※今回の記事に関しては、作品の内容上、性的で不快な文章が多く書かれているので、そういった文章が苦手な方は絶対読まない方が良いです。
原題:V siti
2020/チェコ 上映時間104分
監督:バーラ・ハルポバー、ビート・クルサーク
原案:ビート・クルサーク
出演:テレザ・チェジュカー、アネジュカ・ピタルトバー、サビナ・ドロウハー
パンフレット:★★★★(500円/読み物が多い割にこの値段はありがたいッ!)
(あらすじ)
巨大な撮影スタジオに作られた3つの子ども部屋に、幼い顔立ちの18歳以上の3人の女優が集められた。彼女たちは12歳の女子という設定のもと、SNSで友達募集をする。その結果、彼女たちにコンタクトをしてきたのは、2458人もの成人男性だった。精神科医、性科学者、弁護士や警備員など専門家による万全のケアのもと、撮影は10日間にわたり続けられた。撮影されているとは気付かず、何も知らずに卑劣な誘いを仕掛ける男たち。彼らの未成年に対する容赦ない欲望の行動は徐々にエスカレートしていく。(以上、映画.comより)
予告編はこんな感じ↓
100点
劇場で初めて予告編を観た時は「マジか… (`Δ´;) ヌゥ」とドン引きしたし、かなりヘビーそうだと思ったものの、とはいえ、興味が湧いたので前売り券を購入しまして。ちょうど愛聴しているラジオ番組「アフター6ジャンクション」の週刊映画時評コーナー「ムービーウォッチメン」の今週の課題作品になったのもあって、妻子が保育園時代のママ友&友だちと遊ぶことになったおかげで自由を手に入れた5月3日(月)、池袋シネマ・ロサで観てきました(その後、入間市に移動して「BLUE ブルー」を鑑賞)。ゲッソリいたしました… ('A`) ゲッソリ
前売り特典は「特製ポストカード」でした。
3日のgif。客席は半分しか解放していなかったものの、ほぼ満席だった記憶。
あらすじを雑に書いておきますと、映画はオーディション風景からスタート。幼く見える女優3人が選ばれると(※今どき「女優」という言葉は使わない方が良いという話もありますが、本作は性別が重要なので、あえて書きました)、巨大な撮影スタジオに作られた子ども部屋のセットにて、「12歳」という設定で、「① 自分からは連絡しない」「② 12歳であることをハッキリ告げる」「③ 誘惑や挑発はしない」「④ 露骨な性的指示は断る」「⑤ 何度も頼まれた時のみ裸の写真を送る(※合成写真)」「⑥ こちらから会う約束を持ちかけない」「⑦ 撮影中は現場にいる精神科医や弁護士などに相談する」というルールを守りながら、FacebookやSkypeを10日間ほどやることになるんですが…。もうね、接触してくる成人男性(トータル2458人!)のほとんどが、自分のチンコやら自慰風景やらを見せつけてきたり、性的な要求をしてきたりするクズ揃いだから、関係者一同はゲンナリ顔なのです ('A`) ゲンナリ で、その後、アプローチしてきた加害者たちにカフェで会ってみたり、加害者の1人を直撃してみたら開き直られたりしましてね。最後に「この映画を“犯罪の証拠”としてチェコ警察が動いた」的なテロップが出て、映画は終わってましたよ。
なんとなく監督のメッセージ&本編動画を貼っておきますね↓
僕が本作に100点を付けたのは、非常に社会的意義のある作品だと思ったからです。もうね、本作に出てくる「“12歳の少女”に接近してくる男ども」は、どう擁護しても“人間のクズ”にしか見えないワケで。あまりにも「性根が醜い」というか、さすがにこの映画を観たら、よっぽど特殊な人でない限りは「こんなことをしたら人間としておしまいだな… ('A`)」と感じると思うんですよ。アプローチしてくる男どもはチンコやらチンコを擦る様子やらをやたらと見せつけてくるクズの精鋭揃いであり、「よく人として恥ずかしくないな!Σ(゚д゚;)」と、逆に清々しさを覚えてくるほど。「性加害」というのがどういうことなのがよくわかるのでね、本作は20歳を越えた男女は鑑賞を義務づけた方が良いと思いましたよ(一応、日本ではR15だけど、僕的に本作を10代の子に見せるのは抵抗があります…)。ラスト、関係者一同に突撃されたクズ野郎が開き直っていて「親が悪い」とか「他にもっと解決しなくちゃならない問題があるだろ」とか言うんですけど、観た男性の多くが「こんな人間にはなりたくないな… (`Δ´;) ヌゥ」と思うだろうし、女性も「こんなクズが存在するのか… (`Δ´;し ヌゥ」と勉強になるから、本作のおかげで少しは世の中が平和に近づくんじゃないかしらん。
開き直るこのクズ野郎、子どものキャンプなどを企画している仕事に就いているそうな…。
この男への気持ちを代弁する永倉新八を貼っておきますね(「ゴールデンカムイ」第25巻より)。
ただ、観るのは超キツかったです。まず、オーディションに参加した“幼く見える女性”の23人中19人が性被害に遭っていたという事実だけでゲッソリして。そこから、そりゃあ「イースタン・プロミス」や「ヘドローバ」で繰り広げられた全裸フルチンバトルは大好物ですけど、1ミリも共感できないクズがチンコを擦る映像を「これでもか!(`Д´)ノ」「これでもか!(`Д´)ノ」と見せられるのは生理的に無理。それと「同じ男」の醜さを煮しめたような映像が延々と続くから、マジで頭に来るというか。思わず途中で「ふざけんなよ…」とつぶやいちゃったほどであり、「トガニ 幼き瞳の告発」を観た時並みの大ダメージを食らいました。特に「ニセの裸画像を送ったら脅迫してきた男」とか、「死ねよ」としか言いようがなくて。あまりの怒りに脳がグツグツと煮えたぎったせいでダメになってしまい、簡単な割り算ができなくなってしまったほど (ノω・、) ドウシヨウ 一応、カフェで会った時に女優さんがジュースをぶっかけてましたが、できれば、問題が発生した場合に対処するため近くで待機していた“護衛の人”に目を潰してほしかったな…なんてね。
12歳を演じていた1人がジュースをかけていましたが…。
できればこのガタイの良い護衛の人にグチャグチャにしてほしかった…。グチャグチャにしてほしかったッ!
もうね、鑑賞中はずっと心の中でこんな感じで殴ってましたよ(「餓狼伝」第1巻より)。
本作を観てよくわかるのは「支配欲を満たしたいんだな」ということ。いわゆるガチの小児性愛者とは違っていて(まぁ、接触してきた2458人の中にはそういう人もいたかもしれませんがー)、結局、自分より弱い相手にしか牙を剥けないから、子どもを相手にしているだけというか。要は「イジメ加害者」と同じ思考なんですよね。役者さんに正論で反撃されたクズがオロオロするシーンとか、少しは留飲が下がったけどさ、逆に「本当に相手を人間と思ってなかったんだな!Σ(゚д゚;)」とムカついたりもする。つーか、世の中には「女性の生理」と「男性の性欲」の大変さをイコールで結んだりする果てしないバカが存在していて、そりゃあ「男性の性欲」って女性が考えるよりは大変な部分があるとは思うけどさ、だからといって「他者を傷つけなくては処理できないほど、どうしようもない生理現象ではない」じゃないですか(そういう病気の人は別として)。いや、僕だって人生のルートが違えば、本作に出て来たクズ野郎たちのようになったかもしれないとは思うんですけど、とはいえ、「こういうことはしちゃダメ」ってことぐらいは最低限わかろうよ…なんて思ったり。
例えば、布団を抱きしめるフリッツ・ホンカの気持ちはわかるが、他者を攻撃するのはダメ…って、当たり前なんですが(「屋根裏の殺人鬼 フリッツ・ホンカ」より)。
あと、本作の女優さんたちは本当に頑張ったなぁと。昨年、僕も娘との「お人形さん遊び」で役に入り込みすぎて精神的にキツくなったことがあったんですけど(どうでも良い体験談)、いくら演技だとしても、卑猥な言葉を散々投げつけられ、チンコを見せられ、脅迫までされたりして、彼女たちは精神的なダメージを相当食らったんじゃないでしょうか。一応、ずっと周囲では関係者が見守っていたし、精神科医や性科学者や弁護士や警備員を揃えるなど、ケア体勢はしっかりしていたものの、PTSDになってなければいいですな…。その他、劇中に出てくる「加害者たち」は軒並み「目と口元以外の部分」にモザイクがかかっているんですが、パンフによると、ヴィート・クルサーク監督的には「加害者たちの滑稽さや惨めさをあえて出すように意図した」そうで。確かに独特の気持ち悪さを醸し出していて良かったです。ちなみに、パンフではインタビュアーが監督に「知人が見たら特定できるのでは?」と、鑑賞中に僕が思ったことを聞いてくれていて。監督ったら「実際に特定するのは極めて困難だと思いますよ」「そもそも特定させてリンチさせるようなことを目的としているわけではないので」「もしかしたら親戚や家族などものすごく近しい人なら特定できてしまうかもしれませんが、それならそれで別に構わないと、個人的には思っています」と答えていたんですけど、僕的には「特定されてリンチされてほしいナー」なんて残酷なことを思った次第。
いくらバックアップがあったとしても、かなりキツかったと思いますよ。
本作の途中、1人の男性が「一切、性的なことを言ってこなくて優しい人」で、モザイクがとれるシーンがありまして。最初は「いや、12歳に連絡してくるだけでおかしいだろ ( ゚д゚)、ペッ」とか思っちゃったんですけど(汗)、よくよく考えれば、別に何の悪意もなければ、いろいろな世代の男女が普通に話し合える環境が理想なんですよね…(とはいえ、SNSのシステム自体が…とか考えすぎると知恵熱が出てくるので、割愛!)。何はともあれ、かなり苦痛な104分で非常にゲッソリしましたが、本当に観て良かったです。パンフによると、本作を機に52人の男性と女性1人が捜査されて、そのうち8人は裁判にかけられて判決が出たそうで、そういう点でもスゴい作品だなと。残念ながら、世にはびこる性加害者のほとんどは「男」であり、いくら「12歳の子」には酷いことをしなくても、例えばクソLINEを送ったりとか、下請けの女性にセクハラ&パワハラをかますカリスマ編集者などもいるワケで。当ブログを読む方は是非とも観てくださいな。僕もね、自分が変なことをしないよう、あらためて気をつけたいと思います。おしまい。
なんかね、男はこれを読んだ方が良いかと。僕も反省することしきりです…。
実際に韓国の社会を変えるキッカケを作った映画。僕の感想はこんな感じ。
超ヘビーだったドキュメンタリーつながりで。僕の感想はこんな感じ。