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ラン・オールナイト(ネタバレ)

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ラン・オールナイト

ラン・オールナイト

原題:Run All Night
2015/アメリカ 上映時間114分
監督・製作総指揮:ジャウム・コレット=セラ
製作:ロイ・リー、ブルックリン・ウィーバー、マイケル・タドロス
製作総指揮:ジョン・パワーズ・ミドルトン
脚本:ブラッド・インゲルスビー
撮影:マーティン・ルーエ
美術:シャロン・シーモア
衣装:キャサリン・マリー・トーマス
編集:ダーク・ウェスターベルト
音楽:ジャンキー・XL
出演:リーアム・ニーソン、ジョエル・キナマン、ビンセント・ドノフリオ、ニック・ノルティ、ブルース・マッギル、ジェネシス・ロドリゲス、ボイド・ホルブルック、コモン、エド・ハリス
パンフレット:★★★★(720円/薄いかと思いきや、インタビューやコラムが結構充実)
(あらすじ)
ニューヨーク、ブルックリンを縄張りとするマフィアの殺し屋ジミー・コンロン(リーアム・ニーソン)は、これまでに犯した罪にさいなまれ、酒をあおることが唯一の慰めだった。家族からも疎まれるジミーだったが、ある時、息子マイク(ジョエル・キナマン)の命が狙われ、息子を助けるために相手を殺害。しかし、殺した相手は、マフィアのボスであり長年の友人でもあるショーン(エド・ハリス)の息子だった。ジミーは復讐に燃えるショーンから追われる身となり、ニューヨークを舞台に逃走劇を繰り広げる。(以上、映画.comより)

予告編はこんな感じ↓




75点


※今回の記事は、「ロード・トゥ・パーディション」「ファーナス/訣別の朝」「フライト・ゲーム」「ヒストリー・オブ・バイオレンス」などのネタバレに触れているので、気をつけて!
※今回の記事は、コモンのファンは不快になる怖れがあるので、読まないで!
※今回の記事は、どうしようもない下ネタが書かれているので、そういうのが苦手な人は読まないで!
※今回の映画に関しては、くららがたったさんとかナイトウミノワさんとかの感想が良い感じなので、読んでみて!


「96時間」で心を奪われて以来、リーアム・ニーソン御大主演のアクション映画は絶対観る主義だったものの、「仕事でバタバタしていた&他の公開が終わりそうな映画を優先していた」ため、なかなか足を運べなかったんですが…。今週のムービーウォッチメンの課題作品になったのもあって、やっと新宿ピカデリーで鑑賞してきましたよ。満足いたしました (・∀・) ヨカッタ! 


劇場はスクリーン9。観客が僕を含めて5人だったのは寂しい限りですな。
スクリーン9


フタを開けてみれば、“よくある話”ではあるのです。「マフィアのバカ息子の暴走のせいで、殺し屋が大切な人を守るため、長年尽くしてきた組織に刃向かう」なんて目新しくはないし、「殺し屋が自分の子どもには殺しをさせたくない」ってのも、よくある話じゃないかー(突然、日吉ミミさん風に)。最後の「逃亡先で油断していたところに敵の殺し屋がやってきて、主人公は致命傷を負うも、最後の力を振り絞って、大切な人を守って死ぬ」というオチも「この展開、どこかで観たなぁ」と思ったら、「ロード・トゥ・パーディション」がそんな感じでしたよね、確か。

ただ、「よくある」というのは、それだけ魅力的な物語ということだし、しっかりと“この映画ならではの味付け”がされているのでノー問題。まず素晴らしいのは、リーアム御大と敵対することになる親友兼マフィアのボス役がエド・ハリスということでして。もうね、このキャスティングの時点で100点というか、特に枯れ専の方々は公開日に向けて入念にコンディションを作り上げてきたかと思います(なんだそりゃ)。この2人が、思い出のベッドに腰掛けて昔話に花を咲かせたり、レストランで向かい合って“情”が入り混じりながらも容赦のない会話を繰り広げたり、死に瀕しながら相手の腕に抱かれたりするだけで、十分観た甲斐があったというもの。今回、割引を使って1200円で鑑賞したんですが、あと500円は払っても良い気持ちになるほどだったり (´∀`) ハライマセンガー


この2人が一緒に出れば、どんな映画でも面白い気がします(暴論)。
レストランでの話し合いシーン


脚本も悪くなかったです。大きな不満もあるんですが、年老いて酒浸りになっていた殺し屋が、修羅場に身を置くことで“かつての自分”を取り戻してイキイキとしていく展開はスゲー気持ちイイ。その上で、「死亡するも、自分が殺した相手の名前を書いたメモを遺す」という贖罪を描いたのも非常に良かったですな。ラストも、僕はてっきり「和解した息子は新しく生まれる男の子に『ジミー』と名付けるのだろうよ (`∀´) ケケケ」と安っぽく予想していたら、「鏡に”父親との思い出の写真”(毛嫌いしながらも捨てきれなかったところが泣ける!)が貼ってあるのを映して終わる」という実に感動的な着地でね、「いいハナシじゃないか ( ´_ゝ`)」と偉そうに思いましたよ…(しみじみ)。


なんとなく上から目線なグレート巽の画像を貼っておきますね(「餓狼伝」第8巻より)。
いいハナシじゃないか


その他、「マイクがボクシングを黒人の少年に教えていた」という設定、あとから「父親がいない子のための支援プログラムだった→マイクは超イイ奴!」なんてことを刑事が知るための伏線というだけでなく、暴力の世界から脱しようとするマイクのキャラに深みを与えていて良かったなぁと。マフィアの手下たちや、地味に活躍するお義兄さんとか、端役の描き方も気が利いていたんじゃないでしょうか。終盤、「家のあちこちに銃を隠していた」という伏線を別荘でサラッと回収したのもグッときましたね~。


マイク役のジョエル・キナマンの演技も素敵でした。2014年版「ロボコップ」の続編は無理なのか。
息子マイク(ジョエル・キナマン)


アクションもそれなりに好き。若干の見づらさはありましたけど、「パトカーを追うカーチェイス」は愉快だったし、トイレでの泥臭い格闘シーンで「今回のリーアム御大はこの程度の強さ」というのを見せたのも良かったですな。その後、炎上する団地の一室での火事場バトルはなかなか新しいというか、過去には「酔拳2」や最近は「トム・ヤム・クン!」の続編でも炎を使った戦闘シーンはありましたが、火が点いた棒きれでオッサン2人がアメリカンに殴り合うのは新鮮に感じちゃいました。まぁ、ちゃんと調べればそこも香港映画あたりが3000年以上前に通過してそうですがー。


この場面、よくわからないんですが、ツボに入りましたよ。
火事バトル!


映画全体に漂うちょっとした70年代風味は嫌いじゃなくて。「電話をかけた直後、殴り込む場面」は大好物だったし(死角に潜む奴をアッサリ射殺するシーンは最高!)、今どき「操車場で貨物列車に隠れての銃撃戦」を繰り広げたのはビックリですよ。逃げるエド・ハリスをリーアム御大が撃つ場面、非常に「ファーナス/訣別の朝」を連想したんですが、脚本担当が同じブラッド・インゲルスビーだったのは妙に納得しちゃったりしてね。でもそのくせ、場面転換する時はゲームのマップを移動するようなチャカチャカした演出を入れてくるし、「ウィンチェスターライフルで敵の殺し屋を射殺するラスト」は、「フライト・ゲーム」のクライマックスのようにキメまくりの演出だったりするから、そのアンバランス感にはスゲー笑っちゃいました。


操車場ならではの新しいアクションがなかったのは残念だったかな。
操車場へ

「フライト・ゲーム」のクライマックス。ジャウム・コレット=セラ監督、こういうのが好きっぽいね。
クライマックス!


そんなワケで、基本的にはヌガーとナッツがギッシリなスニッカーズをダース単位で食べたような満足感はあったんですが、しかし。実は大きな不満が2つあるのです。「原題自体が『Run All Night』だから、『弾丸ランナー』のようにさぞ走りまくるのだろうと思ってたら、そうでもなかったぜ」とか「暖房云々で金を借りる割には別荘を持ってるのかよ」という点はどうでも良いんですけれども(だったら書くなよ)、大々的に指名手配されている奴らが団地のドアをバンバン叩きまくって聞き込みする展開はどうかと思うの (´・ω・`)

いや、いくら黒人の少年が無実の鍵を握っているにしてもさ、テレビでずっと顔写真を流されている男たちがローラー作戦を実施するのって、ハンパじゃなくリスクが高いじゃないですか。いや、もうちょっと勢い重視のアクション映画だったら飲み込めますが、今作のフィクションラインは“もう少し現実寄り”だと思っていただけに、「えっ、マジ!? Σ(゚д゚;)」と目を疑いましたよ(ちょっと笑ったけど)。警察の手を逃れるくだりも全然納得できなかったし、火事場バトルや銃撃戦自体は楽しんだものの、僕はこの団地のシーンで全体的な評価が下がっちゃいましたね… (・ε・) ウーン


ちなみに団地バトルと言えば「泣く男」が白眉。団地マニアは必見ですぞ。
隣のビルから銃撃!


もう1つは、最後に倒す敵がコモンだったこと。いや、コモンは決して悪くないんですけど、微妙に迫力不足というか…。団地で襲ってきたあたりは良かったんですが、エド・ハリスが渋く死んだ後に出てくるコモンは何か物足りない。これはエド・ハリスが持つ迫力のせいであり、「ヒストリー・オブ・バイオレンス」でもこんな心境になったっけ…(遠い目)。唐突に下ネタで例えるなら、充実したセックスの後にAVを観て自慰行為に励むようなもの…って、それはそれでアリな気がします(なにこの着地)。


殺し屋役のコモンは歌が得意な人(酷い紹介)。
コモン

「ヒストリー・オブ・バイオレンス」のエド・ハリス。僕的には、この人があまりに怖くて、終盤がそうでもなかったのです。
ヒストリー・オブ・バイオレンスのエド・ハリス


他にも「ニック・ノルティの無駄遣い」とか「『誘拐の掟』でリーアム御大とボイド・ホルブルックが、『崖っぷちの男』でエド・ハリスとジェネシス・ロドリゲスが共演しているという小ネタ」とか書きたいことはあるんですけど、面倒くさいので割愛。何はともあれ、楽しかったです (´∀`) ヨカッター ただ、ジャウム・コレット=セラ監督は「フライト・ゲーム」のようなバカっぽい作品の方が合うんじゃないかしらん。




ジャウム・コレット=セラ監督×リーアム御大主演作では、これが一番好きかな。僕の感想はこんな感じ



サントラでございます。



何度も貼ってますが、ジャウム・コレット=セラ監督作はこれがスゲー面白かったです。インスタントビデオもありますぞ。









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