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シング・ストリート 未来へのうた(ネタバレ)

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※この映画に関しては、行列のできるラブホテルさんチルさんはちごろうさんの感想などを読むと良いですぞ。
※今回の記事は、「小さな恋のメロディ」のネタバレに触れているけど、良い作品なので観ておくと良いんじゃないかな。


<ザ・どうでも良い前置き>

昨年公開された「はじまりのうた」は、そりゃあ良い作品でしたけれども。基本的にアクション映画を好む僕からすれば、音楽映画を得意とするジョン・カーニー監督は“追いたいタイプ”ではなくて。遊星からの物体Xファンタスティック・フォーのベンがストリートで迎え撃つ→Thing ストリート!Σ(°д°;)」といった内容だったらともかく、また音楽映画っぽい本作はあまり観る気はなかったんですが、しかし。愛聴するラジオ番組「ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル」の週刊映画時評コーナー「ムービーウォッチメン」の課題映画になっちゃったというね。

ただ、そうなってみれば、「はじまりのうた」の出来を考えると確実に良い映画っぽいし、都内の上映館の1つである渋谷のシネクイント本作の公開を最後に閉館してしまうのもあって、微妙に乗り気になってきて。他館前売り券システムなどにも頼らず、あえて1800円支払って、鑑賞してきました。


鑑賞した日はレディスデー。劇場はスゲー混んでましたよ。
レディスデー

シネクイントのロビーには、記事の切り抜きや本国版ポスターなど、いろいろ展示されてまして。
展示がいろいろ

この映画館、パンフが読めるだけでなく…。
パンフも読める!

サントラが聴けるのもありがたかったんだよなぁ。
サントラが聴ける!

場面写真なども飾られてたりしてね。
場面写真

今までの感謝の気持ちを込めて、1800円でチケットを購入。「ワールズ・エンド」の時はご迷惑をおかけしました… ('A`)
1800円払いました

ビールとお菓子も買っちゃったのでした。
ビールとお菓子を買いました










シング・ストリート 未来へのうた

シング・ストリート 未来へのうた

原題:Sing Street
2015/アイルランド、イギリス、アメリカ 上映時間106分
監督・製作・原案・脚本・歌曲:ジョン・カーニー
製作:アンソニー・ブレグマン、マルティナ・ニランド
製作総指揮:ケビン・フレイクス、ラジ・シン、ボブ・ワインスタイン、ハーベイ・ワインスタイン
原案:サイモン・カーモディ
撮影:ヤーロン・オーバック
美術:アラン・マクドナルド
衣装:ティツィアーナ・コルビシエリ
編集:アンドリュー・マーカス、ジュリアン・ウルリクス
歌曲:ゲイリー・クラーク
音楽監修:ベッキー・ベンサム
主題歌:アダム・レビーン
出演:フェルディア・ウォルシュ=ピーロ、ルーシー・ボーイントン、マリア・ドイル・ケネディ、エイダン・ギレン、ジャック・レイナー、ケリー・ソーントン
パンフレット:★★★★★(1200円/「うたコード」付きのデラックス版を購入。デカいので読みにくいけど、歌詞の邦訳まで載っているほど情報量ギッシリで超オススメ)
(あらすじ)
大不況にあえぐ85年のアイルランド、ダブリン。14歳の少年コナー(フェルディア・ウォルシュ=ピーロ)は、父親が失業したために荒れた公立校に転校させられてしまう。さらに家では両親のケンカが絶えず、家庭は崩壊の危機に陥っていた。最悪な日々を送るコナーにとって唯一の楽しみは、音楽マニアの兄と一緒に隣国ロンドンのミュージックビデオをテレビで見ること。そんなある日、街で見かけた少女ラフィナ(ルーシー・ボーイントン)の大人びた魅力に心を奪われたコナーは、自分のバンドのPVに出演しないかとラフィナを誘ってしまう。慌ててバンドを結成したコナーは、ロンドンの音楽シーンを驚かせるPVを作るべく猛特訓を開始するが……。(以上、映画.comより)

予告編はこんな感じ↓




85点


素敵な音楽映画でしたな… ( ;∀;) イイエイガダナー


思わずデラックス版のパンフとサントラを買っちゃうほどでしたよ。
パンフとサントラ


まず、身も蓋もなく乱暴にお話を書いておくと、1985年のアイルランド・ダブリンにて、父親が失業して家庭が財政難に陥ったため、主人公のコナーは荒れた公立高校「シング・ストリート」に転校するハメになりまして。いじめっ子に目をつけられて殴られるわ、校長にも厳しくされるわと、踏んだり蹴ったりだったんですが、しかし。学校の対面にあるアパート(実は養護施設)の前に立つ”自称モデル”の年上少女ラフィーナに一目惚れすると、「僕のバンドのMVに出ない?(o^-')b ドウ?」とぎこちなく口説いて電話番号をゲット。MVどころかバンドすらやっていなかったので、事情通の“校内コンサルタント”ダーレンと手を組んで、急いで仲間を集めまして。あらゆる楽器が演奏できる&作曲もできる万能野郎エイモンなどの力を借りて、何とか初のMV「リドル・オブ・ザ・モデル(モデルの謎)」を作り上げるのです。


このMVでは省かれていますが、ラストに映る”オモチャの牙”がまた愉快だったりしてね。




最初こそ、巷によくいる「楽器ができないからとりあえずボーカル志望」だったコナーでしたが、「大学を中退して引きこもっている兄貴ブレンダンのロック指南を受ける→教えてもらったアーティストにかぶれる→自分の体験や感情を歌詞にこめて曲を作る→ラフィーナを起用してMVを作る」なんてことを繰り返しているうちに、より音楽にのめり込むとともにスキルもメキメキ上達! 両親の別居決定やラフィーナのモデルデビューの挫折、ブレンダンのごもっともな説教などにションボリしながらも、実は虐待されてたいじめっ子も仲間に取り込むと、最後は文化祭っぽい舞台でライブ→校長に反抗した歌を披露して大成功! そのままコナーはラフィーナとともに学校を出ると、兄貴に港まで送ってもらって、祖父のボートでロンドンへ旅立つという「小さな恋のメロディ」っぽい終わり方なのでした (´∀`) メデタシメデタシ


ラスト、少年と少女が手を携えて旅立つ映画って、大体良い感じな気がしますな(何の裏付けもない文章)。
2人で旅立て!


もうね、褒めるところまみれというか、褒めるところしかないというか。ナイーブな少年が音楽を通じて成長する物語であり、社会的に不遇な立場にある少年少女たちがポジティブにあがく話でもあって。ジョン・カーニー監督の前作もそうでしたが、音楽のプラスの面を積極的に描いていて、それがスゲー心地良い感じ。特に、コナーが兄貴ブランドンに新しいミュージシャンを教えられるとすぐそのファッションを真似る展開は最高で(かぶれるってとても大事)、最後の方はそうなるのがわかっていながらも笑っちゃいましたね。あと、バンドの各キャラの説明台詞などはないのに、さりげない演出で「コイツはこういう性格なんだろうな」というのがなんとなくわかるのがスゴいなぁと。監督の思惑通り、「シング・ストリート」のメンバーは全員好きになっちゃいましたよ (´∀`) ウフフ


役者のチョイスも良かった! すっかり彼らに好感を抱いちゃったというね。
俺たちがシング・ストリートだッ!


それと、劇中でコナーたちが作る音楽やMVのクオリティ、そしてその見せ方が絶妙でした。最初の「リドル・オブ・ザ・モデル(モデルの謎)」の「初心者が頑張って作ったみたいだけど、結構センスもあって面白い」というバランスが見事で、その後の曲のクオリティやバンドのスキルが上がっていくのも素晴らしい。さらにコナーとエイモンが曲を作り始めるといつの間にかみんなで演奏しているシーンになったりとか、そういう見せ方も上手くて。ちくしょう、ジョン・カーニー監督、センスいいなぁと思ったり。


この場面とか100点でしたな ( ;Д;) イイシーンダナー
曲作りの楽しさ表現


それと、ジャック・レイナー演じる兄貴ブレンダンもスゲー良かった。クリス・ヘムズワースっぽいセス・ローゲンってムードで弟のコナーを愉快に導いてくれて、「あんなお兄さんがほしかった… (ノД`)」と思わされるほどに魅力的なのです(監督のお兄さん(故人)がモデルとのこと…)。で、彼が弟に「(やり直すって)今さら?┐(´ー`)┌ ヤレヤレ」と生意気な口を叩かれて、「オレが切り開いてきたんだ!ヽ(`Д´)ノ」とキレる場面はしみじみしましてね…。これ、年が離れた兄や姉がいる人なら「あるある」なシーンではないでしょうか。何はともあれ、僕には姉が2人いるんですが、本作に出てきた80'sUKロックの数々がわかったのは「長姉に付き合ってMTVを観ていたから」だったりするだけに、ブレンダンとコナーの兄弟描写には、なんとなく懐かしさを覚えた次第(って、あんなに仲良くありませんが)。


ジャック・レイナー、今後ブレイクする気がします。
兄貴ブレンダン


その他、「久しぶりにザ・キュアーのアルバムを聴きたくなった」とか「『HAPPY SAD』というフレーズを聴いて、高橋芳朗さんの本作のレビューが聴きたくなった」とか「ああいう場面でバラードはちょっと… (´・ω・`)」とか「ラストの”弟を見送るブレンダン”を『幸せそう』と感じた人と、『可哀想』と思った人がいるのが面白い(僕は前者)」とか思うところはあるんですけど、長くなるので割愛!ヽ(`Д´)ノ 些末なところを挙げると、いじめっ子を仲間に入れるくだりは泣いたし、校長を叩く歌を披露する場面は笑ったけど、どちらも中途半端感が否めなかったというか、主人公が乗り越えるべき障害はどちらかで良かった気がしましたが、まぁ、どうでも良いザンス。とにかく素敵な青春音楽映画だったので多くの人に観てほしいし、サントラも即購入してほしい強い気持ち、強い愛。そして、都内在住の方は、できれば本作で閉館となるシネクイントで観てみてくださいな。おしまい。




昨年観たジョン・カーニー監督作。僕の感想はこんな感じ



素敵なサントラ。輸入盤デジタル盤アナログ盤もあります。



ジョン・カーニー監督のデビュー作。ちくしょう、観ようかしらん。








HK 変態仮面 アブノーマル・クライシス(ネタバレ)

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HK 変態仮面 アブノーマル・クライシス

HK 変態仮面 アブノーマル・クライシス

2016/日本 上映時間118分
監督・脚本:福田雄一
原作:あんど慶周
製作:間宮登良松、村田嘉邦、小松賢志、鈴木仁行、遠藤茂行、木下直哉
エグゼクティブプロデューサー:加藤和夫、村上比呂夫、鈴木仁行、紀伊宗之
プロデューサー:川崎岳、田坂公章
ラインプロデューサー:鈴木大造
キャスティングプロデューサー:田端利江
撮影:工藤哲也
美術統括:尾関龍生
照明:藤田貴路
録音:高島良太
スタイリスト:神波憲人
ヘアメイクディレクション:池田真希
アクションコーディネート:田渕景也
怪人デザイン:赤井孝美
特殊メイク・造形進行:飯田文江
VFXプロデューサー:石澤智郁
VFXディレクター:中口岳樹
編集:栗谷川純
音楽:瀬川英史
主題歌:CTS、南波志帆
助監督:井出上拓哉
制作担当:櫻井恵夢
出演:鈴木亮平、清水富美加、柳楽優弥、ムロツヨシ、水崎綾女、皆川猿時、新井浩文、やべきょうすけ、勝矢、足立理、上地春奈、木根尚登、佐藤仁美、片瀬那奈、池田成志、安田顕
パンフレット:★★★(1080円/ちょっと高いけど、反対側は前作のパンフになっている仕様が好き)
(あらすじ)
愛子のパンティを被って変態仮面となり、悪と戦う狂介。しかし、狂介と愛子の思いは徐々にすれ違い、愛子は狂介にパンティを返してもらうことに。同級生の真琴正は、気付かぬうちに愛子を傷つける狂介を、憎しみの目で見つめていた。愛子のパンティを失った上、世界中からパンティが消えるという事件が発生し、絶体絶命に陥る変態仮面の前に、最強の敵が出現する。(以上、映画.comより)

予告編はこんな感じ↓




75点


※今回の記事は、本作のレイティングが「G」ということで、こちらのブログにアップしましたが、ガッカリな下ネタが書かれているので、そういう文章が苦手な人は気をつけて!

前作が好きだったので、その続編となる本作も観ようと思ってたものの、仕事が忙しくてなかなか足を運べなくて。6月上旬、「ヒメアノ〜ル」を観て超ダウナーな気分になった時、“逃走経路”として「二丁目つけめん GACHI」「変態仮麺」を摂取してから、新宿バルト9に移動。夕方割を利用して1300円で鑑賞いたしました。鈴木亮平さんが100点でしたYO!ヘ(゚∀゚*)ノ フォー!


前作の時と比べると、200円値上がりした「変態仮麺」。
990円で販売中!

ビジュアルはほぼ同じであり、頼むと店員さんに「変態、入りました!」と言われるのも同じ。
変態仮麺

中においなりさんが入ってるのも同じだったけど、全体的に前より美味しくなってた印象。通販もやってますぞ。
変態仮麺に稲荷が!

1番スクリーンの観客は10人ぐらいでしたよ、確か。
1番スクリーン

ちなみにホットドッグをプラス50円でクライシステイスト(辛口)にすると、ポストカードがもらえたのです(食べたのは「EOK」の時)。
ホットドッグをクライシステイストに!


まず、お話を雑にまとめて書くと、街でパンティ消失事件が発生する中、狂介(鈴木亮平)が姫野愛子(清水富美加)と妖しい女教授・彩田椎名(水崎綾女)の三角関係に悩まされていると、前作で爆死したと思われた大金玉男(ムロツヨシ)が、愛子に恋心を抱いていた同級生の真琴正を怪人ダイナソンに改造→変態仮面が立ち向かうも敗北! 愛子をさらわれてしまったので、変態仙人(安田顕)の元に行って修行すると、新品のパンティにも愛子の匂いを吸着させる能力を獲得しまして。で、あーだこーだあった挙げ句、ダイナソンと大金玉男を倒して、実は大金の手下だった彩田がドロンジョっぽくタンデム自転車で逃走したり、狂介にシンビオートっぽいのが付いたりしながら、すっかり理性を取り戻した真琴正と狂介が勃起して愛子が「いやーん!(´Д`;し」みたいな感じで終わってましたよ、たぶん(ウロ覚え)。


CTSと南波志帆さんによる主題歌を貼っておきますね↓ カッコイイ!




以前も書いたと思いますが、僕は男女ともに裸を見るのが大好きでして。お笑い芸人に関しても、いつの間にか全裸になる芸が得意だった井手らっきょさんを始め、はっぱ隊とかセンターマンとか放課後電磁波クラブとか大好物。最近、不倫騒動が発覚したとにかく明るい安村さんも好みのタイプであり、半裸で活躍するヒーローである変態仮面は当然ながらストライクなヒーローなんですよね。


ちょっと違うけどレイザーラモンHGも大好きです (〃∇〃) ウフフ




でも、単にそれだけでなく、演じた鈴木亮平さんが前作に引き続いてガチで見事な肉体を作り上げたのが素晴らしいのひと言。というか、「TOKYO TRIBE」でもビキニ一丁スタイルで豪快に暴れ回ってて最高だったんですが、その年の上半期にNHKの朝ドラでブレイクして「鈴木亮平 FIRST PHOTO BOOK 鼓動」なんて写真集を出すほどの人気者になってしまったので、「もうパンティを被ったりはするまいよ… (´・ω・`) ションボリ」と諦めていたんです。それなのに亮平ったら「変態仮面」に帰ってきた…。帰ってきてくれたんですYO!ヽ(TДT)ノ ウワァァァァン!


こっちのメラ役も変態チックな人でしたな(「TOKYO TRIBE」より)。
メラ(鈴木亮平)


これは本当にエロい偉い。世の中、冗談がわかる人だけではありませんからね、「あんな役やるなんて、本当に変態なんじゃねーの?(`∀´) ヘラヘラ」なんて心ない言葉を投げかける人がいるかもしれない。「可愛い振りしてあの子、割とやるもんだね 川´д)ヒソヒソ (´д`し」なんて言われ続けて生きるのが辛くなるかもしれない。でもね、亮平は帰ってきた。「オレの役だ」としっかりと体を作り上げただけでなく、社交ダンスを習得したり、原作漫画をデジタル化して持ち歩くほど情熱を傾けていてね…(しみじみ)。ハッキリ言って、トップクラスに好きな男優になりましたよ(いろいろと誤解を招きそうな文章)。


この肉体、よくぞここまで… (ノД`) アァン 
ナイスバディ!


アクションも良かった! あの衣装の性質上、スタントも自らこなして頑張ったそうですが、パンフのインタビューを読むと「パンチや技のかわし方、ステップひとつにどれだけ変態性を感じさせるようにするか?」「アクション監督がもちろん考えてはくださるのですが、それに変態としての磨きをかけるのは僕の仕事」とこれまた熱い。ほとんど裸のため、痛みを軽減するパットなどは装着できないし、擦り傷なども作れないというハードな状況下で組み立てられたアクションは、まさに「変態仮面」ならではの唯一無二のモノになっていて。敵を倒すためにいちいち己の股間を相手の顔にあてがうアクションが見られるのはこのシリーズだけですからね。僕はこの点だけでも映画史に残る作品だと確信していて(偏った映画史観)、鈴木亮平さんとアクションに関しては100点だと思っております。


股間を押し当てて敵を倒す! こんなヒーロー、マーベルにはいないぜ!
股間をあてがえ!

いちいちポーズが決まっているのも素敵。まぁ、こんな目に遭いたくはないんですがー。
股間をあてがえ!2


その他でグッときたのは、変態仙人のくだり。前作で強敵だった安田顕さんが別の役を演じたことには賛否がありそうですが、僕は「これはこれで…いい… (´Д`;)」とスムースに受け入れられた感じ。言いたいこともあるんですけど、安田顕さんの熱演には笑ったし、さらにパワーアップアイテムとして渡されるのが「天狗の面」だったのは「その手があったか!Σ(゚д゚)」と感心。股間に装着して「鬼モード」となった変態仮面はまさにギリギリな感じであり、スゴく…楽しかったです… (〃∇〃) ウフフ


変態仙人のこの場面、「パンズ・ラビリンス」ペイルマンが元ネタ…というのは考えすぎか。
変態仙人

実は狂介の祖父だった変態仙人から授かったのは「天狗の面」だッ!
天狗の面を装着

なんかパッと見アウトな雰囲気の画像だけど、股間から伸びてるのは天狗の鼻だからね!(o^-')b マチガエナイデ!
鬼モード発動!


ただ、正直なところ、惜しいと思う部分もあって。本作はピザ屋のバイトのくだりから始まるなど、とにかく全編でサム・ライミ版「スパイダーマン2」のオマージュが繰り広げられていて。最後はシンビオートっぽいのが出たりと、「3」に繋がるムードで終わるほどなワケですよ。まぁ、別にそれはそれで「好きなんだなー」程度に許せたんですけど、そのためにダイナソンなんてゴテゴテした十面鬼ゴルゴスっぽい怪人に変身させられた柳楽優弥さんが勿体なかったというか。なんて言うんですかね、「変態に対する真面目という価値観」で対抗すると期待していたので、結局、パワー押しの戦いだったのはガッカリ。あと「最初の戦いで股間を押しつける攻撃がダイナソンに効かなかったのに、終盤では効く」という展開は、もう少しちゃんとしたロジックを見せてほしかったというのは贅沢でしょうか(「彩田教授の毒のパンティで変身していたから」だとしても微妙)。


柳楽優弥さんをこんなゴテゴテした怪物にしたのは…。
ダイナソン

こういう“モロなシーン”がやりたかったからなんでしょうな。
NYでのCGバトル

ただ、もっと柳楽優弥さん自身の“真面目さに特化した変態力”が見たかったなぁと。
真琴正(柳楽優弥)

変態仮面の攻撃が効かなかった理由が気になっていたので、単なるパワーアップで解決しちゃったのは残念だったり。
効かなかった攻撃


それと、これは僕の勝手な好みの問題ですけど、変態描写が温いなぁと。せっかく変態仙人を出したのに「匂いを吸着させる」ってなんだよ。そりゃあ、少年誌連載の漫画が原作ですから「理髪店主のかなしみ」のようなハードなSM話をやられても困りますが、僕はもっと「脳の可能性の話になる」と思ってた。「人間が心底リアルに思い描くことは実現する」ワケで、「吸着させる」とかではなくストレートに妄想力を高めることで何もせずとも変態力を発揮できるだけでなく、最終的には手を触れずとも射精が可能なイク=メンになれるのでは…って、どうでもいいですねこの話 (´・ω・`) スミマセン


なんとなく刃牙の画像を貼っておきますね(「グラップラー刃牙」より)。
リアルに思い描くことは実現する


何はともあれ、アホな文句を書いちゃいましたが(苦笑)、大好きな映画でしたヨ (´∀`) タノシカッタ! 確実に作られるであろう3作目には、あの小栗旬さんがラスボスとして出演することを願いつつ、この駄文を終えたいと思います。おしまい。




前作のBlu-ray。僕の感想はこんな感じ



サントラでございます。



CTSと南波志帆さんによる主題歌。変態ヒーローの主題歌とは思えないカッコ良さ!



映画化記念の特別号。あんど慶周先生による新規読切漫画やキャストインタビューなどが収録されているそうな。



あんど慶周先生の原作漫画も貼っておきますね。内容は結構違ってます。



サム・ライミ監督による「スパイダーマン」シリーズ。観ておくと良いです。



便乗したっぽいジャケットの作品。「変態人間」って、そのまますぎでは… (`Δ´;) ヌゥ








先週の備忘録(2016/7/19~7/25)

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さて、毎週火曜日は備忘録を更新する日ということで、先週の出来事や思ったことを適当に書いておきますね↓

まだ6月公開作を観てる… (´・ω・`)
仕事が忙しくなってきました
土日は家族サービス!ヽ(`Д´)ノ
タマフルの放課後クラウドが良い感じ (o^-')b イイネ!



現在、仕事が忙しくなってきていろいろと余裕がなくなってきたんですが(汗)、先週は3本ほど映画が観られて良かったです。特に「ムービーウォッチメン」の課題映画「シング・ストリート 未来へのうた」は本当に観て良かったなぁと。つーか、今年も24時間ラジオをやるとか、放課後クラウドを始めたりとか、高野政所さんが「前科おじさん」なる著書を出すとか、ハイパヨちゃんがメジャーデビューするとか、タマフル周辺が盛り上がっている印象。メールを読まれたそーす太郎さんのように、僕も何かしら企画を考えて番組に送りたいと考えているんですけど、まったく思いつかないのでした… (´・ω・`) ザンネン


高野政所さんの著書、hy4_4yhのアルバムを聴きながら読みたいところです。


「シング・ストリート 未来へのうた」シネクイントで観られたのも良かったなぁ…(しみじみ)。
展示がいろいろ


土曜日は愛する娘マナ子(仮名)の5歳の誕生日ということで、奥さん&娘&「奥さんのママ友 featuring その子ども」と一緒に「千葉こどもの国 キッズダム」へ。その国は当初、子どもたちによって平和に統治されていたものの、“蠅が群がるブタの頭部”を崇めるようになると、徐々に暴力性が露わになって殺し合いが始まってーーといった「蠅の王」のような場所ではなく(不要な文章)。雑に書くと、公園っぽい遊園地みたいなところでしてね。幼児向けの「ジャブジャブプール」などもあったりして、マナ子ったら大喜びであり、僕も足だけ入って付き従う感じ。体が座席に入らなくて娘とゴーカートに乗れなかったのは超ガッカリしましたけど、基本的にはとても楽しかったのです。


特別な日なので、白い「スーパー!」Tシャツを着用。脳内BGMは「Two Perfect Moments」だッ!
白いスーパー!Tシャツ

途中、五井駅にあるパン屋にて「五井あんぱん」を買ったんですが、ホイップ&あんが甘すぎなくて美味!
五井あんぱん

「千葉こどもの国 キッズダム」の入口でございます。
千葉こどもの国 キッズダム


僕が「奥さんのママ友 featuring その子ども」と共にここまで長時間行動するのは初めてなので、そういう点は不安だったものの、子どもは良い子だったし、奥さんのフォローもあって、キモイとは思われていない…と思う (`Δ´;) タブン 日曜日は、奥さんが美容院に行ったりするということで、マナ子と2人で過ごしまして。一緒にお昼寝した後、アイスを食べながら誕生日プレゼントの「ファインディング・ニモ」を観たり、おままごとをしたりして、愉快に過ごしましたよ。特にこの日のおままごとには新しいストーリーを導入したんですが(「くまのプーさんとパンダのママの間に生まれたパンダの赤ちゃんが保育園に行って昼寝をする」という内容…って、文章にすると何が面白いのかサッパリですな)、それがマナ子に好評だったのもうれしかったりしてね (´∀`) ウフフ 今週末は休日出勤&接待ゴルフが決まっているのもあって、この土日は家族との時間にドップリ浸かった次第。


ジャブジャブプール。できれば僕も一緒に入れるプールで遊びたかった…。
ジャブジャブプール


さて、今週はもうすっかり忙しいんですけれども。27日(水)は「タマフル&トップ5&生活は踊るオフ会」が渋谷の「MeWE」で開催予定であり、29日(金)は映画駄話会があって、どちらも行けるように仕事のスケジュールを調整済みなのです ( ̄ー ̄) ニヤッ で、「タマフル&トップ5&生活は踊るオフ会」の方は誰でも気軽に参加できるので、興味がある方はぜひ来てくださいな。以上、先週の備忘録でした。ではでは~。











2016年8月公開で観たいと思っている映画の覚え書き

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毎月の恒例として、僕が2016年8月公開で観たいと思っている映画を貼っておきますね↓


※①などの番号付きは「絶対に観る」、○は「一応観たい」、△は「興味ある~」って感じです。

8/6
劇場版 仮面ライダーゴースト 100の眼魂とゴースト運命の瞬間 ①
劇場版 動物戦隊ジュウオウジャー ドキドキサーカスパニック! ②
西遊記 孫悟空 vs 白骨夫人 ③
モンスター・ハント ○
ドラゴン・クロニクル 妖魔塔の伝説 ○
ハイ・ライズ ○
ニュースの真相 ○
ポバティー・インク ~あなたの寄付の不都合な真実~ △
ねむれ思い子 空のしとねに △
秘密 THE TOP SECRET △
五島のトラさん △
奇跡の教室 受け継ぐ者たちへ △


8/13
X-MEN:アポカリプス ④
ジャングル・ブック ⑤
ソング・オブ・ラホール ⑥
ミス・ワイフ △
栄光のランナー/1936ベルリン △


8/20
青空エール ⑦
ゴーストバスターズ ⑧
イレブン・ミニッツ ○
ソング・オブ・ザ・シー 海のうた ○
沈黙の粛清 △
ダーティー・コップ △
火 Hee △


8/27
アメリカン・スリープオーバー ⑨
ミュータント・ニンジャ・タートルズ:影<シャドウズ> ⑩
君の名は。 △
リトル・ボーイ 小さなボクと戦争 △
クワイ河に虹をかけた男 △
はじまりはヒップホップ △
後妻業の女 △
U-31 △



ちくしょう、まだ6月公開作すら観終わっていないのに、観たい8月公開作を挙げるとするならば! 僕が一番観たいのは「X-MEN:アポカリプス」でございます (´∀`) ウフフ もうね、フィギュアから入って、小学館プロダクションが出していた「X-MEN」から「Marvel X」などを夢中になって読んできた僕的には、今までの映画シリーズはサイクロップスが全然活躍しないのが不満だったんですよ。そりゃあ、「目からビームを出す」なんてキャラを実写で魅力的に描くのは大変かもしれませんけど、それをやらずして「X-MEN」の実写映画化に成功したとは、胸を張って言えないのではないか。で、予告編を観てみたら、これまでの予告編の中でも一番ビームを出す場面が多かったので、本作は結構期待できる気がしております。


予告編では、まずストームに向かって、目からビーム!
目からビーム!

次に、どこかの狭い場所で、目からビーム!
狭いところで目からビーム!

最後はもう1回、ストームにビーム! なんか良い感じじゃないですか?(・∀・) ネェネェ?
もう一発、目からビーム!


邦画で絶対観なくてはならないのが「青空エール」でしてね…(遠い目)。僕は以前、こんな記事をアップするほど原作漫画を愛読してまして。基本的には原作至上主義なのでね、最初は実写化なんてどうでも良かったんですが、しかし。よくよく考えれば、映画化することで話題となり、原作の素晴らしさを愚民どもに知らしめるという意味では「アリ」なのかもしれぬ(「帰ってきたヒトラー」に影響を受けた文章)。そう思って、応援するつもりだったんですけど…。土屋太鳳さんはまだ許せるんですが、竹内涼真さんがなぁ (´・ω・`) どうしても昨年まで観ていた「仮面ライダードライブ」のイメージが強いというか、むしろ彼が演じる泊進ノ介が好きなキャラだっただけに、「この前まで刑事だった奴が高校生かよ ( ゚д゚) ナンダソリャ」なんて思っちゃう心の狭いアタシ。もう前売り券を買って後退のネジを外してはいるのですが、素敵な映画でありますように。


予告編を貼っておきますね↓ どうなんだろうなぁ… (・ω・;)




それ以外では、<2016夏の香港・中国エンターテイメント映画まつり>として上映される香港映画3作品はどれもチェックしておきたいし、「ジャングル・ブック」「ゴーストバスターズ」宇多丸師匠絶賛「アメリカン・スリープオーバー」、大味アクションがた楽しめそうな「ミュータント・ニンジャ・タートルズ:影<シャドウズ>」は観たいなぁと。時間に余裕があったら、スティーブン・セガール主演作「沈黙の粛清」あたりも行こうかしらん。それと、監督諸々は違うんですけど、昨年観た「ここさけ」が結構良かったので、なんとなく「君の名は。」も興味を惹かれていたりします。


一応、前売り券を買ってある映画はこんな感じ。ライダー映画、間違えて親子ペア券買っちゃった… (´・ω・`)
8月公開作の前売り券


最後に、名画座系に関しては、目黒シネマで7/30(土)~8/05(金)の「ちはやふる 上の句」「下の句」ユジク阿佐ヶ谷で7/30(土)~8/05(金)の「ONCE ダブリンの街角で」「はじまりのうた」新文芸坐で8/01(月)~8/05(金)にレイトショーの「ヤクザと憲法」、8/06(土)の《新文芸坐×アニメスタイルセレクションVol.85 押井守映画祭2016 第三夜 ケルベロス・サーガ+》、8/13(土)の《さよなら、アントン・イェルチン ~君が生きた証~》、8/22(月)~8/24(水)の「ハンナ・アーレント」「サウルの息子」、8/28(木)~9/01(土)の「アイヒマン・ショー 歴史を映した男たち」「スポットライト 世紀のスクープ」、8/27(土)の《Blu-ray発売記念 塚本晋也の世界 ~進化する激情~》あたりが気になりますかね。以上、2016年8月公開で観たいと思っている映画の覚え書きでした。ではでは~。






海よりもまだ深く(ネタバレ)

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※今回の記事はかなり適当なので、はちごろうさん物語る亀さんの感想がオススメでございます。

<ザ・どうでも良い前置き>

是枝裕和監督の作品と言えば、大抵は「クオリティの高い良い映画」じゃないですか(苦笑)。僕もすべて観ているワケじゃありませんけど、近作の「そして父になる」「瞳ダイアリー」「海街diary」は超ストライクであり、どちらも滂沱の涙が止まらなかったほどだったのは確かでございます。でも、基本的には「エンド・オブ・キングダム」などの雑でマッチョなアクション映画を好むブログ主ですよ。「こんな“家族のドラマ”を観ることはあるまいよ ( ´_ゝ`)」などとしたり顔だったんですけれども。「特製探偵手帳」という特典に惹かれてしまって、つい前売り券を買ってしまったのです。

これが「特製探偵手帳」だッ!
特製探偵手帳

開くと、劇中で登場人物たちが言う印象的な台詞が書かれていて…。
開くとこんな感じ

後ろから開くと、また台詞が載っているというね。
後ろもこんな感じ

ガッカリしたーー ('A`) いや、前売り特典に付いてくる手帳なんだし、落ち着いた雰囲気の映画なんだから、この程度だということは予想してしかるべきなんですが、もっと少年探偵手帳スパイ手帳っぽいのを想像してたというか。「秘密インキの作り方」とか「人の性格見分け法」といった面白豆知識が満載だったり、水に溶ける紙で出来てたりとか、そういうのかと思ってた。だからね、なんかテンションが下がっちゃって、仕事が忙しいのもあったけど、新宿ピカデリーで観たのは公開から1ヵ月以上が過ぎた7月上旬だった…なんて、雨上がりの午後に書いた既視感の強い文章。

1日1回上映ながらも、公開から結構経つのに、客席は結構混んでた記憶。
10番スクリーン










海よりもまだ深く

海よりもまだ深く

2016/日本 上映時間117分
監督・原案・脚本・編集:是枝裕和
製作:石原隆、川城和実、藤原次彦、依田巽
エグゼクティブプロデューサー:桑田靖、濱田健二、中江康人、松下剛
プロデューサー:松崎薫、代情明彦、田口聖
アソシエイトプロデューサー:大澤恵
撮影:山崎裕
照明:尾下栄治
録音:弦巻裕
美術:三ツ松けいこ
装飾:松葉明子
衣装:黒澤和子
ヘアメイク:酒井夢月
音響効果:岡瀬晶彦
音楽・主題歌:ハナレグミ
スクリプター:矢野千鳥
キャスティング:田端利江
助監督:兼重淳、遠藤薫
制作担当:中円尾直子
出演:阿部寛、真木よう子、小林聡美、リリー・フランキー、池松壮亮、吉澤太陽、橋爪功、樹木希林、中村ゆり、高橋和也、小澤征悦、峯村リエ、古舘寛治、葉山奨之、ミッキー・カーチス
パンフレット:★★★★☆(900円/少し高いけど、読み物が超充実してて、吉實恵さんのイラストがまた素敵)
(あらすじ)
15年前に文学賞を一度受賞したものの、その後は売れず、作家として成功する夢を追い続けている中年男性・良多。現在は生活費のため探偵事務所で働いているが、周囲にも自分にも「小説のための取材」だと言い訳していた。別れた妻・響子への未練を引きずっている良多は、彼女を「張り込み」して新しい恋人がいることを知りショックを受ける。ある日、団地で一人暮らしをしている母・淑子の家に集まった良多と響子と11歳の息子・真悟は、台風で帰れなくなり、ひと晩を共に過ごすことになる。(以上、映画.comより)

予告編はこんな感じ↓




80点


「いいかげんにしろ!( `Д´)シ☆)д゚)・:; ゲハッって思ったり。


アントニオ猪狩を殴る刃牙の画像を貼っておきますね(「グラップラー刃牙」より)。
いいかげんにしろ!


是枝監督はパンフで「小さい頃から、なぜ台風明けの団地は美しいのか、ずっと気になっていたんです。何も変わっていないのに、一晩たって何かが大きく変わって見える。その瞬間を描きたいという思いがありました」と書かれていたんですが、本当にそんな作品だったというか。派手なことは起こらないものの、しみじみと面白く、染みる映画でしたよ。主人公の良多は、15年前に文学賞を一度受賞しながらも、その後は鳴かず飛ばずで、現在は「取材のため」として探偵事務所で働いている中年男性でして。そんな良多が、月に一度の息子と出会う日に、実家の団地に連れ込んだところ、台風が直撃。別れた妻の響子も巻き込んで、久しぶりに家族3人で過ごす…って感じの話なんですね。良多はこの一晩の体験を通じて少しだけ「諦めること」を受け入れて、元妻&息子と別れて終わったと思うんですけど(ウロ覚え)、なんかね、僕もアパート生まれ団地育ちなのでね、あのラストの寂しくも晴れやかな雰囲気には非常にグッとくるものがありました。


ハナレグミによる主題歌「深呼吸」を貼っておきますね↓




つーか、是枝監督が団地育ちなだけあって、団地関係の描写や美術が完璧というか。間取りまでそのまんまなので、「是枝の野郎、オレの実家を隠し撮りしやがった!ヽ(`Д´)ノ キィィィ!」と勝手な被害妄想を抱いたほど(迷惑な観客)。現在、僕の母親も某団地の5階(エレベータなし)に1人で暮らしているだけに、かなり感情移入しちゃいましたよ。その上、例によって、役者さんたちが素晴らしくて。特に樹木希林さんは、こういう役ってもうお手の物なんでしょうけど、「母さんったら、いつの間に映画出演を!? Σ(゚д゚;)」と自分の母と誤認するほどでしたよ(迷惑な観客)。


樹木希林さんの老いた母演技は達人の域、ですな(知った風な口調で)。
母・淑子(樹木希林)


あと、子役の吉澤太陽さんも素晴らしかったし(是枝監督の子ども演出の安定感!)、良多の職場の後輩役の池松壮亮さんもスゲー良かった。「ディストラクション・ベイビーズ」のキャバクラのマネージャー役の時も少し思ったんですが(感想には書かなかったけど)、この役者さん、微妙にスレた青年を演じた時の色気がスゴいですよね。それと、もちろん主演の阿部寛さんはほとばしるほど魅力的であり、この映画って彼がいなかったら成立しなかったんじゃないかと思いましたね。


一番の功労者は主演のこの方。是枝監督との相性が良い気がします。
良多(阿部寛)

真木よう子さん演じる響子、良多を完全に見切っていないキャラ設定はリアルなのか、温いのか。
元妻・響子(真木よう子)

吉澤太陽さんの息子演技も最高。一緒にモスに行って良多だけガマンする場面、僕なら「半分ちょうだい」って言ってたな…(クズな親)。
息子・真悟(吉澤太陽)

姉役は小林聡美さん。昨年の「犬に名前をつける日」、今年の「あやしい彼女」を観てから、好感度がガン上がりなのです(単純な観客)。
姉(小林聡美)

池松壮亮さんも素敵でした。この2人が小さい事件を解決するスピンオフが観たい気持ち。
良い雰囲気の2人


ただ、不満もそれなりにあるというか。阿部寛さんが演じたからそれなりに楽しく観られたものの、さすがに主人公がクズすぎて、イラッとするところも多かったりもして。母親に小遣いをあげながらも金を漁るとか、そういう部分はまだ笑えたんですが(小林聡美さん演じる姉との通帳を巡る攻防は大好き)、別れた妻へ性的に接触しようとするシーンだけは嫌悪感を抱きました。冒頭に貼った刃牙の画像のように「いい加減にしろ!」とブン殴りたくなったけど、阿部寛さんは古武術の使い手なだけに即断念するほどというか(迷惑な観客)。まぁ、僕個人の話なんですが、僕の別れた父親もそういうところがあっただけに、余計ムカついたんですよね…。

なんて言うんですかね、この映画って、良多の周辺の人間全員が彼に対してとろけそうなほど甘いじゃないですか。それは「良多が人間としては魅力的だということを表している」のかもしれないし(実際、池松壮亮さん演じる後輩は救われているし)、是枝監督的には「こういう駄目な人だって愛せる“寛容な世界”が良い」ということなのかもしれませんが、僕はこの部分にも乗れなかった。高校生から金を巻き上げたことを知った所長(リリー・フランキー)の対応とかあまりに寛容すぎて、「んもう、『凶悪』の時の容赦なさを思い出して!ヽ(´Д`;)ノ」とスクリーンに向かって抗議したくなりましたよ(迷惑な観客)。まぁ、監督的には僕のそういう反応も想定内なんだとは思いますし、本当のところ、ついイラッとしたのは、むしろ僕が周囲の人に甘やかしてほしいからなのかもしれませんーー(クズの文章)。


僕の気持ちを代弁する柳龍光の画像を貼っておきますね。
とろけそうなほど甘い

ただ、是枝監督的にはこういう反応もこのシコルスキーのように織り込み済みなんでしょうな「バキ」より)。
三角絞めでつかまえて-予想通りだ


その他、離婚経験者のかわもっちさんにスタ・エレさんが「これはあなたの映画だから観るべき!m9`Д´) ビシッ」みたいなことを仰有っていたものの、見終わったかわもっちさんがスタさんに「僕はあんなにクズじゃないです (`Δ´) シッケイナ!」と抗議してたのが面白かった…というのは備忘録として書き残しておくとして。良多がクズすぎる以外の部分は「歩いても 歩いても」よりも大好きだっただけに、結構残念ではありましたが、トータルするとしみじみする団地映画でしたな (´∀`) ウフフ なんかね、すっかりこの作品の影響で「台風の日、娘のマナ子(仮名/5歳)とあえて外に出たりしてみたいな」とか「もっと年を取ったら、周囲の人に『私もね、昔はラジオ番組に出たことがあるんですよ (;`∀´) ヘヘヘ』なんて橋爪功さんライクに自慢したりするのかな」とか「宝くじが当たったりしないかな(買ってないけど)」なんて思ったりするようになった今日このごろなのでした。




阿部寛さんと樹木希林さんが親子を演じた是枝裕和監督作。これはこれで好き。



ノベライズ。あまり読む気はないザンス。



ハナレグミによる主題歌CD。ちょっとほしい。



是枝監督が阿部寛さん主演で撮ったドラマ。つーか、是枝作品だと役名がいつも「良多」なのね。









2016年6月に観たDVDの覚え書き

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※今回の記事は、「アイアン・フィスト2」「チーム・コンバット」のネタバレに触れているので、知りたくない人は気をつけて!

例によって月の最後になっちゃいましたが(汗)、毎月の恒例として、今さらながら「6月に観たDVDの感想」を雑にアップしておきますね↓


<1本目>
アイアン・フィスト2




(あらすじ)
激しい戦いの果てに、見知らぬ山村に流れ着いたサディアス(RZA)は、村の唯一の良心ともいえるリー・クン(ダスティン・ヌエン)の一人娘イノセンス(ピム・バベア)に助けられる。サディアスは安息の地を求めていたが、村では銀鉱山の利権をむさぼるホー(カール・ン)とその手下たちの暴力のもとで鉱山での重労働を強いられ、村長(ケイリー=ヒロユキ・タガワ)以下の村民たちは苦しめられていた。一度は心の平和を望み、鋼鉄の拳を封じ込んでいたサディアスであったが、理不尽な者たちを倒すためついに立ち上がる。(以上、メーカー公式サイトより)

予告編はこんな感じ↓




65点


ショウ・ブラザースが大好きなRZAのオレオレカンフー映画第二弾がDVDスルーということで(アメリカ本国でも劇場公開されたなかったみたい)、ずっと気になっていたんですけど、なかなか借りるタイミングがなくて。やっと鑑賞したんですが、前作同様微笑ましかったです (´∀`) アラアラ キャストや美術、特殊効果云々に関しては、前作からかなりスケールダウンした感が否めないし、特に愉快なギミックを持つ敵キャラがいないのは寂しい限りですが、それなりには楽しいというか。監督は「ネバー・サレンダー 肉弾突撃」などのマッチョ映画率が高めのロエル・レイネに任せたものの、RZAは主演の他に製作総指揮・原案・脚本・音楽を担当。あのイーライ・ロスも製作総指揮に名を連ねております。

「武術で現状を変えようとする弟と、過去を悔いて武術を封印している兄(蟷螂団の一味だった!)」という設定は、たまたま今年観た「ヒーロー・オブ・クンフー 裸足の洪家拳」っぽくてうれしかったりしてね(よくある話でもあるけど)。首や手の切断、人体が爆散したりするゴア描写は、ショウブラのアップデート感があって好みのタイプ。アクション的には、ダスティン・ヌエン演じるリー・クンとカール・ン演じるホーの対決が良かったですね〜。残念ながらRZAの動きは前作と同じく微妙なんですが、レンタル鑑賞ということもあって、なんとなく許せる感じでしたよ。一応、オチを書いておくと、足が不自由なザン村長(ケイリー=ヒロユキ・タガワ)の正体は邪悪なパイ侯であり、サディアス特製の鉄の足を装着して復活するも、そのサディアスに撲殺されて死亡。リー・クンの娘イノセンスが黄金の甘露の力で生き返ると、サディアスが旅立って終わってました。全体的には嫌いじゃないので、3作目も作られるといいなぁ。

キャスティングの時点でラスボスなのがバレバレなケイリー=ヒロユキ・タガワ。女性の精気を吸ってましたよ。
女性の精気を吸うケイリー=ヒロユキ・タガワ



<2本目>
チーム・コンバット




(あらすじ)
郊外のジムで空手を学ぶ子どもたちのもとに現れた新コーチ・ジミー(フィリップ・リー)。子供嫌いの彼と現代っ子たち、始めは反発しあうものの、次第に心を通わせていく。シングルマザーの母との確執、実父からの言葉の暴力、家庭の金銭的苦難…。ジミーは子どもたちがそれぞれに問題を抱えていることに気付く。空手を通じて子どもたちに大切なことを伝えていくジミー。自分で困難を乗り切ろうと、徐々に変わっていく子どもたち。空手トーナメントへの出場に向けトレーニングを重ねていた矢先、ジミーはある選択を迫られるー。(以上、メーカー公式サイトより)

予告編はこんな感じ↓




55点


レンタル屋のアクション棚を眺めてて、なんとなく手に取ってみたところ。僕が大好きな「ベスト・オブ・ザ・ベスト」フィリップ・リー監督・脚本・主演作だったので、今さらながら借りてみました。「まぁ…嫌いじゃかな… (´∀`;) アハハ」って感想ですかね。ちなみに武術指導はフィリップ・リーのお兄さんのサイモン・リーで、スタントコーディネートはジェームズ・リューでございます。

原題は「Underdog Kids(負け犬の子どもたち)」ということで、内容はモロに「ベスト・キッド」「ベスト・オブ・ザ・ベスト」って感じ(敵対チームの道着は黒ベースで、チーム名は「スコーピオンズ」で、「勝つためには手段を選ぶな」と教えられているタイプ)。作風は80's感溢れるムードであり、内容もかなり子ども向けでしてね…(オナラで反撃したりする)。なんて言うんですかね、「くるくる回って蹴る」系のアクションを観ること自体は好きだけど、今の時代、格闘技の試合の中でそれをやられてもなぁ…という気持ちが拭えないのです。なんか「ジミーの復帰戦と子どもたちの試合の日が重なる」というベタな展開も強引すぎて「なんだそりゃ ( ゚д゚)、 ペッ」と思わなくもなかったりしましたよ。

ただ、「あら、子どもたちが頑張ってるわ (´∀`し ウフフ」的な親目線で観ると、そんなに悪くはないんじゃないかと。審査員がリチャード・ノートンドン・“ザ・ドラゴン”・ウィルソンダン・イノサントベニー・”ザ・ジェット”・ユキーデジュン・チョン(この人だけ知らなかったけど、ハプキドーの使い手だそうな)と妙に豪華だったのもうれしかったです。オチを書いておくと、試合の結果、「アンダードッグス」と「スコーピオンズ」のポイントが同点だったので、演舞で勝負→敵コーチ(パトリック・ファビアン)の妨害工作にもめげずに「アンダードッグス」が勝利。「スコーピオンズ」のコーチの卑劣さがバレてスポンサーが撤退して、終わってましたよ。

演舞で決着するのが珍しい上に、演舞の内容も結構斬新だったり。
斬新な演舞



そんなワケで、6月は仕事が忙しかったのもあって、観られたDVDは2本だけ。正直、どちらも無闇にオススメはできないかなぁ… (´・ω・`) まぁ、好事家の方ならチェックしても良いかもしれません。以上、先月観たDVDの覚え書きでした。ではでは~。







神様メール(ネタバレ)

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神様メール

神様メール

原題:Le tout nouveau testament
2015/ベルギー、フランス、ルクセンブルク 上映時間115分
監督・脚本:ジャコ・バン・ドルマル
製作:オリビエ・ローサン、ダニエル・マルケ
脚本:トーマス・グンズィグ
撮影:クリストフ・ボーカルヌ
美術:シルビー・オリベ
編集:エルベ・ド・リューズ
音楽:アン・ピエールレ
出演:ブノワ・ポールブールド、カトリーヌ・ドヌーブ、フランソワ・ダミアン、ヨランド・モロー、マルコ・ロレンツィーニ、ピリ・グロワーヌ
パンフレット:★★★☆(720円/コラムだけでなくトリビアも載っていて、デザインも可愛いし、紙質も良い感じ)
(あらすじ)
ブリュッセルの街に家族と一緒に暮らしている神様(ブノワ・ポールブールド)は、自分の部屋のパソコンで世界を管理し、面白半分で事故や災害を引き起こしている。そんな父に憤慨した10歳の娘エア(ピリ・グロワーヌ)は、それまで一歩も出たことがなかった街に出ることを決意。しかし、家出の前に立ち入りを禁じられている父の部屋に忍び込んでパソコンを触った彼女は、間違えて世界中の人々に死期を知らせるメールを送信してしまう。エアは人間たちを救済しようと街に繰り出し、そんな娘を追って神様も街に出るが……。(以上、映画.comより)

予告編はこんな感じ↓




60点


※この記事は「シグマ15」に従って書いています。
※今回の感想文はいろいろと面倒くさいことになっているので、カゲヒナタさんとかはちごろうさんのブログを読めばいいんじゃないかな。


尊敬する映画評論家の町山智浩さんが「たまむすび」で紹介されていた時は、あまり観る気はなかったんですが、ジャン=クロード・ヴァン・ダムについて検索していたら、「本作にヴァン・ダムファンが登場する」といったツイートを見つけまして。基本的にヴァン・ダムに関する映画は観に行く主義なのでね、6月下旬、上映終了間際のTOHOシネマズシャンテにて観て来ました。良い映画じゃないかな (・∀・) ヨカッタ! オサレでキッチュな雰囲気を漂わせながらも、意外とアダルト要素やグロ要素も入ったコメディ作品であり、僕的には「アメリ」枠に入れる感じだった…って伝わるでしょうか。


地下の3番スクリーン、結構埋まっていた記憶。
地下の3番スクリーン


恥ずかしながら同監督の前作「ミスター・ノーバディ」はピンとこなかったんですが(汗)、本作はスムースに楽しめたというか。たぶん「世界でこんなに酷いことが起こるのは、神の思し召し云々というよりは、単に神がこんな感じだからでは?」とか「今の時代、大昔に書かれた本を絶対とするのっておかしくね?」とか考えたことがある人にはストライクじゃないでしょうか。神様の娘エアを演じたピリ・グロワーヌがとにかく可愛いし、神様役のブノワ・ポールブールドのクソ野郎振りも愉快だったし、話の展開も予想つかないしと、115分間、飽きなかったです。あざとさを感じて乗れない部分もあったんですが、「余命を知ったことでポジティブに人生を生きられる」という発想は非常に面白いと思ったり。一応、オチを書いておくと、エアが使徒を18人にすると、母親の女神(ヨランド・モロー)がコンピュータを再起動して世界の様々なルールを変更しまして。余命が変わっただけでなく、空の色がカラフルになったり、男が妊娠できるようになったりする中、エアとホームレスのヴィクトール(マルコ・ロレンツィーニ)が出版した「新・新約聖書」はベストセラーとなって、神様はどこかの工場で強制労働させられるハメとなり、余命システムを利用して何度も自殺を試みてた男がめでたく爆死して終わってましたよ、確か。


ピリ・グロワーヌの可愛さは凄まじいものがありましたが、僕の娘には敵わない…というNOROKE!m9・∀・) ビシッ
神の娘・エア

最後はコイツが余命のリセットに気付かず爆死する…というブラックなオチなのでした。
余命62年の男


ただ、問題はヴァン・ダムファンのくだりですよ。エアがヴィクトールに会った時、自分の兄のことを「JC(ジーザス・クライスト)」と伝えると、ヴィクトールはジャン=クロード・ヴァン・ダムのことだとカン違いして、「なんだ、『ダブル・インパクト』『ユニバーサル・ソルジャー』は観てないのか?」なんて言ったりしましてね。この場面はスゲー泣いた。「ああ、やっぱりヴァン・ダムはベルギーの人の心に深く根付いてるんだ ( ;∀;)イイハナシダナー」と感動したんですけれども。終盤、追ってきた神様に対抗すべくヴィクトールが引用したのが「ドラゴンへの道」→ヴァン・ダム主演作じゃないからガッカリして60点という着地。理不尽な採点だと思われるかもしれませんが、人生とはそんなものではないでしょうか(突然、範囲を広げた文章)。


なんとなく「ダブル・インパクト」の主題歌「Feel The Impact」を貼っておきますね↓




おしまい。




唯一観ているジャコ・バン・ドルマル監督作。前はサッパリだったけど、今観たら理解できるのかな… (´・ω・`)



輸入盤のサントラでございます。結構良いと思う。







葛城事件(ネタバレ)

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葛城事件

葛城事件

2016/日本 上映時間120分
監督・原案・脚本:赤堀雅秋
エグゼクティブプロデューサー:小西啓介
プロデューサー:藤村恵子
アソシエイトプロデューサー:西田圭吾
ラインプロデューサー:金森保
撮影:月永雄太
照明:藤井勇
録音:菊池信之
美術:林千奈
装飾:湊博之
衣装:高橋さやか
ヘアメイク:浅野有紀
編集:堀善介
音楽:窪田ミナ
助監督:茂木克仁
制作担当:和氣俊之
出演:三浦友和、南果歩、新井浩文、若葉竜也、田中麗奈、内田滋
パンフレット:★★★☆(720円/読み物は少なめだけど、カバーデザインが「落書きビフォアーアフター仕様」になってて好き)
(あらすじ)
親が始めた金物屋を継いだ葛城清(三浦友和)は、美しい妻・伸子(南果歩)と共に2人の息子を育て、念願のマイホームも建てて理想の家庭を築き上げたはずだった。しかし、清の強い思いは知らず知らずのうちに家族を抑圧し、支配するようになっていた。長男の保(新井浩文)は従順だが対人関係に悩み、会社をリストラされたことも言い出せない。そして、アルバイトが長続きしないことを清に責められ、理不尽な思いを募らせてきた次男の稔(若葉竜也)は、ある日突然、8人を殺傷する無差別殺人事件を起こす。死刑判決を受けた稔は、死刑制度反対を訴える女・星野(田中麗奈)と獄中結婚することになるが……。(以上、映画.comより)

予告編はこんな感じ↓




90点


※今回の映画については、映画参道さんの感想がわかりやすかったので、ぜひ!

あまりネガティブな映画は観たくないんですけど、良い評判を耳にしたのと、最近はイヤなムードの邦画に良作が多いイメージがあるから、どうにも気になってしまって。7月1日=映画の日、新宿バルト9が満席だったので、池袋シネマ・ロサで鑑賞いたしました。予想以上に地獄のような家族映画でしたよ… ('A`) ゲンナリ 鑑賞後、こんなツイートを投下してしまうほどだったのです。


夕方、バルト9の下でチケットを買おうとしたら、すでに満員御礼でして。
バルト9は満席でした

池袋のシネマ・ロサに急いで移動。こっちは半分ぐらいの入りだったような。
池袋シネマ・ロサ

ちなみにバルト9には監督&キャストのサイン入りポスターが展示されてましたぞ。
バルト9のサイン入りポスター


物語は「葛城家の次男・稔が無差別連続殺傷事件を起こした後」を描きながら、ちょくちょく「事件が起きる前」を挟み込んできて、「葛城家がなぜこうなったか?」を観客に見せていく仕様。時系列通りにあらすじを雑に書いておくと、父・清の無闇な抑圧の影響で、職場をリストラされた長男・保は妻子を残して自殺し、それを機に引きこもりだった稔はサバイバルナイフを持って無差別に人を襲撃→死刑が確定。精神が崩壊した妻の伸子は入院するんですね。


映画は清が落書きを消すところから始まるんですが…。
落書きされたマイホーム

刃牙の汁ハウスを連想したファンは多いのではないかな?(どうでも良い問い掛け)
落書きされた刃牙ハウス


清が1人で家に残っていると、死刑反対の立場から稔と獄中結婚した女性・星野が近づいてきたので、地獄のリサイタルを開催したりして。稔の死刑が実行された日、星野がそれを報告に来たので、いきなりすがってみるも拒否されましてね。清ったらマイホームを建てた時に植えたミカンの木で首を吊ろうとして失敗すると、食べかけだったとろろ蕎麦を食べ始めて終わってましたよ、たぶん(観ていた時は何の麺かよく見えなかったものの、こちらのブログに書いてありました)。


最後はこの木で首を吊ろうとするも、失敗して終わるのです。
ミカンの木


もともとは附属池田小事件をベースにした舞台劇」であり、「サイコパスの身内を持ってしまった家族の悲劇」だったそうなんですけれども。映画化するにあたって、「土浦連続殺傷事件」「秋葉原通り魔事件」「池袋通り魔殺人事件」などの事件を参考にするとともに、「黒子のバスケ」脅迫事件の最終意見陳述の要素をプラスして、「対岸の火事ではない物語」にしたそうで。確かに、僕的には「抑圧的な清が自分の父親と重なって胃が痛くなった」とか「『父親がいない時、家族3人が和気あいあいと会話するシーン』は、マジで『あるある』すぎ」といった自分の過去の家庭環境を重ねた部分もあったものの、それ以上に今の僕と家族が葛城家のようになる可能性を感じて恐ろしかったというね。


唐突ですが、「最後の晩餐は何にする」シーンで「エクスペンダブルズ2」を思い出したファンは多いのではないかな?(どうでも良い問い掛け)
三角絞めでつかまえて-最後に何食べたい?


映画を観る前は「連続殺傷事件の犯人が出てくるような奴の家族なんて、さぞ異常なんでしょうよ!(`∀´) ケケッ」的に予想していたら、「コンプレックスからの不安ゆえに虚勢を張って家族を抑圧する父・清」と「イヤなことに目をつむって事なかれ主義で生きてきた妻・伸子」、「周囲の顔色をうかがって生きてきたせいで、不満を言い出せないだけでなく弱さすら見せられない兄・保」に「自意識ばかりが肥大して行動を起こせず、焦りすぎて鬱屈する引きこもりの弟・稔」など、僕は彼らほど極端ではないものの、思った以上に身近なキャラ揃いというか。特に「マイホームを建ててミカンの木を庭に植えたころは、希望に輝いてた」という過去を見せられると、「将来、我が家もあんなことになるカモ! (°д°;) ヒィィィ!」とゾッとさせられました。なんて言うんでしょうか、「魔界の入口」がすぐ近くにあることに気付かされたんですよね…。


一応、希望に満ち溢れていた時期があったのです。
希望に満ちた時期もあった


もうね、「金物屋で父がいつもいる場所に座った保が“父の世界の狭さ”を知ってしまうシーン」がスゲー上手いんですけど、スゲー胃が痛くて。清は「単に金物屋を継いだけの自分」にコンプレックスを持っているがゆえに虚勢を張ってしまい、それが悪循環して煮詰まった男であり、僕の父親もモロにそんなタイプだったんですが、決して家族のことを愛してなかったワケじゃないのがリアルでキツい。とにかくイヤなシーンが目白押しで、例えば「清が奥さんにすがってキレられた挙げ句、『実は昔から嫌いだったのYO!m9`Д´し ビシッ』なんて罵られる場面」とか、自分に当てはめると心底ゲンナリしたので、6年に渡るセックスレスの解消は諦めた次第(なにこの文章)。


この拒否される場面、キツかったなぁ… ('A`)
妻に拒否される夫


閑話休題。何はともあれ、役者さんたちは全員良い感じ。監督が「この人しかいない!」とオファーした三浦友和さんはさすがであり、「中華料理屋でのクレーム」とか「スナックでの地獄のリサイタル」なども良いんですが、「『もしかして稔が放火したの? (°д°;)』と思いながらも何もできず、妻にすがったら拒否されるくだり」で見せる“弱い顔”にズシンと来ました。追い詰められて暴走する稔を演じた若葉竜也さんも最高で、クライマックス、「黒子のバスケ」脅迫事件の最終意見陳述っぽく心情を吐露する場面は、切なくなりましたよ。


最悪な父親を演じきった三浦友和さん。実際の家族構成が一緒なのが面白い。
父親・清

若葉竜也さん演じる稔のクズっぷりが堪能できる動画を貼っておきますね↓




南果歩さんや新井浩文さんが上手かったのはもちろんのこと、稔と獄中結婚する星野役の田中麗奈さんも、清に「オレが人を殺したら結婚してくれるか?」という「その手があったか!∑(゚Д゚)」的なクズ台詞を言われた時の表情とか見事であり、あのなっちゃんが… (ノД`) リッパニナッテ...」なんて今さらながらに感慨深くなったり。保の奥さんを演じてた内田滋さんも良い仕事をされてましたな(「わかってるくせに!」と伸子を責めるシーンはグッときた)。その他、褒めるところを挙げると、稔が通行人をナイフで殺傷する場面も「こんな感じなのカモ… (`Δ´;)」と思わされてスゴかったなぁ。


無差別殺傷シーン、なかなか凄惨でした。
無差別殺傷シーン


最後に自殺を失敗した清が蕎麦を食べて終わるのは「それでも人生は続く」ということであって。「どん底の中の微かな光」とも「地獄から出られない」とも受け取れて嫌いじゃないし、見事な映画だと思いながらも、とにかく鑑賞後は最悪な気持ちになったので二度と観ません (o^-')b モウイヤ! つーか、「もし葛城家みたいになったら〜」なんて書いたりしましたけど(苦笑)、実は抑圧する自分の父親が大嫌いだった僕は家族の前で虚勢を張らないどころか、むしろ弱音をビシビシ吐く方針。娘に「もう仕事、行きたくないよぅ… (´・ω・`)」と愚痴ったら、「パパが頑張らないと美味しいご飯が食べられないんだから、もっと働いて!m9`Д´し ビシッ!」と厳しく叱咤される関係性を築いてる…って、これはこれで正しいのだろうかーー(どうでも良い問い掛け)。




赤堀雅秋監督作。公開中、気になったけど、キツそうだったのでスルーした記憶。



サントラがあったので、貼っておきますね。



「最後の晩餐は何を食べる?」繋がりで。僕はステーキです(キッパリ)。









先週の備忘録(2016/7/26~8/1)

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さて、毎週火曜日は備忘録を更新する日ということで、先週の出来事や思ったことを適当に書いておきますね↓

まだ6月公開作を観ております… (・ω・;) ウーン
水曜日は、「タマフル&トップ5&生活は踊るオフ会」へ!
金曜日は、映画駄話会へ!
土曜日は休日出勤で、日曜は接待ゴルフ!
タマフル放課後クラウドは最高ですな!(*゚∀゚)=3 ムッハー



例によって、仕事がハードになっている現在、「ムービーウォッチメン」の課題映画がすでに鑑賞済みの「葛城事件」だったのは非常に助かったなぁと。そのおかげで時間が作れて、他の映画がいろいろ観られた…って、「仕事しろよ ( ゚д゚)、ペッ」って話ですわな(苦笑)。つーか、最近はなんかいろいろダメというか、正直なところ、あまり仕事が上手くいってない→現実を直視したくなくて、つい映画を観に行っちゃったり、ブログを書いちゃったりしているダメなアタシ。


金曜&月曜と2回観た「シン・ゴジラ」が最高だったのはもちろんのこと、「エクス・マキナ」が意外と良かったです。
シネマカリテ


水曜日は「タマフル&トップ5&生活は踊るオフ会」へ行って、金曜日は映画駄話会に参加して、どちらも非常に楽しかったんですけれども。終わってみると、「つまんねー男だな」感が強いというか。僕ももうすぐ44歳ですからね、「エンド・オブ・キングダム」なんて映画を熱く語って何になるのか。もっと他の人の話を引き出してあげるとか、そういう大人な対応が問われるのではないか。つーか、なんて言うんですかね、一応、このブログを読んで、僕ごときに親近感を抱いてくれている人がオフ会等に来てくれるのなら、少しでもお話しして“何か”をお返しできれば的に思ったりもしたんですが、よくよく考えれば、まったく大した人間ではないワケで。ううむ、自分でもよくわからないけど自己嫌悪気味だったりします。


「タマフル&トップ5&生活は踊るオフ会」では「インデペンデンス・デイ」の話が面白かった記憶。
ラジオ・オフ会

映画駄話会では「BvS」話と「ヘボヤーさん=綾瀬はるか」説が印象に残りました。
か和もっちでオフ会


日曜日は接待ゴルフだったんですけれども。何とか小林大吾さんのイベント「オントローロ 07」の予約に成功しまして。最初はウキウキ状態だったんですが、気が付けばイベントの開催は8/21(日)19時からであり、「土日は家族サービスデー」というマイルールがあるワケで…。前に行った小林大吾さんのインストアライブが最高だっただけに絶対行きたいんですけど、妻子に仕事だとウソをつくのもまた超心苦しくて、テンション高めの気分が一気にダウナー状態ですよ。予約取り消せるのかなぁ…。でも、スゲー行きたいしなぁ…。とりあえず現在、「小数点花手鑑」を聴きながら迷っているというね (´・ω・`) ウーン


接待ゴルフ中、取引先の人たちの目をかいくぐって、12時ジャストにチケット予約をしたのは我ながら見事だったのになぁ。
接待ゴルフ!


「小数点花手鑑」収録の「ダイヤモンド鉱/hot water pressure washer」を貼っておきますね↓




この精神状態がグダグダな感じって、お金があれば解決するんですかね。ただ、接待ゴルフの帰り道、車中で町山智浩さんの『TAKESHIS' 』評(200円)を聴いて思ったんですけど、どんな人だって満たされない何かを抱えているんですよね、たぶん。ううむ、とりあえず働きますよ、馬車馬のように。とは言いつつも、今週は映画を6本観るつもりだったりするし、金曜はか和もっちにまた1人で飲みに行こうかなぁと思っているから、どうしようもないのでした ┐(´ー`)┌ ダメダコリャ 以上、先週の備忘録でした。ではでは~。








エンド・オブ・キングダム(ネタバレ)

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※今回の記事は、この映画が好きな人も嫌いな人も不快になる恐れがあるので気をつけて!

<激!! どうでも良い前置き>

すっかり8月に突入してしまった今日このごろですが、今さらながら5月公開作の感想を垂れ流しておきますよ。前作が結構楽しかったので、本作もチェックする気はあったものの、それほどワクワクはしてなくて。「映画秘宝2016年07 月号」「最強新聞」(なにこのコーナー名)でもページの1/8程度の扱いだったしさ。信用できる映画ライターのギンティ小林さんは、一応、爆破シーンと銃撃戦を褒めていましたけど、そんなにグッとくる映画ではないんだろうなと。仕事が忙しいのもありましたが、そんな期待値だったせいか、なかなか足を運べなかったんですよね。

ちなみに、新宿バルト9「HK 変態仮面 アブノーマル・クライシス」を観に行った時は、まだこんな展示があったのです。
変態仮面を観た日にあった展示

で、やっと時間が空いた7月2日の夕方、池袋で「サウスポー」を鑑賞。スゲー泣きながらも釈然としないものを抱えながら「天下一品」であっさりラーメンなどを食べた後に新宿バルト9に移動しまして。「デッドプール」の公開記念コラボフードチミチャンガ風サルサホットドッグ「HK 変態仮面 アブノーマル・クライシス」のコラボサービスであるクライシステイストにして食べちゃったりしてね (´∀`) フンパツ すっかり油断した状態して観たんですが…。

クライシステイストにしたチミチャンガ風サルサホットドッグ、普通に美味でした。
ホットドッグをクライシステイストに!

7番スクリーン、観客は7人ぐらいだったような気がします。
7番スクリーン









エンド・オブ・キングダム

エンド・オブ・キングダム

原題:London Has Fallen
2016/イギリス、アメリカ、ブルガリア 上映時間99分
監督:ババク・ナジャフィ
製作:マーク・ギル、ジョン・トンプソン、マット・オトゥール、レス・ウェルドン、ジェラルド・バトラー、アラン・シーゲル
製作総指揮:アビ・ラーナー、トレバー・ショート、ボアズ・デビッドソン、クリスティン・オータル、クリスティン・クロウ、ハイディ・ジョー・マーケル、ジギー・カマサ、ガイ・アブシャロム
キャラクター創造・原案・脚本:クレイトン・ローゼンバーガー、ケイトリン・ベネディクト
脚本:クリスチャン・グーデガスト、チャド・セント・ジョン
撮影:エド・ワイルド
美術:ジョエル・コリンズ
衣装:ステファニー・コーリー
編集:ポール・マーティン・スミス、マイケル・デューシー
音楽:トレバー・モリス
出演:ジェラルド・バトラー、アーロン・エッカート、モーガン・フリーマン、アロン・アブトゥブール、アンジェラ・バセット、ロバート・フォスター、ジャッキー・アール・ヘイリー、メリッサ・レオ、ラダ・ミッチェル、シャーロット・ライリー
パンフレット:★★★(720円/人物紹介が載ってるのは助かります。ちなみに、鳥越俊太郎さんのコラムが載ってました…)
(あらすじ)
ホワイトハウス陥落の悪夢から2年。イギリスの首相が不可解な死を遂げ、ロンドンで行われる葬儀に各国首脳が出席することに。しかし、史上まれにみる厳戒態勢の中でも各国首脳を狙った同時多発テロが起こってしまう。米大統領と身辺を警護するシークレットサービスは、命からがらに危機から脱するのだが……。(以上、映画.comより)

予告編はこんな感じ↓




92点


「オレはいったい何を見たんだ!? (°д°;)」と愕然としましたよ。


鑑賞後の僕の心境を代弁するジャック・ハンマーの画像を貼っておきますね(「グラップラー刃牙」より)。
オレはいったい何を見たんだ?


まず、物語を超適当に書いておくと、パキスタンのパンジャブ地方で、”疾病よりも多くの人間を殺した男”アミール・バルカウィ(アロン・モニ・アブトゥブール)が娘の結婚式に参加しているところを、アメリカ空軍がドローンで爆撃するところから話はスタート。その2年後、テストステロンをムンムン漂わせたシークレットサービスのマイク・バニング(ジェラルド・バトラー)が、前作を経てすっかり仲直りしたアッシャー大統領(アーロン・エッカート)とイチャイチャしながらランニングしたりしましてね。ただ、バニングは初の子どもが生まれそうなので、退職しようかと思っているんですが…。イギリス首相が突然死亡→葬儀のために大統領がロンドンに行くこととなり、バニングも「最後の任務」としてお供するのです。


腐女子の方々がアップしそうなほど仲良しな2人。
ランニングする2人


ところが! 実はイギリス首相の死はバルカウィの仕業でして。大勢のテロリストがロンドンの警察などあらゆる場所に潜り込んでいて、ウエストミンスター寺院などの有名な建造物を次々と爆破したりして、各国首脳を殺害しまくり(日本の首相も怪しい日本語を話しながら橋を落とされて死ぬ)。アメリカ大統領とイギリス首相の2人しか残らない状況になるのだから、どんだけ凄まじいテロなのかと。勘の鋭さと凄まじい戦闘力、そして運の強さによって、ヘリを撃墜されながらもバニングは無傷であり、大統領も何とか生き残るんですが、前作から引き続き登板の親友リン(アンジェラ・バセット)は死亡。バニングは大統領を連れて、何とかアメリカ大使館を目指そうとするんですね。


襲撃された2人は、ロンドンの街を必死に逃げまくりまして。
襲撃された大統領

救出の指揮を執るのは、またもやモーガン・フリーマン。下院議長から副大統領に出世したのでした。
副大統領はモーガン・フリーマン


ヘリの墜落シーンの公式動画でございます↓ 他のヘリが盾になるのがグッとくる!




だがしかし! いろいろあって大使館に逃げ込もうとしたら、直前で敵に襲われて大統領をさらわれちゃったから、さぁ大変! 大統領の首切り処刑がネットで中継されるということで、アラン・トランブル副大統領(モーガン・フリーマン)with ホワイトハウス危機管理室のメンバーの助けを得て、敵アジトを発見→襲撃!ヽ(`Д´)ノ ウォォォォ! バニングったら「お前らがいくら人を殺そうと、1000年後もオレたちの国は安泰だッ!m9`Д´) ビシッ」なんて言い放ったりしてテロリストを殺しまくって大統領を救出すると、安全そうなところに隠れる→アジトを爆破! バニングと大統領は無事保護されまして。最後は、敵に内通してたのがMI5長官(ジョン・ランカスター)だったことがわかってMI6のスゴ腕女捜査官(シャーロット・ライリー)が射殺したり、副大統領がバルカウィをドローンで爆殺したりする中、娘に「リン」と名付けたバニングは「最悪なのは何もしないこと」と退職届を削除して、終わってた気がしますよ、確か。


真上から空爆される5秒前のバルカウィを貼っておきますね。
真上から空爆5秒前

正直、「イギリス政府の誰かが敵に内通してる云々」の描き方は超適当だと思いました。
裏切り者を射殺


ハッキリ言って、倫理観がしっかりした真面目な人ほど本作を観たら怒る気がするというか。たぶんスタ・エレさんあたりは激怒しそうなほどアウトなムードがプンプン漂う作品ではあるのです。もうね、前作以上に敵テロリストが万能=イギリス政府がとことん無能であり(特に、警察にあり得ないほどの数のテロリストが潜入しててビックリ)、イギリスがアメリカの属国なのかと思うほどホワイトハウス危機管理室が主導権を握る…というのはまだ目をつむるとしても。

なんて言うんですかね、バルカウィが大規模テロに乗り出したキッカケは「アメリカのドローンによる空爆で娘が殺されたから」であり(たぶん一般人も巻き込まれてる)、現実世界でも「空爆の是非」は問われているワケでさ。途中でバルカウィ側に「もともとアメリカが始めた戦争」「貧乏人を戦場に送り込んで〜」みたいな批判をさせる割には問題を投げっぱなしで終わるから口がアングリ。いや、むしろジェラルド・バトラーがドヤ顔で「1000年後もオレたちの国は安泰だッ!m9`Д´) ビシッ」なんて捨て台詞を決めたり、ラストの空爆も逡巡ゼロだったりと、あまりにデリカシーがないのではないか。

あと、ジェラルド・バトラー演じるバニングが非道すぎ。あまりにキリングマシーンというか。例えば、地下鉄に逃げ込んで戦闘した結果、首謀者の弟を捕らえるんですが、無線で兄に断末魔を聞かせながら殺すんですよ。前作でも躊躇なく殺す人でしたが、さすがにドン引きというか。大統領がさらわれた後、捕まえたテロリストをナイフでグサグサと刺しながら拷問する場面とかも凄惨で、WEB限定の予告編「副大統領、ドン引き」なんてフレーズが流れてましたけど、これって予告編を作った方が映画観て本当に引いたからこんな内容にしたんじゃないかという深読み。いろいろと敏感な昨今、これほど堂々とポリティカル・コレクトネスを乱暴に扱った作品はなかなかないと思って、鑑賞直後は「オレはいったい何を見たんだ!? (°д°;)」と自分の目を疑った次第。


人を殺すことにまったく躊躇がない主人公バニング。敵だから仕方ないのは確かなんですがー。
どうかしてる主人公

彼を見た僕の気持ちを代弁する神心会空手・女子部の井上さんを貼っておきますね(「グラップラー刃牙」より)。
やりすぎじゃないでしょうか


ただね、ごめんなさい、本音を書くと、ドン引きしながらも楽しかったーー (ノД`) いろいろとアウトすぎて、逆に清々しかったというか。さらにジェラルド・バトラーの雄度の高さと容赦のなさがツボに入って笑ってしまう感じ。これってスティーブン・セガール主演作に通ずるところがあって、そう考えると前作の「エンド・オブ・ホワイトハウス」「ホワイトハウス・ダウン」のような「ホワイトハウスを舞台にした『ダイ・ハード』だった」というよりは、やはり「ホワイトハウスを舞台にした『沈黙の戦艦』であって、本作は「ジェラルド・バトラー版『暴走特急』という位置付けの作品なのではないか?(ラストの爆破から逃げる展開とか似てなくもない) 

いや…ここで僕の仮説を書いておきましょう(突然、偉そうな口調で)。この「マイク・バニング」シリーズは「リーアム・ニーソン主演のセガール映画」と呼ばれた「96時間」シリーズに対抗したものではないか? 何気にB級アクション映画に出演するのが嫌いじゃないバトラーですよ、リーアム・ニーソン御大の大ブレイクを見て、「俺ダッテ出来ルンダ!!! (`Δ´;)」とカタカナで考えたとしてもおかしくありません(バトラー本人も製作から関わってるし)。実際、本作の主人公であるバニングのイカレっぷりは「96時間」の御大を超えていて、容赦なく人を殺しては捨て台詞を吐くし、アクション面でもワンカット長回し風の突入シーンを見せたりと頑張っててね…(しみじみ)。爆破テロや銃撃戦シーンも迫力があったし、かなり見応えのあるB級アクション映画に仕上がっていたと思うのです。


「96時間」の御大よりも容赦がないバトラー。ナイフはやたらとグサグサ刺すスタイル。
殺人鬼並みに容赦なし!

ワンカット風の突入シーンも頑張ってた! ジェラルド・バトラー、マイク・バニング、ジェラルド・シュート、マイク・バニング!(MIQさんの声で
ワンカット風突入シーン

「96時間」の評判を聞いたバトラーのイメージを貼っておきますね(「範馬刃牙」より)。
俺ダッテ出来ルンダ!!!


その他、「乗っているヘリにロケット弾が炸裂→不時着→バニングと大統領が無傷なのは笑った」など書きたいことはあるんですが、長くなるので割愛! まぁ、本作の政治的な部分は1ミリも乗れないんですが、とにかく勢いがあって容赦がない作品なので、すみません、意外と大好物でした (´∀`;) エヘヘ 劇場を出たら、偶然、宇多丸師匠と遭遇したのもあって、帰り道は上機嫌状態でもう一度「天下一品」に行ってしまうほどだったのです。ジェラルド・バトラーはスコットランド出身であり、監督はイランの人ということで、もしかすると「スターシップ・トゥルーパーズ」のような「わざとマッチョに描いてバカにしている映画」と考えられる気もするんですけど…さすがにそれはないかなぁ (・ε・) ウーン




今作を観て株が上がったアントワーン・フークア監督作。僕の感想はこんな感じ



輸入盤のサントラ。デジタル盤もあります。



スティーブン・セガールのベスト主演作は本作だと思っております。



リーアム・ニーソン主演作。大好きな映画でございます。








ひな鳥の冒険(ネタバレ)

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ひな鳥の冒険

ひな鳥の冒険

原題:Piper
2016/アメリカ 上映時間6分
監督:アラン・バリラーロ
製作総指揮:ジョン・ラセター、アンドリュー・スタントン
音楽:エイドリアン・ブリュー
パンフレット:「ファインディング・ドリー」と同じ。
(あらすじ)
お腹を空かせた幼いシギのパイパーは、波打ち際にあるエサを取りたいけれど、打ち寄せる波が怖くて尻込みしてしまい……。(以上、映画.comより)

予告編がなかったので、本編映像を貼っておきますね↓




95点


「ディズニーのアニメ作品では本編前に短編が流れるのがお約束」ということで、本作はTOHOシネマズ新宿「ファインディング・ドリー」を観る前に流れた短編でしてね。雑に感想を残しておくと、大好きでしたYO!ヽ(TДT)ノ ウワァァァァン!


8番スクリーン、ほぼ満席でした。
8番スクリーン


シギのヒナが親から自分でエサの貝を獲るようにうながされるも波に呑まれて臆病になったりするんですが、ヤドカリからヒントをもらって海の世界に飛び込んでみると、すっかり自分で貝を獲れるようになって、めでたしめでたし」って程度の話でしかないんですけれども。もうね、「CGが本物みたい」云々は置いといて、何よりも何よりもヒナが超可愛いのです… (´Д`;) ハァハァ ハッキリ言って、鳥は見るのも飼うのも食べるのも好きでしてね。「ダーウィンが来た!生きもの新伝説」の「鳥の回」は永久保存していたほどなのです(大体、最後に巣立つパターン→号泣!ヽ(TДT)ノ ウワァァァァン!)。ヒナが親にエサをもらおうと口を開ける場面とか、昔、飼っていた文鳥のトシがヒナの時に給餌器でエサをあげていたことを思い出して涙が止まらなくて…。ただ、僕の不注意で死んだことも思い出したので、「愛などいらぬ!(`Δ´)」と唐突にサウザー顔になったりもした次第(なんだそれ)。


見て、この愛らしさ! んもう、食べちゃいたい(なんとなく不穏な文章)。
エサをねだるヒナ

お師さんを殺してしまってやさぐれるサウザーを貼っておきますね(「北斗の拳」より)。
サウザー1


いや〜、僕的にはもうストライクすぎというか、ディズニーの短編で一番好きかもしれません (´∀`) スキヨ それにしてもたかがシギのヒナが数分バタバタするぐらいの話でこんなにグッとくるなんて、フシギ、ですな(ヒゲじいイズム)。で、すでに涙でグッショリ状態になったハンカチを握りしめながら、続けて「ファインディング・ドリー」の2D・字幕版を観たんですが、それはまた別のお話。




ピクサーの短編を集めたBlu-ray。「Vol.2」もあります。



鳥といえば、やっぱりこの映画ですよね…って、怖い!(°д°;) ヒィィ










ファインディング・ドリー(2D・字幕版)(ネタバレ)

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※今回の記事は、この映画や「ファインディング・ニモ」が好きな人は不愉快になると思うので、読まない方が良いです。
※この映画の感想に関しては、伊藤聡さん(有料)もーぜさんはちごろうさんの感想などを読む方が良いんじゃないかな。




ファインディング・ドリー(2D・字幕版)

ファインディング・ドリー

原題:Finding Dory
2016/アメリカ 上映時間97分
監督・原案・脚本:アンドリュー・スタントン
共同監督:アンガス・マクレーン
製作:リンジー・コリンズ
製作総指揮:ジョン・ラセター
脚本:ビクトリア・ストラウス
音楽:トーマス・ニューマン
エンドソング:シーア
日本版エンドソング:八代亜紀
声の出演:エレン・デジェネレス、アルバート・ブルックス、ヘイデン・ローレンス、エド・オニール、ケイトリン・オルソン、タイ・バレル、イドリス・エルバ、ドミニク・ウェスト、ボブ・ピーターソン、トービン・ブロック、アンドリュー・スタントン、ベネット・ダマン、ダイアン・キートン、ユージン・レビ、シガニー・ウィーバー、ウィレム・デフォー
声の出演(日本語吹替版):室井滋、木梨憲武、上川隆也、中村アン、菊地慶、小山力也、田中雅美、さかなクン、八代亜紀、青山らら
パンフレット:★★★☆(720円/さかなクンさんのコラムや子ども向けの塗り絵、キャラ紹介ページがなどは好きだけど、蛯原友里さんのコラムだけ意味不明)
(あらすじ)
カクレクマノミのマーリンが、ナンヨウハギのドリーと共に愛する息子のニモを人間の世界から救出した冒険から1年。3匹は平穏な日々を過ごしていたが、ある晩、ドリーは忘れていた両親との思い出を夢に見る。昔のことはおろか、ついさっき起きたことも忘れてしまう忘れん坊のドリーだが、この夢をきっかけに、忘れてしまったはずの両親を探すことを決意。「カリフォルニア州モロ・ベイの宝石」という唯一の手がかりから、人間たちが海の生物を保護している施設・海洋生物研究所に、両親やドリーの出生の秘密があるとを突き止めるが……。(以上、映画.comより)

予告編はこんな感じ↓




50点


ごめんなさい、最初に書いておくと、同時上映の短編「ひな鳥の冒険」の感想では「鳥は見るのも飼うのも食べるのも好き」なんて書きましたが、魚に関しては食べることしか興味がなくて。前作「ファインディング・ニモ」のBlu-rayを愛する娘の誕生日にあげたのは「続編が公開されるし、保育園で話題になってもついていけるように」という親心からであり、僕自身が好きかというと「普通 (・ε・)」という評価でしてね。いや、そりゃあ親目線で観れば涙腺を刺激されまくりのよくできた感動ストーリーですけど、すみません、心のどこかで「でも、魚だしなぁ」と冷めちゃう身も蓋もないアタシ。確かにニモは可愛いんですが、正直なところ、「人面魚じゃないか!Σ(゚д゚;)」なんて「崖の上のポニョ」のトキ気分にもなる…って、伝わるでしょうか。


「崖の上のポニョ」の該当シーンを貼っておきますね。
人面魚じゃないか!


とは言え、ピクサー作品だからクオリティは確実に高いだろうし、娘が「観に行きたい」と言いだしたら喜んで連れて行く気マンマンだから、「観たい映画の覚え書き」では「○」を付けたものの、どちらかと言えば「認知症が進行して徘徊するようになり、ある日、姿を消してしまったドリー・ファンク・ジュニア。ドリーを探す弟のテリーは、昔のレスラー仲間たちと触れ合ううちに、若いころの情熱を取り戻していくーー」といった「ファインディング・ドリー」の方が興味があるワケで(不要な文章)。たぶん観ないだろうな感がしていた8月某日、愛聴するラジオ番組「ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル」の週刊映画時評コーナー「ムービーウォッチメン」の課題映画になりましてね。「まぁ、普通に楽しいのは間違いないだろう (´∀`)」とそこそこの期待値を抱いて、TOHOシネマズ新宿にてモク割を利用して観て来ました。「惜しい… (´・ω・`)」って感想でしたよ。


僕の心境を代弁するビスケット・オリバの画像を貼っておきますね。
惜しい......


本作は「幼いころのドリーが両親とはぐれて、マーリンに出会うまで」からスタートするんですけど、記憶障害を持つドリーがあまりに不憫すぎて初っ端から涙が噴出というか。子どものドリーがスゲー可愛いし、ドリーを愛する両親の気持ちも超わかる感じでハートを連打されまくりであり、「最悪、座席で泣き死ぬかもしれんな… (`Δ´;) ヌゥ」と戦慄が走ったほど。雑にオチを書いておくと、あーだこーだあった挙げ句、「ドリーは水族館生まれであり、水の排出口から海に放り出されてしまった」ことがわかって、ドリーの両親はその近くでずっと彼女を待っていたので、終盤にやっと再会できるんですけれども。「ドリーは幼いころに『貝殻を辿って家に帰るんだよ』と教えられていた→両親はどこから来てもドリーが辿り着けるように、家から放射状に貝殻を並べていた→会えた!川´∀`)(´∀`し(´∀`) ウフフ」という展開が凄まじく見事すぎて、恥ずかしながら座席で嗚咽を漏らすほどに泣いてしまって。ドリーと両親絡みの描写に関しては100点の映画だと思うのです。あと、前作でドリーがクジラ語を話せたりした理由とか、そういう部分を描いたところも嫌いじゃなかったり。


基本的にドリーの親絡み描写は、このアライJr.のような顔で観てました(「バキ」より)。
滝のような涙を流すアライJr.


ただ、他の要素が全然合わなかったんですよね。最初に書いた通り、「主人公が魚」という時点で若干の“乗れない感”があるのは置いといて。しょせん魚類は地上では活動できませんから(苦笑)、彼らが水のない場所を移動するにはある程度のK.U.F.Uが必要であり、「ファインディング・ニモ」の時はまだ驚きや面白さがあったんですけど…。2度目となる本作の場合、ご都合主義の連発にしか見えなくて。タコのハンクの万能振りはまだ目をつむるとしても、アビのベッキーとか「ずいぶん便利な鳥ですねー(棒読み)」としか思えなくないですか? つーか、よくわからない刷り込み云々の理屈で魚ごときに鳥が操られるのは、ハッキリ言って不愉快でした(大人げない文章)。

特に酷いと思ったのが、クライマックスのカーアクション。前作も本作も「親に成長した姿を見せる」ということで入ってるんでしょうけど、前作も本作も“取って付けた感”が拭えないイメージでしたよ。「命懸けでトラックを止めてくれるラッコたち」とか「魚の命令を聞いてくれる鳥の再登場」とか「トラックのドアが開いてしまったのに中をロクに確認もせず、魚を食べる鳥が中に紛れ込んでいるのに放置して走り出す運転手」とか、「どういう理屈でそうなるのか?」という筋道が雑だから、ピンチにまったくハラハラできなくて。さっきまで鼻をスンスンするほど泣いていたのに、いつの間にか「この話、長いな ( ゚д゚)」とすっかりクールダウンしてた次第。


僕の心境を代弁する宮本武蔵を貼っておきますね。
長いな、話が


それと、本作で描かれる「『良い』とされること」に乗れない部分もあって。終盤、水族館に行くことを望むハンクをドリーが説得するくだりとか、水族館やら動物園やらペットの是非やらの問題は面倒くさくなるから置いとくとして(汗)、僕は「別にそういう生き方も『アリ』なんじゃないの?」と思うタイプなので、結構イラッとしちゃいました(「トイ・ストーリー2」を思い出した)。「ドリーならどうする?」的な展開が何度か繰り返されるのも好きじゃなかったなぁ。「ハンクは足が7本」とか「ディスティニーは目が悪い」とか、ドリー以外のキャラもハンデを背負ってる設定は良かったけど(ニモもそうだしね)、描き方が中途半端だった気がしないでもないです。そもそも魚ってたくさん子どもがいるイメージだから、前作の「ニモが1人っ子な理由」がちゃんとしてた分、ドリーに兄弟姉妹がいないのは微妙に感じた…って、これはこれは面倒くさい話ですな ┐(´ー`)┌ ヤレヤレ

その他、一応、書いておきたいのがオマケ映像のこと。ドリーの両親やハンクもニモたちと一緒にグレートバリアリーフで暮らすこととなり、ドリーとマーリンが海を眺めて映画は終わるワケですが…。エンドクレジット後に「アシカたちの岩場を巡る攻防」と「前作で歯医者の水槽から逃げ出したギルたちが人間に保護される様子」が流れるんですけど、これが蛇足感が強くてビックリしましてね…(しみじみ)。アシカたちに関しては大してヒネリがないし、ギルたちに関しては唐突かつ乱暴というか。今までいろいろな「エンドクレジット後のオマケ映像」を観てきましたけど、ワーストに入るぐらいつまらなかったです、すみません (´∀`;) エヘヘ


オマケ映像を観た直後の僕の気持ちを代弁する範馬勇次郎を貼っておきますね。
なっちゃいない


って、文句をダラッと書いちゃいましたが、ドリーの家族絡みの描写はスゲー良かったし、「障害を持つキャラを主人公にして大変さを疑似体験させる」という試みは良いと思ったし、「キッズエリアの子どもの手の容赦ない描写」などは笑っただけに、「惜しいなぁ… (´・ω・`)」という着地。CGのクオリティ云々とか、そういう部分は素晴らしいのひと言なので、細かいところが気にならない人なら普通に満足できるんじゃないでしょうか。ちなみにパンフがそれなりに良い感じであり、コラムの中で「スケール感が大ギョー縮されていて…」とか「ギョ両親」とか、やたらと「ギョ」を入れてくるさかなクンさんの姿勢に好感が持てた…なんてことを書き残して、この駄文を終えたいと思います。




前作。良い映画だと思うし、娘も大好きだそうです。



日本版のサントラでございます。八代亜紀さんによる「アンフォゲッタブル」も入ってるそうな。



ノベライズも貼っておきますね。



記憶障害ということで思い出しがちなクリストファー・ノーラン監督作。未見の人はぜひ!m9`Д´) ビシッ













ベトナムの怪しい彼女(ネタバレ)

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ベトナムの怪しい彼女

ベトナムの怪しい彼女

原題:Em la ba noi cua anh
2015/ベトナム 上映時間127分
監督・脚本・製作:ファン・ザー・ニャット・リン
出演:ミウ・レ、ハリー・ウォン、ゴ・キエン・フィ、HUA Vi Van、NSUT Minh Duc
パンフレット:なし
(あらすじ)
口の悪い70歳の老女が、突如20歳のときの姿に変身。青春を謳歌し、若い頃の夢を叶えようとする。(以上、MovieWalkerより)

予告編はこんな感じ↓




80点


まだ5月公開作の感想が溜まっているんですけれども(汗)、先にアップしておきますよ。「映画秘宝 2016年 09 月号」を読んでたら、「カリコレ2016」の1本として公開されることを知りまして。なんとなく「海外出張でベトナムに行った時にパブで知り合った怪しい女性を巡る悲喜劇」といった内容を連想しそうな邦題については目をつむるとして(どうでも良い文章)、「もともとオリジナルの韓国版が好きだった今年公開された日本版リメイクも好きだったということで、なんだか今回のベトナム版も気になっちゃいましてね。いそいそと新宿シネマカリテで観て来ました。「ベトナムっぽ〜い (´∀`) アラアラと思ったり。


現在、新宿シネマカリテでは「カリコレ2016」なる映画祭の真っ最中なのです。
カリコレ開催中

この相互割引キャンペーンを使えば、1000円で観られたのか… (`Δ´;) ヌゥ
タワレコ割引

地下の入り口手前には、チラシやら記事やらがありましてね。
チラシやら記事やら

ロビーの奥にはデカデカとこんな展示が!
デカデカとした展示

ベトナムのコーヒーも売られてました。
ベトナムのコーヒーが販売中

2番スクリーン、ほぼ満席でしたよ。人気あるね〜。
2番スクリーン


まず、話や登場人物の構成はほぼ韓国版のまま。「嫁をいびる口うるさい老婆が謎の写真館の力で若返る→元奉公人のジジイの家に下宿する→孫のバンドで歌手デビューする→プロデューサーと恋に落ちる→ライバルの老婆が死ぬ→孫が交通事故に遭う→ライブを強行して大成功→孫に輸血して老婆に戻る→バンドには孫娘が加入する→元奉公人のジジイが若返って迎えに来る」という感じであり、老婆が「秘伝の味を盗んだ!川`Д´)ノキィィィ!」と恩人の娘にハードに責められたりするあたりも忠実でしたよ。


韓国版の主人公の露骨な看板」の前でションボリする老婆ですが…。
ションボリする老婆

こんな感じで若返るというお馴染みのパターン。ベトナムの大衆オペラの元人気女優タン・ガーの名前を拝借するのです。
若返りました


僕的に良かったところから書くと、歌が素晴らしかった。韓国版の方が好きではありますが、今作のクライマックスに歌う曲や演じたミウ・レの歌声もかなり素敵でしてね。彼女が歌手として活躍しているというのも納得のクオリティなのです。改変&ローカライズ要素も良くて、元奉公人のジジイがベトナム戦争経験者だったりするとか(しかも、主人公が恋をすると自分から身を引いたりと雄度もアップ!)、元奉公人のジジイの苦手な果物がバナナだったりとか、「孫が死んだ夫に似ている」という要素を強めたりとか、韓国版との違いを探すのが楽しかったりしてね(この記事によると、主人公に北部弁を話させたり、写真館の主人役にタン・ガーの息子を起用したりと、工夫している様子)。「自転車に乗った孫が事故に遭うシーン」をサラリとワンカットで見せたのも好みでした。それと“元奉公人のジジイの娘”に関しては、本作の女優さんが一番面白かったです。


ラストライブ、かなり泣けましたね… (ノω・、) グスン
ラストライブ!

元奉公人のジジイ、この場面では主人公に返り討ちに遭いますが、プールの場面ではチンピラを制圧したりするというね。
縛られた元奉公人

元奉公人の娘を演じたこの女優さん、アホっぽい演技がなかなか愉快。
元奉公人の娘


劇中でミウ・レが歌う動画があったので貼っておきますね↓




ただ、乗れなかったところもあって。韓国版の時も苦手だった「妻よりも母親を優先するムード」がそのまんまなので(むしろ強度が増している印象)、そこはやっぱり好きになれないなぁと。あと、演出が韓国版以上に“昔のコメディ”テイストで、なんて言うんですかね、ギャグのオチで変な効果音が入るのはちょっとキツかったです。驚いたのが「赤子のチンコの味見シーン」で、韓国版の時もまったく意味がわからなかったんですが、こっちではグレードアップして赤子のチンコをモロに出して実施してたんですよね…。あれって、アジア圏では有名なギャグだったりするんですかね?(゚Д゚) ドウナノ?


これは韓国版の画像ですが、まさかこの場面も引き継がれていたとは…(日本版にはない)。
チンコの味見シーン(韓国版)


そんなワケで、女優さんや曲は韓国版が好きだし、脚本は改変した日本版がベストだと思っているんですが、本作もベトナムらしい素敵な映画でしたヨ (´∀`) ウフフ 興味がある方は、まだ上映するみたいなので、時間をチェックして足を運んでみてはいかがでしょうか。僕はこれを機に未見だった中国版を観ようかと思っております。


4作品を比較する動画を貼っておきますね↓




おしまい (o^-')b




オリジナルの韓国版。監督はあの地獄映画「トガニ」を撮った方だったり。僕の感想はこんな感じ



10月5日に発売予定の日本版。僕の感想はこんな感じ



昨年公開された中国版。未見なんですよね〜。










シン・ゴジラ(MX4D版、IMAX版、極上爆音上映版)(ネタバレ)

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※この映画に関しては、ネタバレを知らないで観た方が絶対面白いので、未見の方は読まない方が良いです。




<このブログを読む前に>

( ´∀`)
もうウワサは聞きましたか
そして その目で確かめましたか
ドッキリするほど つぶらな瞳
ビックリするほど 何度も会議
話題独占 人気独占
10年代の 怪獣ムービー
シンシンシン シン・ゴジラが通る
「誰?」って顔して 這いずりながら
シンシンシン シン・ゴジラが通る
激しく放射能 ふりまきながらーー

「はいからさんがとおる」のメロディにのせて


まだ5月公開作の感想すらアップできていないんですが(汗)、愛聴するラジオ番組「ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル」の週刊映画時評コーナー「ムービーウォッチメン」の課題映画になったので、雑な感想をアップしておきたいんですけれども。それほどゴジラ強者ではないし(「僕とゴジラの距離感」については、こちらの記事をどうぞ)、冒頭で残念な替え歌を書くようなブログな上に、恐ろしく読みにくい仕上がりなのでね(苦笑)、ちゃんとした文章が読みたい方は下記に貼ったブログなどを読むと良いザンス↓

さめぱさんの<『シン・ゴジラ』ネタバレ感想 まさかの超高濃度庵野秀明>
小覇王さんの<異形から生まれたさらなる異形 シン・ゴジラ>
光光太郎さんの<映画感想:シン・ゴジラ ~日本を信じる日本映画~>
瞬きて、視覚さんの<『シン・ゴジラ』レビュー ~『シン・ゴジラ』を劇場で観るべき、たった1つの理由~>
YU@Kさんの<深・考察、『シン・ゴジラ』 ~ゴジラはなぜ“ゴジラ”を逸したのか>
小ネタ関連①<「シン・ゴジラ」はあの大災害がエンタメにかけた「呪い」の憑物落としである>
小ネタ関連②<シン・ゴジラを二回目(以上)観る方へ>
小ネタ関連③<【シン・ゴジラ疑問点まとめ】ゴジラの目的、続編考察、元ネタ小ネタなど>
建築物関連<シン・ゴジラと常盤橋プロジェクト>
政府描写関連<「シン・ゴジラ」での政府の意思決定プロセスについて書いてみた>

その他、いろいろと読みたい方は、こちらのリンク集が便利でございます↓

<「シン・ゴジラ」公開から十日間の感想を可能な限り掲載、現時点でのインタビュー記事も総括>










シン・ゴジラ(MX4D版、IMAX版、極上爆音上映版)

シン・ゴジラ

2016/日本 上映時間119分
総監督・脚本・編集:庵野秀明
監督・特技監督:樋口真嗣
准監督・特技統括:尾上克郎
製作:市川南
エグゼクティブプロデューサー:山内章弘
プロデューサー:佐藤善宏、澁澤匡哉、和田倉和利
プロダクション統括:佐藤毅
ラインプロデューサー:森徹、森賢正
撮影:山田康介
照明:川邉隆之
美術:林田裕至、佐久嶋依里
美術デザイン:稲付正人
装飾:坂本朗、高橋俊秋
録音:中村淳
整音:山田陽
音響効果:野口透
編集:佐藤敦紀
音楽:鷺巣詩郎、伊福部昭
VFXスーパーバイザー:佐藤敦紀
VFXプロデューサー:大屋哲男
装飾統括:柘植伊佐夫
スタイリスト:前田勇弥
ヘアメイク:須田理恵
ゴジライメージデザイン:前田真宏
ゴジラキャラクターデザイン:竹谷隆之
ゴジラアニメーションスーパーバイザー:佐藤篤司
特殊造形プロデューサー:西村喜廣
カラーグレーダー:齋藤精二
音楽プロデューサー:北原京子
スクリプター:田口良子、河島順子
キャスティングプロデューサー:杉野剛、南明日香
総監督助手:轟木一騎
助監督:足立公良
自衛隊担当:岩谷浩
製作担当:片平大輔
(B班)撮影:鈴木啓造、桜井景一
(B班)照明:小笠原篤志
(B班)美術:三池敏夫
(B班)操演:関山和昭
(B班)スクリプター:増子さおり
(B班)助監督:中山権正
(C班)監督:石田雄介
(C班)助監督:市原直
(D班)撮影・録音・監督:摩砂雪、轟木一騎、庵野秀明
出演:長谷川博己、竹野内豊、石原さとみ、高良健吾、大杉漣、柄本明、余貴美子、市川実日子、國村隼、平泉成、松尾諭、渡辺哲、中村育二、矢島健一、津田寛治、塚本晋也、高橋一生、光石研、古田新太、松尾スズキ、鶴見辰吾、ピエール瀧、片桐はいり、小出恵介、斎藤工、前田敦子、浜田晃、手塚とおる、野間口徹、黒田大輔、吉田ウーロン太、橋本じゅん、小林隆、諏訪太朗、藤木孝、嶋田久作、神尾佑、三浦貴大、モロ師岡、犬童一心、原一男、緒方明、KREVA、石垣佑磨、森廉、野村萬斎
パンフレット:★★★(850円/普通にしっかりしている作り。でも、ネタバレ封印とかはいらない派です)
(あらすじ)
東京湾アクアトンネルが崩落する事故が発生。首相官邸での緊急会議で内閣官房副長官・矢口蘭堂(長谷川博己)が、海中に潜む謎の生物が事故を起こした可能性を指摘する。その後、海上に巨大不明生物が出現。さらには鎌倉に上陸し、街を破壊しながら突進していく。政府の緊急対策本部は自衛隊に対し防衛出動命令を下し、“ゴジラ”と名付けられた巨大不明生物に立ち向かうが……。(以上、シネマトゥデイより)

予告編はこんな感じ↓




99点


「すばらしい (゚∀゚*)」と思いましたよ。


僕の心を代弁する天内悠を貼っておきますね(「グラップラー刃牙」より)。
すばらしい


ごめんなさい、正直、観る前はバカにしてました。最初に特報2を観た時は「おっ!? ∑(゚Д゚)」と思ったものの、次の「台詞が入った予告編」での石原さとみさんの「ガッジーラ ( ̄ー ̄し」発言ですっかり心が冷え切りまして。ただ、庵野秀明総監督と樋口真嗣監督が組んだ「巨神兵東京に現わる」の特撮部分は大好きだったし、新しいゴジラの造型は「まだこんなやり方があったんだな」と感心していたので、「話が面倒くさくなければいいな (`∀´) ケケッ」「また犬とか出てくるのかしら ┐(´ー`)┌ ヤレヤレ」なんて舐めきった態度で公開初日のTOHOシネマズ新宿に行ったら、予想以上の出来に度肝を抜かれまして。即座にこんなツイートをした挙げ句、翌週月曜日にはIMAX版を鑑賞。さらに今週月曜は、スタ・エレさんが元ネタと言っていた「八岐大蛇の逆襲」と「日本の一番長い日」、「激動の昭和史 沖縄決戦」の3本を観てから、立川シネマシティ極上爆音上映を観たほどハマッてしまったのです。


最初はTOHOシネマズ新宿でMX4D(満席)。ただ、座席があまり動かないので、それほどオススメではないかな。
TOHOシネマズ新宿のMX4D

2回目は同劇場でIMAX版(満席)。スゲー迫力がありました。
TOHOシネマズ新宿のIMAX

「日本のいちばん長い日」「沖縄決戦」はamazonビデオにあったものの、「八岐之大蛇の逆襲」はDVDを買いましたよ… (ノω・、) オカネガ...
DVDを買いました

立川シネマシティの極上爆音上映(9割の入り)、体にズシンと来る感じが良かったです〜。
立川の極上爆音上映

なんとなく「巨神兵東京に現わる」の犬のシーンを貼っておきますね。これはこれで味わい深いのですがー。
犬が出てくるシーン


雑にあらすじを書いておくと、“孤高の老科学者”牧博士が東京湾で姿を消してから、突如、同じ場所から謎の巨大生物が出現し、徐々に姿を変えながら東京に上陸。街を破壊しながら這いずり回りまして。日本政府のお偉方が右往左往しながら何とか対処しようとしていたところ、体を冷やすために海へ帰っちゃったから一安心。内閣官房副長官の矢口蘭堂を中心に「巨大不明生物特設災害対策本部(巨災対)」が設置されると、アメリカから大統領特使のカヨコ・アン・パタースンが来ていろいろと教えてくれたので、あーだこーだあって巨大生物は「ゴジラ」と名付けられるんですね。


ゴジラが這いずり回っただけで、大田区&品川区あたりはこんな感じに…。
廃墟となった蒲田あたり


数日経つと、それとなく日常が戻って来て。国会前で「ゴジラを守れ」「殺せ」なんてデモ隊が対立したりする中、巨災対が「ゴジラに血液凝固剤を投与すれば凍結できるかもしれない」という矢口プランを考案してたら、鎌倉からゴジラが再上陸。また都心に向かって来たので、多摩川沿いに配置された自衛隊がタバ作戦を実行するも、まったく歯が立たないどころか、ロクに相手にもされないムードでしてね (´・ω・`) ションボリ そこで今度は米軍が地中貫通爆弾で攻撃すると、やっと出血したんですが、しかし。怒ったゴジラが放射能&火炎を撒き散らして、ヘリで脱出しようとしていたお偉方が全滅するとともに、東京は火の海と化したのでした… ('A`)


プレデターっぽく下顎を開いて、歴代ゴジラの中でも最悪レベルの放射能を吐いてました。
放射能を吐くゴジラ


ゴジラは放射能を吐きすぎて疲れたのか、東京駅で眠りにつきまして。矢口蘭堂with巨災対のメンバーは何とか無事だったので、立川駐屯地でリスタートですよ。国連がゴジラを核攻撃する気マンマンなムードが漂いながらも、牧博士の残した謎が解明できた→「よく効く血液凝固剤」の開発が可能になったので、みんなが一致団結して時間稼ぎをして、核攻撃前に「ゴジラに凝固剤をゴクゴク飲ませる大作戦=ヤシオリ作戦を実行!(作戦名の由来は、八岐大蛇に飲ませたお酒であって、小麦粉を練って作ったパスタ生地の間に、挽き肉やみじん切りにした野菜チーズなどの食材を挟み、四角形に切り分けたパスタのことじゃないので気をつけて!(o^-')b チュウイ!) 「無人新幹線爆弾攻撃」でゴジラを目覚めさせると、無人機を使って放射能をバンバン吐かせてエネルギー切れにさせてから、「高層ビルを倒してゴジラにぶつける攻撃」やら「無人在来線爆弾攻撃」やらでゴジラを倒して、ポンプ車で凝固剤を経口投与すると、ゴジラは咆吼とともに凍結!ヘ(゚∀゚*)ノ ヤッタネ! 「活動を開始したら、核攻撃のカウントダウンが始まる」というハードな条件のもと、頑張って復興するぜ的な台詞を矢口蘭堂がつぶやいて終わる…と思いきや。「禍々しい人間みたいなのが何人も生まれそうな形で固まっているゴジラのシッポ」が映って、エンドクレジットが流れてましたよ。


「ヤシオリ」という言葉から「キックボクサー」のこの場面を連想した…というどうでも良いGIF。
ヤシの木を蹴るヴァン・ダム


乱暴に書くとヤシマ作戦をゴジラ相手にやってみた実写映画(これっぽい曲も添えて…)」って感じなんですが、もうね、スゲー感心しました。褒めたいところはいろいろあって、1つ目は「リアルなシミュレーション」に“見えた”こと。庵野監督はかなり綿密に取材した上で、フィクション要素も加えているそうですが、「ゴジラが実際に上陸したら、こんな風に政府は対応するんだろうな (・ω・;) ウーン」と。会議シーンばかりの序盤も“現実にありそうな展開”に感じられて、非常に面白かったです。なんて言うんですかね、ジャンルは全然違うんですけど、ドキュメンタリー映画「選挙」を観た時のおかしさに近いというか(「実際の現場は間が抜けてる」繋がりで。「選挙」の方がブラックですが)。


会議シーン、多かったですな。
会議だらけ


登場人物がやたらと早口なのは「現実の官僚たちがそうだから」とのことなんですが、すべて把握できなくても(僕も1回目は「飛翔体」とか聞き取れてなかった)、その台詞のグルーヴが生み出す“ただならぬ空気”もまた楽しくて。実際、作り手的にはそういう効果を狙ったと思うんですけど、どうなんでしょうか(字幕を含めての情報量の多さは、大林宣彦監督の「この空の花 長岡花火物語」などを連想しました)。自衛隊や米軍の対応や攻撃に関しても、そりゃあ実際のところはわかりませんが、「リアル」に感じましたね〜。特に自衛隊は、ゴジラにまったく歯が立たなかったけどなかなか渋くて、本作を機に自衛隊に入隊する人もいるんじゃないかしらん。


頑張ってた自衛隊のみなさん。「攻撃だけが華じゃない」の台詞も良かったね。
自衛隊のみなさん


まぁ、クライマックスのヤシオリ作戦が始まると、フィクションラインが一気に変わってましたが(線路云々とか、変なところをツッコミ出したらキリがない)、あれは「現実的に考えて、あのゴジラを普通に倒すのは無理 (´∀`;) ダメッポイ」という判断から、「宇宙大戦争」のマーチとともに開き直ったんじゃないかと思っております。それと、主要人物に一般人を入れたりせず(「クローバーフィールド」の真逆なイメージ)、葛藤云々のドラマにあまり時間を割かない姿勢も良かったというか、「対ゴジラ」への最短距離を目指す作劇が清々しくて、「これを見たかったのだッッ!(*゚∀゚)=3 ムッハー」と興奮した次第。


無人在来線爆弾のシーン、ずっとヤラレ役だった電車が復讐する!
無人在来線爆弾!

僕の気持ちを代弁する警視総監の画像を貼っておきますね(「範馬刃牙」より)。
これを見たかったのだッッ


そして、2つ目はマジで怯えさせられたこと。まず、本作はゴジラの造型が素晴らしくて。シッポだけ見せる第一形態から水生生物っぽいギョロ目で上陸してくる第二形態、立ち上がろうとする第三形態、再上陸した時の第四形態と、掟破りに次々と進化していくんですが、この最初に顔が見える第二形態がキモすぎて怖いんですよ(ちょっとCGっぽいのも変に怖い)。で、すっかり「なんだ、“ゴジラの敵になる怪獣”の方かよ… (`Δ´;)」と思ったら、「のちのゴジラである」って感じだからまたビックリなんですけれども。第四形態になると、今度は「マグマを内包した岩石」のような質感になって、自衛隊の攻撃が一切効かないのも納得させられるんですね。さらに、僕は特撮番組などで怪獣が出た時、つい「目だ!m9`Д´) ビシッ」「ミラーマン」ライクに指示しがちなんですけど、なんと「奥まっている&つぶらな瞳」なので、攻撃が当たりそうになくて。すっかり「勝てっこない…!!! (´Д`;) イヤーン」と弱気になったというね。


第二形態はこんなビジュアル。ズリズリ這って、津波のように街を破壊するんですが…。


その顔を見た僕は「よつばと!」の小岩井葉介のような心境に。
誰!?

ちなみに、確かに「八岐大蛇の逆襲」のヤマタノオロチに似てて、戦車の破壊シーンもオマージュっぽい様子。
八岐大蛇の逆襲

そして、第四形態となると、凶悪ヅラになってこれまた強そうでして。
つぶらな瞳のゴジラ

すっかり弱気になったのでした(「グラップラー刃牙」より)。
勝てっこない......!!!


しかも、街が破壊される描写も臨場感があって。今までの怪獣映画では、知ってる場所が壊されても「おおっ、もっとやれ!ヘ(゚∀゚*)ノ ソレソレ!」的な気持ちにしかならなかったんですが…。本作の場合、アクアラインは接待ゴルフに行く時によく通過するからイヤな気分になり、蒲田に上陸したら「あぁん、『シビタス』は大丈夫なの? (´Д`;)」という気持ちになったし、品川にいると聞けば「T・ジョイPRINCE品川」「くら寿司」が心配になりまして。再上陸の鎌倉は思い入れが特盛エリアだから『bills』七里ヶ浜『サンゴ礁』『イワタコーヒー』は無事?(´Д`;)」とハラハラしたし、洋光台付近はモロ実家がある場所なだけに、母親が心配になって鑑賞後に電話をかけたほど(これはウソ)。そこから武蔵小杉までの道のりだって思い出がいっぱい詰まった場所だらけだし、何よりもその後、東京駅を中心に都内が火の海になるワケですが、確実に僕の自宅も炎に包まれているワケで… (ノДT) ヒドイ... もうね、こんなに怖い思いをした怪獣映画は初めてというか、あまりに恐ろしくて涙が出ました。


まさか自分が住んでた街をゴジラが歩くことになるとは…。
横浜を蹂躙するゴジラ

見事な音楽も合わさって最凶に絶望する場面。マンションのローン、払い終わってないのに… (ノДT) アンマリダー
火の海になった東京


3つ目は、見事なホームランが目撃できたこと。宇多丸師匠がよく言う“「ホームランを打て」という無茶なサイン”を出されたにもかかわらず、庵野監督ったらプレッシャーに負けず、見事に打って“その才能”を証明した印象。「エヴァンゲリオン」以上にスゴイものを観たと思いましたよ。編集がテンポ良くて楽しかったし、音楽を含めたさまざまな作品からの引用を“自分のモノ”として違うように見せるあたり、タランティーノを連想しました(というか、才能があるオタクの人が映画を作るとそうなるのか)。そりゃあ、前から天才だとは思ってましたけど、あらためて「天才ダナ、アノ子ハ ( ゚д゚)」と、上から目線なカタカナで感心いたしました。それと樋口真嗣監督、昨年は散々だっただけに「良かったね… (ノ∀T)」と思ったり。


すみません、ちょっとこの画像を貼ってみたかったのです(「範馬刃牙」より)。
天才ダナ、アノ子ハ


その他、役者さんがみんな早口で頑張ってたのが愉快でしたね。不安事項だった石原さとみさんは、仕事でネイティブスピーカーと接している友人曰く「ネイティブには見えない」とのことですが、しかし。僕はあのミサトさんアスカを足して2で割ったような“現実味が感じられないキャラ”を「よくぞやり切った!ヽ(TДT)ノ」と感動したし、英語だって「ケイン・コスギのモノマネをする山本高広さん」っぽくてむしろ大好物でした(微妙に失礼な香りの文章)。大杉漣さん演じる総理大臣もキュートであり、記者会見で先走った後に「どうするんだ、言っちゃったぞ (`Δ´;)」と困る場面とか笑えたし、「自衛隊の武器を国民に向けることはできない!(`Δ´;)」と攻撃を断念するシーンとか、日本らしくてグッときましたよ(正しい判断だと思うけど、「あの時だったら倒せたかも…」という苦さがイイ!)。あと、塚本晋也監督が役者として頑張ってたのもうれしかったし、「レンタネコ」を観てから苦手だった市川実日子さんも凛々しくて素敵でしたな…(しみじみ)。細かいところでは、柄本明さん演じる内閣官房長官の「テレビ、テレビ点けて!」とか國村隼さん演じる統合幕僚長の「仕事ですから」、記者会見で手話を担当する女性がゴジラを説明する時に「ウォンテッド」みたいな手になるあたりに萌えました (〃∇〃) ウフフ


カヨコ・アン・パタースン、スピンオフが観たいくらい好き。「オフッ」とか最高。
カヨコ・アン・パタースン

大杉漣さんも困り顔が可愛かったですね。
総理大臣(大杉漣)

塚本晋也監督、最初は諏訪太郎さんが二役やってるのかと思ったり。
間(塚本晋也)

苦手だった市川実日子さんは、本作の尾頭課長補佐役がクールで超素敵だったので…。
尾頭課長補佐(市川実日子)

すっかり評価が裏返ったのでした(「バキ」より)。
裏返ったァッ!


一応、すでに語り尽くされているところではありますが(汗)、僕なりの勝手な解釈も書いておきますよ。物語的には「ゴジラは牧博士のDNAを取り込んで爆誕した(だから最後のシッポに人間っぽいのが出てきた?)」とか「ゴジラが東京を目指したのは牧博士の残留思念が影響した」とか、そんなことをボンヤリと考えていて。意味合い的には、本作は「1954年版ゴジラを観た人と同じような衝撃を3.11以降の日本人に突き付けた映画」であって、「『ラストのシッポ』は『原発はまだ安心できないかもよ?』という意地悪なお土産(放射能の半減期が短いと喜ばせておいて!)」なんじゃないかと。で、官僚や政治家たちをカッコ良く描いたのは、話を面倒臭くしたくなかっただけというか、単に「対ゴジラのシミュレーションをキッチリ描く」のが最重要だったからだと思っております(デモは嫌いっぽいけど、政治的な主義主張はない気がします、たぶん)。


ゴジラvs自衛隊、最高だったなぁ。
ゴジラvs自衛隊

つーか、いろいろとCGだったのも驚きましたよ。戦車は自衛隊に協力してもらったのかと思ってた…。




とは言え、文句もありまして。「巨災対メンバーをもっと掘り下げてほしかった」とか「カヨコ・アン・パタースン以外の人たちの芝居がかった台詞の言い回しが気になった」とか「『想定外』を同じ人に何度も言わせるギャグはそんなに乗れなかった」とか「デモの描き方に萎えた(あんな状況でやる?)」とか「『次の総理〜』や『次の大統領〜』といった政治絡みの台詞は軒並み恥ずかしかった」とか「外国人の俳優さんが少し安いムード」とかあるんですが…。やっぱり死体があまり出てこなかったのはどうなんですかね。少しだけあったけど、物足りなかったです。ゴジラが東京を火の海にした時は巻き込まれて死ぬ人が観たかったし(つーか、あんな勢いがあったら地下にも火炎が入ってそう)、ヤシオリ作戦で第一陣のポンプ車が焼かれるシーンもアッサリ塩味で驚きましたよ。それと、ごめんなさい、僕は怪獣オンリーよりも「マンやロボが出てくる特撮」の方が好きなだけに、都庁がロボ化して戦わないものか」「在来線が合体して(ry」とドキドキしたりもしたんですが、そうなるとフィクション・ラインがグラグラになるのでね、この不満はそっと胸にしまっておきましょう(なんだこれ)。


「岸和田博士の科学的愛情」に出てくる都庁ロボ'98は、公務員をミサイル代わりに発射してました。酷い!
都庁ロボ'98


ということで、ダラダラとどうでも良いことを書いてきましたが、とにかくスゴいものを観た気分になったし、歴代ゴジラ映画の中で一番好きな作品になりました。ギャレス・エドワーズ版の後は「もう日本でゴジラ映画を作るなんて無理でしょ(苦笑)」なんて舐めてただけに、脱帽しましたよ。劇中で牧博士が残した「私は好きにした、君らも好きにしろ」という言葉は、庵野監督からの他のクリエイターへのメッセージだと思うので、ぜひいろいろな監督が「ゴジラ」にチャレンジしてほしいけど、本作の後に作るのはさらにプレッシャーがかかるだろうなぁ (´∀`;) タイヘンソウ




1954年のゴジラを貼っておきますね。



本作のサントラ。買いました。



本作の詳細全記録集。興味あるけど、値段が… (`Δ´;) ヌゥ



本文では触れられませんでしたが、本作にいろいろと影響を与えた作品。面白いです。







「『タマフル24時間ラジオ2016』に出演しますYO!ヽ(`Д´)ノ」というご報告

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ううむ、仕事が最凶にバタバタしていて、映画を観に行けないどころか、まったくブログを更新できない状況なんですが…。当ブログの読者の方々にぜひお伝えしたいことがあるので、急遽アップいたしました。2016年8月20日(土)の午前0時からスタートする「タマフル24時間ラジオ2016」への出演が決まりましたYO!ヽ(`Д´)ノ


なんとなくスタン・ブッシュの「Fight to Survive」を貼っておきますね↓




そりゃあね、「いつかタマフルに出たいなぁ」なんて、そんなふうに考えていた時期が俺にもありました。ただ、生放送ゆえの“しくじれない恐怖”、そして何よりも今まで番組に出演してきた方々と比べると、僕なんぞ大して面白い人間ではないワケで… (´・ω・`) この「24時間ラジオ」に関しては、24時間もあって責任が分散されている分、まだハードルは低いものの(失礼かつ志が低い文章)、そもそも出演できるような愉快な企画がまったく思いつかなくて。まぁ、仕事や家庭も忙しいし、一応、ニコ生のプレミアム会員なのでね(苦笑)、タイムシフト予約は忘れないようにしようぐらいに思っていたら! 8月6日の放課後駄話CLOUDで「ボールペンかえして」さんが投稿した企画について話す際(14分29秒あたり)、宇多丸師匠が僕の名(ラジオネーム・三角絞め)を挙げてくれたからビックリですよ。で、早速、モロに便乗したメールを送ってみたら採用→出演となった次第。もう「ボールペンかえして」さんには足を向けて寝られませんな… (ノω・、) アリガタイ


タマフルを聴く僕はずっとこのウォーケンのような気持ちだったのです…(「餓狼伝」より)。
我々凡人はただ敬服するのみで......

「ボールペンかえして」さんへの気持ちを表した範馬刃牙の画像を貼っておきますね(「バキ」より)。
あなたのお陰です


出演する時間は朝8時、企画は「映画はアレだった割に出来が良かったパンフ特集」でございます。その前におこなわれる企画が「24時間ラジオ」の中でも間違いなく上位に入る面白さであろう「宇多丸師匠と春日太一さんによるガチ映画トーク」ということで、当ブログのメイン読者と思われる“映画が好きな方”は、実に観やすいタイミングではないかしらん ( ̄ー ̄) ニヤッ 今週、抱えている案件を何とか早く終わらせて、前日の8月19日から配信されるジャン=クロード・ヴァン・ダムの主演ドラマ『ジャン=クロード・ヴァン・ジョンソン(仮題)』を観て士気を高めまくってから、ニコ生放送に臨みたいと思っております。ということで、こんなことを書くのも申し訳ないのですが(汗)、できればこのブログをよく読む方は、「ジャン=クロード・ヴァン・ジョンソン(仮題)」を観ていただけるとうれしいです…って、記事の主旨が変わってる!? Σ(゚д゚;) イツノマニ!?


「ジャン=クロード・ヴァン・ジョンソン(仮題)」の予告編を貼っておきますね↓




昨年の「ガチ映画トーク」の動画を貼っておきますね↓




おしまい!(o^-')b ドッチモミテネ!









サウスポー(ネタバレ)

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サウスポー

サウスポー

原題:Southpaw
2015/アメリカ 上映時間124分
監督・製作:アントワン・フークア
製作:トッド・ブラック、ジェイソン・ブルメンタル、スティーブ・ティッシュ、ピーター・リッチ、アラン・リッチ、ジェリー・イエ
製作総指揮:ボブ・ワインスタイン、ハーベイ・ワインスタイン、ジリアン・チャオ、ゲイリー・チェン、ジョナサン・ギャリンソン、カート・サッター、デビッド・ブルームフィールド、デビッド・レーンズ、ディラン・セラーズ、エズラ・スワードロウ、ポール・ローゼンバーグ、スチュアート・パー、デビッド・シフ
脚本:カート・サッター
撮影:マウロ・フィオーレ
美術:デレク・R・ヒル
衣装:デビッド・ロビンソン
編集:ジョン・ルフーア
音楽:ジェームズ・ホーナー
音楽監修:ジョン・フーリアン
主題歌:エミネム
出演:ジェイク・ギレンホール、レイチェル・マクアダムス、フォレスト・ウィテカー、オオーナ・ローレンス、カーティス・“50セント”・ジャクソン、ナオミ・ハリス、スカイラン・ブルックス、ボー・ナップ、ビクター・オルティス、リタ・オラ、ミゲル・ゴメス
パンフレット:★★★(720円/「百円の恋」の武正晴監督によるコラムが超タメになった!)
(あらすじ)
怒りをエネルギーに相手を倒すというスタイルでボクシング世界チャンピオンにまで上り詰めたビリー・ホープ(ジェイク・ギレンホール)。しかし、自身が起こした乱闘騒ぎの結果、妻を死なせてしまい、さらにはボクサーライセンスまで剥奪されてしまう。失意のどん底にあったビリーだったが、育ての親であるトレーナー,ディック(フォレスト・ウィテカー)の元を訪れ、過去の自分と向き合いながら、再びリングへ上がる道を模索していく。(以上、映画.comより)

予告編はこんな感じ↓




80点


※今回の感想は、雑な下ネタが書かれているので、そういう文章が苦手な人は読んじゃダメ!
※本作の「エミネムがモデル」云々の小ネタなどに関しては、こちらの記事を読むと良いと思います。


ちくしょう、超今さらながら6月公開作の感想を垂れ流しますよ。劇場で流れる予告編が100点のクオリティだったので前売り券を購入。ただ、仕事が忙しくて、公開から1ヵ月近く経った7月2日にやっと観たんですが…。「スゲー泣いたけど… (´・ω・`) ウーン」という感想でしたよ。


「葛城事件」の翌日、1日1回上映をしていた池袋シネマ・ロサで鑑賞しました。
シネマロサ


なんて言うんですかね、予告編は泣きながら観るほどストライクだったし、「愛を取り戻せ」というクリスタルキング風のフレーズから始まって、「倒すのは、昨日の自分だった」「彼が左の拳を握る瞬間ーーその運命が変わる」「変われないことなんて、何もない」などのキャッチコピーも超良い感じ。で、実際、話は驚くほど予告編のままだったから、文句なんて1ミリもないハズだったのですが…。一応、予告編の画像であらすじを紹介すると、こんな感じでございます↓


“怒り”をパワーに変えて戦う右利きブルファイターのビリーはライトヘビー級のチャンピオンだったんですけれども。
ブルファイター、ビリー

絶賛売り出し中のボクサー・ミゲルの挑発に乗って乱闘になりまして。
挑発してくるミゲル

アホが銃を撃ってしまって、愛妻が死んでしまうのです… (ノω・、) ヒドイ
愛する妻が死亡!

奥さんは一緒の施設で育った幼なじみでもあっただけに、その喪失感は大きくて、自殺を考えるエブリデイ。
自殺したいエブリデイ

さらに復帰戦で反則しちゃったせいで、財産もボッシュートですよ。
財産ボッシュート

結局、自殺未遂事件を起こしてしまい、娘は施設に預けられることになったりして。
子どもは施設で保護します

とうとう娘からこんな風に罵られてしまうんですが、しかし!
パパが死ねば良かったのに!

どん底状態のビリーが訪れたのは“自分を唯一苦しめたボクサー”を育てた男・ディックのジム。
俺のジムに何のようだ?

生まれ変わる決意とともに、ハードトレーニングを開始するのです。
俺は生まれ変わる

怒りを制御することを覚えてディフェンスを磨く…という、100回ぐらい観たパターン (´∀`) デモスキ
ディフェンスを磨け!

そして練習の成果(サウスポーへのスイッチ)をちゃんと発揮して、ミゲルに判定で勝利!
ミゲルに勝利!

最後は娘と抱き合うのでした… (iДi) イイハナシダナー
娘と抱き合うビリー


いや、良いところまみれの映画ではあるんです。ジェイク・ギレンホールの肉体は素晴らしいし、ボクシングシーンも迫力があるし、奥さん役のレイチェル・マクアダムスも素敵だし、娘役のオオーナ・ローレンスも超可愛いし、フォレスト・ウィテカー演じるトレーナー・ディックの丹下段平振りも最高だし(「俺のジムに何の用だ?」は生涯に一度は言ってみたい台詞)、音楽だって良かったし…。「負け犬たちのワンスアゲインストーリー」「奥さんが死んじゃう」「娘に罵られる&連打で殴られる」「特訓描写」と僕好みの要素が牛丼特盛りに牛皿1キロ追加状態だし、「ラストのサウスポーへのスイッチ戦法は“生まれ変わった自分”を意味している」とか「序盤に奥さんと抱き合う→ラストは娘と抱き合う」といった部分も感心したし、何よりもラスト、抱き合う2人から離れていくカメラが、天国に旅立つ奥さんの視点のようでね… (ノДT) ウェェェェェ もうね、上映中はずっと泣きながら観てたんですよ、マジで。


上映中の僕はこのモハメド・アライJr.のようでしたよ。
ブルブルと泣くアライJr.


ただ、全体的にアッサリ塩味というか。例えばビリーを見捨てた仲間たちや、ディックが目を掛けていた“殺される少年”ホッピーとか、ビリーの奥さんが死んじゃう原因を作ったミゲルとか、もう少しドラマを掘り下げても良かったのではないか。特に少年が死ぬくだりは話のテンポが意外と速いのもあって、取って付けた感じしかしなかったんですよね…。ミゲルが何の反省もなくクズ野郎のまま終わったのも好みではないかなぁ。ボクシングの試合の場面は迫力あったけどさ、シーン自体が結構短いのは残念だったし、ラストが判定にもつれ込むのは、ごめんなさい、盛りすぎな気がしました。

この映画って、麻雀漫画で例えるのなら、「この手…あと一手で化ける!(`Δ´;)」なんて言ってたくせにそのまま上がっちゃったような物足りなさ(それはそれで良いのだけれども)。自慰行為で例えるのなら、久しぶりに“良質のオカズ”を入手したことにより、座ったまま発射したら「あまりの量×速さ=破壊力」のせいでアゴを撃ち抜いてしまって数カ月は流動食のお世話になる可能性すら考慮していたところ! 行為の途中、玄関の方で母親が帰ってくる音がしてテンションが急下降した状態でそれとなく出ちゃった感じ…って、こんな残念な文章のせいで一気に読者を失った気がしてなりません (´・ω・`) スミマセン


本作はこの「あと一手」のまま上がっちゃった印象なのです(「天-天和通りの快男児」より)。
あと一手で化ける


見終わった後、なんか釈然としなくて、今まで「こってり」しか食べなかった「天下一品」にて、あえて「あっさり」を頼むことで、その想いを表現してみた…というのは心底どうでも良い話。まぁ、僕的には予告編を観た時点で「クリード」超えを期待した分、ガッカリしましたけど、基本的には大好きな作品でしたヨ (´∀`) ウフフ この手のボクシング映画が好きな人なら満足できるんじゃないかしらん。この後、新宿バルト9に足を運んで「エンド・オブ・キングダム」を観たり、宇多丸師匠とお会いしたりしたんですが、それはまた別のお話。




大好きすぎるアントワン・フークア監督作。僕の感想はこんな感じ



良さげなサントラでございます。



一時、この映画のリメイクって聞いてたんだけど、その要素はあまりなかった記憶。



昔、週刊少年ジャンプで連載されてましたな。懐かしくて貼ってみました。








3週分の備忘録(2016/8/2~8/22)

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さて、毎週火曜日は備忘録を更新する日なんですが、今回は3週分の出来事や思ったことを適当に書いておきますね↓

2〜8日の間に映画を8本観ました
10日、マナ子と2人で夕食を食べました
14日、初めてコミケに行きました
16日、「タマフル24時間ラジオ2016」への出演が決まりました
19日、仕事が大変でした… ('A`)
20日、「タマフル24時間ラジオ2016」に出演しました
21日、小林大吾さんに癒やされました… (ノω・、)


まず、2〜8日の週は、忙しいにもかかわらず、映画を8本も観ちゃって3回目の「シン・ゴジラ」含む)。このころにちゃんと仕事をしていれば、後で苦しむことはなかった…というのは後のMA-TSU-RI!m9`Д´) ビシッ 今年4月、劇場と一体化する試練「バルト9」を実施してから「映画を観る本数を絞るなんてバカバカしい ┐(´ー`)┌ ヤレヤレ」「俺は好きな時、好きに観る!ヽ(`Д´)ノ」なんて思って、「新作映画を観るのは年間120本」という掟を止めてしまったんですけれども。好き勝手に観てみたら、結局、感想は全然アップできないし、仕事にも支障が出るし…。当分、観る本数を減らそうと思いましたよ。あと、この週は、5日に「か和もっち」に飲みに行ったら、「タマフル&トップ5&生活は踊るオフ会」でよくお会いするナカムラさんがいて、いろいろとお話できたのが楽しかった…ということも書き残しておきましょう(偉そうに)。


「シン・ゴジラ」を除けば、「裸足の季節」スゲー良かったです。
大きい立て看板


9〜15日の週は、ずーーーーーーーっと仕事。10日は奥さんが会社の飲み会だったので、夕方からマナ子を預かりまして。2人で近所のファミレスに行って、適当に食事をして一緒にパフェを食べたりした次第。で、日曜日も休日出勤だったんですが、出勤中にタマフルの放課後駄話CLOUDを聞いていたら、僕に「タマフル24時間ラジオ2016」のオファーが来るっぽかったので、宇多丸師匠への手土産として、「島本和彦先生の『シン・ゴジラ』本」を献上しようと思い立ちまして。急遽コミケに行ったものの、即完状態だったというね…。ただ、すぐに帰ったけど、初めてのコミケはスゲー楽しかっというか。仕事や家庭を考えると、また行く可能性は低いと思いますが、大勢の人が訪れるのもわかるなぁと。昔、中学時代の友だちが参加した時、一緒に行けば良かったなぁ。ちなみに「島本和彦先生の『シン・ゴジラ』本」に関しては、ちくしょう、ヤフオクで転売屋から大枚をはたいて購入いたしました… (´Д`;) スミマセン


コミケでは、島本先生の「ラブライブ」本の他、大好きな「まりかセヴン」の設定資料集などを購入。
コミケで買ったもの


放送作家の古川耕さんから正式なオファーが来たのは16日だったんですが、14日の時点から仕事がまったく手につかなくなってしまって。その結果、仕事の納期が遅れてしまって、19日は取引先で「シン・ゴジラ」の内閣総理大臣臨時代理並みに頭を下げたというね… ('A`) そして、20日は「タマフル24時間ラジオ2016」に出演したんですけど、それはまた別のお話。21日はその余波で非常に具合が悪かったんですが、しかし。は、何とか予約できた小林大吾さんのイベント「オントローロ 07」に頑張って足を運んだら、これが最高のひと言でして。少し不思議な独特の世界観に浸ることで、疲弊した精神力が一気に回復いたしました。「世の中にゃ天才ってやつがいるもんだな… (`Δ´;) ヌゥ」とあらためて思ったり。秋にまた開催するみたいなので、非常に楽しみでございます。この詩人に興味がある人は、ブログアルバムを要チェックだッ!m9`Д´) ビシッ

会場は「Flying Books」。40名ぐらいで満員になるのです。
フライングブックス

7回目の「オントローロ」、期待以上の素晴らしさでした!
オントローロ


僕の気持ちを代弁する加藤清澄を貼っておきますね。
いるもんだな、世の中にゃ天才ってやつがよォ......


小林大吾さんの「ダイヤモンド鉱/hot water pressure washer タケウチカズタケremix」を貼っておきますね↓



今週は仕事がそこそこヒマな上に日曜から妻子が帰省するので、上手くスケジュールを組んで映画を観まくる予定であり、金曜日は映画駄話会に参加するつもり。あと、溜まっている映画の感想を書かないとなぁ (・ε・) 以上、3週分の備忘録でした。ではでは〜。









「『タマフル24時間ラジオ2016』に出演しましたYO!ヽ(TДT)ノ」という駄話

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※今回の記事で扱っている「タマフル24時間ラジオ2016」に関しては、プレミアム会員になれば9月半ばぐらいまでニコ生で観られるので、懐に余裕がある方は要チェック!



ジャック・ハンマーが兄だと知った範馬刃牙の画像を貼っておきますね。
そんな気がしていた


僕が「タマフル24時間ラジオ2016」に出演することになった経緯に関しては、こちらの記事を読んでいただくとして。7月下旬の「タマフル&トップ5&生活は踊るオフ会」の時、プロ空頭さんと「24時間ラジオ」の話になって、「僕なんかとても出られませんよぉ〜 (´∀`)」なんて言っていたのは本心なんですけれども。今振り返ると「そんな気がしていた」というか、予兆(サイン)があったのではないかーー? 例えば、このパニッシャー印のアンダーアーマーですよ↓


確か5千円ぐらいだった気がするんですが… (`Δ´;) ヌゥ
パニッシャーのアンダーアーマー


僕は自分の胸毛にコンプレックスがありまして。赤きサイクロン級にボーボーならまだしも、チョロチョロ程度で実にみっともないビジュアルなんですよ (´・ω・`) ただ、自分で処理するのもそれはそれで恥ずかしい…。ということで、娘とプールなどに行く時、普通に裸になるのではなく、アンダーアーマーをラッシュガード代わりに着るのはどうかと思いついてね。今年の6月ごろに買ったんですが、しかし。実際に着てみれば、でかいドクロマークはバカっぽいし、体にジャストフィットしてムチムチしちゃうのも恥ずかしい(普段はあまり体の線が出ない服を着るようにしてる)。「どうしてこんなの買っちゃったんだろうナー (・ε・)」なんて後悔してたけど、これは20日のためだったのだッ!m9`Д´) ビシッ しかも、7月半ばごろより急に夏バテになって食欲がなくなって。ご飯が全然食べられなくなってしまって、8月8日に挑戦したMAZO飯も何とか食べきったレベルだったりしたのです。そのせいで、この1ヵ月で体重が4キロ減少してお腹周りがずいぶんスッキリしたんですが、これも20日のためだったのだッ!m9`Д´) ビシッ


なんとなくエイス・オブ・ベイスの「The Sign」を貼っておきますね↓




な〜んて話はどうでも良いとして。前日の19日(徹夜明け)、納期が遅れて半泣きで取引先に謝罪するハメにはなったけど、やっと大がかりな仕事が片付いて。そのまま眠い目をこすりつつ「インデペンデンス・デイ:リサージェンス」を観て激怒してから帰宅。感想を書きながら「24時間ラジオ」を観ようと思いきや、ところどころ寝落ちしてしまって… (´・ω・`) 1時からのコンバットRECさん&吉田豪さんとの愉快なトークとか、2時からの光岡三ツ子さん&PUNPEEさんによる夢のアメコミ対談とかは丸々見逃しちゃったのに、「映画ホタルノヒカリ」合同鑑賞会は結構観ちゃった…というのは、いろいろな意味で残念でしたな。


「映画ホタルノヒカリ」の超どうでも良い場面を貼っておきますね。
なぁんだ、覚醒剤かぁ


5時半ごろから準備して、家を出たのは6時過ぎ。丸ノ内線から千代田線に乗り換えて、赤坂駅に着いたのはちょうど7時ごろであり、TBSの通用口から入って9階に上がると、「宇多丸・春日太一の早朝映画談義」の真っ最中だったんですが、たわわちゃんDJフクタケさんがいたからスゲーうれしくて。僕的には知ってる人がいてくれて、かなりホッとしましたよ。あと、新潮社の宇多丸師匠の連載担当の方に名刺をいただいたりもしてね。何はともあれ、同コーナーは、宇多丸師匠はもちろんのこと、春日さんのトークがハンパではなくて。最初は「春日さんの後に話すのはプレッシャーだな… (`Δ´;) ヌゥ」なんて思ったけど、あそこまでスゴイと逆に「もうどうにでもな〜れ♪ヘ(゚∀゚*)ノ」って開き直ってきたから不思議な話。


まだ早い時間なので、正面玄関は閉まっておりました。
TBS


で、8時を少し過ぎた後、「三角絞め presents 映画パンフ品評会(a.k.a.映画はアレだった割に出来が良かったパンフTOP5)」がスタートしたワケですが…。正直、僕は頭の回転が早くない→当意即妙の対応ができないので、仕事でも何でも話す機会が決まっている時は、かなり準備をするタイプでして。今回、1冊1冊のパンフに関しては、話すことをしっかりシミュレーションしてきたものの、最初のパンフに入る前の会話はまったく想定していなくて、すっかりしどろもどろだったというね… ('A`) シニタイ 特に「ライオンハート」のくだりとか「説明がへたくそすぎだろ!( ゚д゚)、ペッ」と罵られても仕方ないクオリティであり、その前の色紙を書く時だってパニクった挙げ句、漢字がわからなくなって「三角め」なんて書いてしまったのでした… ('A`) シニタイ


初の番組出演! マスクの下はかなり目が泳ぎまくっていたのです。
番組出演

もうね、バランスが悪いどころか、漢字すらマトモに書けない愚かなアタシ ('A`) シニタイ
三角紋め!?


他にもダメだなーと思ったのが、ラストの「ザ・シューター オレの極大射程」のポーズを頼まれたくだり。そういう企画が予定されているのはわかってたのに、何の準備もしていないなんて… ('A`) シニタイ って、それはウソだ(マッチポンプ的な文章)。本当は、本当は、ヴァン・ダムの有名なこのポーズをやろうと心に決めていたんですけど、とても恥ずかしくて恥ずかしくてできなかったのです… ('A`) シニタイ せめて、警察時代に習った射撃の構えぐらいすれば良かったですよ。出番が終わった後は虚脱状態になりましてね。精神と肉体の疲労が凄まじいというか。やっと動けるようになってからフクタケさんにのどごし生を奢ってもらったんですが、スゲー体に沁みましたよ…(しみじみ)。この日は夕方から妻子とお祭りに行く予定だったので、「放送作家・寺坂直毅の「脳内デパート構想2016」」が終わったところで帰らせていただきました。


このポーズ、鏡の前で練習したことあるけど、結構恥ずかしいのです…。
お得意のポーズ


リクエストできる曲の中に大好きな「ちょうどいい Piano session with SWING-O」があったのはうれしかったです。




なんかね、出演して思いました。「向いていない」と。出演することが決まってから仕事が全然手につかなくて大変だったし、終わってみれば翌日も午後15時ぐらいまで体が動かなかったほど疲弊してしまったし。宇多丸師匠のトーク力が高いからそれほどボロは出なかったものの、結局、他の出演者の方々と違って、「オラは人間だから… (ノД`)」という気持ち。ハッキリ言って、もう懲り懲りであり、今回の思い出を胸に生きて行ければ良いと思っていたんです。


タマフル出演後の疲弊した僕のイメージを貼ってきますね(「HUNTER X HUNTER」より)。
ひからびた腕


ただ、日曜日の小林大吾さんのイベント「オントローロ 07」に足を運んだら、非常に癒やされて回復しまして (´∀`) ホッコリ しかも、プロデューサーとしていらっしゃった放送作家のギル川耕さんが「好評でしたよ ( ̄ー ̄) ニヤッ」みたいなことをおっしゃるから、自分の痛さに目をつむりながらタイムシフト予約をチェックしてみれば、もちろん僕のことが嫌いな方もいらっしゃるようですが(汗)、温かいコメントが多くてね…。ツイッターをチェックしてみれば、優しい感想リプやDMをくれる方もいて、感謝しかないというか。こんなキモい40男を温かく見守っていただき、本当にありがとうございました!ヽ(TДT)ノ ウワァァァン!


放送中は画面を見る余裕ゼロだったので、後から見てグッときましたよ…。
888888


そんなワケで、出て良かったです (´∀`) ウフフ 機会を与えてくれた宇多丸師匠を初めとする番組スタッフの方々&ボールペン返してさんにはあらためて感謝だし、もし8月31日開催の「タマフル&トップ5&生活は踊るオフ会」に新規で参加する人で僕のコーナーで応援してくれた方がいたら、お酒の一杯ぐらいは奢らせていただけるとうれしいです。今後、僕が再度タマフルに出られるかどうかはわかりませんが、要望が来た時は応えられるように、胸の奥で火種をまた静かに燃やし続けようと思います。おしまい。








インデペンデンス・デイ リサージェンス(ネタバレ)

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インデペンデンス・デイ リサージェンス

インデペンデンス・デイ リサージェンス

原題:Independence Day: Resurgence
2016/アメリカ 上映時間120分
監督・製作・脚本・原案・キャラクター創造:ローランド・エメリッヒ
製作:ディーン・デブリン、ハラルド・クローサー
製作総指揮:ラリー・フランコ、ウテ・エメリッヒ、カーステン・ロレンツ
原案:ディーン・デブリン、ニコラス・ライト、ジェームズ・A・ウッズ
キャラクター創造:ディーン・デブリン
脚本:ニコラス・ライト、ジェームズ・A・ウッズ、ディーン・デブリン、ジェームズ・バンダービルト
撮影:マルクス・フェルデナー
美術:バリー・チューシッド
衣装:リジー・クリストル
編集:アダム・ウルフ
音楽:トーマス・ワンカー、ハラルド・クローサー
出演:リアム・ヘムズワース、ジェフ・ゴールドブラム、ビル・プルマン、マイカ・モンロー、ジェシー・アッシャー、トラビス・トープ、ウィリアム・フィクトナー、シャルロット・ゲンズブール、ジャド・ハーシュ、ブレント・スピナー、セラ・ウォード、アンジェラベイビー、ビビカ・A・フォックス、チン・ハン、デオビア・オパレイ、ニコラス・ライト、ジョーイ・キング
パンフレット:★☆(720円/情報量が少なすぎ)
(あらすじ)
エイリアンの侵略を生き延びた人類は、共通の敵を前にひとつにまとまり、回収したエイリアンの技術を利用して防衛システムを構築。エイリアンの再来に備えていた。しかし、再び地球を目標に襲来したエイリアンの兵力は想像を絶するものへと進化しており、人類は為す術もなく、再度の絶滅の危機を迎える。(以上、映画.comより)

予告編はこんな感じ↓




25点


※今回の感想は、映画とはあまり関係のない文章が書かれているので、気をつけて!
※というか、すでに宇多丸師匠のタメになる時評がアップされているので、そっちを読んで!


先月の「タマフル&トップ5&生活は踊るオフ会」では、同会常連のナカムラさんと話す機会があったんですが、彼は生涯ベスト級の映画が「インデペンデンス・デイ」なんだそうで。正直、僕はそれほど好きな作品ではなかったものの、ナカムラさんの熱い話を聞いているうちにもう一度観たくなりましてね(微笑)。時間があったら「インデペンデンス・デイ」を観てから、20年振りの続編である「リサージェンス」を観に行こうかなぁなんて思っていながらも、結局、仕事が忙しくてバタバタしていたところ! 愛聴するラジオ番組「ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル」の週刊映画時評コーナー「ムービーウォッチメン」の課題映画になったので、8月19日(金)、前作を見直していない&徹夜明けの状態で新宿ピカデリーに足を運んで来ました。スゲーつまらなかったです… ('A`) ゲンナリ


8番スクリーン、1日1回上映になっていたせいか、8割ぐらい埋まってましたよ。
8番スクリーン


つーか、先週は仕事が超忙しい上に20日に「タマフル24時間ラジオ2016」への出演が控えていただけに、劇場に全然行けない&ブログが書けなくて。しかも、やっと映画を観られた19日は連日のハードワークで身も心も疲弊していたため、感想を書けずに寝てしまって。出演後もダメージが大きくてそれどころではなく(家族サービスもしなくちゃならなかったし…)、いつも「ムービーウォッチメン」の前には課題映画の感想をアップしていたのに、当ブログをスタートしてから初めて果たせなかったのです… (ノω・、) で、もう宇多丸師匠の時評をすっかり聞いちゃったので、「今回は文字起こしをコピペしておけばいいかな (´∀`;) エヘヘ」ぐらいに思ったりもしたんですが、しかし。とりあえず自分なりの感想を残しておきますよ。

大して期待してなかったけど、全編失望まみれ。まず、お話は「この前の宇宙人軍団の女王が超デカイ宇宙船に乗って地球を襲来→女王エイリアンをやっつけたら雑魚も全滅→別の善良な宇宙人(機械化済み)の力を借りて、今度はオレたちが攻め込むぜ!ヽ(`Д´)ノウォォォォ!」ってな調子なんですが…。最近のこの手の続編モノって「過去作を踏まえて非常に上手く作られている作品が多い印象」だったから(「ジュラシック・ワールド」とか)、もう少しいろいろとK.U.F.Uされた内容になっているかと思いきや、すべて予想の範疇以下でして。エイリアンのテクノロジーを取り入れた割には、出てくるのは「自由に飛べるっぽい宇宙船」と「ビームが出る銃」程度。バリア対策はゼロだし(力押しで破ったのは悪い意味でビックリ)、そもそも前作と同じく「女王をやっつけたら雑魚も全滅」ルールが適用されたのだってバカバカしい。なんて言うんですかね、人間側もエイリアン側も20年経っているのにあまり進歩してないように見えて、心底ガッカリしたのです。


僕の気持ちを代弁するシコルスキーを貼っておきますね「バキ」より)。
三角絞めでつかまえて-予想通りだ


で、何が残念って、ディザスター&戦闘シーンの見せ方が下手だったこと。「地球の3分の1ぐらいの大きさの宇宙船が重力を使って世界を破壊する」という発想は良いとしても、描写が荒唐無稽すぎてよくわからないというか(そもそもあの攻撃を繰り返せば良かったんじゃないの?)。宇宙船でのドッグファイトだって新鮮味がなくて退屈だったし…。クライマックスの過剰な“ピンチの畳みかけ”も、女王エイリアンがスクールバスを襲ったりとか、犬を乗せ忘れたりとか、わざわざ女王エイリアンにスクールバスで近づいたりとか、あまりにくだらなくて呆れました。主要キャラの「コイツは死なない」「コイツは死ぬ」ってのがわかりやすくて、まったくハラハラしないのも問題。アホみたいなパイロットどもとかバカ博士とかそのクソ親父とかは無茶しても死なないのに、ゲイの博士が死んだのは都合良く殺されたようにしか見えなくて、マジでイラッとしましたね(でも、少し泣いた)。


鑑賞中の僕の気持ちを代弁する範馬刃牙を貼っておきますね(「刃牙道」より)。
こうまで退屈だなんて


まぁ、前作の登場人物が大量に出てきたのはファンには良かったんだろうし、クライマックスの畳みかけだって、宇多丸師匠がおっしゃっていたように、あまりにバカバカしくて逆に面白かった人もいるんじゃないかしらん。実は、僕的にはちょっと「トランスフォーマー/ロストエイジ」を観た時のことを思い出しまして。なんか本作のローランド・エメリッヒ監督は、もともとそんなに乗り気じゃなかった分、結構ヤケになって作ったのではと。あの過剰な“ピンチの畳みかけ”は、ある意味、マイケル・ベイへのオマージュだったのではないかーーって、すみません、ちょっと思いつきを書いてみただけです (ノ∀`) ゴメンネ


本作にも「中国の牛乳」を飲むシーンがあったのは、果たして偶然なのでしょうか?(画像は「トランスフォーマー/ロストエイジ」)。
牛乳を飲むシーン


そんなワケで、徹夜明けで観てスゲー疲れてた上にイライラしてた精神状態も関係しているのかもしれませんが、鑑賞直後は激怒するほど無駄なモノを観た気分になったというか。ナカムラさんには申し訳ありませんけど、前作を見直す気すら失せちゃいましたよ… (´・ω・`) ウーン 興味がある人は好きにすればいいと思いますが、僕的にはまったくオススメしません。




前作の日本語吹替完全版だそうです。



本作のサントラ。輸入盤(アナログ)もあります。



公式アート&メイキング本。最近、こういうのよく出ますね。



本作のノベライズ。評価は高くない様子。



ローランド・エメリッヒ監督によるジャン=クロード・ヴァン・ダム主演作。もう少し良い出来だったらなぁ… (´・ω・`)









ゴーストバスターズ(2016年版)(2D・字幕版)(ネタバレ)

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ゴーストバスターズ(2016年版)(2D・字幕版)

ゴーストバスターズ(2016年版)

原題:Ghostbusters
2016/アメリカ 上映時間116分
監督・製作総指揮・脚本:ポール・フェイグ
製作:アイバン・ライトマン、エイミー・パスカル
製作総指揮:ジェシー・ヘンダーソン、ダン・エイクロイド、トム・ポロック、ジョー・メジャック、アリ・ベル、ミシェル・インペラート・スタービル
原作:アイバン・ライトマン、ダン・エイクロイド、ハロルド・ライミス
脚本:ケイティ・ディポルド
撮影:ロバート・イェーマン
美術:ジェファーソン・セイジ
衣装:ジェフリー・カーランド
編集:ブレント・ホワイト
音楽:セオドア・シャピロ
音楽監修:エリカ・ワイス
視覚効果監修:ピーター・G・トラバース
出演:クリステン・ウィグ、メリッサ・マッカーシー、ケイト・マッキノン、レスリー・ジョーンズ、クリス・ヘムズワース、アンディ・ガルシア、チャールズ・ダンス、マイケル・ケネス・ウィリアムズ、マット・ウォルシュ、セシリー・ストロング、ニール・ケイシー、カラン・ソーニ、ザック・ウッズ、エド・ベグリー・Jr.
パンフレット:★★★★(720円/ガジェット紹介の特集ページが超偉い! もうちょっとキャスト紹介があれば、なお良かった)
(あらすじ)
アメリカ・ニューヨーク。コロンビア大学の素粒子物理学者のエリン・ギルバート(クリステン・ウィグ)は、心霊現象を科学的に証明する研究を重ねていたが、研究費を打ち切られ、大学をクビになってしまう。エリンは自らの知識と技術力を生かすため、幽霊退治の専門会社「ゴーストバスターズ」を立ち上げるが……。(以上、映画.comより)

予告編はこんな感じ↓




75点


※この映画のレーティングに関する考察は伊藤聡さんの記事を、小ネタなどに関してはカゲヒナタさんのブログを読むと良いザンス。

今年の話題作の1本だし、今まで観たポール・フェイグの作品はすべて好きだったので、前売り券を購入。ちょうど愛聴するラジオ番組「ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル」の週刊映画時評コーナー「ムービーウォッチメン」の課題映画になったのもあって、先週の火曜日にいそいそとTOHOシネマズ新宿で2D・字幕版を観てきました。とても楽しかったです (´∀`=) ホッコリ


6番スクリーン、ほぼ満席でした。
6番スクリーン


あらすじを簡単に書いておくと、素粒子物理学者のエリン(クリステン・ウィグ)が幽霊の調査を依頼されまして。それは、旧友の超常現象研究家・アビー(メリッサ・マッカーシー)と書いた本「過去からのゴースト」が勝手に出版されていたせいで、大学への終身雇用が決まりそうだったエリンは出版の差し止めを求めるものの! あーだこーだあって、アビーの仲間である発明家のホルツマン(ケイト・マッキノン)を加えた3人で調査をしてみたら、実体化した幽霊にゲロを吐かれて、その実在を確信。大学をクビになったこともあって、超常現象の調査会社を立ち上げるのです。


ゴーストの存在を確認して大喜びの映像が大学に見つかって、解雇されるエリン。
エリン・ギルバート(クリステン・ウィグ)

最初はアビーの大学で研究を続けようとするも、アビーも学長(クソ野郎)にクビにされちゃって。
アビー(メリッサ・マッカーシー)

アビーの友人の発明家ホルツマンと3人で、中華料理屋の2階で会社を始めるというね。
ホルツマン(ケイト・マッキノン)


アホすぎる男性秘書ケヴィン(クリス・ヘムズワース)を雇ったり、地下鉄のゴーストを調査する過程で会社のロゴが決まったり、ニューヨークの歴史をよく知るパティ(レスリー・ジョーンズ)が仲間になったりする中、ゴーストが頻発するのは鬱屈したベルボーイ・ローワン(ニール・ケイシー)の仕業だったことが判明しまして。追い詰めると自殺したので、めでたしめでたしかと思いきや、ゴーストとなって復活→ケヴィンに乗り移って巨大なマシーンを爆発させて「あの世」との通路を開けてしまうから、さぁ大変! ∑(゚Д゚) タイヘーン! ニューヨークの街に霊が溢れて大パニックになったので、4人はゴーストバスターズとして立ち向かって、核爆弾を使って“通路”を封鎖しましてね。市長のバックアップを受けて消防署跡地に事務所を移転すると、エンドクレジットに突入。霊に乗り移られたケヴィンのダンスが流れたりした後、ズールの話題が出て、映画は終わってましたよ。


地下鉄で働いていた歴女パティが仲間に加わって…。
パティ(レスリー・ジョーンズ)

ゴーストバスターズの誕生だッ!(市民が名付けて、後から自分たちが名乗るという流れ)
新生ゴーストバスターズ!

で、ローワンの霊に乗り移られたケヴィンが、あの世と通じる穴を開けてしまいましてね。
乗り移られたケヴィン

最後はこれを核爆弾でふさいでましたよ。
あっち側の世界へのトンネル


最初に僕のスタンスを書いておくと、ごめんなさい、1984年のオリジナル版にはあまり興味がなくて… (´∀`;) いや、当時はジャッキー・チェンやシルベスター・スタローンに夢中な時期であり、「面白おかしい愉快な男たちによる幽霊退治話」にはそれほど惹かれなかったというか。もちろん「嗜み」としてテレビで放送された時は普通に楽しみましたけど、脳内フォルダでは「どうでもいい」の棚に分類されているイメージ。有名なテーマ曲も、そりゃあキャッチーだとは思いますが、別に好きではなかったりします。だから、オリジナル版へのオマージュの数々やカメオ出演とかは結構どうでも良かったし(シガニー・ウィーバーはこの手の映画のオチに良く出てくるイメージなので、そういう文脈では笑ったけど)、僕的に「本作と過去作を比べて云々」的な部分はまったくないです。


こんな感じで、旧作の出演者が結構出てきましたよ。
ダン・エイクロイドのカメオ出演


ただ、ポール・フェイグ監督作として面白かったなぁと。今まで観たのは、「ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン」「デンジャラス・バディ」、最近リリースされた「SPY/スパイ」ぐらいですが、どれも「不遇な状況&自分に自信がない女性が頑張る話」という印象で、本作はそれにチームモノ要素が加わえられていましてね。「社会のはみだし者が集まったチーム映画」が好きな人はストライクな作品じゃないでしょうか。ラスト、ホルツマンが「仲間への愛」を語る場面は最高でしたよ…(しみじみ)。敵となるローワンがゴーストバスターズのネガ的存在というのも今風というか、良い設定じゃないでしょうか。


クライマックス、ローワンが彼女たちを妬んで巨大ゴーストになるというのは良いアイディアだと思ったり。
巨大ゴースト


あと、素晴らしかったのが、クリス・ヘムズワースが演じた秘書ケヴィン! 「マッチョでハンサムだけど底抜けのバカ」という、映画に出てくるヒロインを反転させたようなキャラクターなんですが、そのアホっぷりが清々しくてかなり笑っちゃいましたよ。そして、そんな彼に萌えてハァハァするエリンたちがまた可愛くて… (´Д`;) ハァハァ 「ジョックスをバカにする」なんて描写自体はいろいろな映画でよく観ましたけど、「アホなマッチョに萌える」という視点はなかなか新しいというか、非常に感心いたしました。


バカという言葉すら生ぬるいほどどうかしている男ケヴィン。
秘書ケヴィン(クリス・ヘムズワース)

彼に萌えた人は「バーン・アフター・リーディング」のブラッド・ピットも好みだと思うので要チェックだッ!m9`Д´) ビシッ
バーンアフターリーディングのブラピ


一応、不満も書いておくと、僕は「ブライズメイズ」がスゲー好きなので、もう少しエリンとアビーのドラマを描いていたら、よりグッときてたかなぁと。過去の負い目があっただけでなく、もう一度仲違いする展開などがあったら、最後の助けるくだりはもっと泣けた気がしました。それと、これを書いたら元も子もないんですけど、旧作から「プロトンビームで霊を捕獲する」描写があまり好きじゃなくて。生理的なものなのかもしれませんが、あのビームに乗れない…って、上手く説明できなくてすみません (´∀`;) エヘヘ


このビーム、なんかダメなんですよ… (・ω・;) ウーン
プロトンビーム発射!

というか、個人的にはこういうゴーストバスターズの方が好みだったりします(「貞子vs伽椰子」より)。
常盤経蔵と珠緒


そんなワケで、とても面白かったです (´∀`=) ヨカッター 少しギャグがクドい感じがしなくもないけど、万人受けする良い映画じゃないでしょうか。最後に、本作のキャストが女性4人になったことでバッシングされた女性蔑視問題についても書いておくと、オリジナル版が好きな人が何らかの変更点に怒ったりする気持ちはわからないでもない…というか、そういう感情は僕だってあると思う。例えば、ジャン=クロード・ヴァン・ダムの名作「ライオンハート」をジーナ・カラーノ主演でリメイクなんてされた日には、それはそれで観たいような…?(失敗した例え)。とは言え、いくら気に食わないからって個人攻撃したり、差別的な発言を書き込んだりするのは論外の話であり、何よりもそういうネガティブな行動は自分自身にマイナスになるというか。人生は短いのだから、無視して別の楽しいことを探した方が良いんじゃないかしらん…なんて知った風な口を叩いたところで、この駄文を終えたいと思います (・∀・) オシマイ




なかなか良さげなサントラ。輸入盤デジタル盤もあります。



大好きなポール・フェイグ監督作。僕の感想はこんな感じ



公開記念でリリースされたオリジナル版のBlu-ray。「2」もリリース中。



旧作のビジュアルヒストリーブックでございます。新作は扱っていないみたいなので注意!



オリジナル版の消防署本部のレゴ。だがしかし、これと一緒に遊ぶことでーー?



正直、こっちの方が好みだったり (〃∇〃) スミマセン








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