Quantcast
Channel: 三角絞めでつかまえて2
Viewing all articles
Browse latest Browse all 2570

泣く男(ネタバレ)

$
0
0

泣く男

泣く男

原題:우는 남자/No Tears for the Dead
2014/韓国 上映時間116分
監督・脚本:イ・ジョンボム
撮影:イ・モゲ
編集:ナム・ナヨン
アクション監督:ホ・ミョンヘン
出演:チャン・ドンゴン、キム・ミニ、ブライアン・ティー、キム・ジュンソン、キム・ヒウォン、カン・ジウ、キム・ミンジェ、ダナ・リー、アントニー・ディリオ、キム・ジソン、リチャード・ダナ・リー
パンフレット:★★★(500円/ポスターになるパンフは好きじゃないけど、安っぽくないムードは良し)
(あらすじ)
幼い頃に捨てられ、中国系組織に殺し屋として育てられたゴン(チャン・ドンゴン)は、ある時、アメリカでの任務中に誤って少女ユミ(カン・ジウ)を巻き添えにしてしまう。やるせない思いにかられたゴンに、組織は少女の母親モギョンを葬れとの新たな命令を下す。これを最後の仕事と決めたゴンは、モギョン(キム・ミニ)を追って祖国韓国に戻るが、娘を亡くして悲嘆に暮れるモギョンに対して引き金を引くことができず……。(以上、映画.comより)

予告編はこんな感じ↓




85点


※今回の記事は、「イコライザー」のネタバレに触れているので、気をつけて!

アクション映画の傑作「アジョシ」の監督の最新作と言われたら、劇場に足を運ぶのが当たり前ということで、前売り券を買って楽しみにしてまして。10月下旬、「深夜も稼働のバルトなんかどう?」ってな気分で新宿バルト9に足を運んできました。「よくぞ贖った!m9`Д´) ビシッ」と思ったり。


ロビーには江頭2:50さんのポスターコラボキャンペーンの告知がありまして。
江頭さんのポスターとキャンペーン

さらに窓口横には大々的なコーナーが。
ロビーには展示

劇中で使われていた衣装が展示されていたのです。
劇中の衣装

水とケイジャンチキンを買っちゃいましたよ。だって美味しそうだったのだもの (´・ω・`)
ケイジャンチキンと水


ハッキリ言って、この映画で最も素晴らしかったのは、映画中盤に発生する「団地での銃撃戦」「普通の団地の一室を両隣の棟から凄腕スナイパーがバンバン挟み撃ちをして、無残かつ景気良く人が死んでいく」という、僕の実家に似た日常的なロケーションに超ド級のバイオレンスが投入された名シーンなのです(近作では「ザ・レイド」「サスペクト 哀しき容疑者」に似たシーンがありましたが、集合住宅の“挟撃”はフレッシュだと思う)。今回のアクションは「ベルリンファイル」「新しき世界」を手がけたホ・ミョンヘンが担当したそうですけど、イ・ジョンボム監督、「アジョシ」「男気ナイフバトル」に続いて、またも“後世に残るレベル”の名場面を生み出したのではないでしょうか。


モギュンを刑事パク(キム・ミンジェ)がハッカーの家に連れて行くと、裏切り者のせいでヤクザが大量に押し寄せまして。
チーム長のパク(キム・ミンジェ)

モギュを救うべくゴンが単身乗り込んで、手際の良いサクサクナイフ攻撃でクズどもを血祭りにあげる!
手際の良いサクサクナイフ攻撃

すると、なんと隣りのビルから殺し屋がハードな銃撃を開始! 室内は一気に地獄絵図に…。
隣のビルから銃撃!

だがしかし、ゴンは負けじと勢いのある膝蹴りで突破するのでした (o^-')b イイネ!
ナイス膝蹴り


ストーリーも最高でしてね…(しみじみ)。たまたま暗殺現場に居合わせた少女ユニを殺害してしまった殺し屋ゴンが、その母親でキャリアウーマンであるモギュンの暗殺を命じられるんですけど、自分の母親を重ね合わせてしまって、彼女を守ることを決意。襲ってくる敵も同じ暗殺集団ということで、瞬殺はできないものの、何とか一人一人倒していくんですが、しかし!


アメリカで活動する一流の暗殺者ゴン。韓国語も話せます。
ゴン(チャン・ドンゴン)

夫&勤めていた企業がクズだったため、娘は殺されるわ、自分の命も狙われるわ、散々な目に遭うモギュン。
モギョン(キム・ミニ)


ラスト、高層ビルでの死闘を経て、ゴンの友人兼殺し屋のチャオズ(ブライアン・ティー)がモギュンを殺そうと彼女の元に向かう→ゴンは電話でモギュンに「今からお前の娘を殺したクズ野郎がやって来るから、オレの合図で射殺しろ!」と指示すると、彼女の目の前に現れたのはゴンだからビックリ! で、彼女に撃たれて瀕死になったゴンがその場に現れたチャオズの手を握ると、ほだされたチャオズはモギュンの殺害を止めるというね… (ノω・、) バカヨ...


最終的にはゴンにほだされてしまう暗殺者チャオズ。ただ、その後の処理を考えると、結構大変そう。
殺し屋チャオズ(ブライアン・ティー)


ゴンは序盤、レストランで会ったユニを笑わせるために口から水を垂れ流すほどの子どもLOVE。怪しい取引現場に娘を連れて来た父親がクズすぎるのは置いといても、彼女を殺してしまったことを海より深く後悔していたワケですよ。だからこそ、モギュンを救いながらも自分の顔は一切見せずに、最後の最後に母親に撃ち殺されることで贖ったのです。

しかも「友人に命を賭して訴えることで暗殺を止めさせる」という素敵な効果も合わさって、これは「ナイス贖罪!m9`Д´) ビシッ」と認定せざるを得ない(偉そうな文章)。その後は、組織を裏切る直前、「幼いころ、アメリカに渡る前に母親と行った銭湯」に足を運んで、一人むせび泣くゴンの姿が映って終わるんですが、僕もすっかり“泣く男”にトランスフォーム。「母さーん!ヽ(TДT)ノ ウワァァァン!」という気分になった次第。


ということで、当ブログではお馴染みの「不良少女とよばれて」の名場面を貼っておきますね↓




他の部分も褒めるところまみれでして。アクションは全体的に良かったし(カットは多いけど結構観やすい)、役者さんたちも素晴らしかったし…。チャン・ドンゴンなんて、ちくしょう、そりゃあ惚れ惚れするほどカッコ良かったし、敵対する殺し屋たちもプロフェッショナルなムードが超素敵。ゴンのお母さんを演じたキム・ジソンも実に好みのタイプというか、アメリカに渡って自殺する直前の様子が恐ろしく荒んでいるからこそ、ラストに流れる“渡米前の穏やかな雰囲気”が凄まじく泣けるのです… (ノДT)


この荒んだシングルマザー振り、ストライクでした。
ゴンのお母さん(キム・ジソン)


というか、いつも同じようなことを書いていますが(苦笑)、韓国映画に出てくる役者さんって、なんであんなに「イイ顔」揃いなんでしょうか。「アジョシ」からの連続登板となるキム・ヒウォンとか、パク刑事役のキム・ミンジェとか(「サスペクト」にも出てた)、中途半端に英語が話せたばかりに酷い目に遭う掃除のおばさんを演じたキム・ギョンヒとか、なかなか良い感じでした。


キム・ヒウォン演じるピョン室長、良い味を出してましたな~。
ピョン室長(キム・ヒウォン)


とは言え、実は不満が2つありまして。1点目は、リチャード・ダナ・リー演じる暗殺組織の元締めのテバンが殺されなかったこと。いや、僕だってバカじゃありませんよ(苦笑)、そんなシーンをわざわざ付け加えても蛇足なのはわかるんですけど、僕はこの作品を観る前に“ロシアにいるボスまで一気に退治した「イコライザー」をすでに通過してしまっただけに、もう少しゴンにも頑張ってほしかったなぁと(無茶振り)。


デンゼル・ワシントンなら、きっとコイツを殺してくれた…。そう思ってしまうのは僕だけでしょうか(混同した文章)。
元締め・テバン(リチャード・ダナ・リー)


2点目は、少女が殺されるくだり。「映画秘宝 2014年11月号」ギンティ小林さんが「『少女を命がけで守った『アジョシ』とは違うバイオレンスをお届けするぜ!』という監督からの気迫がこもったメッセージ」的な文章を書かれていて、そこは納得だし、ストーリー的にも非常によく出来ていたとは思うけれども! もう一度、観に行きたい作品なのに、どうしても足を運ぶのを躊躇ってしまうのは、あの展開がキツすぎるから… ('A`) いや、僕だってバカじゃありませんよ(2回目)、もちろん仕方ないとは思うんですが、3歳の娘を持つ父親の立場から書かせていただくなら、ああいう展開は今後一切のフィクションで禁止してほしいところです(面倒くさい文章)。


予告編で覚悟してたとは言え、キツかったですね…。
少女の死


あと、強いて書くなら、「団地での銃撃戦」が凄まじすぎたゆえに、クライマックスの戦闘が“無難な出来”に見えてしまったのが残念だったし、1点だけショットガン描写に変なところがあったのも微妙でしたな…(「映画秘宝」のインタビューで監督自身も認めてましたが)。まぁ、何はともあれ、アクション的にもドラマ的にもグッとくる映画なのは間違いないので、気になる人はぜひぜひ。新宿バルト9の上映は終わっちゃいましたけど、シネマート六本木ならまだやってますぞ!ヘ(゚∀゚*)ノ イソイデ!




イ・ジョンボム監督による「ナメてた相手が、実は殺人マシンでした」映画の傑作。ラストのナイフバトルは100点!



なんとなく観たチャン・ドンゴン主演作。僕は結構好きでしたよ。



イ・ジョンボム監督のデビュー作。今度、観てみようかなぁ。


Viewing all articles
Browse latest Browse all 2570

Trending Articles



<script src="https://jsc.adskeeper.com/r/s/rssing.com.1596347.js" async> </script>