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蜘蛛の巣を払う女(ネタバレ)

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蜘蛛の巣を払う女



原題:The Girl in the Spider's Web
2018/イギリス、ドイツ、スウェーデン、カナダ、アメリカ 上映時間115分
監督:フェデ・アルバレス
製作:スコット・ルーディン、イーライ・ブッシュ、オーレ・ソンドベルイ、ソーレン・スタルモス、ベルナ・レビン、エイミー・パスカル、エリザベス・カンティロン
製作総指揮:アーノン・ミルチャン、ロバート・J・ドーマン、デビッド・フィンチャー、リーネ・ビンテル・スクイユム・フンク、ヨハンネス・イェンセン、アンニ・ファウルビー・フェルナンデス
キャラクター創造:スティーグ・ラーソン
原作:ダビド・ラーゲルクランツ
脚本:ジェイ・バス、フェデ・アルバレス、スティーブン・ナイト
撮影:ペドロ・ルケ
美術:イブ・スチュワート
衣装:カルロス・ロサリオ
編集:タチアナ・S・リーゲル
音楽:ロケ・バニョス
出演:クレア・フォイ、スベリル・グドナソン、ラキース・スタンフィールド、シルビア・フークス、スティーブン・マーチャント、クレス・バング、クリストファー・コンベリー、シヌーブ・マコディ・ルンド、ビッキー・クリープス
パンフレット:★★★(720円/杉江松恋さんと大場正明さんのコラムが非常にわかりやすくて好き)
(あらすじ)
特殊な映像記憶能力を持つ天才ハッカーで、背中にあるドラゴンのタトゥーが特徴のリスベットは、AIの世界的権威であるバルデル教授から、図らずも開発してしまった核攻撃プログラムをアメリカ国家安全保障局(NAS)から取り戻してほしいと頼まれる。依頼を受けて陰謀の裏を探っていたリスベットは、やがて16年前に別れた双子の姉妹カミラの存在にたどり着き、カミラが仕かけた罠にはまってしまう。(以上、映画.comより)

予告編はこんな感じ↓




80点


本作のタイトルを知って、思わずこんなツイートをしてみたものの、「蜘蛛の巣を払う=掃除」という連想は我ながら安易であり、映画評論家・小野寺系さんによる「蜘蛛の巣で払う女」はもっと評価されてほしいと思った…なんてことは置いとくとして。原作小説は未読ながらも、ノオミ・ラパスの出世作である「ミレニアム ドラゴンタトゥーの女」から始まった三部作や、ルーニー・マーラ主演のハリウッドリメイク版を劇場で観ているので、その続きっぽい本作も気になってましてね。1ヶ月フリーパスを利用して、TOHOシネマズ川崎TOHOシネマズ宇都宮で観て来ました。「シリーズ化希望!m9`Д´) ビシッ」と思ったり。


川崎で観たのは1月11日(金)の公開日(「クリード2」とハシゴ)。半分ぐらいの入りだったような。


宇都宮で観たのは昨日(「ファイティン!」とハシゴ)。昼間の回だったせいか、15人ぐらいでしたよ。


宇都宮はめったに来ないので、飲食物を購入→摂取しながら観ました。



あらすじを適当かつ雑に書いておくと、映画は「幼いころのリスベットが性的虐待をする父親から逃げる(そして妹が残る)」シーンからスタート。オープニングを挟んで舞台が現代になると、“背中にドラゴンのタトゥーを彫った天才ハッカー”リスベットが、誰でも簡単に核攻撃ができちゃうプログラム「ファイヤーフォール」を開発したバルデル教授から、プログラムをNSA(アメリカ国家安全保障局)から取り戻してほしいと頼まれまして。チャチャッと実行してみれば、プログラムを狙っていた“悪の組織”「スパイダーズ」が襲撃→奪われましてね 川ノД`) ユーウーヤーケー 仲良しジャーナリストのミカエルやハッカー仲間プレイグの助けを借りて、プログラムを取り戻そうとするも、“NSAのエージェント”ニーダムが追ってくるわ、バルデル教授が目の前で殺されてリスベットが犯人にされるわと、てんやわんや状態に。さらには自分の双子の妹カミラが「スパイダーズ」のボスだったことが発覚するのです 川 ゚д゚) ユーウーヤーケー 


世にはびこるクズ男への制裁活動を実施していたリスベットでしたが…。


バルデル教授からプログラム奪還を依頼されるのです。


ところが、ヤンデレな妹カミラによって、大変なことになるというね… (´Д`;) イヤーン



で、バルデル教授の息子アウグストが“プログラムのパスワードを解読できる天才少年”ということで、争奪戦が開始! 「アウグストに発信器を仕込んだポーンを持たせたから、居場所はわかっているわ!(・∀・し ドウヨ!」「発信器はお見通しで、あなたを罠にかけたのよ!川`∀´) オホホホホホ」的な攻防から、敵のアジト(a.k.a.リスベットたちの生家)で囚われの身となったリスベットが布団圧縮袋っぽい装置でカミラに拷問されて、これでおしまい…かと思いきや! プレイグがモーションセンサーを発動→ニーダムが外から強力なライフルでバンバン狙撃してくれて大逆転!ヘ(゚∀゚*し ヤッタァ! 火サスムードでカミラを崖に追い詰めてみれば、「なんで助けに来てくれなかったの?(ノω・、し ナゼ?」ってな調子でカミラは飛び降りましてね…。プログラムは消去されて、アウグストは母親の元に戻り、ミカエルはリスベットたちをネタにした記事を書くことを諦めて、リスベットは生家を燃やして、映画は終わってましたよ、たぶん。


予告編で流れていたこの拷問シーン、リスベットったら、なんと自力で脱出してました (´∀`) ヤルナァ


最後はこんな感じでした。



なんて言うんですかね、今まで観た「ミレニアム」の映画化作品って、サスペンスやミステリーの要素が強かったワケですが、本作はすっかりダークなエンタメアクション映画になっていたので、かなり驚きましたよ。パンフによると、原作小説を大胆に脚色していて、特にアクション面が大幅に強化されたそうで(リスベットが自宅を爆破されたり、“毒殺者”ヤン・ホルツァーと戦ったり、カーチェイスしたりするシーンはないとか)。「※イメージです」みたいなオープニングを含めて(これ自体は「ドラゴン・タトゥーの女」を踏襲したんでしょうけど)、ハッキリ言って、観た人の誰もが思ったように、女性を主人公にした「007」シリーズを観ているような印象で、姉妹の確執が絡むあたりはモロに「007 スカイフォール」を連想いたしました(生家も燃えるし)。


「ドラゴン・タトゥーの女」のオープニング↓ 本作のオープニングは地味めの曲でしたな。




まぁ、さすがに路線が変わりすぎなので、正直なところ、原作小説のファンや、これまでの実写化作品が好きな人は、なかなか飲み込みづらい作品なんじゃないかしらん。僕だって、ストーリーの単純さは否めないし、あまりにハッキングが万能に感じたし、「ガキのスマホぐらいチェックしておけよ」と思ったし、いきなり原作シリーズの4作目を映画化したことでリスベットの父親などいろいろ説明不足に感じたし、何よりも予告編で気になっていた「蜘蛛が自分の巣にかからない理由」を教えてもらえなかったしと、不満がないワケではないのです。


このシーン、予告編だけの会話だったり。お父さん、こういうの嫌いだなー。



ただ、トータル的には2回観るほど大好物でしたねぇ…(しみじみ)。近年、“女性を主人公にしたアクション映画”が増えていますが、そういう流れの1本としてスゲー楽しかった。パンフで映画評論家の大場正明さんが見事な分析をされていたんですが、アルバレス監督は前2作(「死霊のはらわた」「ドント・ブリーズ」)で「兄妹や姉妹の関係、そして何らかの重荷を背負うヒロインが地獄をくぐり抜けることで変貌する」ということを描いていて、本作もそうであって。ハッキリ言って、リスベット役のクレア・フォイは今までで一番“病んでそうな様子&攻撃的なオーラ”がない→“ドラゴン感”が薄めなムードではありましたが、それ故に“普通の女性”が頑張って戦う姿に胸を打たれたというか。

特に“毒殺者”ホルツァーとの戦いで敗北してからの「薬物を打たれたせいで体の自由が利かない→洗面台にあったアンフェタミンを潰して鼻から吸って強引にリカバリー→階段から転がり落ちる→それでも敵を追う!」というくだりは、「アトミック・ブロンド」の“傷だらけで戦うシャーリーズ・セロン”を連想して涙が出ました。僕は昨年、階段から2回落ちているんですが、階段から落ちるとうずくまって動けないほど痛いんですよ。それなのに、不屈の闘志でヨロヨロと立ち上がって進む姿には頭が下がりましたね… (ノω・、) エライワー


クレア・フォイ、頑張ってましたな。階段から落ちると本当に痛いのです…(現実とフィクションが混同した文章)。



その他、スパイダーズに鼻をそがれた男の描写が無惨すぎて最高だったし、「007」のQっぽく助けてくれるプレイグは愉快だったし、実はウォーチャイルドと呼ばれたスゴ腕ハッカーだったニーダムもカッコ良かったし、終盤の「狙撃で大逆転シーン」はスカッと爽やかだったし(「移民の歌」っぽいイントロが流れるのがアガる!)、クレス・バング(なんと「ザ・スクエア 思いやりの聖域」の主演の人でビックリ)演じるホルツァーの「失明する薬を打たれる→高所から落ちて右足を開放骨折→車にはねられる」という死に様も「超ざまぁ!m9・∀・) ビシッ」だったし、シルヴィア・フークス演じるカミラのヤンデレ感もグッときたしと(体のあちこちに虐待の跡があって超可哀相…)、僕的には好きなところだらけだった次第。


なんとなく、軍に鼻を削がれて戦わせられるの捕虜たちを貼っておきますね(「史記」より)。


この4人のチーム感も好きでしたよ。



序盤の「DV夫を制裁するシーン」(ここも映画オリジナル)とかも超僕好みのお母さん味好みだったし、もうこの女性版「イコライザー」「007」路線シリーズを続けてほしかったんですけれども。アメリカでは大コケ→続編は絶望的っぽいから、実に残念な話 (´・ω・`) ガッカリ まぁ、何はともあれ、同シリーズに思い入れがなければ普通に楽しめるエンタメアクションだと思うので、気になっている人は今のうちに劇場へどうぞ〜。




原作小説(シリーズでは4作目)。映画はかなり脚色されているとか。



デジタル盤のサントラ。輸入盤もあります。



ノオミ・ラパスがリスベットを演じた三部作の1本目。僕の感想はこんな感じ



ルーニー・マーラがリスベットを演じたハリウッドリメイク版。僕の感想はこんな感じ



なんとなく連想したシャーリーズ・セロン主演作。僕の感想はこんな感じ



評価が高めのフェデ・アルバレス監督作。僕の感想はこんな感じ








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