虎影
2015/日本 上映時間94分
監督・原作・脚本・キャラクターデザイン・特殊造型監督・編集:西村喜廣
脚本:継田淳
製作総指揮:高橋正
プロデューサー:鈴木宏美、服巻泰三
撮影:Shu G. 百瀬
照明:太田博
音楽:中川孝
特殊造型:下畑和秀
VFXスーパーバイザー:鹿角剛
アクション監督:匠馬敏郎
録音:中川究矢
衣装:中村絢、村島恵子
ヘアメイク:清水ちえこ
出演:斎藤工、芳賀優里亜、しいなえいひ、津田寛治、石川樹、鳥居みゆき、島津健太郎、三元雅芸、清野菜名、水井真希、屋敷紘子、三田真央、松浦りょう、仁科貴、村杉蝉之介、板尾創路
パンフレット:★★★(720円/キャラ紹介や絵地図が良かった! あと、上映後にもらった監督のプリクラを貼りました)
(あらすじ)
かつて最強と呼ばれた忍者の虎影(斎藤工)。今は抜け忍となり、里で妻子と穏やかに暮らしていた。そんな彼の前に、ある日、隠された財宝を手に入れようとする忍者の首領が現れ、家族を人質に財宝を奪ってくるよう命じる。家族を守るため再び刀を手に取った虎影は、財宝をめぐって繰り広げられる壮絶な戦いに身を投じる。(以上、映画.comより)
予告編はこんな感じ↓
70点
※この映画に関しては、カゲヒナタさんのブログを読んでおけば良いんじゃないかな。
※今回の記事は、「ダイ・ハード」のネタバレをしているんですが、もし未見の人がいたら観てから読んで!
都内の公開は終わってしまったものの、他の地域では上映中&これから公開されるということで、感想をアップしておきますね。「日本が世界に誇る特殊メイクアップアーティストの西村喜廣監督が忍者映画を撮った」と聞いて興味が湧いたし、予告編を観たら「財宝争奪バトルロイヤル」→「バトル・ロワイアル」に便乗していない姿勢に好感が持てたので、前売り券を購入。いろいろあってなかなか足を運べなかったものの、7月中旬、やっと新宿武蔵野館で観てきました。「誰かお金をあげて!ヽ(´Д`;)ノ」と思ったり。
今回は画像が多かったので、GIFにしてみましたよ(トークショーは最後に撮影許可が出たので撮りました)。
まず、ストーリーが良かった! 監督は「走れメロス」と「ダイ・ハード」
を意識したそうですが、まぁ、そんな感じ。あらすじをサラッと書くと、忍者集団「焔衆」首領・幻斎(しいなえいひ)に1人息子の孤月(石川樹)を人質に取られた“抜け忍の夫婦”である虎影と月影(芳賀優里亜)が、耶厳藩藩主の板東リクリ(津田寛治)から「銀の巻物」を奪取することになるものの、用心棒として雇われていた忍者・鬼卍(三元雅芸)と鬼十字(清野菜名)に阻まれて、囚われの身になりまして。今度は月影を人質にされてしまい、虎影は焔衆から「金の巻物」を盗まなくてはならなくなるーーって、スゲー面白そうでしょ?(・∀・) ネェネェ
子どもが人質になるだけかと思いきや、今度は奥さんの月影も捕まって、ダブル「走れメロス」状態になるのです!m9`Д´) ビシッ
で、予告編を見るとハードでシリアスなムードと思われるかもしれませんが(僕はそう思ってた)、実はコメディ色も非常に強かったりしましてね。苦肉の策として、板東リクリに月影を人質として差し出した後、虎影が「お父さん、どうしよー!ヽ(´Д`;)ノ」と叫びながら走る場面は大爆笑。この場面でグッと虎影が好きになったし、僕も同じ子を持つ父親として「確かにどうしよう… (´Д`;) イヤーン」と考えさせられたというね。
しかも、変な人造人間が出て来たり、竹製パワードスーツが登場したり、敵が必殺・人間手裏剣で攻撃してきたり、「西太后」のアレを思わせる“つぼ女”たちがシュールな歌を歌ったりと、次々と西村監督ならではの独創的なビジュアルやシーンが炸裂しましてね…(しみじみ)。一応、四肢切断や首チョンパシーンもあるものの、いつもの作風からすれば抑えめなせいか、なんと映倫の区分は「G」。まぁ、だからといって、僕は奥さん&娘と一緒に観る気がしない内容ではありますが(酷い文章)、アクションもなかなか頑張ってて、今まで観てきた西村監督作の中ではズバ抜けて観やすかったし、これは万人にオススメできるような気がしないでもないと思ったり思わなかったり…。
この竹製パワードスーツという発想、素敵ですよね。
人間手裏剣のシーン、「炎のニンジャマン」のカラダ手裏剣を連想いたしました。
戦闘シーンも悪くなかった…悪くなかったです!
と言いつつも、クライマックスの展開に乗れなくて… (´・ω・`) 虎影と孤月が耶厳教の人柱にされそうな月影を救出しようとする中、幻斎軍団が襲撃してきたり、鬼卍と鬼十字が味方になったりするんですが…。僕の頭が悪いという可能性も高いんですけど(汗)、まず鬼卍たちの動機や行動が都合良すぎてどうにも飲み込みづらいし、登場人物たちの位置関係が不明すぎて、どこをどうすればどうなるのかがサッパリだから、なんか燃えなかったんですよね…。それと、“カラクリ忍者”目なし(水井真希)の戦闘シーンをダイナメーションで見せた試み自体は嫌いじゃないものの、緊迫感が削がれて微妙に感じました…って、面倒くさいですかね (´∀`;) スミマセン
三元雅芸さんと清野菜名さん自体は超カッコ良かったんですがー。
しいなえいひさんが演じる幻斎はスゲー恐ろしくて良かったんですがー。
目なしの不気味なビジュアルとかは大好きだったんですがー。
それと最後、あの有名な「ダイ・ハード」の「笑いながら両手を挙げるものの、実は武器が隠されている」という場面を再現するんですけど、アレは拳銃をテープで貼っていたから予想外なのであって。忍者が隠し持っていた手裏剣を放ったって意外性ゼロじゃないですか…(しかも相手は忍者軍団の首領なのに!)。ごめんなさい、ここも結構萎えちゃいましたよ。一応、最後のオチを書いておくと、悪党どもは全員死亡。虎影たちは親子3人で正義の忍者として活動することとなり(モロに「仮面の忍者 赤影」
っぽいムード)、謎の男が意味深に登場したりして終わってましたよ、確か。
最後に出てきた“謎の男”を演じたのは板尾創路さん。西村監督的には続編を作りたいんだとか。
「仮面の忍者 赤影」の動画を貼っておきますね↓
観終わってみれば、「『仮面の忍者 赤影』がやりたかったんだ (´∀`) ナァンダ」と(青影の「大丈夫」オマージュもあったし)。もうね、この映画の“やりたいことが詰まっている感”はマジで素晴らしいし、主演の斎藤工さん&芳賀優里亜さんを始め、役者さんも良かったし、センスオブワンダー的な場面も多かったし、基本的には絶賛したいのですけれども。あまりにも合成丸出しすぎるシーンでは、申し訳ないけど、切なくなったりもしてね…。本音を書けば、スケボー風に下りながらのアクションは、その勢いには好感が持てるものの、さすがに直視できなかった…というか、ちくしょう、そういうシーンが結構あった。だからね、「西村監督に誰かもう少しお金をあげてほしい」って、心から思いました。おしまい。
西村監督作で一番好きなのはこれですかね。残酷なので注意!m9`Д´) ビシッ
西村監督作で一番センス・オブ・ワンダーなのはこれですかね。僕の感想はこんな感じ。
西村監督作で一番どうかしているのはこれに収録された短編ですかね。僕の感想はこんな感じ。
なぜかレコードを持ってました。全話観たことはないです。
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虎影(ネタバレ)
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