スイス・アーミー・マン
原題:Swiss Army Man
2016/アメリカ 上映時間97分
監督・脚本:ダニエルズ(ダニエル・シャイナート、ダニエル・クワン)
製作:ローレンス・イングリー、ジョナサン・ワン、ミランダ・ベイリー、アマンダ・マーシャル、エヤル・リモン、ローレン・マン
製作総指揮:ギデオン・タドモア、ジム・カウフマン、ウィリアム・オルソン
撮影:ラーキン・サイプル
美術:ジェイソン・キスバーデイ
衣装:ステファニー・ルイス
編集:マシュー・ハンナム
音楽:アンディ・ハル、ロバート・マクダウェル
出演:ポール・ダノ、ダニエル・ラドクリフ、メアリー・エリザベス・ウィンステッド
パンフレット:★★★☆(720円/頑張ってる作り。メニーの解説ページや、松居大悟監督と門間雄介さんの対談が良かった!)
(あらすじ)
遭難して無人島に漂着した青年ハンク(ポール・ダノ)は、絶望して命を断とうとしたとき、波打ち際に男の死体(ダニエル・ラドクリフ)が打ち上げられているのを発見する。死体からはガスが出ており、浮力があることに気付いたハンクは意を決し、死体にまたがり無人島脱出を試みるが……。(以上、映画.comより)
予告編はこんな感じ↓
70点
※この記事は「シグマ15」に従って書いています。
どこの劇場だったかは忘れたんですが、予告編を見て「死体が便利ツールになる」という発想に驚きまして。非常に気になったので前売り券を購入するも、なかなか足を運べなかった…というお馴染みのパターン。で、公開から1ヵ月以上経った11月上旬、角川シネマ新宿で観て来ました。「そんなふうに考えていた時期がオレにもありました ( ´_ゝ`)」と思ったり。
劇場は狭い方でしたが、ほぼ満席でしたよ。
なんとなく達観したムードの範馬刃牙を貼っておきますね(「バキ」より)。
映画仲間のサイモンさんに指摘されるまで、タイトルが「スイス・アーミー・ナイフ」から来ていることにまったく気付かなかった…ということは置いとくとして(主人公がスイス兵なのかと思ってた (*ノ▽ノ) キャッ)。無人島で自殺を図っていた主人公が便利な死体と出会うことでサバイバルしていく話かと思いきや。冒頭の死体ジェットスキーの場面も含めて、たぶんほとんどが主人公の脳内の話っぽいというか。結局、片想いだった人妻の自宅近くにいたのもストーカーっぽくて、彼女の家の近くで自殺を図ろうとした時に死体を見つけて、「ぬいぐるみ療法」的な効果で前向きになった…ってことなのかなと。本当にね、ポール・ダノは繊細なダメ人間を演じるのがスゲー上手くて、終盤、隠し撮りした写真が人妻にバレて森へ逃げるシーンの居たたまれなさは100点でしたよ(最初から森を彷徨ってたんじゃなく、森に逃げ込んでたのでは?)。あと、ダニエル・ラドクリフ演じる死体の便利振りは確かに愉快だったし、2人が廃材を使ったバスを作るとともに友情も築いていくくだりは少し涙が出たし(あのバス、森に捨ててあった物を本当に利用して作ったそうな)、腐女子的にはたまらないだろうな…なんてことを思ったりもした次第。ちなみに「ダニエルズ」はMV出身の監督タッグだそうで、パンフで門間雄介さんが紹介されていたPVやショートムービーは本当に“良いセンス”を感じさせるものばかりだったのでね(「My Machines」とか「Houdini」とか「Interesting Ball」とか)、これから要チェックの人たちという気がするような、しないような。
死体の便利振り&2人の仲良し振りを見ているだけで、結構満足できる映画だったり (´∀`=) ウフフ
現在、すっかり中年になった僕ですが(苦笑)、孤独をこじらせたことは何度もあって。「きっと誰にも愛されないんだ… (iДi) ウェェェェェ」なんて、夜中に枕を抱きしめながら涙したころとか思い出して、スゲー懐かしかった。だからこそ、死体がオナラを噴出して海の彼方へ去って行くラストにも感動したし、本当に良い映画だなぁと思ったんですけれども。警察官時代、何体も死体を扱った身としては、「死臭に耐えられないよな」なんて冷静に思うところもあったので、70点という着地。僕ももう45歳、ナイーブな“自分探し映画”に100パーセント共感する歳でもないのです(昨年、「何者」を年間ベスト2位に選んだ男の文章)。何はともあれ、今もユジク阿佐ヶ谷などで上映されていたりするので、ポール・ダノやダニエル・ラドクリフ、ちょっと変な映画などが好きな人は観に行っても良いんじゃないかしらん。
デジタル盤のサントラ。国内盤や輸入盤
、アナログ盤
もあります。
なんとなく連想したライアン・ゴズリング主演作。僕の感想はこんな感じ。
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スイス・アーミー・マン(ネタバレ)
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