10人の泥棒たち(字幕版)
原題:The Thieves
2012/韓国 上映時間138分
監督・脚本:チェ・ドンフン
撮影:チェ・ヨンファン
編集:シン・ミンギョン
音楽:チャン・ヨンギュ
出演:キム・ユンソク、キム・ヘス、イ・ジョンジェ、チョン・ジヒョン、サイモン・ヤム、キム・スヒョン、キム・ヘスク、オ・ダルス、アンジェリカ・リー、デレク・ツァン
パンフレット:★★★(1300円/約76分の特典DVDは確かに面白かったけど、読み物が充実している方が好み)
(あらすじ)
韓国を拠点とする窃盗団のボス、ポパイ(イ・ジョンジェ)のもとに、かつてのパートナー、マカオ・パク(キム・ユンソク)から巨大カジノから世界に1つしかない幻のダイヤモンド「太陽の涙」を盗み出すという一大計画が持ち込まれる。これを請け負った窃盗団の6人は香港に赴き、そこで中国人の4人組と合流。生き方も目的も異なる10人がチームを組み、それぞれの技を駆使して「太陽の涙」奪取を目指す。(以上、映画.comより)
予告編はこんな感じ↓
73点
昨日アップした記事にも書いたんですが、最初は「興味はあるけど、料金が1800円均一だからスルーしよう」と思っていたんです。ところが、先週のタマフルで次の監視候補作品を発表する際、宇多丸師匠が熱く推してたので、急遽、TOHOシネマズ六本木ヒルズに行ってきました。なかなか面白かったYO!ヘ(゚∀゚*)ノ ホエホエ!
六本木ヒルズの巨大蜘蛛ママンは、いつ見ても恐ろしいですな…。
その腹に宿す“破滅の卵”が孵った時、人類の存亡を賭けた最終戦争が始まるーー(どうでも良い文章)。
ちなみにパンフレットはメイキングDVD付きで1300円。うれしいような、高いような、複雑な心境。
冒頭、ワイヤーを使って美術品を盗み出すアクション自体はユニークで良かったんですけど、お話としての展開やリアリティがスゲー雑だったりして。特にポパイやガム(キム・ヘスク)が警察にマークされまくってる割には、防犯カメラを意識しないあたりとか、「どうだろう… (・ω・;) ウーム」と序盤から微妙な気持ちにはなってたんですよ。
で、マカオ・パクが立案した強奪計画を実行するために、韓国勢と中国勢を合わせた“10人の泥棒”が揃いまして。カジノから幻のダイヤモンド「太陽の涙」盗む準備をするあたりは、それなりにワクワクしたんですが、いざ実行したら、恐ろしく杜撰なプランでして… ('A`) 登場人物同士、因縁や思惑があって、「私はアナタのウラをかいてますよ (・∀・) ニヤニヤ」「いえいえ、私こそアナタのウラをかいているのです (・∀・) ニヤニヤ」的な要素があったりするんですけど、「そもそもどうやって無事に逃げるつもりだったの!? (゚д゚;)」って思っちゃって、あまり乗れなかったんですよ…クライマックスまでは。
最も失望したのがサイモン・ヤムが演じたチェン。キレ者かと思いきや、意外とノープランで驚きました。
マカオ・パクの裏切りによって強奪計画が失敗して映画が後半に突入すると、一気に面白くなるんです。物語的には「4年前の事件で裏切ってたのはポパイだった!」とか「マカオ・パクがこの計画を立てたのは、昔、父親を殺した謎の犯罪者ウェイ・ホンに復讐するためだった!」とか、いろいろ明らかになったりするんですが、マカオ・パクとウェイ・ホンが釜山の老朽化したマンションの一室で対面してから始まるアクションが超素晴らしい!ヽ(`Д´)ノ
中でも、ビルの側面をロープで移動しながらチェイスするシーンは最高としか言いようがなくて…(しみじみ)。「この人たち、『スパイダーマン』のウェブ・スイングを生身でやってるよ!Σ(゚д゚;) マジ!?」って感じで、爆笑しつつも感動しましたよ。エアコンの室外機が落ちたりとか、そういう妙にリアルな破壊描写も良かったです。その他、逃げるポパイがワンカットで車に跳ねられて転がるシーンなども見事で(イ・ジョンジェ本人がやってるっぽい)、アクションが好きな人なら要チェックだと思いました。
この“ビルの外壁沿いのチェイスシーン”は必見のクオリティなのです。
それと、僕の好み的にグッと来たのが、キム・ヘスク演じる詐欺師ガム。自分でもよくわからないんですけど、ああいう“おばちゃんキャラ”にはスゲー弱いというか(シングルマザー設定も良し)。「女としての自分を諦めていた時、チェン(サイモン・ヤム)と出会ってーー 川ノД`)」的なロマンス展開には切なくなったし、チェンとの“カタコトの日本語合戦”は楽しかったし、とにかくストライクでして。だから、警察に追われてチェンと一緒に事故死してしまうオチには、少し涙が出ちゃったり… (ノω・、) カワイソウ
2人とも死んじゃうというね…。
それ以外の役者さんたちも良かったです。キム・ユンソク、キム・ヘス、イ・ジョンジェあたりはもちろんのこと、「猟奇的な彼女」で知られるチョン・ジヒョンは相変わらず可愛かったですね~。中国チームにいた韓国人アンドリュー役のオ・ダルスも愉快だったし、脇役ですが、美術館館長を演じたシン・ハギュンも良い感じ。一応、最後の流れを書いておくと、ウェイ・ホンは潜入捜査官ジュリー(アンジェリカ・リー)に射殺されて死亡し、ポパイのせいで誤解して対立していたペプシ(キム・ヘス)とマカオ・パクが和解。ダイヤはイェニコール(チョン・ジヒョン)がゲットしたものの、マカオ・パクに取り返されて、映画は終わってました。
金庫破りのペプシを演じたキム・ヘス。「3秒で開ける」と、カバンを切り裂く場面はカッコ良くて、抱かれても良かったです(なぜか受け身)。
チョン・ジヒョン、アクションも結構頑張ってましたな。
まぁ、そんなワケで、作品全体に漂う軽妙なムードは嫌いじゃないし、後半のアクションはマジでスゴかったし、細かいところが気にならなければ勢いで楽しめる映画じゃないでしょうか。あと、書いておきたいのは、僕的には“話自体はいろいろとイマイチ”に感じたワケですが、パンフレットには「練りに練って作られた脚本であり、俳優たちの口から発せられる言葉は途轍もなく膨大。それを“字幕”という限られた空間に押し込もうとすると、本作では言葉のニュアンスは10分の1程度しか表現できなかった」という記述があって、要は「字幕版はわかりにくい」みたいなんですね。それ故、豪華声優陣をキャスティングした「日本オリジナル版」も公開されているそうで、これから観る人はそちらをチェックした方が良いかもしれない…けど、キム・ヘスクとサイモン・ヤムの“カタコトの日本語合戦”も愉快なので、これはこれで悩むところですな~。ただ、何はともあれ、公開は今週の金曜日までなので、観ようと思っている人は急いでぇ!ヽ(´Д`;)ノ アアン
サントラがあったので、貼っておきますね。
泥棒たち 韓国映画OST (韓国盤)
チェ・ドンフン監督作。これは日本公開時から気になってたので、近々観る予定。
チョン・ウチ 時空道士 スペシャル・コレクターズ・エディション [DVD]
一応、スティーブン・ソダーバーグ監督作も貼っておきますよ。
オーシャンズ11 [Blu-ray]
ビルの壁面バトル繋がりで、プラッチャヤー・ピンゲーオ監督×ジージャー主演作も貼っておきますね。傑作!
チョコレート・ファイター [DVD]
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10人の泥棒たち(字幕版)(ネタバレ)
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