殺人者の記憶法 新しい記憶
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原題:Memoir of a Murderer:Another Memory
2017/韓国 上映時間128分
監督・製作:ウォン・シニョン
製作:ユ・ジョンフン
製作総指揮:ユ・ジョンフン
原作:キム・ヨンハ
脚本:ファン・ジョユン
撮影:チェ・ヨンファン
美術:イ・ジョンゴン
編集:シン・ミンギョン
音楽:キム・ジュンソン
出演:ソル・ギョング、キム・ナムギル、キム・ソリョン、オ・ダルス、ファン・ソクチョン、キル・ヘヨン、イ・ビョンジュン、キム・ミンジェ
パンフレット:なし
(解説)
韓国を代表する演技派俳優ソル・ギョングの主演で、アルツハイマーにおかされた元殺人犯が、新たに出現した殺人鬼と対峙する姿を描いたサスペンスミステリー「殺人者の記憶法」のストーリーが異なる別バージョン。主人公のアルツハイマーの元連続殺人鬼ビョンスと、新しい殺人鬼テジュの激しい攻防をさらに詳しく描き、周囲を欺き一般社会に溶け込んでいる様子のテジュや、ビョンスから鋭い殺意を感じて疑惑の目を向ける警察官ビョンマン、そして事件の顛末を明らかにしようとする検事といった新しい場面が多数追加されている。(以上、映画.comより)
一応、「殺人者の記憶法」の予告編を貼っておきますね↓
70点
※ああん、今回の感想は「真実の行方」
や「ユージュアル・サスペクツ」
、「ジャン=クロード・ヴァン・ダム/ファイナル・ブラッド」
のネタバレに触れているんですが、どれもネタバレを知っちゃうとつまらない映画なので、未見の人は読んじゃダメ絶対!
2月半ばに「悪女」を観に行った時、本作のポスターを見つけましてね。「わざわざ違うバージョンが公開されるなんて、面白い映画なのでは!Σ(°д° ) クワッ」と思って、2月下旬、とりあえず“元のバージョン”である「殺人者の記憶法」を鑑賞。で、3月上旬某日、シネマート新宿にて、「ザ・メイヤー 特別市民」とハシゴしてきました。「別に上手くないゾ ( ´∀`)σ)Д`) コイツゥ」と思ったり。
2月半ば、「悪女」を観るために新宿文化ビルを訪れたら…。
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その右斜め下に「新しい記憶」のポスターがあって、興味が湧いたのです。
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そんなワケで、月曜メンズデイを利用して観てきましたよ。
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まず、ビョンスのモノローグで進む「殺人者の記憶法」と本作はかなり構成が違っていて、すでに「ビョンスvsテジュ」の事件が発生した直後からスタート。ベッドに拘束されたビョンスをキム・ミンジェ演じる検事が尋問していて(「殺人者の記憶法」でもチラッと映る)、ビョンスの証言や調書を元に物語が進むという流れなのです。話の展開自体はほぼ同じながらも、テジュが違法な捜査をする場面が流れたり、オ・ダルス演じるアン・ビョンマン所長と警察大学の生徒たちが「過去の連続殺人事件」が発生した当時の状況を聞くためビョンスのところに訪れたり、娘ウンヒとの触れ合い描写や筋トレシーンがなくなったりと、細部が微妙に違っていましたよ。
検事役は、バイプレイヤーとして活躍するキム・ミンジュ。「泣く男」
ではこの場面の数十秒後に射殺されてました (´・ω・`) カワイソス
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で、大きく違うのがラストでしてね。クライマックスの大立ち回りの回想が終わり、テジュが“新しい連続殺人鬼”と認定されるも、行方不明→逃亡したと見なされまして。ビョンスは「アルツハイマーなので無罪!m9`Д´) ビシッ」(過去の殺人は時効)と解放されるんですが、しかし。実は全部作り話だったからビックリですよ Σ(゚д゚;) ナンダッテー! なんと“新しい連続殺人事件”の犯人もビョンスであり、テジュに罪をなすりつけるために交通事故はビョンスの方が追突してキッカケを作っていたのです。終盤、ビョンマン所長を殺したのもビョンスであり、テジュも湖に沈めて殺害してまして。シカモ、レントゲン写真によって、ウソ回想に出てきた「テジュの凹んだ頭蓋骨」はビョンス自身の頭部だったことがわかったりしてね。最後は、トンネルを出たビョンスが左右反対だった靴を履き直す→アルツハイマーじゃなかったことが発覚して、ポスター写真のようにニヤリと笑って終わっていた…。そんなあらすじを君は信じてしまうのかい?(突然、面倒くさい文章)
クライマックスのタイマンシーンなどはほぼ一緒なんですが…。
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オ・ダルス演じるビョンマン所長をビョンスが殺していたりして。
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同じ場所でのラストシーンも、全然意味合いが変わったのでした。
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「『殺人者の記憶法』を別の角度から観たらこうなった」的な作品かと思いきや、まったく違う性質の話になっていて。要は、「真実の行方」
や「ユージュアル・サスペクツ」
、「ジャン=クロード・ヴァン・ダム/ファイナル・ブラッド」
のような「実は全部ウソでした (ノ∀`) ゴメンネ」ムービーになっていたのです。本作のビョンスはモロに快楽殺人者であり(“処刑人”もウソ)、新たな連続殺人もやっていたワケで、キャラクターとしては原作小説に近いなぁと(お話&着地がまったく違うけど)。
念のため、「ファイナル・ブラッド」
の予告編を貼っておきますね↓ それほど面白くないので注意!
なんて言うんですかね、全然上手くないというか、面白いと思いつつも「なんだかなー」感も拭えないという不思議な味わい。ハッキリ言って、どう考えても話のつじつまが合わないので、終盤の「フラッシュバック種明かし(ドヤ顔を添えて)」演出はちょっとキツいなぁ…と苛立ちながらも、どんでん返しを強引に作る姿勢は愉快だったなぁと。サスペンスドラマとしては「殺人者の記憶法」よりも出来が悪いけど(つーか、先に「殺人者の記憶法」を観ていないとよくわからないのでは?)、珍品としては「新しい記憶」の方が楽しめるんじゃないかしらん。
「新しい記憶」の方がケレン味重視で話は雑な印象でしたよ。
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そんなワケで、「ビョンスが物的証拠を残しすぎていて、どう考えてもテジュに濡れ衣を着せられない」とか「ビョンスの頭蓋骨が陥没してたことを衝撃的に見せてたけど『だからなに? (゚Д゚) ハァ?』感が拭えない」とか「そもそも警察が解放するのが早すぎだろ」とか、言いたいことは腐って異臭を放つほど大量にありますが、トータル的には嫌いじゃなかったです (´∀`=) ウフフ ただ、何度も書きますが、全然上手い作りじゃないのでウォン・シニョン監督は調子に乗らないでほしいし、興味がある人も期待値コントロールをしっかり調整して観てみてくださいな。
キム・ヨンハによる原作本。文章量の割に値段が高めなのは仕方ないのか。
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キム・ミンジェも出演しているウォン・シニョン監督作。僕の感想はこんな感じ。
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ポン・ジュノ監督による名作(原題は「MEMORIES OF MURDER」)。ベースにした殺人事件は一緒っぽい。
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全部ウソでしたムービー、その1。似た映画に「39 刑法第三十九条」
がありますな。
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全部ウソでしたムービー、その2。最初は結構驚きましたよ。
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全部ウソでしたムービー、その3。僕の感想はこんな感じ。
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原題:Memoir of a Murderer:Another Memory
2017/韓国 上映時間128分
監督・製作:ウォン・シニョン
製作:ユ・ジョンフン
製作総指揮:ユ・ジョンフン
原作:キム・ヨンハ
脚本:ファン・ジョユン
撮影:チェ・ヨンファン
美術:イ・ジョンゴン
編集:シン・ミンギョン
音楽:キム・ジュンソン
出演:ソル・ギョング、キム・ナムギル、キム・ソリョン、オ・ダルス、ファン・ソクチョン、キル・ヘヨン、イ・ビョンジュン、キム・ミンジェ
パンフレット:なし
(解説)
韓国を代表する演技派俳優ソル・ギョングの主演で、アルツハイマーにおかされた元殺人犯が、新たに出現した殺人鬼と対峙する姿を描いたサスペンスミステリー「殺人者の記憶法」のストーリーが異なる別バージョン。主人公のアルツハイマーの元連続殺人鬼ビョンスと、新しい殺人鬼テジュの激しい攻防をさらに詳しく描き、周囲を欺き一般社会に溶け込んでいる様子のテジュや、ビョンスから鋭い殺意を感じて疑惑の目を向ける警察官ビョンマン、そして事件の顛末を明らかにしようとする検事といった新しい場面が多数追加されている。(以上、映画.comより)
一応、「殺人者の記憶法」の予告編を貼っておきますね↓
70点
※ああん、今回の感想は「真実の行方」
2月半ばに「悪女」を観に行った時、本作のポスターを見つけましてね。「わざわざ違うバージョンが公開されるなんて、面白い映画なのでは!Σ(°д° ) クワッ」と思って、2月下旬、とりあえず“元のバージョン”である「殺人者の記憶法」を鑑賞。で、3月上旬某日、シネマート新宿にて、「ザ・メイヤー 特別市民」とハシゴしてきました。「別に上手くないゾ ( ´∀`)σ)Д`) コイツゥ」と思ったり。
2月半ば、「悪女」を観るために新宿文化ビルを訪れたら…。

その右斜め下に「新しい記憶」のポスターがあって、興味が湧いたのです。

そんなワケで、月曜メンズデイを利用して観てきましたよ。

まず、ビョンスのモノローグで進む「殺人者の記憶法」と本作はかなり構成が違っていて、すでに「ビョンスvsテジュ」の事件が発生した直後からスタート。ベッドに拘束されたビョンスをキム・ミンジェ演じる検事が尋問していて(「殺人者の記憶法」でもチラッと映る)、ビョンスの証言や調書を元に物語が進むという流れなのです。話の展開自体はほぼ同じながらも、テジュが違法な捜査をする場面が流れたり、オ・ダルス演じるアン・ビョンマン所長と警察大学の生徒たちが「過去の連続殺人事件」が発生した当時の状況を聞くためビョンスのところに訪れたり、娘ウンヒとの触れ合い描写や筋トレシーンがなくなったりと、細部が微妙に違っていましたよ。
検事役は、バイプレイヤーとして活躍するキム・ミンジュ。「泣く男」

で、大きく違うのがラストでしてね。クライマックスの大立ち回りの回想が終わり、テジュが“新しい連続殺人鬼”と認定されるも、行方不明→逃亡したと見なされまして。ビョンスは「アルツハイマーなので無罪!m9`Д´) ビシッ」(過去の殺人は時効)と解放されるんですが、しかし。実は全部作り話だったからビックリですよ Σ(゚д゚;) ナンダッテー! なんと“新しい連続殺人事件”の犯人もビョンスであり、テジュに罪をなすりつけるために交通事故はビョンスの方が追突してキッカケを作っていたのです。終盤、ビョンマン所長を殺したのもビョンスであり、テジュも湖に沈めて殺害してまして。シカモ、レントゲン写真によって、ウソ回想に出てきた「テジュの凹んだ頭蓋骨」はビョンス自身の頭部だったことがわかったりしてね。最後は、トンネルを出たビョンスが左右反対だった靴を履き直す→アルツハイマーじゃなかったことが発覚して、ポスター写真のようにニヤリと笑って終わっていた…。そんなあらすじを君は信じてしまうのかい?(突然、面倒くさい文章)
クライマックスのタイマンシーンなどはほぼ一緒なんですが…。

オ・ダルス演じるビョンマン所長をビョンスが殺していたりして。

同じ場所でのラストシーンも、全然意味合いが変わったのでした。

「『殺人者の記憶法』を別の角度から観たらこうなった」的な作品かと思いきや、まったく違う性質の話になっていて。要は、「真実の行方」
念のため、「ファイナル・ブラッド」
なんて言うんですかね、全然上手くないというか、面白いと思いつつも「なんだかなー」感も拭えないという不思議な味わい。ハッキリ言って、どう考えても話のつじつまが合わないので、終盤の「フラッシュバック種明かし(ドヤ顔を添えて)」演出はちょっとキツいなぁ…と苛立ちながらも、どんでん返しを強引に作る姿勢は愉快だったなぁと。サスペンスドラマとしては「殺人者の記憶法」よりも出来が悪いけど(つーか、先に「殺人者の記憶法」を観ていないとよくわからないのでは?)、珍品としては「新しい記憶」の方が楽しめるんじゃないかしらん。
「新しい記憶」の方がケレン味重視で話は雑な印象でしたよ。

そんなワケで、「ビョンスが物的証拠を残しすぎていて、どう考えてもテジュに濡れ衣を着せられない」とか「ビョンスの頭蓋骨が陥没してたことを衝撃的に見せてたけど『だからなに? (゚Д゚) ハァ?』感が拭えない」とか「そもそも警察が解放するのが早すぎだろ」とか、言いたいことは腐って異臭を放つほど大量にありますが、トータル的には嫌いじゃなかったです (´∀`=) ウフフ ただ、何度も書きますが、全然上手い作りじゃないのでウォン・シニョン監督は調子に乗らないでほしいし、興味がある人も期待値コントロールをしっかり調整して観てみてくださいな。
キム・ヨンハによる原作本。文章量の割に値段が高めなのは仕方ないのか。
キム・ミンジェも出演しているウォン・シニョン監督作。僕の感想はこんな感じ。
ポン・ジュノ監督による名作(原題は「MEMORIES OF MURDER」)。ベースにした殺人事件は一緒っぽい。
全部ウソでしたムービー、その1。似た映画に「39 刑法第三十九条」
全部ウソでしたムービー、その2。最初は結構驚きましたよ。
全部ウソでしたムービー、その3。僕の感想はこんな感じ。