アルキメデスの大戦![]()
2019/日本 上映時間130分
監督・脚本・VFX:山崎貴
原作:三田紀房
製作:市川南
エグゼクティブプロデューサー:阿部秀司 山内章弘
プロデューサー:佐藤善宏、守屋圭一郎
ラインプロデューサー:阿部豪
撮影:柴崎幸三
照明:上田なりゆき
録音:藤本賢一
美術:上條安里
装飾:龍田哲児
VFXディレクター:渋谷紀世子
衣装:水島愛子
ヘアメイク:宮内三千代
編集:宮島竜治
音楽:佐藤直紀
カラーグレーター:齋藤精二
音響効果:岡瀬晶彦
特機:奥田悟
キャスティング:梅本竜矢
スクリプター:阿保知香子
助監督:安達耕平
制作担当:櫻井紘史
プロダクション統括:佐藤毅
出演:菅田将暉、柄本佑、浜辺美波、笑福亭鶴瓶、小林克也、小日向文世、國村隼、橋爪功、田中泯、舘ひろし
パンフレット:★★★★(820円/観音開きページの大和解説が素敵。というか、
後藤一信さんの解説が素晴らしいし、他のページも情報量多めで好き)
(あらすじ)
日本と欧米の対立が激化する昭和8年、日本帝国海軍上層部は巨大戦艦・大和の建造計画に大きな期待を寄せていたが、海軍少将・山本五十六はその計画に待ったをかけた。山本は代替案を提案するも、上層部は世界に誇示する大きさを誇る大和の建造を支持していた。山本は大和の建造にかかる莫大な費用を算出し、大和建造計画の裏に隠された不正を暴くべく、天才数学者・櫂直を海軍に招き入れる。数学的能力、そして持ち前の度胸を活かし、大和の試算を行っていく櫂の前に帝国海軍の大きな壁が立ちはだかる。(以上、
映画.comより)
予告編はこんな感じ↓
80点※本作は、ネタバレを知らないで観た方が絶対面白いので、未見の人は観てから読んで!
※本作については、宇多丸師匠の時評がとにかく素晴らしいので、そっちを読むべし!m9`Д´) ビシッ
※今回の記事は、「ウォッチメン」のネタバレに触れているので、未見の人は観てから読んで!
※今回の記事は、映画の内容とは関係のない文章がダラダラ書かれているので、そういうのが苦手な人は読まない方が良いです。僕の中で
「ドラゴン桜」のイメージがいつの間にか変容したのか、
「週刊ヤングマガジン」で
「アルキメデスの大戦」を連載している漫画家の名前をずっと
「小田原ドラゴン」だと思い込んでいた…というのはどうでも良いとして(実際は
三田紀房先生)。「太平洋戦争」のころを描いた邦画って「軍国主義の日本」描写を観るのがキツいし、「戦争に負ける=辛気臭い話になりがち」なのもあって、あまり観る気がしなくて。本作もそれなりの「話題作」だったから
「観たい映画の覚え書き」では「△」を付けたものの、基本的には劇場に足を運ぶ予定はなかったんですが…。愛聴しているラジオ番組
「アフター6ジャンクション」の週刊映画時評コーナー
「ムービーウォッチメン」の課題作品になったということで、8月5日(月)、仕事帰りに
TOHOシネマズ日比谷にて、
auマンデイを利用して
「ドラゴンクエスト ユア・ストーリー」とハシゴ鑑賞してきました。
「面白いじゃん!(*゚∀゚)=3 ムッハー」とテンションが上がりましたよ。
13番スクリーン、20人ぐらい入ってたような。
![]()
あんをかけるだけで食べられる手軽なインスタント食品とは言え、「歩きながら食べる」なんて、
アルキメンデスは大変ーー。こんな駄文を書いたせいで、現時点で読者の多くがこのブログを
そっ閉じした可能性については積極的に目を逸らすとして。本来なら
「ムービーウォッチメン」の放送前に感想をアップしたかったんですが、結局、間に合わなくて、とりあえず
こんなツイートをしたりしてね。で、翌日に放送を聴いてみれば、宇多丸師匠ったら、僕が書きたかったことに+αまで加えた見事な批評をされていたので、
「別に僕が書く必要はないな (´∀`)」気分になって、ブログを更新するモチベーションが一気に下がった次第。だから、
みやーんさんによる書き起こしを読めば十分なんですが、それでもここは一応、「僕の感想を書き残しておく場所」なので(汗)、アッサリめの感想を垂れ流しておきますよ。
放送日、裏アカのツイートを貼っておきますね。
まず、本作のあらすじを乱暴かつクイズを交えながら書いておくと、映画は
戦艦大和が壮絶に沈没するシーンからスタート。場面が変わると、舞台は1933年(昭和8年)の日本になりまして。海軍が軍艦を新たに作ることになって、
山本五十六海軍少将(
航空主兵論派)は「これからは空母の時代… ( ´_ゝ`) フフフ」と思っていたものの、巨大戦艦の建造を推す
嶋田繁太郎海軍少将と平山忠道造船中将(
大艦巨砲主義派)との
プレゼンに“安さ”で敗北。しかし、「あの見積にはウラがある… ( ´_ゝ`) フフフ」と看破した山本少将は、料亭で自棄になって芸者遊びをしていた天才数学者・櫂直(美しいものは計りたくなる派)と偶然知り合うと、
新型巨大戦艦「大和」の見積を依頼するのです。
櫂は、最初は断るも「大和が作られたら戦争まっしぐら」という状況を危惧して、山本の依頼を受けるのでした。
![]()
だがしかし! 戦艦の図面やら何やらは軍事機密だし、嶋田少将たちの嫌がらせもあって、
大和の情報はほぼゼロ…ということで。櫂は部下の田中正二郎海軍少尉と友情を育みながら、大和のベースとなったっぽい
戦艦「長門」の図面を盗み見たり、長さを測ったり、それを元に大和の図面を書いてみたり、家庭教師をしていた女性のコネを使って大阪の造船会社に行ってみたりしましてね。「日程を短縮させられる」という逆境を乗り越えて会議に乗り込むと、平山中将と「この計算式によると大和の見積はウソだ!m9`Д´) ビシッ」→「それは敵を欺くためだ ( ̄ー ̄) ニヤッ」→「図面をよく見たら、この『大和』の設計には欠陥があった!m9`Д´) ビシッ」→
「あたしってほんとバカ… (ノω・、) グスン」といった
攻防の末に見事勝利! 空母を作れることになった山本少将は「こうすればアメリカに勝てる… ( ´_ゝ`) ホクホク」とホクホク顔だったんですが…。平山中将は櫂を呼び出すと
大和建造のための説得を始めるから、さぁ大変。
さて、ここでクエスチョンです(
「世界ふしぎ発見!」風に)。平山中将が櫂に説いた
“大和を作る必要性”は次のうちどれでしょうか?
① 実は平山はメタ的な視点を持つ登場人物だった→大和を作らないと歴史通りにならないから
② 実は平山は2199年の未来から来ていた→大和はその時代で宇宙戦艦になって地球を救うから
③ 戦争は避けられない→美しい巨大戦艦大和が沈没することで、愚かな日本人はやっと軍国主義の愚かさに気付くからということで、正解の画像を貼っておきますね(
「JOJO」第三部より)。
![]()
頑張って「大和」の図面を作ったことで、
「この美しい戦艦を実際に観てみたい… (´Д`;) ハァハァ」という欲望が生まれてしまったのもあって、櫂は平山中将に説得されてしまったのか。場面が変わると、時間軸は太平洋戦争開戦直後になって、
大和は見事完成済み。そして、甲板には他の水兵たちに混ざって死んだ目で敬礼する櫂がいましてね。連合艦隊の旗艦となった大和が呉軍港から出航する様子を見ると、
櫂は涙を流すのでしたーー (ノω・、) ワタシマケマシタワ会議では勝利するも、結局、平山に説得されて、大和は完成してましたよ。
![]()
もうね、
「まさかここまで面白いとは!Σ(゚д゚;)」とビックリいたしました。
ここから書くことは宇多丸師匠の時評やらMr.ホワイトさん&たくや・かんださんのメールやらと被りますが(汗)、まず
オープニングの大和沈没シーンが最高でしてね…(しみじみ)。とにかくCGのレベルが高くて、「ほう、実際に大和を作ったのか (゚⊿゚) ヤルナァ」と思うほどの迫力であり(パンフの解説を読んで驚いた)、さらに機銃が肉片まみれになったりとか、傾いた船体から人が次々と落下したりとか、無惨な描写が口溶け滑らかに盛り込まれているからたまりませんよ(微笑)。パンフの監督インタビューによると「キャストから聞いて、急遽入れた」という「自国の兵士を救助するアメリカの哨戒機」もサラリとパンチが効いているし…(
「特攻で人の命を無駄にする日本じゃ根本的に勝てないわ… (´Д`;)」ってムード)。好みとしてはもう少し凄惨なゴア描写を入れてほしかったところですが(そうすれば
「プライベート・ライアン」のノルマンディー上陸作戦シーンと並ぶレベルになったと思う)、この
冒頭の5分半を見るだけでも価値があるんじゃないかしらん。
冒頭の沈没シーン、素晴らしかったです。
![]()
そして、
物語のオチも面白かった。まぁ、そもそものストーリー設定がよく考えられていて(
元になった漫画は未読なのでどこまで原作に忠実なのかはわかりませんがー)、櫂と田中の「バディもの」としても普通に楽しいんですけれども。とは言え、「戦艦大和を主人公が作らせないようにする話」となると、「歴史上、すでに作られてしまっている」という結果がわかっている分、どういう着地になっても
「なぁんだ ┐(´ー`)┌ ヤッパリ」感が拭えなさそうじゃないですか。正直なところ、クライマックスの会議で櫂が勝ったので、僕的には「これで作られないんだ (´∀`)」なんて
歴史を忘れてすっかり呑気な気分だったんですが、しかし。宇多丸師匠も触れられていましたが、まさか
「ウォッチメン」的な
「愚民どもはこうでもしないと納得しないだろ」エンドだったとは… (`Δ´;) ヌゥ 平山中将役の田中泯さんの
メフィストフェレス感も相まって実に納得させられたし、
「結局、巨大な不条理に負ける」というのも
苦くて美味というか。映画オリジナルの展開ということですが、山崎貴監督の脚色には感心いたしました(宇多丸師匠が批評の中で「来年開催のオリンピック」に触れていたのも考えさせられましたよ)。
まさか終盤、田中泯さんが一気に持っていくとは思わなかったです。この人、スゴいね。
![]()
その他、主人公の天才数学者を演じた菅田将暉さんはどことなく
フィリップっぽくて懐かしかったし、山本五十六を演じた
舘ひろしさんはスゲー渋かったし(最後、アメリカとの戦争を想定してテンションが上がってるシーンが不気味で最高!)、
永野修身海軍中将役の國村隼さんは安定の國村隼振りを発揮していたし、嶋田繁太郎役の橋爪功さんはストレートに憎らしくて良かったし、戦艦大和をCGで再現する際のこだわりとかも素晴らしかったです(冒頭の大和と最後の大和はディテールが違う…って、パンフを読んで気付いたことですが)。まぁ、合わなかったところを挙げておくと、ところどころ音楽の使い方がうるさく感じたし(登場人物が話している時とか)、天才の主人公がトラブルを
ロジックで乗り越えるシーンがあまり見られなかったのは残念だったし(家庭教師をしていた時のお嬢さんが助けてくれたりとか、物事を“情”や“熱量”でクリアしていった印象)、「アメリカ行きを断念する時の独り言」とか、ところどころ
説明的に感じられる台詞が気になった…ってぐらいでしょうか。
菅田将暉さん、天才役がハマリますよね。
![]()
舘ひろしさん演じる山本五十六、「実はちゃんと軍人」なあたりが怖くて良かったです。
![]()
そんな彼に少し引く國村隼さんが「クローン武蔵に引く徳川光成」と重なった…って、どうでもいいですな(
「刃牙道」より)。
![]()
そんなワケで、その直前に
「ドラゴンクエスト ユア・ストーリー」を観て心が冷えていたのもあるかもしれませんが(失礼な文章)、
予想外に面白かったです!(*゚∀゚)=3 ムッハー! ハッキリ言って、本作で山崎貴監督の株が急上昇したというか、スゲー見直しましたよ。基本的には「できる人」なんでしょうな。年末に公開される
「ルパン三世 THE FIRST」は1ミリも観る気がしませんけど、これからも頑張ってほしいと思いました。何はともあれ、冒頭の大和沈没シーンがド迫力なのでね、気になる人は劇場で観てみてくださいな。
三田紀房先生による原作漫画。宇多丸師匠によると、映画は原作の3巻ぐらいまでの内容だとか (゚⊿゚) ヘー
![]()
![]()
映画のノベライズでございます。
![]()
![]()
デジタル盤のサントラ。
CD盤もあります。![]()
![]()
山崎貴監督作。ちょっと興味が湧いたけど、原作者への嫌悪感の方が上回るから観ません (o^-')b ミナイヨ!
![]()