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犬猿(ネタバレ)

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※今回の感想は、映画とは関係のない文章が多々書かれているので、モルモット吉田さんの批評とか読むと良いんじゃないかな。

<どうでも良い前書き2018>

吉田恵輔監督については「『さんかく ネタバレ』というキーワードで検索してこのブログを訪れる人が多いから」という理由で「さんかく」を観に行って以来のファンではあるし、一昨年の「ヒメアノ〜ル」も超素晴らしかっただけに(でも、一番好きなのは「麦子さんと」)、「犬猿の仲」ということわざから引用したタイトルの本作もそりゃあ気にはなったんですけれども。「不仲な兄弟&姉妹が対決するっぽい」という内容を耳にして、姉が2人いる僕的には、結構面倒くさい心理状態に陥りそうでイヤだなぁと。

つーか、例えば「デトロイト」とか、文句ナシのスゴイ映画だったけど、「あのタイミングで観なければ良かった… ('A`)」と後悔するところもあって(まさかあそこまでヘビーな映画だとは思わなんだ)。今の僕は仕事も上手くいってないし、先行きも不安だし、特に1人でいる時は情緒不安定気味なので、わざわざ金を払ってまでダウナーな気分になりたくないのです。だから、本作はスルーするつもりだったのに、愛聴しているラジオ番組「ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル」の週刊映画時評コーナー「ムービーウォッチメン」の課題映画になっちゃいましてね…(遠い目)。ちくしょう、宇多丸師匠の批評は作品を観てから聴いた方が面白いということで、昨日、ユナイテッド・シネマ豊洲にて、「マンハント」とハシゴ鑑賞してきたのでした。

2番スクリーン、10人ぐらいはいたような。まぁ、夕方の上映だしね。


つい、劇場で売ってた31アイスを食べながら鑑賞しちゃった (´∀`) ゼイタク









犬猿



2018/日本 上映時間103分
監督・脚本:吉田恵輔
製作:間宮登良松、村田嘉邦、太田和宏、入江清彦、平体雄二
エグゼクティブプロデューサー:加藤和夫、村上比呂夫
プロデューサー:佐藤現、近藤あゆみ
音楽プロデューサー:津島玄一
キャスティングディレクター:杉野剛
撮影:志田貴之
照明:疋田淳
録音:田中博信
美術:寺尾淳
編集:川村紫織
音響効果:松浦大樹
音楽:めいなCo.
主題歌:ACIDMAN
助監督:松倉大夏
製作担当:森太郎、本田幸宏
脚本協力:仁志原了
出演:窪田正孝、新井浩文、江上敬子、筧美和子、阿部亮平、木村和貴、後藤剛範、土屋美穂子、健太郎、竹内愛紗、小林勝也、角替和枝
パンフレット:★★★★(700円/表紙と中面の大きさを変えて、主人公たちの顔がずっと見える仕様がユニーク。記事は少ないけどクオリティは高め)
(あらすじ)
印刷会社の営業マンとして働く真面目な青年・金山和成は、乱暴でトラブルばかり起こす兄・卓司の存在を恐れていた。そんな和成に思いを寄せる幾野由利亜は、容姿は悪いが仕事ができ、家業の印刷工場をテキパキと切り盛りしている。一方、由利亜の妹・真子は美人だけど要領が悪く、印刷工場を手伝いながら芸能活動に励んでいる。そんな相性の悪い2組の兄弟姉妹が、それまで互いに対して抱えてきた複雑な感情をついに爆発させ……。(以上、映画.comより)

予告編はこんな感じ↓




85点


「さすが (´∀`;)」と思ったり。


鑑賞直後の僕の気持ちを代弁する範馬刃牙を貼っておきますね(「範馬刃牙」より)。



まず、映画館ではお馴染みの“観客を映画泥棒扱いするCM”が流れた後、「恋する君の隣には」(略称「恋とな」)なんて“いかにも女子中高生向けっぽい作品”の予告編が始まりまして。ユナイテッド・シネマ系列では、企業CM→映画予告編→マナーCM→本編というのが通常運転なだけに、猫の額よりも狭い心の持ち主である僕的には「SING シング」の時のように激怒した…のではなく。この日は午前中の営業が上手くいって上機嫌な上に、本作の前に観た「マンハント」が愉快だったし、ラーメンつけめんカルビ重を摂取してから31アイスを食べて多幸感に溢れていたのもあって、「娘(6歳)が成長したら、こういう作品を観たいとか言いだすのカナー (´∀`) ウフフ」なんて菩薩気分だったのだから、「精神的な余裕」って大事ですよね(知った風な口調で)。ところが、これはフェイク予告編だったから、まんまと騙されましたよ (ノ∀`) ワタシマケマシタワ


何気にクオリティが高い「恋とな」の予告編。本編の主役の1人・真子が一般人役で出ているのです。



そこからのストーリーを雑に書くと、印刷会社の営業として働く真面目な弟・和成の元に、強盗罪で服役していた凶暴な兄・卓司が出所→家に転がり込んできまして。そんな中、下請けの印刷工場の社長・由利亜が和成に恋をするも、芸能界での成功を目指す妹の真子に獲られてしまって…的な感じ。で、卓司が怪しいビジネスで成功して和成が嫉妬したり、和成への片想いをこじらせる由利亜を真子がバカにしたので彼女が出演した着エロDVDを親戚の前で流したり、ビジネスが違法だと発覚して指名手配された卓司が和成の家にまた転がり込んできたりと、いろいろあった結果、ハードに本音をぶつけ合う兄弟&姉妹ゲンカが勃発! 関係の修復は不可能かと思いきや、“今まで暴力を振るってきた奴ら”に卓司が襲撃されて瀕死となり、由利亜はリストカットを実行し、和成も真子もちゃんと119番に通報して(和成は見捨てようかと迷う)、感動的に仲直り。とは言え、日常が戻ってしまうと、結局は相手にイライラするというね (`Δ´)(`Δ´ )川`Δ´)(`Δ´し ドンドコドコドコ...


刑務所帰りの兄のせいで弟はイラつく毎日がスタート。


そして姉の片想いをキッカケに、姉妹の仲も険悪になりまして。


最後は兄弟も姉妹もにらみ合って終わるというね。



感想を偉そうに書くと、本作は今まで観た吉田恵輔監督作の中で、最も完成度が高いように感じたというか。監督が脳内で思い描いたビジョンをキッチリ映像化した雰囲気がビンビン伝わってきて、監督が「今までの撮影でいちばん楽でした」というのも納得しましたよ。パンフのコラムで映画評論家の宇野維正さんが「『人生とは基本的に不平等なものだ』ということを描いてきた」と書かれていて、なるほどと思ったんですが、そのテーマを兄弟&姉妹の関係に置き換えたことでよりわかりやすくなっていて。しかも、家族のドロッとした愛憎劇の割には意外とサラッとしていて笑える場面が多いのも相変わらずで(チャーハンとか、江上敬子さん絡みのシーンが特に良かった!)、「胃がキリキリするようなコメディの名手」(by 宇多丸師匠)ということをあらためて実感いたしました。


一番笑ったのは江上敬子さんのゲロ噴出シーンで、「シグルイ」のこの場面を連想したし、虎眼流を嘲笑うことなど不可能であった。



つーか、脚本が本当に上手い。真面目そうな弟は、本音を隠すのが得意だから誠実に見えるだけで、実は印刷工場にはずっと迷惑をかけるだけだし、兄を利用してチンピラたちを威圧して生きてきた卑劣漢っぽいけど、でもやっぱり両親のことを思って行動してきた良い面もあるワケだし、粗暴な兄だって結局は弟への思い入れがあるから助けてきたし、今でも会いに来てしまうんだしと、登場人物たちが一面的ではないんですよね。回想シーンで「姉が妹に女優の道を勧めていた」ことを明かすわ、「お前さぁ…子どものころ…オレのこと好きだったんだよ… (´Д`;)」なんて「兄弟あるある」な台詞を感動的に入れてくるわ、その上で「兄弟と姉妹が険悪になって終わる」という少し意地悪な着地にするわと、もうね、「天才か」と。とにかく「良く出来てる」と感心いたしました。


この回想シーンの入れ方とか、ベタだけど泣きすぎて勘弁してくれと。


「お前さぁ…子どものころ…オレのこと好きだったんだよ…」のシーンも涙が止まらなかったんですけれども。


兄を見捨てなかった弟に対して、僕は鎬紅葉気分にもなった…というどうでも良い文章(「グラップラー刃牙」より)。



主要キャスト4人の演技も本当に良くて。そりゃあ新井浩文さんの実力は言うまでもなく100点だったし、「デリヘルでノーチェンジ」の姿勢は「チェンジ or ダイ」がモットーのアイスに見習ってほしかったし(いろいろと間違っている文章)、窪田正孝さんもピリピリしたムードが素晴らしかった。そして今回が初めての映画出演という江上敬子さんも「これから映画やドラマに引っ張りだこだろうな〜」と思うほどに見事だったんですが、僕的にグッときたのが筧美和子さん。正直、全然意識したことがなかったんですけど(「劇場版 仮面ライダードライブ サプライズ・フューチャー」に出てたのも気付かなかった)、今回の役は彼女にとって“若干のメタ要素”がある意地悪なキャスティングであり(もちろん設定よりもはるかに人気のあるタレントさんですがー)、「胸がデカいだけで、特に何もない」的なことを言われたりとか、着エロDVDのシーンがあったりとか、結構キツかったんじゃないかなぁと。なんかね、これからの彼女を応援したくなったし、すみません、あの着エロDVDがほしいです… (´Д`;) ダイナシ


吉田恵輔監督はキャスティング力もスゴいなぁと。筧美和子さん、ツイッターをフォローしちゃった♪(45歳の文章)



もしかすると「一人っ子だから楽しめないのでは… (´・ω・`)」と危惧する人がいるかもしれませんが、そんなことはなくて。要は「身近な誰かを自分と比較して、嫉妬したり、苛立ったりする」という人間関係がテーマだから、誰にでも当てはまる普遍的な話なんですよね。例えば、「自分は悪口を言うけど、他人に貶されるとイラッとする」とか、兄弟がいなくても普通に「あるある」って思うでしょうし(僕的には「自分はジャン=クロード・ヴァン・ダムにダメ出ししながらも、他人が低評価を付けているとイラッとする」的な?)。とは言え、やっぱり「兄弟あるある」的な要素もあって、「生意気な口を叩いた弟が、兄に反撃されると『許して…』と2秒で心が折れるシーン」とかはね、在りし日の長姉と己の関係を思い出してゲッソリしたのでしたーー('A`) アルアル


鎬紅葉のこの感情は、兄弟以外の人にも抱きますわな。


ただ、「兄ちゃんが守ってやるからな!」的なこととか…。


「兄ちゃん、許して」などは「兄弟あるある」では…って、今回は鎬兄弟の出番が多いな (`Δ´;) ヌゥ



一応、不満も書いておくと、監督がパンフで取り上げていた「おとなのけんか」のように、クライマックスのケンカは主人公4人が同じ場で炎上すると思ってたので、別々の場所でケンカが勃発したのは、少し拍子抜けしましたよ。それと「結局、口ゲンカして険悪なムードで終わる」というオチに関しては、あそこまで言い合えるなら、それほどバッドエンドにも思えなくて、決して嫌いじゃないんですけど…。ちょっと予想の範囲内というか、僕的にはもっと違う展開が観たかったなぁと。例えば、弟が部屋に戻ったら、兄はすでに死んでいて、「兄貴の仇は俺が討つ」と、復讐のビジランテと化す…なんて展開、君はどう思う?(唐突な問い掛け)


ごめんなさい、実はこの鎬昂昇が貼りたいだけでした。



ううむ、ダラダラと書いちゃいましたけど、そんなワケでスゲー面白かったので、キツめのコメディが好きな人はぜひ観に行くと良いザンス。まぁ、最後に自分のことを書いておくと、僕は「それでも家族なんだから」という言葉を心底嫌悪していて、人間関係で縛るのも縛られるのも大嫌いなので、家族関係で悩む人は前向きに距離を置いて、最悪、縁を切れば良いと思っていて。そして現在、長姉とも次姉ともそれなりに仲良しですが、万が一、長姉がまた僕の心を折ろうとしたら、比喩表現ではなくマジでその場で首を折って殺すつもりでございます。な〜んて、物騒な文章を書いて(苦笑)、この感想を終わりますネ (ノ∀`) テヘ




ACIDMANによる本作の主題歌でございます。



吉田恵輔監督の前作。僕の感想はこんな感じ



一番好きな吉田恵輔監督作。僕の感想はこんな感じ











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