鋼の錬金術師
2017/日本 上映時間133分
監督・脚本:曽利文彦
原作:荒川弘
脚本:宮本武史
製作:高橋雅美、松浦克義、藤島ジュリーK.、井上肇、吉崎圭一、大村英治、岩上敦宏、細野義朗、高橋誠、荒波修、宮崎伸夫、河合俊明
エグゼクティブプロデューサー:濱名一哉
プロデューサー:藤原弓子
協力プロデューサー:丸山博雄
ラインプロデューサー:吉田浩二
撮影:橋本桂二
照明:石田健司
美術:清水剛
装飾:岩井健志
衣装デザイン:西原梨恵
音響効果:笠松広司
整音:笠松広司
録音:田中博信
VE:阿久津守
VFX:松野忠雄
編集:洲崎千恵子
音楽:北里玲二
主題歌:MISIA
助監督:副島宏司
記録:甲斐哲子
制作担当:坪内一
出演:山田涼介、水石亜飛夢、本田翼、ディーン・フジオカ、蓮佛美沙子、佐藤隆太、小日向文世、大泉洋、夏菜、原田夏希、松雪泰子、本郷奏多、内山信二、國村隼、石丸謙二郎
パンフレット:★★★☆(820円/しっかりした作りで読み応えがあるパンフ)
(あらすじ)
物質の構成や形状を変化させて新たなものに作り変える「錬金術」が存在する世界。幼い兄弟エドワードとアルフォンスは、死んだ母を生き返らせたい一心で錬金術最大の禁忌である人体錬成を行なうが失敗し、その代償としてエドワードは身体の一部を、アルフォンスは身体全てを失い鎧に魂を定着させた姿になってしまう。数年後、国家錬金術師の資格を得たエドワードは、失った身体を取り戻すため、絶大な力を持つという「賢者の石」を探す旅に出る。(以上、映画.comより)
予告編はこんな感じ↓
70点
※今回の感想は、原作LOVEな人や本作が嫌いな人は不快になる恐れがあるので、気をつけて!
「鋼の錬金術師」に関しては、原作漫画の連載中から気にはなっていたものの、「月刊連載を追うのはストレスが溜まる→完結して単行本になったら読もう→結局、読んでない」という状態でしてね(つーか、そういう漫画がたくさんある…)。ただ、今回の実写化については、劇場で予告編を観た段階で「ないなー (´∀`)」と思って、スルー予定だったんですけれども。先日、練馬の「か和もっち」で映画好きな方々と飲んだ時、ついディスってしまって。その後、「観ていない作品を悪く言うのはダメだったな… (´・ω・`)」と反省して、お詫びとして前売り券を購入。12月上旬の公開翌週、TOHOシネマズ新宿で観て来ました。「これも悪くない ( ´_ゝ`)」と思ったり。
公開翌週の7番スクリーン、8割ぐらいは埋まってました。
入場者特典として第0巻をもらいましたよ。
ちなみに、新宿ピカデリーには等身大(?)のアルがいたりして。230センチはあるんじゃないかな。
鑑賞後の僕の気持ちを代弁するグレート巽の画像を貼っておきますね(「餓狼伝」より)。
映画を観たらネットのポスター画像には載っていなかった“金髪の小僧”が主人公だったから驚いた…というわざとらしい文章は置いとくとして。予想以上に楽しめてビックリしました(失礼な文章)。世間で疑問視されている「外国人っぽいキャラを日本人が演じること」に関しては、実写版「進撃の巨人」に90点を付けたり、「ラッキー」なんて名前の獅子座出身の男が活躍するテレビ番組を毎週観ていたりするワケですから、ノー問題でして(苦笑)。僕的には、一番危惧していたVFX関係やアクションが結構頑張っていた印象。そりゃあ「真理の扉」に行く時のトリップシーンは“「ドクター・ストレンジ」の映像表現を観た後”としてはガッカリしましたけど、弟アルフォンス(水石亜飛夢)の鎧の実在感とか、アクションシーンのCGなどは迫力があったし、残酷なシーンもあったりしたし、「日本でもこのぐらいはできるんだなぁ」と感心しましたよ。
撮影風景の動画を貼っておきますね↓
それ以外では、「賢者の石の材料が人間だった」という展開は衝撃的だったし、最後の「(アルの肉体を復活させるために)賢者の石を使わない」という選択も良かった。ホムンクルスたちも強そう&冷酷で(内山信二さんは除く)、「さっさと殺せばいいのに」と思うシーンもなくはなかったけど、結構好きでしたね。後半、鋼の錬金術師エド(山田涼介)がそれほど活躍しなかったのはビックリしましたが(壁を作ったりするだけ)、炎の錬金術師マスタング大佐(ディーン・フジオカ)がラスト(松雪泰子)を何度も燃やして倒すシーンは実にカッコ良かったです。
賢者の石の設定は、かなり好きでしたね。
マスタング大佐、美形のポール牧さんって感じでグッときました(ファンが怒りそうな文章)。
とは言え、それなりに不満もあって。笑っちゃったのがクライマックスで、広間に入れば「賢者の石の錬成陣」が床に書かれていて、少し上を見れば大量の賢者の石があって、さらに天井を見上げれば変なものが大量にぶら下がっているのに、エドはすべて言われるまで気付かないから、「バカなの? (゚Д゚)」と(国家錬金術師として、いろんな任務をこなしてきた人間の洞察力とは思えない)。その他、「エドが『軍の汚れ仕事をやってきた』みたいなことを言うけど、軍人がいい人揃いなので、そんなに汚れ仕事をやってきたように見えない」とか「賢者の石で作った兵士たちの弱さ(作る必要、なくね?)」とか「黒幕だったハクロ将軍(小日向文世)がバカっぽい」とか「で、タッカー(大泉洋)は何がしたかったの?」とか「この戦闘力が低い女、いちいちウゼぇな…」とか「内山信二さんはちょっとキツかったなー」とか「エドの年齢からすれば生えててOKだけど、わき毛は処理してほしかった…(むしろサービス?)」とかとかとか。
原作ファン的にどうなのかはわかりませんが、内山信二さんは内山信二さんにしか見えなくて、キツかったです。
それと、乗れなかったのがキメラのくだり。「タッカーが国家錬金術師になるために作った“人語を話すキメラ”は奥さんや子どもを使って作っていた」というヘビーな展開があって。キメラが「死にたい」って言って死んだ時点で人間をベースにしたのが想像つく…というのは良いとしても。原作漫画だとスムースに飲み込める展開なのかもしれませんが、「錬金術=科学」というなら、どうやって作ったかを明かさないのはおかしいし、再現性が重視されるんだから、もう一度作れない時点で相当怪しまれるんじゃないの? 「自分の妻子をキメラにした」というブラックな展開自体は大好物だけど、ずいぶんザルな話だなぁって思ったし、その後のダラダラした会話シーンは見せ方が平板すぎて(僕はそういうの気付かない方なのに!)、かなりイラッとした次第。
タッカー、「君のような勘のいいガキは嫌いだよ」とか言ってましたが、誰でも気付くと思ったり。
そんなワケで、不満も多々あったけど、トータルすると観に行って良かったというか、普通に楽しかったです (・∀・) ヨカッタ! VFXやアクションは頑張ってたと思うけど、映画自体のクオリティが高いワケではないし、原作ファンでは怒っている人も多いので(原作未読だけど、わかる気がする)、決してオススメはしませんが…。モロに続きを臭わせる終わり方をしていたということで(死んだホムンクルスの死体から何か出てた)、もし続編が公開されたら観に行くと思います、たぶん。
荒川弘先生による原作漫画。第0巻が面白かったので、時間とお金に余裕ができたら読みます!
映画のノベライズが出てましたよ。
曽利文彦監督の漫画実写化作品で一番良いのはこれですかね、やっぱり。
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鋼の錬金術師(ネタバレ)
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