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ファントム・スレッド(ネタバレ)

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ファントム・スレッド



原題:Phantom Thread
2017/アメリカ 上映時間130分
監督・製作・脚本・撮影:ポール・トーマス・アンダーソン
製作:ジョアン・セラー、ミーガン・エリソン、ダニエル・ルピ
製作総指揮:アダム・ソムナー、ピーター・ヘスロップ、チェルシー・バーナード
美術:マーク・ティルデスリー
衣装:マーク・ブリッジス
編集:ディラン・ティチェナー
音楽:ジョニー・グリーンウッド
出演:ダニエル・デイ=ルイス、ビッキー・クリープス、レスリー・マンビル、ブライアン・グリーソン、カミーラ・ラザフォード、ジーナ・マッキー
パンフレット:★★★★☆(700円/柳下毅一郎さんを始め、良いコラムが4本。ネタバレ前提のストーリー紹介、スケッチ画が載ってるのも素敵)
(あらすじ)
1950年代のロンドンで活躍するオートクチュールの仕立て屋レイノルズ・ウッドコック(ダニエル・デイ=ルイス)は、英国ファッション界の中心的存在として社交界から脚光を浴びていた。ウェイトレスのアルマ(ビッキー・クリープス)との運命的な出会いを果たしたレイノルズは、アルマをミューズとしてファッションの世界へと迎え入れる。しかし、アルマの存在がレイノルズの整然とした完璧な日常が変化をもたらしていく。(以上、映画.comより)

予告編はこんな感じ↓




80点


※この映画に関しては、映画評論家の町山智浩さんの「たまむすび」での紹介を読んでから、「スペシャルトークショー」を観たり、「映画ムダ話」(216円)を聴いたりすれば十分ですぞッ!m9`Д´) ビシッ
※この記事は「シグマ15」に従って書いています。
※今回の感想は、乱暴な下ネタが書かれているので、そういうのが苦手な人は読まない方が良いです。


ポール・トーマス・アンダーソン監督作は決して嫌いではないけど、「絶対観る」というほどではなくて(「インヒアレント・ヴァイス」はまだ観てないし)。で、本作がいくらダニエル・デイ=ルイスの俳優引退映画だとしても、ファッションだオートクチュールだなんて世界には1ミリも興味がないので、それほど観るつもりはなかったんですが、しかし。愛聴しているラジオ番組「アフター6ジャンクション」にて、パーソナリティの宇多丸師匠が高評価されていたから、スゲー気になっちゃったという、ありがちなパターン。結局、6月下旬の水曜日=映画ファンサービスデー新宿武蔵野館で観てきました(その後、「スパイナル・タップ」をハシゴ)。「良い夫婦映画!Σ(゚д゚;) ナンデスト!」と思ったり。


劇場はほぼ満席だったし、ファントム・ブレッドはなかなか美味でしたヨ (o^-')b オススメ!



あらすじを勝手かつ雑に書いておくと、「“オートクチュールの鬼”ウッドコックにヤリ捨てされないよう、アルマがいろいろと頑張って結婚した挙げ句、“毒キノコを食べて弱ったウッドコックを看病するプレイ”を編み出して、夫婦円満になりました 川´∀)(´∀`) アイシテル」って感じ。本作の解説云々に関しては、尊敬する映画評論家の町山智浩さんの「映画ムダ話」(216円)が“かゆいところに手が届きまくる見事さ”なので、それを聴いてもらうとして(a.k.a.手抜き)。僕的な感想を書けば、いわゆる「ピグマリオンモノ」かと思いきや、まさかここまでストレートな“夫婦映画”だとは思わなくてビックリいたしました。つーか、ポール・トーマス・アンダーソン監督作って、そのこだわりの撮影や演出、過去作の絶妙な引用などなど、“映画の見方が分かっている人”にウケるだけでなく、僕のような“普通の観客”も楽しませる力を持っているのがスゴいんだよなぁと。台詞ナシでも登場人物の性格や背景をわからせたり(「セックスした翌日、相手の食事の音が気になる演出」が男の身勝手さを表してて良かった!)、オートクチュールを作る細かい作業を面白く見せたりと、感心するところばかりでしたよ。


デイ=ルイス、役作りで約1年間洋裁修行→ドレスを1着仕立てられるほどになったというのだから恐ろしい…。


ドレスを作るシーンを観ているだけでも結構楽しいのです。



なんて言うんですかね、以前、ナイトウミノワさんが「セレステ∞ジェシー」の感想の中で「恋愛や結婚に関してのみ言えば、第三者がどうしても踏み込めない、理解できない『ふたりだけのなにか』が必ずある」と書かれていて、本当にその通りというかさ。例えば、ある夫婦が離婚した原因が「アナル開発を巡る利権争い」だったとしても、それは決して第三者には窺い知れぬことじゃないですか。本作の「毒キノコプレイ」という着地は、見事な夫婦円満の秘訣というか、「夫婦ってこういう共犯関係があるよな」と、しみじみさせられた僕は少数派ですカネー (´∀`;) エヘヘ 何はともあれ、「ファントム・スレッド」よりは「ファントム・ブラッド」派なので80点という評価ですが(なにその採点基準)、「ビフォア・ミッドナイト」「ブルーバレンタイン」並みに“考えさせられる夫婦映画”なのでね、興味がある方は観てみてくださいな。おしまい。




ジョニー・グリーンウッドによるサントラのデジタル盤。輸入盤もあります。



ポール・トーマス・アンダーソン監督作で一番好きなのはこれ。この場面が死ぬほど好き。



まったく関係ありませんが、ポール・W・S・アンダーソン監督作で一番好きなのはこれです。









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