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ブロンソン(ネタバレ)

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ブロンソン

三角絞めでつかまえて-ブロンソン
ブロンソン [DVD]

原題:Bronson
2008/イギリス 上映時間92分
監督・脚本:ニコラス・ウィンディング・レフン
脚本:ブロック・ノーマン・ブロック
撮影:ラリー・スミス
編集:マシュー・ニューマン
出演:トム・ハーディ、マット・キング、ジェームズ・ランス、アマンダ・バートン、ケリー・アダムス
(あらすじ)
19歳のマイケル・ピーターソン(トム・ハーディ)は有名になりたかったが、郵便局を襲ったところあっさり捕まり、7年間の刑務所暮らしを宣告されてしまう。マイケルは自分を【チャールズ・ブロンソン】の分身であると主張し続け、実に34年に渡って刑務所生活をおくることとなる。(以上、amazonより)

予告編はこんな感じ↓




97点


宇多丸師匠が「ドライヴ」評の時に絶賛してたので、非常に気になってまして。日本版DVDリリースが決まったのを知ると同時にamazonに予約して、発売日をずっと楽しみにしてたんですよね~。で、先日、やっと我が家に届いたので観たんですが、よくわからないけど大好物でした (´∀`) ナニガナニヤラ


ちなみに本物のマイケル・ピーターソン(自称:チャールズ・ブロンソン)はこんな人だそうです。
三角絞めでつかまえて-ブロンソン本人


映画が始まると、主人公のマイケル・ピーターソン自身が進行役となって、画面のこちらに話しかけながら物語が進みまして。内容を簡単に書くと、「有名になりたい」という衝動を持つマイケルは、銀行強盗に失敗して刑務所に入ると、後先を考えずに看守に暴力を振るいまくるので、精神病院に入れられちゃって。でも、そこでも暴動を起こすので、仕方なく釈放されると、69日後、またも強盗を働いて刑務所に逆戻り。またもや看守に暴力を振るいまくった挙げ句、人を殺したこともない粗暴犯なのに、気が付けば34年間も刑務所にいるというね… (゚д゚;) ゴクリ こんな漫画みたいに凶暴な人が本当に実在するんだからビックリというか、“イギリスで最も有名な犯罪者”と呼ばれるのも頷けますわな。ちなみに、地下格闘技の試合に出場する際、リングネームを「チャールズ・ブロンソン」にして以降は、そう名乗っているそうです。

一応、書いておくと、ラストは、アートの先生を人質にして騒いだ後、看守軍団に全裸でケンカを挑んで敗北。血まみれ&全裸のまま、狭い檻の中に入れられつつも、画面のこちらに何かをアピールしようとして終わるワケですが…。僕的には、彼が何度も繰り返す過剰な暴力行為自体が、音楽も芝居もできずに暴力で有名になろうとした男の“作品”だったのかなぁと解釈しました…けど、違ったらスミマセンネー (・ε・) チェッ


映画内で何度となく繰り返されるフルチンバトル。男らしさの極北がここにある!
三角絞めでつかまえて-ラストの全裸バトル


僕的に良かった要素は4つで、1つ目は、主人公の“折れない心”。ハッキリ言って、基本的にお近づきになりたくないタイプの男性ではあるじゃないですか。刑務所で働いている人からすれば、たまったモンじゃないしさ、まったく褒められた存在ではない…ハズなのに、1997年頃のストーン・コールド・スティーブ・オースチン狂人寄りにしたようなビジュアルを含めて、僕は彼にすっかり憧れてしまったんです。

男が一番憧れるのは、“肉体的強さ”よりも“心の強さ”じゃないですか。“茹でる前の素麺”級にポキポキ折れまくる心を持つ僕からすると、心が折れない人って本当に尊敬してしまう。自分より巨大な存在に立ち向かい続ける姿勢は、それがどんなにくだらないことだろうとも、胸を揺さぶられてしまう。だから、どう考えても無意味な暴力行為だし、バカらしい人生を送っているんだけど、僕にはブロンソンが超カッコ良く見えちゃいました。


こんな状態でも心が折れないというね。ヂギール戦士も真っ青なレベル。
三角絞めでつかまえて-折れない心


一応、ストンコの動画も貼っておきますね↓ ああん、素敵すぎ!




2つ目は、トム・ハーディ。もう、圧倒的な演技というか、これはもう、彼の魅力を堪能する映画なんですよね。「わずか5週間で20キロ増量」という狂ったペースで作り上げた肉体はとにかく素晴らしくて(映像特典では否定してたけど、本当に“打ってない”の!? 20キロでしょ!?)、僕は「ダークナイト ライジング」ベイン役が大好きでしたけど、さらに好感度が増したというか、むしろベインの前日譚なんじゃないの!? Σ(゚д゚;)」と思った次第。エンドクレジット直前に「後のベインである」なんてテロップが出たら、間違いなく射精してましたな…(なにこの文章)。


「オリバー・ツイスト」(TV)に出てた頃と比較すると、恐ろしい化けっぷりが超いいネ (o^-')b サイコー!
三角絞めでつかまえて-2007-2008-2012


3つ目は、よくわからないけど映画全体のムード。「ケージの中で全裸でトレーニングしていると、看守たちがやってくる→ブロンソンが殴りかかる」というオープニングでギュッと胸をつかまれて(流れる音楽も素敵すぎ!)、それ以降はニコラス・ウィンディング・レフン監督が作り出す独特の世界観に浸らせていただきました (´∀`) ウフフ バイオレンス描写はなかなかハードではあるんですけど、コメディタッチだったり、突き放した構図で見せたりするから、そんなに無惨には見えなくて、むしろ美しさすら感じたりしてね。シンメトリーな構図とか、演出テイストが「時計じかけのオレンジ」っぽいとか、狂ったエンターテイナー感は「キング・オブ・コメディ」っぽいとかは、言われてみればその通りでしたなー (ノ∀`) キヅカナカッタ 音楽の使い方も素晴らしくて、エンドクレジットに突入→「Digital Versicolor」が流れるタイミングとか、鳥肌が立ったというか。残念ながら上手く言語化できないんですけど、とにかくゾクゾクさせられる場面が多かったです。


このオープニング、マジ最高! つーか、この映画って全裸に始まり全裸に終わるんだなぁ。
三角絞めでつかまえて-オープニングの全裸バトル


オープニングの曲はThe Walker Brothersの「The Electrician」だそうです。




最後に流れるのはGlass Candyの「Digital Versicolor」。ちょっと「ドライヴ」を思い出したり。




最後に良かったのは、セルDVDだけかもしれませんが、映像特典。最初に入ってた「ブロンソン本人の肉声メッセージ」には、なんか胸を打たれちゃって、涙が出ましたよ。あと、「トム・ハーディのトレーニング法」も、具体的なメニュー解説がなかったのは残念でしたけど、なかなか興味深い内容であり、「やはり自重を使ったトレーニングが良いのかしら… (・ω・;) ウーム」と非常に考えさせられました。ちくしょう、M&Fで特集組まないかなぁ。


この腕立て伏せとか、早速、真似てみようかと思いきや、気が付くと横になってアイスを食べていた不思議。
三角絞めでつかまえて-様々な腕立て伏せ


ということで、ダラダラと書いて来た割には、その魅力を上手く伝えられないんですけど、僕は「ドライヴ」よりも大好物でしたヨ (´∀`) スキデシタ 「劇場公開すれば良かったのに…」と心底思った次第。ちょっとおかしな映画なので、万人に薦められるかは微妙ですけど、興味を持った人はぜひレンタルしてみてくださいな。




ニコラス・ウィンディング・レフン監督作。僕の感想はこんな感じ
三角絞めでつかまえて-ドライヴ
ドライヴ [Blu-ray]


トム・ハーディがベインになって大活躍する映画。僕の感想はこんな感じ
三角絞めでつかまえて-ダークナイト ライジング
【Amazon.co.jp限定】ダークナイト ライジング ブルーレイ スチールブック仕様(完全数量限定生産) [Blu-ray]


劇中で言及されたチャールズ・ブロンソン主演作。自警団映画の傑作ですな。
三角絞めでつかまえて-狼よさらば
狼よさらば [DVD]


デヴィッド・クローネンバーグ監督×ヴィゴ・モーテンセン主演作。フルチンバトル繋がりで貼っておきますね。
三角絞めでつかまえて-イースタンプロミス
イースタン・プロミス [DVD]


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