ブラッドスポーツ
原題:BLOODSPORT
1987/アメリカ 上映時間93分
監督:ニュート・アーノルド
製作:マーク・ディサール、ヨーラン・グローバス、メナハム・ゴーラン
脚本:シェルドン・レティック、クリストファ・コスビー、メル・フリードマン
撮影:デヴィッド・ワース
音楽:ポール・ハーツォグ、マイケル・ビショップ
出演:ジャン=クロード・ヴァン・ダム、ドナルド・ギブ、リア・エアーズ、ノーマン・バートン、ボロ・ヤン、ヴィクター・ウォン、フォレスト・ウィテカー、ロイ・チャオ
パンフレット:なし
(あらすじ)
日系人からカラテを学んだ海兵隊員のフランク(ジャン=クロード・ヴァン・ダム)。彼は、香港のアンダーグラウンドで開催されている<無差別格闘トーナメント>の存在を知り、出場を決意。決勝まで残るが、相手に非道な目潰し戦法をくらう。しかし、フランクは強靭な意志で相手を倒し、トーナメントに優勝するのだった。(以上、allcinemaより)
予告編はこんな感じ↓
100点
一応、大晦日には「自分が好きな旧作映画の感想をアップする」のがなんとなく恒例になってる気がしないでもないので、今年は劇場で観た旧作「ブラッドスポーツ」について書いておきますね。僕がジャン=クロード・ヴァン・ダムのファンになったのは確か高校3年のころで、日曜洋画劇場で流れた「サイボーグ」
がキッカケ。で、彼の主演作をレンタルビデオ屋で探していろいろと観て、そのうちの1本がこの「ブラッドスポーツ」
でした。「無差別級格闘トーナメントに出場する」という設定だけで大好物なのに、あのヤン・スエ(ボロ・ヤン)がラスボス役なのだから文句の付けようがないというか。スタン・ブッシュが歌う主題歌「Fight to Survive」も名曲で(「クミテ、クミテ」のコーラスはあまりにも有名)、「これがデビュー作だなんて、ヴァン・ダムこそが次代を担うアクションスターになるに違いない (`Δ´;) ヌゥ」と確信したものでしたよ…(遠い目)。
ということで、主題歌を貼っておきますね↓ これ、「80's!!!!!!!!」とかで流されたりしないのかな。
だから、僕が劇場でヴァン・ダムの主演映画を観るようになったのは「ブルージーン・コップ」からなんですけど、「サイボーグ」
や「キックボクサー」
、「シンデレラ・ボーイ」
、「ブラック・イーグル」
、そして「ブラッドスポーツ」
に関しては、テレビorビデオでしか観たことがなかったため、一度で良いから映画館の大きいスクリーンで観たいと思っていたんですが…。なんとビデオで初めて観てから約25年経った今年11月、「キャノンフィルムズ爆走風雲録」の公開記念として開催される「メナヘム・ ゴーラン映画祭」での劇場公開が決まったのだから、ビックリですよ。上映されるのは11/21(土)と11/26(木)の2回のみで、本当ならどっちも行きたかったものの、土曜日は家族サービスデーなので泣く泣く断念。木曜日、シネマート新宿で観て来ました。最高でしたね… ( ;∀;) イイクミテダナー ちなみに、「ブラッド・スポーツ」という言葉自体は「動物に暴力を振るう娯楽」という意味なんだとか。
「メナヘム・ ゴーラン映画祭」、東京ではシネマート新宿で2週間開催されていました。
席はJ列を購入。だからなんだと言われたら、返す言葉はありません。
ヴァン・ダムファンがケチとは思われたくないので、飲食を奮発したりして。
シネマート新宿の大きい方のスクリーンで観られるなんて… (ノД`) 満席になるかと思ったら、結構空いてましたよ。
まぁ、正直な話、今の若者たちに「これを観るべし!m9`Д´) ビシッ」なんて薦める気はゼロですよ。基本的には80年代に作られた低予算映画であり、設定や演出におかしいところも多いし、脚本もまぁ…って感じ。ただ、制作費1億円で約11億円の興行収入を叩き出した結果、当時はほぼ無名だったヴァン・ダムはアクションスターとして活躍することとなり、現在でもリメイク版「キャリー」でネタにされる程度にはカルト映画になっていることを考えれば、それなりの魅力を持つ作品ではあるのです、たぶん。ですので、とりあえず箇条書きで今作の魅力を伝えておきますね↓
① オープニングが素敵… (´Д`;) ハァハァ
僕もそれなりにたくさん映画を観てきましたけど、この作品のオープニングはベスト10に入れたいぐらい好きでして。画像を使って簡単に説明しますね。
どことなくオリエンタルな音楽が流れる中、香港の街並みから闘技場の準備を始める様子が映って、タイトルが出まして。
直後、氷柱を割るヤン・スエが登場するだけですでに100点のありがたさ。
お次は、知らないオッサンが活き活きと飛び蹴りで板を割るんですが…。
それを見た執事っぽい人がニヤリ。こういう演出ってスゲー好き。
こんな野性味溢れる人も登場します。
ちょっと間違った力士も登場! 役名はPUMOLAで、演じたのはデヴィッド・ホーという人みたい。
大会準備が終わるとともに音楽も一区切り。ここまでがスゲー良い感じなのです。
で、この物語の主人公であるヴァン・ダムがやっと出てくるというね。
「グラップラー刃牙」の最大トーナメント編の全選手入場を想起させる…というのは言い過ぎかもしれませんが(汗)、「映画の設定を知らなくても、世界中から猛者が集まる大会が開かれることがビンビン伝わってくるし、「こいつらが戦ったら、どうなるんだろ!? (*゚∀゚)=3 ムッハー」というワクワク感がたまらないのです。
② 異種格闘戦要素が素敵… (´Д`;) ハァハァ
「格闘家たちが香港で秘密裏におこなわれる格闘技大会<クミテ>に出場する」という設定は、低偏差値の男子ならどうしても胸がときめいちゃいますよネ (・∀・) まぁ、総合格闘技が流行る以前の映画ですから、今の目線で見ると「どうかな~」と思うところは少なくありませんが(寝技要素はほぼない)、「最悪、殺してもOK」というルールの中で、空手・ムエタイ・カンフー・相撲などなど、動ける役者さんたちがバラエティ豊かな格闘技を見せてくれるので、それだけでも結構楽しいんですよね。
カンフーvsムエタイなど、昔の異種格闘技戦感があって、なかなか美味なのです (´∀`) タノシー
③ ヴァン・ダムが瑞々しい… (´Д`;) ハァハァ
そして何よりも当時26~27歳だったヴァン・ダムが若く初々しく、そしてエネルギッシュでしてね…(しみじみ)。「キャノンフィルムズ爆走風雲録」での本人のインタビューによると、メナハム・ゴーランの前で回し蹴りを披露した後、必死に土下座して勝ち取った初主演作であり、「やってやるぜ!」という気力が画面に満ちあふれている…というのは贔屓目でしょうか。今作の瑞々しいヴァン・ダムを見れば、結構多くの人が彼を好きになってくれる気がするんですけど、違うかなぁ…そんなことないかなぁ…(突然、不安げな口調で)。
今作のヴァン・ダムの“イイ画像”を貼ってみますよ。こんなよくわからない特訓シーンが連発されるのが愉快だし…。
田中流の秘伝“突き手”を見せるシーンの顔のフレッシュなこと! ここからヴァン・ダム伝説がスタートした気がしないでもないって誰かが言ってた。
エセ力士に“突き手”が炸裂だッ! 上記の試し割りが伏線になっていたのです。
ラストのヤン・スエとの死闘で、アゴを攻撃した後のこのポーズ。見づらいですけど…。
宣材写真だと“今もヴァン・ダムが得意とするポーズ”だということがわかるのです…って、みなさん、ついてきてますか?
卑劣な攻撃で目が見えなくなった時の演技は、スローになるのもあってかなりクドいけど、優しい目線で見れば超面白い。
この若々しいジャンプを見て! なんでこんな状況になっているかを知りたい人はすぐにレンタルだッ!m9`Д´) ビシッ
なんとなくヤン・スエの“イイ顔”も貼っておきますね。抱いて!
④ フォレスト・ウィテカーが出てる… (´Д`;) ハァハァ
「96時間/レクイエム」といった例外はありますが、フォレスト・ウィテカーが出ていれば大体良い映画な気がしませんか?(雑な問い掛け) 今作では、まだ売れていないころのウィテカーが“軍の命令を聞かずに<クミテ>に出場するヴァン・ダムを捕まえる役目”として出てくるんですが、香港の街でヴァン・ダムと追いかけっこをしたり、死んだ目で試合を応援したりする姿は、映画ファンなら一度は観ておいた方がいい…。すみません、言い過ぎました。
終盤、1人だけ目が死んでいる気がするウィテカー。
ヴァン・ダムを追いかけるシーンをメントスのCMパロディにした動画を貼っておきますね↓
⑤ 実は実話がベースになっている!m9`Д´) ビシッ
エンドクレジット直前、こんなテロップが出るのです。
ヤン・スエの卑劣な攻撃にも負けず、「参った」と言わせて、見事<クミテ>で優勝したヴァン・ダム。役名はフランク・デュークスなんですが、彼がアメリカに帰る飛行機に乗る直前で画面が止まり、こんなテロップが流れるんですね↓
この作品はフランク・W・デュークスの生涯における事実に基づいている
彼は1975~80年にかけて329試合を戦い、
世界重量級フルコンタクト<クミテ>チャンピオンとして、不敗のまま引退した
デュークスは現在も4つの世界記録を保持
最短KO時間 3.2秒
最速KOパンチ 0.12秒
最速KOキック 時速116キロ
大会における連続KO 56試合
後にデュークスは米国初の忍術道「デュークス流」を設立した
今、上記の文章を読んだ多くの方が眉にツバをつけたと思いますけど(汗)、ある意味、「これ、実話だったの!? Σ(゚д゚;) マジ!?」と観客の多くを驚愕させる衝撃のラストと言えるのではないでしょうか。一応、フランク・W・デュークスは実在していて、本作ではアクションコーディネーターとヴァン・ダムのトレーニング指導をおこなったそうで。初めてビデオを観た当時は、絶対ウソの経歴だと思っていたんですが、しかし。今の時代、ネットで検索すれば画像や動画がいろいろと出てきたからビックリですよ。もうね、最後の最後に虚実入り交じる世界に突き落とされるなんて、こんな作品はなかなかないと思う。ないと思う!(自分に言い聞かせるように)
フランク・デュークスが<クミテ>に出場した時の動画を貼っておきますね↓ 本当だったのか…? (`Δ´;) ヌゥ
僕が伝えたかったことは以上です。本作を経て、ヴァン・ダムはアクションスターの階段を登ることになり、本作のエッセンスは後の出演作にも活かされていることを考えると(オリエンタル風味は「キックボクサー」、軍人が連れ戻しに来るのは「ライオンハート」
、格闘技大会は「クエスト」
などなど)、本当にいろいろな意味でヴァン・ダムの最重要作ではないかと。その後、主演がダニエル・バーンハードに代わって、続編が3本も作られていることからも根強い人気があるみたいでしてね。4作目だけ日本ではビデオがリリースされていないんですけど、どこか出してくれないかしらん (・ε・) ムリカナー
2作目から主人公はダニエル・バーンハードに。ところどころヴァン・ダムを意識したシーンあり。
1作目に出てたドナルド・ギブも登場。テーマソングの「The Rhythm of the Kumite」も好きよ。
3作目もこんな特訓シーンが充実していて、なかなか面白いですぞ。
そりゃあ、僕だって初めて観た十代のころよりは映画のリテラシーが上がってますからね(苦笑)、本作にアレなところが多いのは十分承知しておりますよ。例えば、女性記者のいろいろな意味での安っぽさはちょっとキツいですし。ただ、“80年代に作られた格闘アクション映画”としては普通に面白いと思うし、何よりも今回は大画面で観られたのがスゲーうれしくて… (ノДT) この映画祭のためにあらたに入れた字幕は、多少上手くない部分がありましたが、それでも上映してくれたのはありがたい限り。「メナヘム・ゴーラン映画祭」を企画した日活の担当の方には感謝しかないし、できれば今度はどこかで「サイボーグ」や「キックボクサー」
、「シンデレラ・ボーイ」
を上映してほしいというか、「ヴァン・ダム映画祭」とか開いてくれないかなぁと思っております。おしまい!ヽ(`Д´)ノ
サントラでございます。「Fight to Survive」も収録されてます。
ヴァン・ダム主演&監督の格闘トーナメント映画。思うところはいろいろとあります。
後藤秀司監督×倉田保昭さん主演×ヤン・スエがラスボスの格闘トーナメント映画。内容がかなり似てて好き。
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ブラッドスポーツ(ネタバレ)
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