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横道世之介(ネタバレ)

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横道世之介

三角絞めでつかまえて-横道世之介

2012/日本 上映時間160分
監督・脚本:沖田修一
プロデューサー:西ヶ谷寿一、山崎康史
共同プロデューサー:西宮由貴、宮脇祐介
ラインプロデューサー:金森保
原作:吉田修一
脚本:前田司郎
撮影:近藤龍人
照明:藤井勇
録音:矢野正人
美術:安宅紀史
衣装:纐纈春樹
ヘアメイク:田中マリ子
編集:佐藤崇
音楽:高田漣
音響効果:斎藤昌利
主題歌:ASIAN KUNG-FU GENERATION
助監督:海野敦
制作担当:刈屋真
スクリプター:田口良子
VFXスパーバイザー:オダイッセイ
出演:高良健吾、吉高由里子、池松壮亮、伊藤歩、綾野剛、井浦新、國村隼、堀内敬子、きたろう、余貴美子、朝倉あき、黒川芽以、柄本佑、佐津川愛美、江口のりこ、眞島秀和、ムロツヨシ、広岡由里子、渋川清彦、大水洋介、田中こなつ
パンフレット:★★★(700円/普通に良い感じ)
(あらすじ)
長崎県の港町で生まれ育った横道世之介(高良健吾)は、大学に進むために東京へと向かう。周囲の人間を引き付ける魅力を持ち、頼まれたことは何でも引き受けてしまう性格である世之介は、祥子(吉高由里子)から一方的に好かれてしまう。しかし彼は、年上で魅力的な千春(伊藤歩)にぞっこんで……。(以上、シネマトゥデイより)

予告編はこんな感じ↓




60点


僕は沖田修一監督の「南極料理人」がかなり好きでして。その次作となる「キツツキと雨」も結構好きだったりするんです。ただ、劇場で最新作となる「横道世之介」の特報を見た時は、「これはスルーしよう」と思いまして…。なんて言うんですかね、映像から伝わってくる登場人物たちの不自然な雰囲気が苦手というか(特に吉高由里子さん)。だから、「2013年2月公開で観たいと思っている映画の覚え書き」には載せなかったんですね。


苦手な人も多いみたいですが、僕はかなり好きな映画。ラーメンが食べたくなるのです (´∀`) ハラヘッタ




だがしかし! 2/25(火)に渋谷のアシパンで開催されたタマフル・トップ5オフ会コメカミさんから猛プッシュされたのと、このブログを読んでくれている方から激推しのメールが来たので、「なに、そんなに面白いの!? (゚д゚;)」と興味が湧きまして。3/1(金)、アシパンの「桐島、部活やめるってよ」ナイトに行く前、“映画の日”を利用して渋谷HUMAXシネマで観てきました。僕の感想は「それなりには好きカナー (・ε・)」って感じですかね。ちなみに劇場は全席埋まってましたよ。


渋谷HUMAXシネマ「横道世之介」の展示はかなり力が入ってました。入口を入るとパネル展示があって…。
三角絞めでつかまえて-パネル展示

右手にはサイン入りポスターや記事の切り抜きが。
三角絞めでつかまえて-サイン入りポスターなど

左手には衣裳の展示もありましたよ。
三角絞めでつかまえて-衣裳も飾ってありました

奥のトイレ付近には感想コーナーも設置。
三角絞めでつかまえて-感想コーナー

売店にはオリジナルフードもスタンバイ・チューン
三角絞めでつかまえて-オリジナルフードも

50円で恋みくじが引けちゃう…って、誰が引くんだ、そんなの。
三角絞めでつかまえて-恋みくじが引けます

な~んて言いつつも、つい引いちゃったというね (〃∇〃) ウフフ なんか微妙な内容でガッカリ…。
三角絞めでつかまえて-引いちゃいました

さらに「長崎旅行が当たるっ!キャンペーン」なんてのもやってましたよ。
三角絞めでつかまえて-長崎旅行があたるキャンペーン


好きなところを書くと、1987年の世之介と登場人物たちとの会話シーン全般は、実に沖田監督作っぽいというか、ホッコリして良かったです。その中でも“過剰なお嬢様キャラ”の祥子に関しては、特報を見た時は“フィクションのお嬢様”感溢れる言葉遣いに結構イラッとしていたんですが、実際に観たら超可愛い!ヽ(`Д´)ノ ウォォォォ! 彼女だけ異世界から来たような性格設定なんですけど、もうね、演じた吉高由里子さんがとにかくキュートとしか言いようがなくて、ハンパじゃなく萌えてしまったというか。僕がこの映画一番良かったのは“1987年の祥子”でしたね~。先日発売された「よつばと!」の最新巻でも“おじょうさまごっこ”が流行っていましたけど、これからの時代、あらためて“お嬢様キャラ”を見直すべきなのかもしれませんな…(知った風な口調で)。


若干、挙動不審気味な世之介も良かったんですけど…。
三角絞めでつかまえて-横道世之介

最高だったのが祥子! この2人が仲良くなっていく様子は実に微笑ましかったです。
三角絞めでつかまえて-爆笑する祥子

念のため、“おじょうさまごっこ”に興じるよつばちゃんたちも貼っておきますね。。
三角絞めでつかまえて-おじょうさまごっこ


「“スゲー仲が良かったのに、いつの間にか疎遠になった友人”っているけど、今も記憶の中で生きてたりするよね (。・ω・)(・ω・。) ネー」的なテーマも良かったですよ。恥ずかしながら僕は大学に行ってませんけど、生きていく上で、そういう存在の人は誰にでもいるだろうし、自分が誰かのそういう存在であるかもしれないし…。もともと仲が良い友人が少なめな僕ですら、いろいろと思い出してしんみりいたしました。

ちょっと泣いちゃったのが、終盤の世之介と祥子のエピソード。2003年の祥子が、車内から「ホテルに向かう過去の2人」を目撃するシーンはね、なんとなく「サニー 永遠の仲間たち」の1シーンを連想したというか、自分の初体験を思い出してグッと来たというか…。「緊張して勃たなかったからって、気にスンナ (`∀´)ノ ポン」と過去の自分を慰めたい心境になったりもした次第(なんだこれ)。

あと、「世之介の母親(余貴美子)が写真を祥子に郵送→1987年に世之介がその写真を撮っていく様子が映し出される」というラストはスゲー泣いた!ヽ(TДT)ノ あれは“世之介が希望に向かって歩き出した瞬間”だったワケですけど、映像が実に良い感じなんですよね…(しみじみ)。正直、母親の手紙のナレーションは不要だったと思いますが(理由は後述)、「良い終わり方ダナー ( ;∀;) ヨカッタ」と、涙が止まりませんでしたよ。


この主題歌も素敵でしたな。




な~んて書きつつも、微妙に感じたところもありまして。僕的には、上映時間160分はキツかったです。もちろん長い映画もアリなんですけど、この映画の場合、沖田監督の“役者同士の会話の間で笑わせるオフビートな演出”と、“「世之介と出会った人の過去と現在描写」を数人分やらなくてはならない構成”との食い合わせが悪く感じたというか。あの世界観自体は嫌いじゃありませんが、途中で少し疲れちゃいました。最も好きだった祥子のパートですら、ところどころ「このシーンはカットしても良いんじゃないかな」と思ったりして。


祥子が恥ずかしがるシーンとか超可愛かったんですけどねー。
三角絞めでつかまえて-隠れる祥子


それと、これもあくまで僕の主観ですが、1987年の登場人物たちは世之介を初めとしてみんな魅力的に描かれていたのに、2003年になると“作り物”に見えてしまって。倉持(池松壮亮)は全然父親に見えないし、ゲイの加藤(綾野剛)の“オサレ暮らし感”は居心地が悪かったし、千春(伊藤歩)のラジオDJもスゲー微妙だったし…。なんか一気に冷めちゃいました。祥子に関しては逆というか、1987年のお嬢様振りがあまりにもファンタスティックすぎただけに、「あそこまで普通の人になっちゃったの!? Σ(゚д゚;)」と超ビックリ&ガッカリしましたね。

で、映画の3分の2ぐらいが過ぎたころ、世之介が2003年に死んだことが明らかになるワケですが(シーンは描かれないけど、そのニュースをDJの千春が読む)、その死に様が新大久保駅乗客転落事故をモデルにしていたのは、この物語に引用するには重すぎる気がします。原作の吉田修一先生的には思うところがあるんでしょうし、現実の事件をモデルにするなとは思いませんけど、必然性が感じられなくて、僕は全然乗れませんでした。

ラストも少し残念で、祥子宛の母親のナレーションを流すのは、世之介の人生がミニマムに感じられて好きじゃなかったです。リアルに考えると、映画に出て来た「ふとした拍子に世之介を思い出しました (o^-')b」な人たちだけじゃなく、“2003年の世之介”の身近にいた人たちだって存在するハズじゃないですか。いや、そういう話じゃないのはわかりますけど、1987年以降の世之介をまったく見せないまま、“祥子宛”のナレーションで世界を閉じちゃうと、なんか「世之介の人生って、1987年の後は事故以外に何もなかったの?」って感じたりもしたというか…。画面がスゲー感動的だっただけに、ナレーションとか流さない方が、世之介が自分の足で“その後の世界”を歩いて行った余韻が残ったと思うんですけど…って、面倒くさい文章を書いちゃいましたカネー (・ε・) スミマセン


このシーン自体は良かったんですけどねー。
三角絞めでつかまえて-感動的なラスト


ううむ、ダラダラと書いてしまいましたが、映画の雰囲気は好みだし、80年代懐かし描写もこれ見よがしじゃなくて良かったし、それなりには好きな映画でしたよ。僕的には時間の長さがネックというか、いっそのことドラマとかでやれば良かったような気がします。何はともあれ、僕の周囲には高評価する人の方が多かったりするし、主演の2人が魅力的なのは間違いないので、気になる人は観ても良いんじゃないですかね。




初めて観た沖田監督作。かなり好きです。
三角絞めでつかまえて-南極料理人ブルーレイ
南極料理人 豪華版 【完全生産限定】 [Blu-ray]


2本目に観た沖田監督作。こちらも結構好きですよ。
三角絞めでつかまえて-キツツキと雨ブルーレイ
キツツキと雨 ブルーレイ 豪華版 [Blu-ray]


吉田修一先生による原作小説。
三角絞めでつかまえて-横道世之介・原作
横道世之介 (文春文庫)


主題歌を貼っておきますね。良い曲だと思います。
三角絞めでつかまえて-今を生きて(初回生産限定盤)(DVD付)
今を生きて(初回生産限定盤)(DVD付)




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