スーサイド・スクワッド(2D・字幕版)
原題:Suicide Squad
2016/アメリカ 上映時間123分
監督・脚本:デビッド・エアー
製作:チャールズ・ローベン、リチャード・サックル
製作総指揮:ザック・スナイダー、デボラ・スナイダー、コリン・ウィルソン、ジェフ・ジョンズ
撮影:ロマン・バシャノフ
美術:オリバー・スコール
衣装:ケイト・ホーリー
編集:ジョン・ギルロイ
音楽:スティーブン・プライス
音楽監修:シーズン・ケント、ゲイブ・ヒルファー
視覚効果監修:ジェローム・チェン
出演:ウィル・スミス、ジャレッド・レト、マーゴット・ロビー、ジョエル・キナマン、ビオラ・デイビス、ジェイ・コートニー、ジェイ・ヘルナンデス、アドウェール・アキノエ=アグバエ、アイク・バリンホルツ、スコット・イーストウッド、カーラ・デルビーニュ、アダム・ビーチ、福原かれん、コモン、シェイリン・ピエール=ディクソン
パンフレット:★★★☆(820円/少し高めだけど、ギンティ小林さん&市川力夫さんによる良い仕事多し。小西未来さんも取材してた)
(あらすじ)
バットマンをはじめとするヒーローたちによって投獄され、死刑や終身刑となった悪党たちが、減刑と引き換えに「スーサイド・スクワッド(自殺部隊)」の結成を強制され、危険なミッションに挑む。(以上、映画.comより)
予告編はこんな感じ↓
60点
クイーンの「ボヘミアン・ラプソディ」が流れる予告編を見た瞬間、「これは間違いなく傑作だな!(*゚∀゚)=3ムッハー」と思った人はプチャヘンザッ!ヽ(`Д´)ノ そもそも大好きなデビッド・エアー監督作ということで「2016年に絶対観たい新作映画10本」の1本に選んでいたワケで、基本的には「土日は家族サービス&仕事を優先」という掟を守っている僕でも、この映画に関しては公開翌日の日曜日に足を運んだのですが、しかし。「どうしてあんなことになったンだろう… (´・ω・`しナゼ?」という感想でございました。
ユナイテッド・シネマ豊島園の6番スクリーン、ほぼ満席でしたよ。
僕の心境を代弁する松本梢江を貼っておきますね(「バキ」より)。
まず、本作は<DCエクステンディッド・ユニバース>の世界観ということで、時系列としては「バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生」の直後あたりのお話。雑にウソを交えながらあらすじを書いておくと、政府のお偉いさんアマンダ・ウォラー(ビオラ・デイビス)が「スーパーマンみたいなのがまた現れて、それが人間の敵だったら超大変!(°д°;し」と危機感を抱いて、ズバ抜けたスキルを持っていたり、
メメタァメタヒューマン(超人間)だったりする犯罪者を集めたチームを作ることを考案。さらには「首にナノ爆弾を埋め込んで言うことを聞かせよう」なんて酷いアイディアまで思いつきましてね。ところが、「エンチャントレスちゃんは優しい子、エンチャントレスちゃんは賢い子、エンチャントレスちゃんは大切な子 ( ´∀`し(´∀`し ウフフ」と大事に使役しようとしていた“古代の魔女”エンチャントレス(カーラ・デルビーニュ)が弟の魔人っぽい奴と暴走しちゃったので、さぁ大変!
”エンチャントレスの依り代である考古学者ジェーンに恋をしたエリート軍人”リック・フラッグ(ジョエル・キナマン)の指揮の下、“ジョーカーの恋人で意外と身体能力が高いイカレ精神科医”ハーレイ・クイン(マーゴット・ロビー)、“射撃の名手”デッドショット(ウィル・スミス)、”人間火炎放射器”エル・ディアブロ(ジェイ・ヘルナンデス)、”ブーメランで偵察もできます”キャプテン・ブーメラン(ジェイ・コートニー)、”人食いワニ人間”キラー・クロック(アドウェール・アキノエ=アグバエ)、”首にナノ爆弾が埋め込まれていることを実証する役”スリップノット(アダム・ビーチ)、”リックの部下で日本刀使いの未亡人”カタナ(福原かれん)が、タスク・フォースX=スーサイド・スクワッド(決死部隊)として出動したのだッ!m9`Д´) ビシッ
登場キャラの詳細については、こちらの記事を読むと良いザンス。
逃亡しようとしたスリップノットがナノ爆弾で頭部を吹き飛ばされたり、“お馴染みのイカレた犯罪者”ジョーカーがハーレイを奪いにきて失敗して死んだっぽくなったり、政府の尻ぬぐいをさせられることを知ってメンバーが仲違いしたり、バーで飲んで過去の話をして一致団結したりと、「吸った!? (´Д`;し イヤーン」「揉んだ!(*゚∀゚)=3 ムッハー」がありまして(なにこの顔文字)。最終的には「『デ、ビール!ヽ(`Д´)ノ』と“炎の悪魔”化したディアブロの自己犠牲によってエンチャントレス弟が死亡→ハーレイが騙してエンチャントレスも死亡→考古学者ジェーンは無事でした」という展開。みんな収監されて「ボヘミアン・ラプソディ」が流れると、デッドショットが娘と面会したり、ハーレイをジョーカーが助けに来たり、”コスプレ好きなアゴ割れ大富豪”ブルース・ウェインがアマンダと会談したりして映画が終了すると、エンドクレジット後は「次は『ワンダーウーマン』よ!川o^-')b ミテネ!」的な映像が流れてた気がします、確か。
「ワンダーウーマン」の予告編を貼っておきますね↓
まぁ、「そんなに嫌いじゃないヨ (・∀・)」的な意見もあるとは思うのですよ。いや、僕だって60点という点数を付けたワケですから、「好きか嫌いか」の2択を問われれば「好き」に入るし、良いところもあるのですが…。人間とは面倒くさいもので、期待値が高い映画の場合、勝手に願望を抱いたり、いろいろと妄想したりするじゃないですか。鑑賞した時点ではアメコミ版の「スーサイド・スクワッド」を読んでいなかったので(「バットマン:マッドラブ」
を読んでハーレイ・クインに好感は持ってたけど)、「原作と違う!(`Δ´) チガウ!」的な不満はないんですけど、正直、僕はもっと違う映画を脳内で思い浮かべていて。なんて言うんですかね、「映画秘宝 2016年 10 月号」
で「囚人雇用ムービー」なんて素敵すぎる特集が組まれてましたが、もっとデヴィッド・エアー監督が得意とするバイオレンス色が前面に出た映画になっているんじゃないかと思ってた。
それ以外にも、もっとキャラごとの戦闘がバラエティ豊かに描かれるのかと。もっとチームでの役割分担が明確になっているんじゃないかと。もっと悪党どもならではの「まんまとオレの罠にハマったな!(`∀´) フハハハハ」「と見せかけて、アタシがウラをかいていたのよ!(`∀´し オホホホホ」「というお前ら全員がオレの手のひらで踊っていたのさ ( ̄ー ̄) ニヤッ」みたいな頭脳バトルがあるのかと思ってた。もっと任務に徹しながらの「ここは…オレに任せて先に行け!(;´Д`)・:; ゲハッ」「ヒマだからオレも付き合うぜ ( ´_ゝ`)」といった熱い自己犠牲が観られるんじゃないかと、もっともっと100点の映画だと期待してたのです(バカの文章)。
例を挙げると、「孫文の義士団」のように「ここでコイツが必要」みたいな展開になると思ってたというか。
ところが! まぁ、デヴィッド・エアー監督のカラーであるバイオレンス描写が「カレーの王子さま」に生クリームやココナッツミルクを加えた級にマイルドだったのは、ちくしょう、アメコミ映画だから目をつむりますよ(怪物化された人の残骸とかは無惨で良かったし)。ただ、アクション演出がさぁ…。良い表現をすれば「普通に楽しめる」だけど、悪く言えば「凡庸」のひと言。アクションが発生する状況や条件に工夫が感じられないし、一応、各キャラともファイトスタイルは違うものの、みんな□ボタンを連打してれば技が出せるムードだから緊迫感が感じられない…って、伝わりますかね? そりゃあお金がかかっている映像だからそれなりの見応えはあるものの、突出した面白さがまったく感じられなかったんですよね…。デヴィッド・エアー監督、「サボタージュ」での“リジーがアイーン顔になってからの疾走感溢れるアクション演出“の手腕はどこに置いてきたのかと。鑑賞中、「『キャプテンアメリカ/シビル・ウォー』のアクションは良く出来てたなぁ…(´・ω・`)」なんて遠い目になったりしましたよ。
ミレイユ・イーノスがアイーン顔になって暴走した瞬間、僕はあなたに恋してた(なにこの文章)。
最悪だと思ったのがラスボス戦で、これは世界観の問題だから仕方ないんだけど、最後の敵となるエンチャントレスの凄まじい能力(よくわかりませんが何でもできそうな勢い)を観ていると、どう考えてもスーサイド・スクワッドのメンバーごときが正攻法でぶつかっても勝てないんですよ。だからどうするのかと思いきや、なんの工夫もなく突っ込んだりした挙げ句、ハーレイが諦めて服従する振り→隙を突いて心臓をゲット→爆弾で爆破みたいな展開になるんですが…。もうエンチャントレスの“戦闘力をフルに発揮せずに甘噛み状態でずっと戦ってあげる優しさ&アッサリ騙される人の良さ”に口がアングリするし、その時のハーレイの「仲間傷つけんな!」みたいな台詞がキツいし、何よりもこんな凡庸な展開をクライマックスで繰り広げちゃうデヴィッド・エアーにガッカリしちゃったアタシ (´・ω・`) ガッカリ
あと、普通に映画として編集とかテンポとか悪くないですか? キャラ紹介がデッドショット&ハーレイに偏っているのは仕方ないとしても、例えば、ハーレイがエレベーターに勝手に乗って雑魚と戦闘する場面とか、意味ありました? 予告編のオチに使われてた「ハーレイがショーウインドーを破壊してバッグを盗む場面」だって、どういう風に出てくるのかドキドキしてたら、「移動中、唐突にやるだけ」なんですよね。そりゃあ、そういうものだと言われればそうだけど、もっと気が利いた使い方をしてくれるのかと思ってただけに、「あっ、本当にこれだけの場面なんだ!Σ(゚д゚;)」と悪い意味で驚きましたよ。
その他、「デッドショットたちは知らないけど、観客としてはエンチャントレスの暴走を政府が隠蔽しようとしているのは映画序盤から知ってることだから、ドラマが微妙に盛り上がらない」とか「バーのシーンで、ディアブロの『妻子を殺した話』を聞いたブーメランに『子どもも死んだのか?』みたいな台詞を言わせてビックリ(文脈でわかれよ)」とか「ハーレイは首の爆弾がもう大丈夫なんだからアマンダを殺せばいいのに(再起動されたんだっけ?)」とか「つーか、ラストとかも“マーベルの後追い感”が強くて切ない…」とか、文句を挙げればキリがないんですけれども。僕個人のプラスマイナスで言えばプラスの部分の方が大きかったりするのです (´∀`;) それは「マーゴット・ロビーのハーレイが最高」とか「ジャレッド・レトのジョーカーは頑張ってたし、“口を隠す手”を観て金井克子さんの手をボンヤリ思い出した」とか「福原かれんさんが演じたカタナがストライク過ぎる… (´Д`;) ダイテ!」といったこと以上に、娘映画だったから… (ノД`) アァン
実はデッドショットには超思い入れながら観てしまったのです。
昔は「やることにソツがなさすぎて、何か好きになれない俳優」であり、家族推しなところもウザかったウィル・スミスでしたが…。自分の娘のマナ子(仮名/5歳)への思い入れが年々強くなるうちに、なんか気持ちがわかるようになってきて。例えば「幸せのちから」や「アフター・アース」
で息子と共演したりとか、「ベスト・キッド」
に自分の息子を主演させたりとか(エンドクレジットには自分も出てくる!)、「アニー」
に自分の娘を主演させようとしたりとか、今なら理解できる。子どもと接していると、笑顔はビデオで撮れるけど、泣いてたり怒ったりする姿って撮影どころじゃないだけに、なかなか動画として残せないけど、映画にしちゃえばいろいろな表情や姿が残せるものね(ちくしょう、自分の目にカメラを埋め込めればいいのに!)。まぁ、それに付き合わされる観客はたまったものじゃないワケですが(汗)、ウィル・スミスの家族LOVE自体は共感できるようになってきた。
そんな僕が推察するに、今回、デッドショット役を引き受けたのも、役を通じて自分の願望を達成するためではないか。当ブログ調べによると、多くの父親が「自分が悪いことをするのを子どもに『パパ、止めて!(´Д`;)』と止めてもらうアコガレ」や「自分の過ちのせいで子どもとはたまにしか会えないけど、いつか一緒に暮らすために頑張るアコガレ(帰り際にハグのオプション付き)」を抱いており(眉唾な情報)、ウィル・スミスはそれらを疑似体験的にロールプレイングしたかったのではないか? そして現在、娘の父親である僕も当然ながらそういった願望を抱いていたのでね(苦笑)、本作のデッドショットの境遇は「ステーキハウスB&M」のジャンボステーキ級に大好物。いろいろ文句を書きましたが、最後に娘とハグするシーンはスゲー泣いてしまった次第 (iДi) ウェェェェェ
「ライオンハート」といい、最後に子どもを抱きしめる映画は良作ですな(乱暴な定義)。
以上、「なにいってんだバカ ( ゚д゚)、ペッ」と読者に思われそうな文章を垂れ流しちゃいましたが、基本的には嫌いじゃない作品でありながらも、やっぱり「もうちょっと上手く作ってくれればなぁ… (´・ω・`) ザンネン」とも思う映画でしたよ。予告編はあんなに最高だったのに、どうしてこうなってしまったんでしょうね…。何はともあれ、興行的にはかなり成功したみたいだから、デビッド・エアー監督も<DCエクステンディッド・ユニバース>も頑張ってほしいです。
デヴィッド・エアー監督作で一番好きなのはこれ。僕の感想はこんな感じ。
サントラ。音楽の使い方も妙に合わなかったんだよなぁ。
公式ヴィジュアルブックだそうな。ビジュアル自体は大好きなんですがー。
アメコミ。面白いけど内容は別物(映画の元になったのはこのシリーズの後のアメコミっぽい)。
本作の前日譚にあたる映画。僕の感想はこんな感じ。
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スーサイド・スクワッド(2D・字幕版)(ネタバレ)
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