※今回の記事は、この映画が好きな人はイヤな気持ちになる可能性があるので、気をつけて!
パディントン(字幕版)
原題:Paddington
2015/イギリス 上映時間95分
監督・脚本:ポール・キング
製作:デビッド・ハイマン
製作総指揮:ロージー・アリソン、ジェフリー・クリフォード、アレクサンドラ・ファーガソン、オリビエ・クールソン、ロン・ハルパーン、ボブ・ワインスタイン、ハーベイ・ワインスタイン
キャラクター創造:マイケル・ボンド
脚本:ハーミッシュ・マッコール
撮影:エリック・ウィルソン
美術:ゲイリー・ウィリアムソン
衣装:リンディ・ヘミング
編集:マーク・エバーソン
音楽:ニック・ウラタ
出演:ヒュー・ボネビル、サリー・ホーキンス、ジュリー・ウォルターズ、ジム・ブロードベント、ピーター・キャパルディ、ニコール・キッドマン、マデリーン・ハリス、サミュエル・ジョスリン、ティム・ダウニー、マット・ルーカス、ジュード・ライト
声の出演:ベン・ウィショー、イメルダ・スタウントン、マイケル・ガンボン
パンフレット:★★★★(720円/ロケ地マップが載っていたのが素敵。あと、松岡亨子さんのコラムに書かれてた田中琢治さんの手紙の話がイイ!)
(あらすじ)
真っ赤な帽子をかぶった小さな熊が、ペルーのジャングルの奥地からはるばるイギリスのロンドンへやってきた。家を探し求める彼は、親切なブラウンさん一家に出会い、「パディントン」と名付けられる。ブラウンさんの家の屋根裏に泊めてもらうことになったパディントンは、早速家を探し始めるが、初めての都会暮らしは毎日がドタバタの連続で……。(以上、映画.comより)
予告編はこんな感じ↓
70点
※今回の記事は、残酷な画像が貼ってあるので、そういうのが苦手な人は読まないで!
※この映画に関しては、映画瓦版さんの記事やそーす太郎さんのブログを読んだ方が良いザンス。
※今回の記事は、「華麗なるギャツビー」のネタバレに触れているので、気をつけて!
基本的にあまり観るつもりはなかったんですが、ツイッターで相互フォローさせていただいているお隣のシロさんから勧められましてね。そーす太郎さんも絶賛されていたし、なんとなく興味が湧いたので、2月中旬の日曜日、いそいそとTOHOシネマ新宿で観て来ました。家族で観たくなりましたヨ (´∀`) ウフフ
TOHOシネマ新宿ではグッズが売られているだけでなく…。
なんと等身大のパディントンもいたのです。
1番スクリーン、公開から結構経っているのに満席でした。
ちなみにUC豊洲で「ザ・ガンマン」を観た時も、ロビーにはまだこんな展示がありましたよ (゚⊿゚) ニンキアルナー
今作で一番感心したのは、CGで作られたパディントン。あまりにリアルすぎて、「人語を理解して会話できるクマが実在したとは… (`Δ´;) ヌゥ」とカン違いするほどのクオリティだったのです。例えば、CGキャラのアクションって、どこか作り物感があって乗れなかったりすることも少なくないんですけど、今作のパディントンの実在感はマジでスゴくて、途中のスリを追いかけるアクションとか、ジャッキー・チェンの映画のように手に汗握っちゃいましたよ。ハッキリ言って、現在のVFX技術を駆使して本気で作られた動物に関しては、もう本物とまったく見分けがつかない自信があります(偉そうに)。
こういうアクションシーンはなかなか見応えがありましたね。
ストーリーに関しても、基本的には楽しかったです。簡単に書くと、「昔、ペルーに来たイギリス人探検家が残した『イギリスに来たら歓迎する』という言葉を頼りにやってきたクマをブラウン一家が『パディントン』と名付けて、紆余曲折あった挙げ句に“家族”として迎え入れる」というストレートな感じでして。「クマが駅にいる&人語を話してもあまり驚かない」という「スチュアート・リトル」を思わせる“少しファンタジー”な世界観ではあるものの、近年の移民問題へのメッセージなどもキッチリ込められていた印象(って、高橋芳朗師匠が語っていた「カリプソ」にはまったく気付きませんでしたがー)。それと、僕は「探検家=植民地支配の手先」的なイメージが強いので、探検家協会を善玉として描いてなかったのも好感が持てましたよ。
ロード・キチナーが歌う「London Is the Place for Me」を貼っておきますね↓
備忘録としてオチを書いておくと、「人語を話すクマ」の剥製を持って帰らなかったために協会から追放された探検家クライド(ティム・ダウニー)の汚名をすすぐべく、その娘のリセント・クライド(ニコール・キッドマン)はパディントンを剥製にしようと企んでいたんですが、ブラウン一家に倒されて悪事が発覚→奉仕活動に従事することになり、パディントンはブラウン一家の家族となって、めでたしめでたし。とにかく紳士的なパディントンが可愛いし(ベン・ウィショーの吹き替えも良し)、自宅紹介の場面などところどころウェス・アンダーソン監督作っぽい絵作りもキュートだし、暴力的なシーンはあまりないし、人が死んだりもしないし、見事なファミリームービーというか。確かにこれなら家族で観ても大丈夫だなぁと。娘のマナ子(仮名/4歳)は暗いところがダメなので映画館には連れていけないものの、DVDがリリースされたら奥さん&娘と3人で一緒に観るつもりでございます。
パディントン駅に降り立った「人語を話すクマ」。人間は彼の名前を発音できないため、駅名を名付けられるのです。
優しいブラウンさん一家に引き取られるものの…。
悪女ミリセントに狙われたりしてね。元夫オマージュのアクションとかやってましたよ。
でも最後はハッピーエンド。みんなで雪合戦をして終わってました…よね、確か。
って、褒めまくりましたけれども、実は個人的に乗れなかった大きなポイントが2つありまして。1つ目は、「危険な存在に思えた」ということ。今回、パディントンの実在感が凄まじかったゆえに、逆に「人語を話すクマ」が信用できなかったというか…。そりゃあ同じ哺乳類ではありますが、いくら言葉が通じるからと言って、相手は人間を素手で殺す力を有している恐ろしい野生動物。昔、小熊との簡単なじゃれ合いでムツゴロウさんが重傷を負ったように、子どもに近づけるのは危険すぎるじゃありませんか。
正直なところ、僕は劇場ロビーのパディントンから獣臭を嗅ぎ取っていましてね(「餓狼伝」より)。
こんな丸っこい手をしているものの…。
人体を一撃で破壊できることも知っているのです(「シャトゥーン ヒグマの森」より)。見た目で騙されないぜ!
しかも、パディントンがやたらと「アナタが家をくれるんですか? (•ᴥ•) クマー」「家をくれるハズなんです (•ᴥ•) クマー」なんて台詞を連呼するのも、「不審者が勝手に侵入してきたり、家を乗っ取ろうとしたりする映画」→ホーム・インベージョン・ムービーっぽくて怖かった…というのは考えすぎでしょうか。まぁ、そこまでいかずとも、単純に風呂を壊されたりするだけで大迷惑だし、「オレがあの家の父親だったら、自宅には絶対招き入れないな… (`Δ´;)」と心から思ったのでした(以上、映画から何も学んでいない人の文章)。
この風呂のシーン、保険が適用できたかどうか非常に気になります。
なんか、こういうコラ画像を作る人がいるのもスゲーわかる。よく観ると目が怖いというか。
すでに多くの人が当ブログを去ったと思いますが’(苦笑)、もう1つの不満が「クライマックスに期待しすぎた」ということ。いくら紀里谷和明監督の元奥さんが「ぼくはくま、くま、くま、くま~♪ (•ᴥ•し クマー」なんて平仮名で歌おうとも、所詮、クマはクマ。「華麗なるギャツビー」の終盤で追い詰められて「本性」をさらけ出してしまったギャツビーのように、いくら“紳士”を気取ろうとも、最後の最後にクマとしての獣性を発露してしまうのではないかと。クライマックス、ブラウンさんを制してパディントンが前に進み出た時、とうとうクマ本来の攻撃力でミリセントを屠るのかと思いきや! 「帽子の中に隠しておいたマーマレードサンドをミリセントに投げる→鳩の群れが彼女を襲う(伏線アリ)→下からババアが出てくる(伏線アリ)→扉にぶつかって転落する」なんてスマートなオチだったからガッカリ…って、もうお前はファミリー映画観んな ( ゚д゚)、 ペッ
いくらパディントンが愛らしく振る舞おうとも、クマはクマ(「刃牙道」より)。
必死に彼をかばうブラウンさんを制して前に出た瞬間!
「シャトゥーン ヒグマの森」みたいなことになると思ってたんだけどナー (・ε・) チェッ
その他、「ブラウンさんの女装シーンがスゲーどうでも良かった」とか「前からイギリスの近衛兵の帽子の中には食べものが入ってるんじゃないかと思ってた!」とかは置いとくとして。雑な文句を書きましたが(苦笑)、家族とまた観たいくらいには好きな映画でしたヨ (´∀`) ウフフ もうね、あのリアルなクマのCGには心底感心したというか、あの技術を駆使して「デンデラ」を撮り直してほしい…なんて願いを書いて、この乱暴な感想文を終えたいと思います (•ᴥ•) クマー
サントラ。なかなか良さげだったり。
原作の児童文学。実は知りませんでした… (´∀`;) エヘヘ
ムービーストーリーブックなんてのも出てましたよ。
ぴあによる公式ファンブック。ううむ、ちょっとほしいかも。
人形アニメのDVD-BOX。可愛いですな。
実は関連商品で一番ほしいのはこれ。こういう本を片手にロンドンに行ってみたいものです。
連想したロブ・ミンコフ監督作。良く出来たファミリー映画でございます。
天願大介監督作。もう少し予算があったら名作になったのに…。僕の感想はこんな感じ。
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パディントン(字幕版)(ネタバレ)
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