恋のロンドン狂騒曲
原題:YOU WILL MEET A TALL DARK STRANGER
2010/アメリカ、スペイン 上映時間98分
監督・脚本:ウディ・アレン
製作:レッティ・アロンソン、スティーヴン・テネンバウム、ジャウマ・ロウレス
共同製作:ヘレン・ロビン、ニッキー・ケンティッシュ・バーンズ
製作総指揮:ハビエル・メンデス
共同製作総指揮:ジャック・ロリンズ
製作補:メルセデセ・ガメロ
撮影監督:ヴィルモス・ジグモンド
美術:ジム・クレイ
編集:アリサ・レプセルター
衣装:ベアトリクス・アルナ・パーストル
キャスティング: ジュリエット・テイラー、パトリシア・ディチェルト、ゲイル・スティーヴンス
出演:アントニオ・バンデラス、ロジャー・アシュトン=グリフィス、ジョシュ・ブローリン、ポーリーン・コリンズ、アンソニー・ホプキンス、ジェマ・ジョーンズ、フリーダ・ピント、ルーシー・パンチ、ナオミ・ワッツ、セオ・ジェームズ
(あらすじ)
アルフィ(アンソニー・ホプキンス)とヘレナ(ジェマ・ジョーンズ)は長年連れ添ってきたが、結婚40年目にして破局を迎える。あまりのことにひどく動揺したヘレナは自殺未遂を起こし、一人娘サリー(ナオミ・ワッツ)は困惑する。だが、実は彼女自身も売れない小説家の夫ロイ(ジョシュ・ブローリン)との間に問題を抱えており……。(以上、シネマトゥデイより)
予告編はこんな感じ↓
48点
※今回の記事は、かなり心の狭い文章が書かれており、「恋のロンドン狂騒曲」やウディ・アレン監督が好きな人は不快になる怖れがあるので気をつけて!
一昨年に観た「人生万歳!」で初めてウディ・アレン監督作に触れて、グッと来て。そこから「アニー・ホール」や「ミッドナイト・イン・パリ」を観て、どれも面白かったんですが…。今回の「恋のロンドン狂騒曲」はなんか“「ミッドナイト・イン・パリ」のロンドン版”みたいな気がして、「これは観なくても良いかな… (・ω・)」と、避けるつもりだったんですよ。
ところが、今週のシネマハスラーの課題映画になってしまったので、「まぁ、2010年製作の映画をわざわざ公開するくらいなんだから、それなりには面白いんでしょうな」程度の期待値で、いそいそとTOHOシネマズシャンテに行って来ました。面白かったけど超腹が立ったYO!ヽ(`Д´)ノ
あまり関係ないけど、予告編のこの文章は「日本公開の順番」と考えれば間違ってませんが、少し違和感を覚えたり。
いや、面白かったのは確かなんです。で、パンフレットを読んだら、実にタメになるコラムだらけであり、「原題の『YOU WILL MEET A TALL DARK STRANGER』ってのは、占い師が使う『あなたは背が高くて色の浅黒い誰かに出会うでしょう』という常套句のことなんだ!∑(゚Д゚)」とか「OPとEDに流れる『星に願いを』にはそんな意味があったんだ!∑(゚Д゚)」とか「『実質のない言葉で人生を選ぶ人々の物語』なんだ!∑(゚Д゚)」とか、非常に納得させられて。かなり考えられて作られた映画なのはわかったんですが…。やっぱり終盤の展開に納得がいかないというか、結構カチンと来たんですよね。とりあえず「この映画でムカついた奴ランキング・ベスト10」を挙げながら、感想を書いてみますね↓
第10位 ギャラリー経営者グレッグ
この人、サリーに誤解されただけなんですよね。
アントニオ・バンデラス演じるグレッグは、「イケメン」「金持ち」「女性からの“モテ”に無自覚」(←この要素が超憎い!ヽ(`Д´)ノキィィ!)という誰もが羨む“3枚のカード”を装備していることから(“3枚のカード”については「ブラスト公論」を参照のこと (o^-')b オススメ!)、僕の中の“金持ち憎悪マインド”を全開にすれば十分腹が立つ逸材ですが、今回は一方的にサリーにカン違いされただけなので10位。サリーの門出を祝う太っ腹な精神性もポイント高し。
第9位 赤い服の美女ディア
僕はこの女性の婚約者の立場を味わったことがあります… ('A`)
フリーダ・ピントが演じたディアは、婚約して、式場まで押さえていたにも関わらず、結婚直前、誘惑してきたクズ野郎ロイになびいてしまった女。ただ、籍を入れてたワケじゃないんだし、恋愛は自由なんだから、賠償関係さえしっかりやれば、これはこれで仕方のないことだと思う…。仕方のないことだと思う!ヽ(TДT)ノ ウワァァァン!
第8位 亡き妻を想うオカルト紳士ジョナサン
左の太っちょです。
ロジャー・アシュトン=グリフィスという、「蝕」を発動しそうな名前の役者さんが演じたのは、亡き妻との交信を夢見るオカルト紳士ジョナサン。基本的にまったく悪い人じゃないんですけど、過度にオカルトを信じる奴は存在自体が超迷惑なので、この順位。
第7位 目論見がすべて崩れる妻サリー
見ててスゲー痛かったです… ('A`)
「リミットが迫ってる子作り→夫のロイが協力してくれず」「ずっと支えてきた夫の小説→刊行されず」「グレッグとの不倫→相手にその気ナシ」「念願の起業→母親が金を貸してくれず中止(っぽい)」と、目論見が次々と崩れてしまったサリー。グレッグに想いを確認する場面と、母親ヘレナにキレる場面の痛々しい演技は素晴らしかったです。彼女の大きなミスは、ヘレナがオカルトに傾倒するのを止めなかったことですが(それでお金を貸してくれなくなった)、それだけで自業自得とされるのは、さすがに可哀相ですよね (´・ω・)(・ω・`) ネー
第6位 夫に捨てられたオカルト母ヘレナ
このシーンで瞬時に涙が出たので、ハンカチを出したんですが…。
ハッキリ言って、最初、マザコンの僕にとってヘレナは超大好物だと思って。映画冒頭、彼女が「夫に捨てられて… 川ノω・、)」と告白するシーンで、すでに大量の涙が流れまくり。すっかり心を掴まれて「僕だけはヘレナの味方だからね!ヽ(TДT)ノ」なんて思ってたら、徐々にオカルトに傾倒していって、電波なキャラになっていくというね…。前世だなんだ言い出した時は、さすがに口がアングリでしたよ。
「お前は何を言ってるんだ」としか言いようがない発言ですな。
結局、彼女とジョナサンがワケのわからぬ前世云々の理屈で結ばれて、「薬より幻想が効く場合もある」なんてナレーションが流れて映画は終わるワケですけど…。確かに絶望して自殺未遂を繰り返すよりは全然マシですが、あんな“未来が見える占い師”なんて100パーセント詐欺師であり、「彼女たちはそういう輩の資金源になったまま」って感じもして、普通にイヤな気分になりましたね。
第5位 散財する元売春婦シャーメイン
クズっぽい女がクズという愛のないキャラ。
ウディ・アレン監督作は数本しか観ていない僕ですが、その中で出て来た“教養のない女性”描写って、それなりに愛のある目線だった気がするんですけど…。ルーシー・パンチが演じた元売春婦のシャーメインは、散財はするわ、浮気はするわ、誤魔化すためにウソをつくわと、根っからのクズ女にしか見えなくて超ビックリ。「元売春婦=何も考えないバカ女」って描くのも別に良いけどさ、あまりに記号的で救いがないキャラじゃないでしょうか。
第4位 若作りクソジジィ・アルフィ
終盤、酷い目に遭っていく様は愉快でした。
ヘレナと離婚して、若作りするのは百歩譲って許すとしても(偉そうに)、知り合って2カ月で結婚というノープラン振りにイラッとするし、そもそもジジイが若い売春婦を金で釣って結婚しようとする性根の浅ましさが許せない。コイツが出て来た時は、ずっと「滅べ~滅べ~ (`Δ´)」と呪いをかけながら観ていたので、シャーメインの散財でアルフィが困窮してきた時は、「ざまぁ!(`∀´)」と大喜びでした。
散財されてゲンナリ顔のアルフィ。そんなアンタが観たかった!
さらに、ヘレナに復縁を申し出て断られたり、シャーメインの浮気が発覚するくだりには報復絶倒というかね、「後は死ぬだけですな ( ̄ー ̄)ニヤッ」と思ったりしたんですが…。最後の最後に「実は昔、息子が死んだことに今もこだわっていた」というのが明らかになると、さすがに同情するというか。ちょっと複雑な心境になりましたよ (´・ω・`) シンミリ
第3位 スポーツジムの邪な会員たち
左の男がシャーメインの浮気相手レイだッ!
スポーツジムは肉体を鍛える場所なので、そこで女云々とか言い出す奴は死の翼触れるべし!ヽ(`Д´)ノ マストダイ! 特にセオ・ジェームズが演じたレイは、テメェが人の嫁に手を出したくせにキレてアルフィをボコボコにしたワケですから、キッチリ警察に逮捕されてほしいと思いました(そういうことにはならなそうなムードでしたが)。
第2位 クズ野郎ロイ
あらゆる面で頭に来る野郎。
処女小説で一発当てただけで十分スゴいと思うけど、その後はずっと奧さんに養ってもらってるんだからさ、浮気しちゃダメだろと。しかも、歯の浮くような台詞をダラダラダラダラ垂れ流しやがって…。って、なんか妬み丸出しの文章を書いちゃってますが(苦笑)、婚約者を寝取られたことがある身としてはね、恥ずかしながら、殺したくて仕方なかったです(大人げない文章)。もうね、コイツがディアと会う場面では、何度も何度も奴の顔面に心の拳をめり込ませてましたよ。
一歩間違えれば変態扱いされる発言でもヘラヘラと口に出すロス。ちくしょう、憎い!ヽ(`Д´)ノ
奴が劇中に出てくるたび、脳内では即座にこんなイメージで殴ってました(無駄な妄想)。
終盤、「死んだ友人の原稿を勝手に自分の作品にする所業」にも激怒しましたが、そっちは「実は友人が昏睡状態で生きてた→バレそうになって終わる」ので、それなりには溜飲が下がった次第 (・∀・) ザマァ! できれば悪行が発覚して、ロイが火あぶりとかにされればベストだったんですけど、そこまでやると別の映画になっちゃうもんね (ノ∀`) テヘ
第1位 ウディ・アレン監督
この人に一番腹が立ちました。
観ている間、ずっと引き込まれてたし、結構笑ったのも確かなんですけど…。前に観たウディ・アレン作品でも少し思ったことなんですが、今回が一番“上から目線”を感じたというか。イヤな風に書くと、自分でバカなキャラクターたちを出して、バカなことをやらせてるくせに、「ホラ、人間ってバカでしょ? (´_ゝ`) ププッ」って達観した風なことを言われて終わってもさ、僕的には「いや、アンタがやらせてるだけじゃん (・ε・)」としか思えない…って、伝わりますかね。正直、作品として良い出来なのかもしれないけど、今回はシニカルすぎて合わないというか、こういう映画を作る人は全然好きじゃないと思って。今後、ウディ・アレン監督作を観る気がすっかりなくなっちゃいました。
というワケで、面白かったけどスゲー腹が立った映画でしたよ。まぁ、僕の心は凄まじく狭いので、普通の人が普通に観たら普通に楽しめるのかもネ。おしまい。
超有名なウディ・アレン監督作。僕の感想はこんな感じ。
アニー・ホール [DVD]
※僕以外の人にはどうでも良いけど、僕には凄まじく大切な備考
12月20日(木)、昼過ぎに神保町で打ち合わせがあり、その後は銀座に足を伸ばして、TOHOシネマズシャンテの夕方の回を観ようと思ってまして。ところが、打ち合わせが予想以上に早く終わったので、急いで向かったら14時の回にギリギリ間に合って(予告編上映中)、それなりに楽しんだり怒ったりしたんですが…。上映後、座席の近くでコートを着ていたら、「どうも」と声を掛けてきた人がいて。「あら、誰かしら」と振り向くと、そこにいたのが宇多丸師匠だったから死ぬほどビックリ! (▼Δ▼) コロスゾ
「マブヤー」「苦役列車」に次ぐ3回目になるワケですが、これは、かなり慣れない。基本的に師匠がいるなんて思わないですもの。この劇場がある2階フロアから階段で降りて、師匠と別れるまで約180秒。すっかり混乱した僕は、シネマランキング2012を中途半端に褒めた後、新作映画を200本観ることについて凄まじくどうでも良い話をしてしまって、あっという間に時間を消費しちゃったというね (´∀`) バカネ ちなみに師匠はその後、このイベントに出られたみたいですな。
今、振り返ると、「恋のロンドン狂騒曲」の感想や「007 スカイフォール」の話も聞きたかったんですけど、すっかり動転してたので仕方なし。というか、そういえば、この日の「今日の占い CountDown」ではさそり座の運勢が1位であり、「偶然が次々と重なり絶好調な1日。人の集まる場所には積極的にGO」と書いてあったので、「今日は人の集まる場所に行って良かったなぁ」と、ますますオカルトにハマっていくのでした ┐(´ー`)┌ ヤレヤレ
12月20日(木)のさそり座の運勢は…。
なんと1位! 宇多丸師匠に会えたのは間違いなく占いのおかげだし、もしや僕の前世は皇族で…?(ダメな文章)。
おしまい!ヘ(゚∀゚*)ノ ホエホエ!
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恋のロンドン狂騒曲(ネタバレ)
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