マギー
原題:Maggie
2014/アメリカ 上映時間95分
監督:ヘンリー・ホブソン
製作:コリン・ベイツ、マシュー・ベア、ビル・ジョンソン、アラ・ケシシアン、トレバー・カウフマン、アーノルド・シュワルツェネッガー、ピエール=アンジェ・ル・ポガン
製作総指揮:エド・カテル3世、ジム・セイベル、フローリアン・ダーゲル、ジョン・スコット3世、ロニー・R・E・ヘバート、バリー・ブルッカー、スタン・ワートリーブ
脚本:ジョン・スコット3世
撮影:ルーカス・エトリン
美術:ガボール・ノーマン
衣装:クレア・ブリュー
編集:ジェーン・リッツォ
音楽:デビッド・ウィンゴ
音楽監修:ローラ・カッツ
出演:アーノルド・シュワルツェネッガー、アビゲイル・ブレスリン、ジョエリー・リチャードソン、ダグラス・M・グリフィン、J・D・エバーモア、ブライス・ロメロ
パンフレット:★★★(600円/コラムやプロダクションノートなど、ちゃんとしてます)
(あらすじ)
感染するとゾンビ化するウイルスが蔓延する近未来のアメリカ。ウイルスに感染したウェイドの娘・マギー(アビゲイル・ブレスリン)は、当局によって特別病棟に収容されてしまった。ウェイド(アーノルド・シュワルツェネッガー)は娘のマギーを捜し出し、家族の元へと連れて帰るが、ウイルスがもたらすマギーの変化は徐々に進行していった。徐々にゾンビへと変化し、苦しむマギーを前にただ見守ることしかできないウェイドだったが、その決断の時は確実に迫っていた。(以上、映画.comより)
予告編はこんな感じ↓
60点
「マギー」と聞いて脳裏に浮かぶのは、司郎や審司ではなく、日本の女性ファッションモデルやQでもなければV4でもなく、トム・マギーだったりする貴方は昭和のプロレスファン…というのはどうでも良いとして。
そういえばこんなのもいましたね(「ジョジョ第3部」より)。
「アーノルド・シュワルツェネッガー主演のゾンビモノ」となれば観たくなるのが人情ですけど、「娘がゾンビになる」「アクション要素はナシ」なんて事前情報を聞いちゃうと、その「景気が悪そうな内容」に萎えるというか。正直、なかなか観る気が起きなかったんですが、2月下旬、ヒューマントラストシネマ渋谷にて「ゾンビマックス! 怒りのデス・ゾンビ」と勝手な「ゾンビ2本立て」として観て来ました。「でも、シュワルツェネッガーのやろうとしてることはスゴイ。オレは心から応援してるよ (`・ω・´) キリッ」と思ったり。
ヒューマントラストシネマ渋谷は劇場スタッフの感想が掲示されてたりしてね。
シュワルツェネッガーファンがケチだと思われたらシャクなので、ついチョコミントを買っちゃいました。
1番スクリーン、1日1回上映の割には10分の1ぐらいの入りでしたよ。
あらすじを簡単にオチまで書いておくと、ゾンビになっちゃうウィルスが蔓延中のアメリカで、ブラリと家出をしたマギーが感染しちゃいまして。隔離施設が非人道的ということで、医者の友人に頼み込んで彼女を自宅に引き取った父ウェイドは、ゾンビ化した隣人親子を射殺したり、継母キャロライン(ジョエリー・リチャードソン)が家から出て行く時にイヤミを言ったり、施設に入れろと命令してくる保安官たちと話し合い&バトルしたりしながらも、頑張って保護するエヴリデイ。最後は、「もうアタシったら完全にゾンビ化するんだわ… (´・ω・`し」と自覚したマギーが、椅子に腰掛けて眠る父にキスをして、屋根から飛び降りて終わってましたよ、確か。
食べるのか…と思わせて、そっとキスをして立ち去るマギーなのでした (ノω・、) マギー...
良かったところを挙げると、役者さんの演技は素晴らしかった。今回、小競り合い程度のアクションしか見せなかったシュワルツェネッガーですが(序盤でゾンビを倒す&終盤に保安官と揉めるだけ)、非常に渋かったです。よく演技ができないバカ扱いされる彼ですけど、全然そんなことなかったですよ。それと、マギー役のアビゲイル・ブレスリンも徐々にゾンビ化していく少女を好演していて、さすがだなぁと。脇を固める役者さんたちも良かったし、さらに撮影も綺麗だったし、ちょっとしたグロ描写(ゾンビ化した人や腐った指など)もよくできていたんじゃないでしょうか。
珍しく「一般人」を演じたシュワルツェネッガー、激シブでしたな。
アクションシーンは少なめで戦闘力も低めなのです。一応、警官には勝ってましたが…。
アビゲイル・ブレスリン、安定の娘振りを発揮してました。
で、乗れなかったところを挙げると…。まず、世界観が乗れなかったです。ゾンビにまつわる設定に違和感を感じるところが多くて…(ゾンビ化する人への対応とか、隔離施設の設定とか)。その直前に思いっきりバカ設定に振り切った「ゾンビマックス!」を観てただけに、本作はシリアスな分、些末なところが気になっちゃったというか。だいたい、「愛する人がゾンビになってどうしよう!ヽ(´Д`;)ノ イヤーン」なんて展開は昔から腐るほど繰り広げられているのに、そこを「父娘」にしてクローズアップした割には、「シュワルツェネッガーが主役」以上のオリジナリティが感じられなかった印象(「ゾンビの恋愛」や「治療できるゾンビ」まで描かれてる時代に!)。
そりゃあ、アビゲイル・ブレスリンの演技は上手いから、基本的には泣きながら観ましたけど、率直な話、「これ、ゾンビモノにする必要なくね?」って。単に「ストレートな難病モノだと観客が入らないからゾンビにしてみました」以上の作品に見えなくて。つーか、シュワルツェネッガーもたまには「普通の父」を演じたかったんだろうけどさ、ごめんなさい、僕が観たいのは「ゾンビ化した娘を守るために、過去に培った戦闘スキルで警官隊を退ける元特殊部隊所属の父親」とかなんですよね… (´・ω・`) ゴメンネ 母親を継母設定にして父性を強調した脚本や、娘に自殺を選ばせるラストも好きじゃないしさ、ちょっとね、あざとい映画だと思ったり。
なんか「義理の母親設定→見放す展開」ってズルいなぁと。だったら父子家庭でいいじゃんよ。
だがしかし、僕も大人ですよ。売れたグラビアアイドルが服を着た仕事に移行したがるように、シルベスター・スタローンの「コップランド」やジェット・リーの「海洋天堂」
、ジャン=クロード・ヴァン・ダムの「レジョネア」
などなど、アクションスターのイメージが強い俳優が「普通の男」を演じたくなる心境も理解しているのです。だから、「ボクシングに散々ダメ出ししておいて、ユリーに『でも心から応援してる』とか言い放った刃牙」のように、僕も本作がシュワルツェネッガー映画としては不完全だと思いつつも、でも製作に携わってまで挑戦した姿勢はスゴイと思うし、そんな彼を心から応援してるーーって、例えがわかりにくいね (´∀`;) アハハ
ボクシングに対して偉そうな口を叩きながらも…。
「心から応援してる」とか言い出す刃牙(「グラップラー刃牙完全版」より)。ううむ、ちょっとイヤな奴に見えるような… (`Δ´;) ヌゥ
しかも数年後には、達観した顔でこんなことを言い出すのでした(「バキ」より)。
そんなワケで、実際のところ、ゾンビモノとしては新鮮味のない作品だけど、雰囲気は決して悪くないし、「シュワルツェネッガーが頑張って演技した映画」として観るなら超イイ感じ!ヘ(゚∀゚*)ノ ホエホエ! もう都内の上映はとっくに終わっていますが、ファンは機会があったら絶対に観ておくべし!m9`Д´) ビシッ
近年のシュワルツェネッガー主演作で一番良かった映画を貼っておきますね。僕の感想はこんな感じ。
少し連想したジェット・リー主演作。僕の感想はこんな感じ。
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マギー(ネタバレ)
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