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パターソン(ネタバレ)

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※今回の記事は、映画の感想とは関係のない文章がダラッと書かれているので、そういうのが苦手な人は読まない方が良いです。

<心底どうでも良い前書き>

当ブログをよく読まれる方なら「またこのパターンかよ… ('A`) ウヘェ」と高確率で辟易しそうな文章を書いておきますね。僕は「ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル(略称:タマフル)」というラジオ番組を愛聴していて、中でも週刊映画時評コーナー「ムービーウォッチメン」については、毎週課題となった映画を観に行くほど楽しんでいるワケですが、先週のガチャで本作に決まった時は、ごめんなさい、大きな舌打ちが出た (゚⊿゚) チッ 一応、「観たい映画の覚え書き」では△を付けたけどさ、それは前にジム・ジャームッシュ監督作をそこそこ観てたからなんとなく載せただけで、ハッキリ言って、本作への興味はゼロだったんですよね…(ここまでほぼコピペ)。

つーか、ハッキリ言って、できれば宇多丸師匠には僕が前売り券を買った映画や観に行く予定の作品を当ててほしいと心から思ってる。最近だと「スパイダーマン:ホームカミング」とか「HiGH&LOW THE MOVIE 2/END OF SKY」「ジョン・ウィック チャプター2」あたりは「ありがとう (´∀`=) スキヨ」と感謝した課題作品でして。その逆で「ザ・マミー 呪われた砂漠の王女」に関しては「どうでもいい作品を当てやがって!( ゚д゚)、ペッ」感が強かったなぁと。まぁ、僕の「いっそがっしい!いっそがっしい!( ゚∀゚)o彡゚」問題「まっくのうち!」コール風に)に関しては、近々あらためて自分自身に向き合いますけど、とにかく暇な時間がない中で、こんな何の興味も湧かない映画を観に行く余裕は精神的にも肉体的にもないザマス、ないザマス!ヽ(`Д´)ノ キィィィィィ!

って、書きながらも、アタシ、わかってる(マッチポンプ感の漂う文章)。近作を挙げるなら、「ありがとう、トニ・エルドマン」「セールスマン」を観る前のテンションもこんな感じだったけど、どちらもマジで観て良かったものね… (ノω・、) ヨカッタワー とは言え、正直なところ、「SING シング」「光をくれた人」のような”乗れなかったケース”もあるわけで、果たして本作はどうなのか? ヒヤヒヤドキッチョしながら(44歳の文章)、ヒューマントラストシネマ有楽町に足を運んだのでした。


HTC有楽町は、入り口に永瀬正敏さんのサイン入りポスターが貼ってあったりして。
永瀬正敏さんのサイン入りポスター

奥にはこんな展示がありましてね。
いろいろと展示

記事の切り抜きも大きめだった印象。「パブボード」って呼ぶ…のかな?
記事の切り抜き

「マーヴィンのワンダフル・ティーラテ」なんてオリジナルドリンクが販売されていたので、つい飲んじゃった。甘い!(ストレートな感想)
マーヴィンのワンダフル・ティーラテ

パンフを買ったら劇中に出てくるマッチがもらえたんですが、必ずもらえるというワケではないみたいなので注意!
特製『パターソン』マッチ

ちなみにHTC渋谷の展示はこんな感じで、新宿武蔵野館もなかなか派手だった様子
HTC渋谷の展示












パターソン

パターソン

原題:Paterson
2016/フランス、ドイツ、アメリカ 上映時間118分
監督・脚本:ジム・ジャームッシュ
製作:ジョシュア・アストラカン、カーター・ローガン
製作総指揮:オリバー・ジーモン、ダニエル・バウアー、ロン・ボズマン、ジャン・ラバディ
撮影:フレデリック・エルムス
美術:マーク・フリードバーグ
衣装:キャサリン・ジョージ
編集:アフォンソ・ゴンサウベス
サウンドデザイン:ロバート・へイン
詩:ロン・パジェット
出演:アダム・ドライバー、ゴルシフテ・ファラハニ、バリー・シャバカ・ヘンリー、クリフ・スミス、チャステン・ハーモン、ウィリアム・ジャクソン・ハーパー、永瀬正敏、ネリー
パンフレット:★★★★(800円/コラムが3本とインタビューが入ってて、デザインも素敵。1枚目の透明紙はカーテンのイメージかしらん
(あらすじ)
ニュージャージー州パターソン。街と同じ名前を持つバス運転手のパターソン(アダム・ドライバー)の1日は朝、隣に眠る妻ローラ(ゴルシフテ・ファラハニ)にキスをして始まる。いつものように仕事に向かい、決まったルートを走り、フロントガラス越しに通りを眺め、乗客の会話に耳を澄ます。乗務をこなすなか、心に浮かぶ詩を秘密のノートに書きとめていくパターソン。一方、ユニークな感性の持ち主であるローラは、料理やインテリアに日々趣向を凝らしている。帰宅後、パターソンは妻と夕食をとり、愛犬マーヴィンと夜の散歩、いつものバーへ立ち寄り、1杯だけ飲んで帰宅。そしてローラの隣で眠りにつく。そんな一見代わり映えのしない日常。だがパターソンにとってそれは美しさと愛しさに溢れた、かけがえのない日々なのであった……。(以上、Movie Walkerより)

予告編はこんな感じ↓




90点


「うらやましい… (´Д`;)」と思ったり。


僕の心境を代弁する泉宗一郎を貼っておきますね(「餓狼伝」より)。
うらやましい......


お話自体は、アメリカ・ニュージャージー州パターソンを舞台に、街と同じ名前のバス運転手パターソンの月曜日から始まる1週間を描いてまして。月曜日にお風呂を焚いて火曜日にお風呂に入るような一風変わった暮らし振りではなくて(不要な文章)、「朝6時半ぐらいまでに起きる→朝食はシリアルを食べる→運転席で詩を“秘密のノート”に書く&同僚の話を聞く→バスを運転する→乗客の話を聞いて笑ったりする→お昼はグレートフォールズを眺めながらお弁当を食べつつ詩を書く→仕事→帰宅→奥さんのその日の話を聞いてから一緒に夕食→愛犬マーヴィンと散歩に行く→馴染みのバーに立ち寄ってビールを一杯飲む→寝る(たまに奥さんとセックス)」ってな調子の地味めなエブリデイなのです。


パターソンを演じたアダム・ドライバー、ホッコリさせるムードを漂わせていて、素敵でしたな。
主人公パターソン

なんとなくホソナガおじさんが歌う1週間の歌を貼っておきますね↓




通販番組の影響で奥さんがギターを衝動買いしちゃったり、バスが電気系統のトラブルで故障したり、恋人にフラれた友人がオモチャの拳銃で自殺しようとしたので制圧したり…といったイベントが起きたりもするんですが、基本的にパターソンは同じように見える日常の情景を掬い取って、詩にしていきましてね。土曜の夜、マーヴィンが“秘密のノート”をズタズタにしちゃったので落ち込んだりもしたけれど、グレートフォールズの前で出会った日本人の詩人に「白紙のページに可能性が広がることもある ( ´_ゝ`) A-HA?」なんて言われて新しい”秘密のノート”をもらったので立ち直って、また月曜の朝を迎える…ってな調子で終わってましたよね、たぶん。


日本人の詩人を演じた永瀬正敏さん、なにこの人感が良かったです。
日本人の詩人

日本人の「( ´_ゝ`) A-HA?」を聞いて、安直に連想した曲を貼っておきますね↓




ジム・ジャームッシュ監督については、自分でも意外なんですけど(汗)、たぶん3分の1以上は作品を観てる(劇場で観たのは「リミッツ・オブ・コントロール」だけだし、どれも全然内容を覚えていないんですがー)。90年代半ばに付き合っていた佐藤さん(仮名)の影響で、ダラッとね。で、その時も別につまらなくはなかったけど、僕にとっては「でも、自分からは観ないカナー (ノ∀`) ゴメンネ」という感じだったんですよ。ただ、今回観てみたら、予想外にグッと来て驚いたというか。これは僕の映画リテラシーが少し上がった…というよりは、同じような“地味な1週間の日々”をちゃんとそれぞれ違う&面白く見せたこと(僕的には愛犬マーヴィンがポストを倒すシーンが好き)、しかも“詩”を美しく見せる手腕が見事だったこと、そして何よりも題材がストライクだったからなんじゃないかと。


マーヴィンを演じたネリー(♀)は、映画の公開前に亡くなったそうです… (´・ω・`)
マーヴィン


なんて言うんですかね、「人生、こんな風に生きられたらいいな」と思いました。普段は「KARATE KILL/カラテ・キル」のようなバイオレンス格闘アクションを好む僕ですよ、本作がどんな内容か知らなかったから、主人公がバスの運転を始めれば「バス運転手のパターソンがよそ見運転から通行人を轢き殺してしまって…?」とか、奥さんがギターを通販で買うとか言い出したら「後でパターソンがキレて、2人の関係性に亀裂が入るのだろうよ…」とか、犬の散歩中に若者たちから話しかけられると「犬を殺される→元海軍所属のスキルを活かして復讐がスタートする?」とか、“秘密ノート”が犬にボロボロにされた時は「温厚だったパターソンがとうとうブチキレて、元海軍のスキルを発揮して住民を皆殺し→『パターソンの怒りは大地の怒り、誰も止められんのじゃ… 川´_ゝ`) (゚Д゚し ババサマー』」とか、すぐ悪い方へ転がることばかり考えまくってたんですけど、そんなことはなく。多少のトラブルがあっても、スムースに収束して平穏なまま話が終わってしまうんですが、しかし。


不良っぽい若者たちの「ワンジャック」発言を耳にして、即「ジョン・ウィック」を連想したものの、何も起こらなくて。
ワンジャック!

双子が続々出てきた時も「シャイニング」的なことになるかとハラハラしたら、そうでもないというね。
続々出てくる双子


もし劇中でもっとイヤな出来事が起きていたとしても、パターソン自身の世界の受け止め方が変わらない限り、最終的に彼は平穏な心持ちで生きて行けるんじゃないか? そして、多くの人がそうであれば、助け合うことで世界は平穏になるのではないか?(日本の詩人がパターソンを助けたように) ううむ、僕がスゲー感じたのは、世界を肯定的に受け止めるって大事なんじゃないかと。大量に溢れていて「ゴミのようだ (▽∀▽)」と思えたりもする“人間”の命の1つ1つが奇跡的な確率で成り立つ存在だったりするように(by 「WATCHMEN ウォッチメン」)、たまたま隣りに座っていた人の話、仕事の移動中に観た景色、美味しくなかった夕飯などなど、平凡に見える日常だって、決して平凡ではなくて、人生を豊かにする材料はそこら辺に転がっているのかもしれない。

唐突に関係ない話を書きますと、先日、高須クリニックの院長がナチス賛美発言をして問題になってましたけど、不謹慎ながらもスゲー面白かったのは「あれほどの名声と金を持っている人なのに、承認欲求からいまだに逃れられない」ということでして。もちろんお金はとても大事だし、今から僕に無償で5億円くれるという方がいたらぜひお話を伺いたいところですが(@kamiyamazまでDMを!(o^-')b マッテルヨ!)、「お金じゃないんだな」と思って、少しラクになったんですよね(って、単に院長が目立っただけで、実際はお金で十分満足できているお金持ちが多い気もしますがー)。結局、「自分を充足させるのは、自分の心のあり方」でしかなくて、その1つの手段として、本作は詩作を提示していて。それってカッコいいなって素直に思えたし、そう思わせてくれたジム・ジャームッシュ監督のことも前より好きになったし、今、この気持ちで過去作を観直したら、もっと心に刺さるかもしれないな…なんて思ったりした次第。


正直、またこうやって奥さんと一緒のベッドで寝られたら…って、シンミリしたりもしてね。
一緒に寝る2人

なんとなく「人生フルーツ」の老夫婦を思い出したりもしましたよ。




あと、僕は「詩を書く」という行為に憧れがあって、そういう部分でもこの映画は大好きでした。パターソンが紡いでいく言葉が彼の筆跡で画面に流れていて、情景も重ねられたりしてとても美しかったし、自分にはない部分だから、うらやましかった。数年前、「ポエトリー アグネスの詩」「砂に咲く花」の影響で、1年間だけ詩を書くブログを更新してたんですが、結局、全部消してしまったのは、あまりに才能も何もないからで。昔、宇多丸師匠がしまおまほさんの著書「ガールフレンド」の「タクシーから帰っている時のこと」を情感豊かに書いたエッセイを褒めていて、それを聴いた僕もブンブン頷いた記憶があるんですけど(とは言え宇多丸師匠だってそういうリリックを書ける方だしね)、詩の心がある人は、本当に些細なことを美しく、面白く思えたりして、そういう部分に感動するし、嫉妬する。なんかね、そう考えるとパターソンも単なる天才であって、まったく同じように生きられる気がしないというか、松本梢江とセックスしただけで格段に強くなった範馬刃牙を見た時の花山薫のように「そこいらを散歩するだけで素敵な詩が書けるんだろうぜ」なんて気持ちになる…って、詩的な表現より刃牙ネタがスムースに浮かぶ自分がイヤなの… (ノω・、) ナンダコレ


スムースに浮かんだ花山薫の画像を貼っておきますね(「バキ」より)。
そこいらを散歩するだけで

僕の心境を代弁する阿久津典子の画像を貼っておきますね(「いつかティファニーで朝食を」より)。
三角絞めでつかまえて-こんな自分が嫌なの...


そんなワケで、僕は詩を書く繊細さをどうしても持てないし、ブロガーとしても伊藤聡さんとかと比べたら雑魚レベルの文章力だし、どうしようもなくて死にたくなったりするものの、「書きたいことを書くことで、ストレス発散になる上に脳内を整理できる」というメリットがあるのでね、文章を書くのがとても好き…というJI-BU-N-GA-TA-RI!m9`Д´) ビシッ 以上、こんな面倒くさい文章をダラダラダラダラと書かせるぐらいに本作は素敵な良い映画であって、なんかね、よくわからないけど大好きだったしオススメします。おしまい。




劇中でも語られるウィリアム・カーロス ウィリアムズによる詩集。



「ユリイカ」の特集号でございます



2009年に観たジム・ジャームッシュ監督作。全然覚えてないけど嫌いではなかったような… (´Д`;)



永瀬正敏さんと工藤夕貴さんが出演しているジム・ジャームッシュ監督作。まったく覚えてないYO!ヽ(`Д´)ノ









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