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くれなずめ(ネタバレ)

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くれなずめ

 


2021/日本 上映時間96分

監督・脚本:松居大悟

製作:森田篤、佐々木卓也、太田和宏、村上正樹、宮前泰志

プロデューサー:和田大輔

協力プロデューサー:永田芳弘

アシスタントプロデューサー:横山一博、狩野修吾

撮影:高木風太

照明:秋山恵二郎

録音:竹内久史

装飾:酒井拓磨、森公美

スタイリスト:望月恵

ヘアメイク:寺沢ルミ

持道具・小道具:谷中太楼

カラリスト:高橋直孝

編集:瀧田隆一

音楽:森優太

主題歌:ウルフルズ

振付:パパイヤ鈴木

音響効果:松浦大樹

VFXスーパーバイザー:オダイッセイ

キャスティング:門田治子

助監督:山田一洋

製作担当:白石治

出演:成田凌、若葉竜也、浜野謙太、藤原季節、目次立樹、高良健吾、飯豊まりえ、内田理央、小林喜日、都築拓紀、城田優、前田敦子、滝藤賢一、近藤芳正、岩松了、パパイヤ鈴木

パンフレット:★★★(750円/各役者さん&監督インタビュー有り。金原由佳さんのレビューが良かった)

(あらすじ)
高校時代に帰宅部でつるんでいた6人の仲間たちが、友人の結婚披露宴で余興をするため5年ぶりに集まった。恥ずかしい余興を披露した後、彼らは披露宴と二次会の間の妙に長い時間を持て余しながら、高校時代の思い出を振り返る。自分たちは今も友だちで、これからもずっとその関係は変わらないと信じる彼らだったが……。(以上、映画.comより)


予告編はこんな感じ↓

 

 


60点

 

カラオケに行った時、最後に「TRAIN-TRAIN」とか「リンダリンダ」とか入れられて「みんなでウェーイ!」みたいなノリを強要されるのが心底苦手な僕ですから(とはいえ、雰囲気を壊さないようには努力するし、歌自体は好きですが…)、本作のポスターを観た瞬間、たぶん合わないような気はしたんですよ。とはいえ、成田凌さんを主演に、若葉竜也さんや藤原季節さん、高良健吾さんといった“今をときめく人気俳優たち”が出演するということで、つい俳優目当てで前売り券を購入。さらに愛聴しているラジオ番組「アフター6ジャンクション」の週刊映画時評コーナー「ムービーウォッチメン」の課題映画になったため、5月18日(火)、テアトル新宿に足を運んできました(その後、職場で仕事をしてから、池袋で「私は確信する」を鑑賞)。悪い映画ではないんじゃないカナー (´∀`;) アハハ

 

 

前売り特典は「オリジナルクリアファイル」でした。

 

当日のテアトル新宿。くれなジュース(普通に美味)を飲みながら観たのです。

 

 

最初に身もフタもなく雑にあらすじを書いておきますと。高校時代、文化祭でコントを披露したことをキッカケにつるむようになった帰宅部6人が、友人の結婚披露宴で余興を披露するため、5年振りに集まったんですけど、実は吉尾(成田凌)は5年前に死んでいて。披露宴から二次会までの3時間、ダラダラと過ごしつつ、吉尾との思い出を各々思い出していくのです。で、吉尾にずっと好きだったミキエに告白させたり、みんなで過去のコントを追体験してみたり、天国で吉尾と語り合ったり、吉尾と最後に会った日を書き換えようとして失敗したりしつつ、5人は“「吉尾の死」を引きずって暮れなずんでいた”状態からなんとなく抜けだして、二次会に向かう…って感じで終わってたんじゃないかしらん(うろ覚え)。

 

 

最後はウルフルズの書き下ろし新曲「ゾウはネズミ色」が流れてましたよ。

 

 

 

まず、好きだったところを挙げると、ストーリー自体は非常に面白かったです。フタを開けてみれば、「横道世之介」「佐々木、イン、マイマイン」のような「友人との死別をテーマにした映画」でして。どのタイミングで友人たちの前に“吉尾”が出現したのかは不明ながらも、「友人を再び失いたくないからこそ“過去のノリ”を必死に再現しようとする」という5人の姿には胸を打たれたというか。僕は幸いなことにまだ「仲の良い友人」が亡くなった経験がないんですけど、とはいえ、中学時代の友人たちと集まる時はやはり懐かし話中心になるし、当時のノリが蘇ったりもするので、ああいう雰囲気になる気はしましたよ。“吉尾”が召喚された幽霊なのか、それとも単に彼らの意識が生み出した存在なのかが曖昧なのも良かったです。高良健吾さん演じる欽一の「ハッキリさせようとすんなよ!」という台詞が非常に好きだったんですけど、なんでもハッキリさせることが「正解」ではないものね。それと、終盤に繰り広げられる「赤フン一丁状態の6人が『それが答えだ!』を熱唱するシーン」は眼福だったワケですが(目次立樹さんの肉体が引き締まってて良かった!)、確か吉尾役の成田凌さんのワキ毛だけがあまり処理されていない感じだったんですよ。これはやはり「他のメンバーは現実の存在だから余興に出る身だしなみとして整えていた→吉尾だけは違う」ということをワキ毛で表現していたのか…って、これは深読みしすぎな気がします (ノ∀`) スミマセン

 

 

というか、成田凌さんはあまりワキ毛を整えない印象があって。例えば「チワワちゃん」ではこんな感じ。

 

今泉力哉監督の名作「愛がなんだ」でもノー処理なのです。

 

「窮鼠はチーズの夢を見る」でも。これはリアルを追求した役作りとして「あえての未処理」なのでは…って、どうでも良いですな。

 

 

主要メンバー以外の役者さんも良くて、“無自覚にごう慢な同級生”を演じた城田優さんの“厭な奴感”は最高でしたな (°∀°)b ナイス! ミキエ役の前田敦子さんも安定の素晴らしさで、吉尾がミキエに「幸せになれよ!」と言ったら「もう幸せだから!川 ゚д゚)」と言い返されるくだりは笑っちゃいました。あと、僕はウルフルズの曲って決して嫌いではないんですけど(「バカサバイバー」とか「あーだこーだそーだ!」とかは大好き)、「それが答えだ!」だけはあまり好きじゃなかったんですよ。でも、本作のために書き下ろしたという新曲「ゾウはネズミ色」は“その当時から年齢を重ねたミュージシャンによるアンサー”として「良い曲ダナー (ノω・、) グスン」としんみりいたしました(書き下ろした経緯も素敵だと思う)。そしてラスト、5人が歩く映像の暮れていく感の撮影が本当に素晴らしくて、非常に良いシーンだと思った次第。

 

 

ウルフルズの曲では「あーだこーだそーだ!」が一番好きです。

 

 

 

ただ、ごめんなさい、全体のノリが合わなかったです。たぶん本作の主人公たちと同じく僕も「クラスの主流派ではなく隅にいたタイプ」ではあるし、警察官時代はモロにマッチョでホモソーシャルなノリも数多く経験・実行しましたが、本当に仲の良い友人たちと本作に出てくるようなノリになったことはなくて。なんて言うんですかね、彼らの「友を想う心」自体にはグッときたものの、本作で「面白い」「懐かしい」と提示してくるものは、あまりフィットしなかったんですよね…。例えば、パンフでインタビュアーが監督に「路上で赤フンを投げ合うシーンでは、カメラも一緒になってはしゃいでいるような、6人の仲の良さが伝わってくる、楽しい画でした」と語っているんですが、ああいうジャレ合いを僕は経験したことがなくて。普通に「ああいうのはイヤだな… (´・ω・`) キタナイ」と感じてたという身もフタもなく面倒くさい文章。

 

いくら「吉尾のために久しぶりに当時のようなノリになった」ということだったとしても、例えば「笑ってんのかーい!」とか、ああいうギャグで盛り上がったことがないし、彼らのカラオケのノリも案の定苦手だっただけに、「あるある!」という共感が湧いてくる以前に知らないグループの飲み会に参加させられた気分になった…って伝わりますかね(それでいて、そのノリが羨ましくも見えない感じ)。それに「思い出パート」で提示された「友人宅に泊まった夜に好きな子の話をするくだり」とか、手垢にまみれているのはノー問題ながらも新しい面白さが皆無だったのは今どき残念だったし、何よりもガッカリしたのは「風俗に行った直後の吉尾と欽一が屋台のおでん屋で語り合うシーン」ですよ。震災とか絡めて真面目な顔して話してたけど、僕的には風俗説教おじさんの亜種みたいで気持ち悪くて笑いどころもよく分からないし、何よりも外国人っぽい店主役の滝藤賢一さんがカタコトで注文間違えまくるみたいなギャグが1ミリも面白くないどころか、今の時代にこれを『面白いでしょ?』って提示するの? (°д°;) マジ?」ってゲッソリいたしました(滝藤さんの出演をオチ的に使うノリがまた致命的に合わない)

 

 

ということで、鑑賞後はこの烈海王みたいな気持ちになったというね(新装版「バキ」第14巻より)。

 

 

その他、思ったことを書くと、「赤フンの演し物、結婚式の一次会でやることではないというか、あまりに『吉尾のため』すぎるのでは」とか「演し物での各々の失敗を振り返っていくシーンが面白かった」とか「5人全員が吉尾にそこまでの思い入れがあるのが不思議」とか「目次立樹さん、『アルプススタンドのはしの方』で暑苦しい教師を演じた人か!」とか「若葉竜也さんが喜劇をバカにする先輩に食ってかかるシーンは実話ベースだそうですが、コメディを下に見るような人には『サリヴァンの旅』がオススメ」とか「そもそも『5年振り』の設定なら、5人とそこまで差は開いていないのでは?(「高校卒業以来、会ってない」とかなら分かるけど)」とかとかとか。まぁ、文句も書いちゃいましたけど、トータルするとそんなに悪くはないというか。もともとは舞台だったそうですが、そっちだったら僕ももっと乗れたんじゃないかなぁと(映画と舞台では共犯関係の度合いが全然違うだけに)。何はともあれ、僕が凄まじく面倒くさい人間なだけで、間違いなく「刺さる人には刺さるタイプの映画」だし、出演している役者さんたちは魅力的なのでね、気になる人はぜひ観てみてくださいな。

 

 

 

 

サントラがありましたよ。

 

 

ウルフルズによる書き下ろしテーマ曲。良い歌だと思います。

 

 

気になっている松居大悟監督作。いつか観ようとは思っているんですが…。

 

 

なんとなく思いだした、宇多丸師匠や町山智浩さんが勧めていた映画。とても面白いです。

 

 

 

 


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