFXディレクター:渋谷紀世子
助監督:安達耕平
制作担当:阿部豪
ラインプロデューサー:山下秀治
出演:染谷将太、深津絵里、阿部サダヲ、橋本愛、東出昌大、大森南朋、北村一輝、ピエール瀧、新井浩文、國村隼、余貴美子、浅野忠信
パンフレット:★★★★(720円/ボリュームがあって、読み応えアリ)
(あらすじ)
海辺に漂着した小さな寄生生物、パラサイト。彼らは人間に寄生しては宿主に擬態し、ほかの人間を食料としてむさぼっていく。そのうちの1匹が至って普通の高校生・泉新一(染谷将太)に寄生するが、脳を乗っ取ることができずに右手に宿る。自身の肉体にパラサイトが寄生して驚がくする新一だったが、彼をミギーと呼んで共生するうちに奇妙な絆を育むように。やがて、彼の通う高校に教師・田宮良子(深津絵里)に寄生したパラサイトやって来る。それを発端にほかのパラサイトが次々と出現し、新一とミギーに襲い掛かる。(以上、シネマトゥデイより)

予告編はこんな感じ↓




70点


※今回の記事は、原作漫画を未読の人は何が何やらだと思うので、気を付けて!

昨年の12月28日(日)、親友夫婦とユナイテッド・シネマ豊洲にて観てきました。「なかなか頑張ったじゃん (・∀・)」と偉そうに思いましたよ。


「完結編」とセットの前売り券を買って、楽しみにしてまして。
前売り券は購入済み

劇場はスクリーン6。そこそこ混んでました。で、この後に「フューリー」を観たというね。
スクリーン6


僕は1972年生まれ→42歳のオッサンなんですが(苦笑)、確か高校在学中に友人から「スゴい漫画が『アフタヌーン』で始まった!(*゚∀゚)=3 ムッハー」なんて教えてもらったのが原作漫画との出会い。それ以降は、連載が終わるまで毎月楽しみに読ませていただいて。コミックスはもちろんのこと、完全版も買っているということでね、それなりに思い入れはある人間だったりします。


第1話の動画があったので、貼っておきますね↓




そんな僕がこの映画の感想をひと言で表すのなら、「よく出来たダイジェスト」というか。一応、原作既読者向けにあらすじを雑に書くと、主人公の家を母子家庭にして(家の中が雑然としてるのは良かった!)、「A」のエピソードをアレンジしつつ「母親」の話を加えて(「A」は学校ではなく路地裏で新一たちを襲撃→倒されて瀕死の「A」がたまたま通りがかった新一の母親を乗っ取るという流れ)、その間に「島田秀雄」の話を挿入した感じ。ちなみに“犬に寄生した敵”は出てきません。

“寄生生物を見分ける不良少女”加奈や、“人間の脳が生き残っている仲間”の宇田も省略。オチを書いておくと、「A」を倒して母親の仇を取った新一が「オレは奴らをブッ殺す!ヽ(`Д´)ノ ウォォォォ!」と決意したところで、後藤が人肉ステーキをモリモリ食べたりして、映画は終了。エンドクレジット後、「完結編」の予告編が流れてましたよ。


このステーキ、美味しそうだけど人肉だから気を付けて! でも、美味しそう… (`Δ´;) ゴクリ
人肉ステーキ


なんて言うんですかね、観る前に期待値をどのレベルに設定していたかにもよるとは思いますが、僕的には「頭が割れて、バクッと人間を食べる」という原作漫画のショッキングなシーンを実写で見られただけで満足するところはあって。血はそんなに出なかったものの、ちゃんと惨殺された死体は映るし、それだけでも好感が持てましたよ。この内容でPG12指定にするのは相当苦労したと思いますが(「映画秘宝」の監督インタビューによると、最初はR15指定だったのを急に変えられたそうな…)、「食堂」のビジュアルとか死体を直接的に見せなくてもイヤなムードだけはちゃんと漂わせていて、非常に感心いたしました。


この有名な場面を再現するのは当然だとしても、実際に実写でやるのは相当ハードルが高かったと思うのです。
実写でよくやった!

この「食堂」とか、なかなか良い絵じゃないですか。
「食堂」


それと、とりあえずテーマを「母性」に絞ったのも上手い改変だとは思って。僕は「寄生獣」の「母親の火傷のエピソード」を心底愛しているだけに、変な描き方をされていたらどうしようかと思ったんですけど、まぁ、許容範囲というか。ラスト、「右手を見た新一が攻撃を躊躇う→容赦なくAが攻撃する→母の右手がその攻撃をずらす」という展開はね、ああいうことが起こりうるかどうかは別として、「母さーんッ!ヽ(TДT)ノ」と泣いちゃいましたね…。


新一の母を演じた余貴美子さん、「食堂かたつむり」の時は苦しんで死ねと思いましたが、最近の母親役は超ストライクだったり。
母親の右手


アクションも悪くなかったです。正直、もうちょっとスピーディーにした方が良かったというか、それこそ人間の目が追えないレベルの早さにするべきだと思うけど、原作漫画っぽさは出てたんじゃないかしらん。島田秀雄を倒すのが弓になったのも、あの石を投げる時の異形のビジュアルが見たかったとは思いつつも、「序盤に弓道部の練習を見ている→ミギーが学習している」と思えるので、許せるかなぁと(投擲よりは精度が高いだろうし)。その他、役者さんたちは全員良くて、僕的には島田秀雄役の東出昌大さんによる“人工物っぽいイケメン”感がツボに入りましたよ(原作とは違うけど、良い改変では)。


「異形の腕で石を投げる」という絵のインパクトも素敵でしたが…(石が砕けて証拠がなくなるのも良い)。
原作の島田狙撃

「弓」にしたのも映画的には「アリ」な気がします。
投げる代わりに弓!


ただ、やっぱり残念に思うところはあって。まず、「A」が警察官だという改変。寄生生物が乗っ取った人間の職業を引き継ぐのは非常に大変なワケで、それだけに教師として活動する田宮良子の天才性が強調されたワケですよ。ところが、短絡的な考えの「A」まで人間の職業(しかも警察官!)を引き継げちゃうって、かなり無理がないですかね。

それと、あえてわかりやすくしたんでしょうけど、屋外にいる時でもミギーが変形して気軽に話しすぎ。学校にいる時とか、高確率で目撃されそうでハラハラしました。あと、新一が精神的&肉体的に変化する課程もちゃんと見せてほしかったなぁ。ここがどうにも駆け足に感じちゃって、全体的にダイジェスト感が拭えなかったんですよね…。一応、「犬の死体をゴミ箱に捨てるシーン」を入れてましたが、あれ、原作ですら僕はどうかと思うところなのに(村野里美が埋葬しろって思う)、木に埋めるところまでやらないから、スゲー中途半端に感じましたよ。

で、一番ダメだと思ったのは、「A」が生きているのに新一が学校に通う展開。いや、僕も「島田秀雄」の一連の場面自体は大好きだし(「髪の毛を抜かれてバレる」ってのは良い改変)、「寄生生物が混ざった故の感情の欠落」と言えなくもないけどさ、どうにも「物語が止まる」というか。母親を殺された男が田宮良子相手にスゴスゴと引き下がって日常に戻るなんてあり得なくないですか? その後に田宮良子が「A」の居場所を教えてくれるのも「なんだかなー」って感じがするし…。「新一が超人化して復活→リベンジ」の流れがスムーズだったらもっと燃えただけに、「島田秀雄」は省いた方が良かったと思いつつも、そうなると見せ場が減っちゃうから難しい話ですな ┐(´ー`)┌ ヤレヤレ


さらに付け加えると、原作のこのシーンは説明台詞じゃなくてちゃんと再現してほしかったかなぁ。
テンプラ鍋を素手で!


その他、「寄生生物が海から来たなら、海沿いに住む人たちばかりが寄生されるのでは?(「トラックに乗る」とか無理があるような)」とか「新一とミギーの仲が良くなりすぎ」とか「『A』との対決の際、ミギーが人命を平気で犠牲にする作戦を提案するシーンは削らないでほしかった」とか「新一が戦闘に慣れるの早すぎ」とか「母親の首をわざわざ見せなくても…」とか「田宮良子の薬品爆破攻撃、意味なさすぎ」といったところも気になったんですが、もう面倒くさいので割愛!ヽ(`Д´)ノ キィィィ!

いろいろと文句を書いちゃいましたが、基本的には実写版「ウォッチメン」を観た時と似た心境というか。思ってたより原作をコンパクトにまとめていて、ビジュアルも頑張っていたので、「おっ、やるじゃん!( ̄ー ̄) ニヤッ」と感心したのです。VFXのクオリティ、ストーリー、残酷描写などなど、ここまでのレベルに持ってこられる監督が他にいたかと考えると、僕は山崎貴監督の熱意や交渉力、実績などがなかったら無理だったんじゃないかと。たぶん日本で「寄生獣」を実写映画化するにあたって、ベストではなくとも最良のアプローチだったとは思うのです。残念ながら、僕と一緒に観た親友夫婦からの評判は非常に悪かったんですが(汗)、僕は「完結編」もそれなりに期待しております (・∀・) オシマイ




岩明均先生による原作コミック。まぁ、読んでおくと良いです。フルカラー版もあるヨ。



ミギーのぬいぐるみ。ちょっとほしいかな。



最近、放送されていたアニメ版。未見なんですよね~。



香港発のSFエロティックアクションだそうです。やだ、興味あるー (〃∇〃) ウフフ



同じ邦題を付けられた洋画。評判、かなり悪いです。



余貴美子さんの母親振りに泣かされた吉田恵輔監督作。僕の感想はこんな感じ






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