夜間もやってる保育園（ネタバレ）

夜間もやってる保育園



2017／日本　上映時間111分
監督・プロデューサー：大宮浩一
企画：片野清美
プロデューサー：片野仁志、木下繁貴
監督補：田中圭
撮影：遠山慎二、前田大和
編集：辻井潔
音響デザイン：石垣哲
ナレーター：石川宗孝
ボーカル：井塔由梨
出演：「エイビイシイ保育園」の人たち、他
パンフレット：★★★★（700円／某映画評論家による評の２億倍はタメになるコラムが載っております）
（解説）
待機児童が大きな社会問題となる中、多様な働き方や家庭の事情に対応するべく、現在全国に約80カ所の認可夜間保育園が存在している。本作では、完全オーガニックの給食による食育や療育プログラム、卒園後の学童保育など独自の試みを続けている新宿区の24時間保育園「エイビイシイ保育園」を中心に、北海道、新潟、沖縄の保育現場を取材。様々な事情から子どもを預ける親や、保育士たちの葛藤と喜び、子どもたちの生き生きとした姿など、制度や数字からだけでは知ることのできない現実を通し、社会のかたちを浮かび上がらせていく。（以上、映画.comより）

予告編はこんな感じ↓




80点


いろいろと憎悪が迸りすぎて３回ほど書き直した文章をアップしておきますよ。児童養護施設「光の子どもの家」を取り上げた映画「隣る人」が大好きというのもあって、なんとなく前売り券を買っちゃいましてね。11月下旬、横浜のシネマ・ジャック＆ベティにて、「全員死刑」と連続鑑賞してきました。とても良いドキュメンタリーでしたよ。ザッと書くと、新宿にある24時間保育園「エイビイシイ保育園」を中心に、日本各地にある「夜間保育園」の実態を映しつつ、そこで働く保育士さんや、子どもを預けている親御さんたちのインタビューが流れる…って構成。恥ずかしながら、本作を観るまでは「夜間保育園」の存在すら知らなかったので（汗）、非常に勉強になりました。一応、オチを書いておくと、大きくなった卒園生たちが「エイビイシイ保育園」に訪れて、「保育園で働きたいナー (´∀｀し ｳﾌﾌ」ってな調子で終わってたんじゃないかしらん。


劇場にあった記事の切り抜き。お客さんは10人ぐらいはいた気がします。



なんて言うんですかね、そもそも保育園に預けること自体、意識の高いバカが非難したり揶揄したりすることがあって。さらに「夜間に預ける」なんて言ったら、ごめんなさい、世間的には「肩身の狭さ、倍！m9`Д´) ﾋﾞｼｯ」ってところじゃないですか。でも、そんな中、いろんな人たちが自分の状況について話していてね。ちゃんと顔を出してこういうドキュメンタリーに出るってとても勇気がいることだと思うし、監督が真摯に向き合ったからなんだろうなって。個人的には北海道の水商売で働くお母さんにグッときました (´∀｀) ｺﾉﾐ　「エイビイシイ保育園」の片野清美園長がスゲー頼れるムードながらも、今でもちゃんといろいろな人から学んでいるあたりは、「カンフー・パンダ」の“師匠が師匠の教えを請う場面”を連想したりしましたよ。


「エイビイシイ保育園」を中心に、さまざまな場所の夜間保育園が登場してました。


頼れるオーラ全開の片野清美園長は今でも勉強熱心でして。しかも、家庭を捨てた過去があったというね…。



まぁ、ちょっとネットで検索したら「なぜそこまでして夜預けるのか。ほかに仕事はないのか、分担できないのか、考慮したことはないのか」といった疑問を書いている人がいたんですが、当事者はそんなことはすでに通過済み…って考える方が普通じゃないかと。「給料はいくらなのか、生活費の内訳はどうなのか」とかが気になる人もいましたけど、そんなことも別にどうでも良いんじゃないですかね。本作はさ、「“夜間もやってる保育園”が増えたら、助かる人たちがもっと増えるんじゃないか？」とか「地域社会が子育てを助けることの大切さ」といったことを伝えようとしている映画であり、一番大事なのは夜間保育園への偏見を減らすことであって。そういう点では大宮浩一監督、非常に良い仕事をしたんじゃないでしょうか。唯一の不満は「見上げてごらん夜の星を」を２回流す演出で、スゲー泣いたけど、あざといなぁとも思ったり (ﾉ∀T) ﾝﾓｩ!


「見上げてごらん夜の星を」が流れた瞬間の僕の気持ちを代弁した加藤清澄を貼っておきますね。



そんなワケで、深夜営業の商売やら何やらが当たり前のように存在している昨今、そのサービスを享受しておきながら、「子どもを夜間に預けるなんて！(｀∀´) ｹｹｯ」とか偉そうなことを言いだす奴は即座に舌を噛んで死ぬべきだし、もっと夜間保育園が増えると良いなぁって思いました（小並感）。いや、本来なら僕だってこの社会を変えるために“何か”を始めるべきなんでしょうけどね…。もしこの駄文を読んだあなたが本作に興味を持って映画館（ポレポレ東中野とか）に足を運んで、さらに心を動かされたのなら、“何か”していただけるととてもありがたいです。そう、あの鐘を鳴らすのはあなたなのかもしれませんーー（サラリと押し付ける文章）。






大宮浩一監督が民間福祉施設の介護の現場を撮ったドキュメンタリー。



夜間保育についての本。タメになりそうですな。



片野清美園長によるエッセイ。中古本が高騰しております。



大宮浩一監督、この作品のセカンド助監督だったそうな… (`Δ´;) ﾇｩ



この映画の「見上げてごらん夜の星を」が流れる場面は凶悪のひと言。僕の感想はこんな感じ。