Quantcast
Channel: 三角絞めでつかまえて2
Viewing all articles
Browse latest Browse all 2570

オールド・ボーイ(スパイク・リー版)(ネタバレ)

$
0
0

オールド・ボーイ(スパイク・リー版)

オールドボーイ

原題:Oldboy
2013/アメリカ 上映時間103分
監督:スパイク・リー
製作ロイ・リー、ダグ・デイビソン、ネイサン・カヘイン
製作総指揮:ジョー・ドレイク、ジョン・パワーズ・ミドルトン、ピーター・シュレッセル
原作:土屋ガロン、嶺岸信明
脚本:マーク・プロトセビッチ
撮影:ショーン・ボビット
美術:シャロン・シーモア
衣装:ルース・E・カーター
編集:バリー・アレクサンダー・ブラウン
音楽:ロケ・バニョス
出演:ジョシュ・ブローリン、エリザベス・オルセン、シャルト・コプリー、サミュエル・L・ジャクソン、マイケル・インペリオリ、ポム・クレメンティフ
パンフレット:★★★(700円/普通に良いパンフ。デザインが好き)
(あらすじ)
酒に酔ったある夜、突然拉致され、テレビだけが置かれた部屋に閉じ込められたジョー・ドーセット(ジョシュ・ブローリン)。理由もわからぬまま20年に及ぶ監禁生活を強いられたジョーは、ある日突然解放されるが、外界に出ると妻殺しの汚名を着せられていた。自分を陥れた犯人を見つけ出し、復讐を誓うジョーだったが、そんな彼の前に冷酷非道な男(シャルト・コプリー)が現れる。(以上、映画.comより)

予告編はこんな感じ↓




60点


※今回の記事は、原作漫画パク・チャヌク版(韓国版)、そして今回のスパイク・リー版が好きな方は不快に感じる可能性があるので、読まない方が良いです。
※この映画はオチを知ってしまうと面白さが半減するタイプの作品なので、未見の人は読んじゃダメ絶対!ヽ(`Д´)ノ
※ということで、「じゃあ、この腐れブログの感想を読む前にスパイク・リー版を観に行くか!ヘ(゚∀゚*)ノ」と思った人に伝えておきたいんですけど、驚くほど無粋でクソなボカシが入るので気をつけて!ヽ(`Д´)ノ


観ようかどうか迷っていたんですが、ムービーウォッチメンの課題映画になったということで、先週の日曜日、新宿バルト9に足を運んできました。「これがやりたかったのか!∑(゚Д゚)」と腑に落ちましたよ。


劇場はシアター2。確か3分の2ぐらいは埋まってました。
バルト9でオールドボーイ


「観たい映画の覚え書き」でこの映画に「○」(一応観たい)という印を付けてたのは、リメイク元であるパク・チャヌク版(韓国版)を超えるのは無理だろうと思ってたから。パク・チャヌク版と同じように金鎚を握るジョシュ・ブローリンのビジュアルには惹かれなくもないけどさぁ…。いや、パク・チャヌク版が完璧な映画とは言いませんが、「監督:パク・チャヌク×主演:チェ・ミンシク」だからこそのスゴい作品じゃないですか。いくらスパイク・リーが名監督だからと言って、僕的には「ロボコップ」のリメイク以上に大変な印象というか、「無茶しやがって… (ノД`)」と思わざるを得なかったワケですよ。


なんとなく僕の心境を代弁する本部以蔵の画像を貼っておきますね。
とてもムリだ


で、実際に観たところ、僕的にはやっぱりパク・チャヌク版の方がいろいろな意味でスゴかった印象なんですけれども、今回のスパイク・リー版もなかなか好感が持てる作りではあって。やりたいことが伝わってきて、ハッキリ言って、オチはこっちの方が好きだったりするのです。

そんなワケで、ここから今回のスパイク・リー版だけでなく、原作漫画パク・チャヌク版のネタバレ全開の感想を書いていきますが、どのバージョンもオチを知ってしまうと面白さが減ってしまうのは間違いないので、興味があって時間がある方は原作漫画パク・チャヌク版→スパイク・リー版を、興味があるけど時間がない方はパク・チャヌク版→スパイク・リー版を、さらに時間がない方はパク・チャヌク版を観ていただければ幸いです。


まったく関係ありませんが、無理矢理な「BOY」繋がりで、TOM★CATの「TOUGH BOY」を貼っておきますね↓





原作漫画の感想>

まず、僕が原作漫画の存在を知ったのは、韓国版が公開された時のこと(当時、「漫画アクション」はノーチェックだったのです…)。「『ある日突然、誘拐・監禁され、10年後に解放された男がその理由を探る』という漫画があった!」「韓国で映画化された!」というのを聞いて、「これは面白そう!(*゚∀゚)=3 ムッハー」と思いまして。第1巻を読んだら、グイグイ引き込まれてしまい、残りをまとめ買い。一気に読んだものですよ。

ただね…。好きな方には本当に申し訳ありませんが、「ルーズ戦記」という副題の通り、どうにも話が進まないし、なんか「明るい奴隷」だなんだの台詞も鼻につくし、黒幕の柿沼が万能過ぎだったりもして、後半になるとテンションが下がってきちゃって…。しかも、10年間という監禁時間も大して意味はないし(「ムシャクシャしてやった」程度)、何よりも監禁した理由が「小学6年生のころ、音楽の授業で柿沼が歌った『花の街』を聴いて、主人公だけが彼の内面の孤独を知って、落涙した→成功者となった柿沼的には、その憐れみが許せなかった!ヽ(`Д´)ノ キィィィ」みたいな感じだから、すみません、僕も感性が鈍い男なので今ひとつピンと来なかったというか。「そういう理由で恨む人もいるだろうけどさぁ… (・ω・;) ウーン」としか思えなかったんですよね…(解釈が間違ってたらゴメンね (ノ∀`) テヘ)

原作漫画で鍵となる「花の街」を貼っておきますね↓





パク・チャヌク版の感想>

それを経て、パク・チャヌク版を観たら、スゲー面白かった!ヽ(`Д´)ノ この時、初めてパク・チャヌク監督の映画を観たんですけど、コミカルだったり凄惨だったりする独特の演出が面白かったし、さらに主演のチェ・ミンシクが超魅力的! 何よりも僕が感動したのは、映画中盤に用意されている“横スクロール型アクションゲームを思わせる長回しの格闘シーン”で、「これは良いアクションを観た!ヘ(゚∀゚*)ノ ヒャッハー」と興奮するあまり、「野原で手をたたけ」に出てくる野武士ライクに劇場を駆け巡ったのを覚えております(誰も得をしないウソ)。

「長期間監禁される」「監禁中の自己トレーニングにより、頑強な肉体&高い戦闘力をゲットする」「餃子を食べて監禁されていた場所を特定する」など、原作漫画の良いところを引き継ぎつつも、改変した要素が実に素晴らしい。「原作では超然としていた主人公を間抜けなオッサンにした」のが良かったのはもちろんのこと。パク・チャヌク版では、黒幕のウジンが恨んだのは「実の姉とセックスしているところを主人公に見られた→主人公がそれを友人に話してしまう→街のウワサになる→姉は想像妊娠で腹が膨らんでしまい、ウジンの目の前で自殺してしまった… ('A`) ネーチャン」というあんまりすぎる理由になっていて、「恨んでも納得!(o^-')b シカタナシ」の飲み込みやすさだったのです。

シカモ!クレアラシルのCMの外人風に) 監禁された年月を10年から15年にしたのは、「主人公が催眠暗示によって、成長した自分の娘(別れた時は4歳→再会した時は19歳)と性的関係を結んでしまうように仕組むため」だから、「なるほど… (`Δ´;) ヒデェ」と。正直なところ、まんまと罠にかかってしまった主人公が近親相姦の事実を娘に知らせないでほしいとウジンに懇願するラストが恐ろしいほど痛々しく重いので(犬の真似と舌の切断が超キツい)、アクションシーン以外は何度も観たいワケではないんですけど…。たぶん僕が「韓国映画、スゲェ!Σ(゚д゚;)」と思わされた一番最初の作品なんじゃないかしらん。

一応、予告編を貼っておきますね↓





<スパイク・リー版の感想>

やっと本題に入りますが、今回のスパイク・リー版、僕的には思いのほか良かったです。まず、ジョシュ・ブローリンのクズ&タフなムードが素晴らしくて。絶妙な“ジョックスのなれの果て”感が漂っているというか、チェ・ミンシクとはまた違った魅力があったのではないでしょうか。パク・チャヌク版を踏襲した“長回しアクションシーン”でも非常に頑張っていて、ビジュアル的なセンスでは負けるものの、アクションの内容は本家に勝るとも劣らないと感心しましたよ(ちなみに「映画秘宝」によると、武術指導は「エンド・オブ・ホワイトハウス」「バレット」「エージェント・マロリー」と、僕好みの映画ばかり絡んでいるJ・J・ペリー!)。あまり関係ない話ですけど、この男が実写版のサノスを演じるというのは、非常に納得がいきました。

さらに僕的に好きだったのは、改変ポイント。基本的にはパク・チャヌク版のリメイクといった印象であり、自分の娘との近親相姦を仕組まれるオチも一緒なんですが、恋に落ちる女性が自分の娘だと気付かせないようにするために加えた新要素が非常に考えられているというか。「① 主人公がクズ野郎→娘に無関心」「② 別れた時の年齢を3歳に下げる」「③ 監禁年数を20年に上げる」「④ ニセ番組をテレビで流すことで、別人を自分の娘だと信じ込ませる」と、なかなか手が込んでいるのです。

ハッキリ言って、これはパク・チャヌク版を観た当時も思って、自分が娘を持ってからはより強く思うようになったことですけど、「別れた時が4歳だったら気付くんじゃないかなぁ (´・ω・`)」と。例えば、ウチの娘のマナ子(仮名/もうすぐ3歳)は、本当に、本当に、本当に、恐ろしいことに、僕に激似でしてーー (ノД`) 僕からすれば世界一可愛い女の子だけれども、たぶん彼女が自意識に目覚めたあたりで、相当恨まれることになるのは間違いなくて。その“決して遠くない未来”を思うと、胸が痛くて死にそうになるというね… (ノω・、) ゴメンヨ

閑話休DiE!ヽ(TДT)ノ ウワァァァン まぁ、そんなのは人によるとしても(苦笑)、たぶんスパイク・リー監督もそこに違和感を感じていたからこそ、パク・チャヌク版よりも説得材料を重ねたのではないでしょうか。あと、ごめんなさい、僕はこの世で信じていないものが結構あるんですが、その一つが催眠術でして…。原作漫画&パク・チャヌク版ではその部分にイラッとしていたので、催眠術云々のくだりをバッサリ削ったのは良かったです(とは言え、そうなるといくら同情しやすい性格とはいえ、第三者が主人公と娘がセックスするように導くのはかなりハードルが高いと思うんですがー)。

そして何よりも納得したのがラスト。パク・チャヌク版は「主人公のハードすぎる謝罪の後、黒幕は自殺→主人公は催眠術師に記憶を消してもらって、娘と恋人として生きることに」という救いなんだか地獄なんだかグラグラしてくるオチなんですが、今回は「主人公はそこそこの謝罪の後、黒幕は自殺→娘に別れを告げて、主人公は自ら監禁部屋に閉じ込められる」という終わり方で、好みの問題ですけど、僕はこっちの方がスッキリす (´∀`) ウフフ なんかスパイク・リー監督のやりたかったことは、僕がパク・チャヌク版でモヤモヤしていた部分を解消してくれたので、結構うれしかったです。

その他、出演するのを知らなかったのでサミュエル・L・ジャクソンは出て来ただけで笑えたし、娘役のエリザベス・オルセンも超可愛かった&ヌードが素敵だったし、黒幕役のシャルト・コプリーも異常者っぽさが伝わってきて良かったし(この人はハズレなしの印象)、基本的には大好きなんですけど、残念ながら合わないところもあって。パク・チャヌク版で「姉と弟の近親相姦→ウワサが広まって姉が自殺」だったのを「父親と妹の近親相姦→ウワサが広まって父が母と妹を射殺して自殺→兄(黒幕)だけ生き残る」ってことにしたのはどうなのかと。

いや、前者の場合は「若いからああいう無防備な場所でことに至ってしまうのもやむなし」的に思えますけど、後者の場合、「いい大人が実の娘と学校の敷地内でセックスすんな!( ゚д゚) クソガ」と1ミリも同情できないじゃないですか。その後の描写を見ると「男女問わずにフリーセックス家族! 川`∀´)(・∀・)(´∀`)(゚∀゚*し ヤッチャオーゼ!みたいな感じで、余計に感情移入できないし…。劇中では「主人公が意地悪クソ野郎だからウワサを流した」みたいなことになってましたが(主人公の奧さんも妹のイジメに一役買っていたのは、後で殺される理由になるので、良い改変ポイントだとは思う)、僕がもし主人公の立場だったとしても、「虐待なんじゃないか?」と普通に思って、他の大人に相談するんじゃないかなぁ。「父親と娘の近親相姦」という関係性を合わせたかったのかもしれませんけど、この改変だけはちょっと理解できなかったです (´・ω・`) ウーン

それと、これは映画の出来自体とは関係ありませんが、ボカシがマジ台無し。セックスシーンと残虐なシーンで大きいのが入るんですけど、ちょっと「ドラゴン・タトゥーの女」を思い出したというか、スゲー興醒めでした。R15指定であんな無粋なボカシを入れなくちゃならないのなら、近親相姦的な話なんだし、R18にして…って、配給会社の人もバカじゃないんだから、いろいろと事情があってのことだとは思いますが、ああいうのってどうにもならないんですかね… ('A`)

まったく関係ありませんけど、僕が「タトゥー」と聞くと連想する画像を貼っておきますね(「つっぱり桃太郎」より)。
タトゥーだよ!



ということで、ダラダラと書いてきましたが、基本的には結構好きだったものの、ボカシのせいで60点。2択ならパク・チャヌク版をオススメしたいところです。この流れを受けて、もともとの発信源である日本が「長期間監禁された理由」をもっと納得できるような「オールド・ボーイ」を作ってほしい気もするんですけど、無理ですカネー (・ε・) オシマイ




土屋ガロン先生&嶺岸信明先生による原作漫画。kindle版で買い直しちゃいましたよ。



パク・チャヌク監督×チェ・ミンシク主演作。クライマックスではとにかくゲンナリ。



サントラです。輸入盤もあります。



スパイク・リー監督の映画ってあまり観てないんですが、一番好きなのはこれかなぁ。









Viewing all articles
Browse latest Browse all 2570

Trending Articles



<script src="https://jsc.adskeeper.com/r/s/rssing.com.1596347.js" async> </script>