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検察側の罪人(ネタバレ)

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検察側の罪人



2018/日本 上映時間123分
監督・脚本:原田眞人
原作:雫井脩介
製作:市川南
共同製作:藤島ジュリーK.
エグゼクティブプロデューサー:山内章弘
企画・プロデュース:臼井央
プロデューサー:佐藤善宏、西野智也
協力プロデューサー:鍋島壽夫
プロダクション統括:佐藤毅
ラインプロデューサー:芳川透
撮影:柴主高秀
照明:大坂章夫
録音:矢野正人、鶴巻仁
美術:福澤勝広
装飾:籠尾和人、高橋光、岩井健志
衣装:宮本まさ江
ヘアメイク:酒井啓介
編集:原田遊人
音楽:富貴晴美、土屋玲子
音響効果:柴崎憲治
VFXスーパーバイザー:オダイッセイ
Bカメラ撮影:堂前徹之
スクリプター:西岡智子
キャスティング:杉野剛
助監督:桑原昌英、谷口正行
製作担当:伊藤栄
出演:木村拓哉、二宮和也、吉高由里子、平岳大、大倉孝二、八嶋智人、音尾琢真、大場泰正、谷田歩、酒向芳、矢島健一、キムラ緑子、芦名星、山崎紘菜、松重豊、山崎努
パンフレット:★★★★(820円/読み応えあるパンフ。佐藤優さん&郷原信郎さんというコラムの人選がナイス)
(あらすじ)
都内で発生した犯人不明の殺人事件を担当することになった、東京地検刑事部のエリート検事・最上と、駆け出しの検事・沖野。やがて、過去に時効を迎えてしまった未解決殺人事件の容疑者だった松倉という男の存在が浮上し、最上は松倉を執拗に追い詰めていく。最上を師と仰ぐ沖野も取り調べに力を入れるが、松倉は否認を続け、手ごたえがない。沖野は次第に、最上が松倉を犯人に仕立て上げようとしているのではないかと、最上の方針に疑問を抱き始める。(以上、映画.comより)

予告編はこんな感じ↓




90点


※今回の記事は、ムダにダラダラと長くなっちゃったので、そういう文章が苦手な人は読まないで!

別に「原田眞人監督作は絶対観る!」という主義ではないんですけど、劇場で本作の予告編を観たら、主演2人の芝居がかった台詞回しが気になったし、「検察が暴走するっぽいストーリー」への興味も湧いたので、観る気マンマンになりましてね。さらに愛聴しているラジオ番組「アフター6ジャンクション」での木村拓哉さんのインタビューが予想以上に素晴らしかったということで、公開初日にユナイテッド・シネマとしまえんで鑑賞(で、取引先の特撮オタクの人と夏の戦隊&ライダー映画(2回目)をハシゴ)。その後、原作小説を読破→TOHOシネマズ錦糸町にて「ペンギン・ハイウェイ」と続けて2回目を観てきました。変な映画だけど超面白かったYO!ヘ(゚∀゚*)ノ ダイスキ!


UCとしまえんの3番スクリーン、8割ぐらい埋まってました。


2回目はTOHOシネマズ錦糸町の2番スクリーン。満席でしたよ。



まず、お話を簡単に書いておくと、強盗殺人事件が発生して捜査線上に「荒川女子高生殺害事件(すでに時効成立)」の容疑者だった松倉(酒向芳)が浮上→被害者と仲良しだった最上検事(木村拓哉)の憎悪がボーボー燃え上がる<Part 1 言葉の魔術師たち>、別の有力な容疑者・弓岡(大倉孝二)が現れたと同時に、“収賄容疑で逮捕されていた親友”丹野(平岳大)が自殺したことで最上が暴走→自ら弓岡を殺害して松倉をあえて冤罪で罰しようとする<Part 2 審判>、最上の行動に不信感を抱いた沖野(二宮和也)が検事を退職→松倉の弁護士(八嶋智人)に協力する<Part 3 愚者>3部構成になってまして。最終的には、弓岡の共犯者の自首によって、最上が殺人を犯してまで罰したかった松倉は無罪放免されるも、闇社会のブローカー・諏訪部(松重豊)が手配した“運び屋”(芦名星)によって殺害されましてね。最上は別荘に沖野を呼び出すと、「オレと一緒に日本を変えよう」的に誘うも、沖野ったら断固拒否。立ち去ろうとする沖野が「うわぁぁぁぁーっ!(`Д´)」と叫ぶ中、最上は誰かに電話をかけるのでした(沖野を誰かに始末させようとするっぽい?)。


捜査線に過去の殺人事件の容疑者・松倉が浮かび上がってきましてね。


もっと有力な容疑者・弓岡が現れるも、最上検事は何としても松倉を罰する気マンマン状態。


新人検事・沖野はそれを防ごうとするんですが、負けてしまうのでした (ノ∀`) ワタシマケマシタワ



ハッキリ言って、スゲー面白かったです!(*゚∀゚)=3 ムッハー 本作の売りは「木村拓哉さんvs二宮和也さん」なワケですけど、確かにこの2人の魅力がドップリ堪能できたなぁと。最初に、木村さんについて書くと、本作は“芝居がかった台詞”が結構多いんですが(これについては後述します)、それがサマになっちゃうのはこの人ならではじゃないでしょうか。で、「内心気まずい思いを抱えながらもスマートに逆ギレする嫌な奴」という難役を見事に演じていて、「カッコイイけど、カッコ悪い…でもカッコイイ… (´Д`;) アァン」って感じで観てましたよ。僕的には、弓岡を始末する際のドタバタ→翌日、橘沙穂に痛いところを突かれて「バカか!(;`Д´)」と怒鳴って誤魔化す展開あたりが超楽しかったですね。


木村さん、インタビューを聴いていたのもありますが、本作では好感しか持てなかったです。


宇多丸師匠が「ミラーズ・クロッシング」との類似を指摘した弓岡殺害シーン。グダグダなのが最高なのです。



そして、二宮和也さんもスゴかった! 「もう35歳なのに若手が似合う」という童顔振りに驚いただけでなく、演技がとにかく素晴らしい。まず、殺人犯・松倉を演じた酒向芳さんは最高としか言いようがなくて、予告編でも確認できる「パッ」と口を開けるシーンの憎たらしさと言ったら、あまりの怒りで脳がダメになりそうなほどであり、女子高生を殺した状況を語る時に椅子に座りながら腰を動かす演技については、煮えくり返ったハラワタにポン酢をつけてサッパリといただけそうなレベルだったんですが、しかし。その直後、二宮さん演じる沖野による「いつまでシラを切るつもりだ、クズ!」から始まる恫喝タイムが100点のクオリティ。被害者の死体の写真を撒きながら「なんなんだよ、そのクソみてぇな人生は!」なんて荒い言葉をハードに叩きつけていくだけでなく、全観客が散々イライラさせられていた「パッ」も3回やり返してくれて、ふてぶてしかった松倉が「ママー!ママー!(TДT)」なんて精神的に追い詰められるから、超スッキリす (o^-')b スッキリ! ハッキリ言って、映画を観ている僕までが「私がやりました… (ノω・、)」とウソの自供をしそうなド迫力であり(自分に置き換えて考えるとスゲー怖い…)、映画史に残る級の取り調べシーンだと思ったり。


松倉は心底ムカつくクズ野郎。「パッ」と口を開く仕草が特に苛立つんですけど…。


沖野による「取り調べという名の恫喝」がスタートすると、すっかりオロオロ顔で留飲が下がりまくり。


さらに「パッ」までやり返してくれるから、気分爽快なのでした (´∀`) ノモー


とは言え、もし沖野の牙がこっちに向いたら…と思うと、すっかり松本梢江気分なのでした。
三角絞めでつかまえて-かなわない...


あと、“変なところ”が多いのも好きでしたねぇ…(しみじみ)。役者さんたちが熱演する中、なぜか奇妙に見えたり、ノイズに感じたりする要素が驚くほど盛り込まれてまして。たぶん本作を評価する人も合わなかった人も、鑑賞中は同じように「なにこの映画!Σ(゚д゚;)」と思ったんじゃないかしらん。で、原作を読んでみたら、そういった部分はほぼ映画のオリジナル要素だったから、なるほどなぁと。まぁ、それらの“変なところ”を個条書きにしてみると、こんな感じでございます↓



<① 登場人物の台詞回しが変>

作品のトーン自体はリアルなのに、登場人物たちの台詞がところどころ芝居がかっている上に、早口かつ情報過多気味だったりして。木村さん演じる最上が「罪を洗い流す雨…そんなもんないからな」とか予告編でも流れる「オレの正義の剣を〜」といった台詞を言うのは、似合うから全然良いんですけれども(ただ、誕生日占いシーンでの「ドナルド・トランプ!(`∀´)」はやりすぎだと思った)。例えば、諏訪部と沖野の尋問シーンでの「ベビーフェイス」とか「ノックアウト」といったフレーズ、松倉による「DNA検査には検体が〜」という説明台詞、「誰か身近な人間が冤罪事件に巻き込まれたんだろ?」というあまりに察しが良すぎる沖野の問い掛け、橘沙穂の長めの告白(「冤罪事件のせいで自殺した友人が遺書に『みんな怒アホ』と書いた」云々)などなど、不自然な台詞が多いんですよね。僕的には、被害者の遺族でヤクザの千鳥が「吹聴」なんて言葉を使ったのは引っ掛かったし、諏訪部の「私、久しぶりに燃えよドラゴンでございます」はどうかと思ったり。


<② インパール作戦と「今の日本社会の問題」要素が変>

ほとんどの人が「これは原作にあるのかな… (・ω・;)」と違和感を覚えたと思うのが、「最上と諏訪部の祖父はインパール作戦に参加して生き残った人たちだった→だから2人は仲良し」という設定でしてね。関係者は大儲けなのに11万人もの無償ボランティアを駆り出そうとしている2020年の東京オリンピックインパール作戦に例える人が少なくない今、ある意味、タイムリーといえばタイムリーですけど、最上と諏訪部が何度も会話に出してくるわ、最上が死んだ丹野と白骨街道を歩く夢を見たりするわと、やたらと強調してくるんですよね。ううむ、率直に書くと、原作小説の「法を犯した検事vs暴こうとする検事」という超わかりやすい対立構造に余計なものをトッピングした印象は否めないなぁと。

その他、丹野の義父と妻が日本会議メンバーっぽく改変されていたりとか、女性検事がマスコミ関係者による強姦事件を起訴しようとしてたりとか、丹野が飛び降り自殺するのが「“お前の友だち”のホテル→アパホテル?」っぽかったりとか、弓岡を監視するヤクザたちが戦争について語っていたりとか、橘沙穂の友人家族の冤罪事件が和歌山カレー事件っぽかったりとか、現在の日本社会の問題や事件を想起させる描写がこれでもかと入っていて、そのたび「今のはなに!? Σ(゚д゚;)」と二度見する感じだった…って、伝わるでしょうか。


<③ フィクション・ラインが変>

本作の雰囲気や絵作りはリアルでしてね。特に犯罪者&刑事役の人たちは、韓国産暴力映画のように「コクのある顔の役者さん」が揃っていて、なかなか痺れるんですけれども。もうね、「橘沙穂が実は“2年契約の潜入ライター”で検察の暴露本を書くために国家公務員試験を受けて事務次官になった」という設定は「工エエェェ(゚Д゚)ェェエエ工」と思ったし、その後の最上の行動をタイミング良く捕捉するくノ一振りにも驚かされました。ただ、さらに度肝を抜かれたのが、諏訪部が手配した“運び屋の女”で、「話せない」という面倒くさい設定は置いとくとしても、弓岡殺害後のアフターケアや松倉を処分する“手際の見事さ”は(しかも「トラトラトラ」なんて報告しちゃう!)、さすがにフィクション・ラインが高すぎるというか、やりすぎじゃないでしょうか… (`Δ´;) ウーン それと「最上が沖野に目をかけるようになったのは誕生日占いがキッカケだった」という展開も、どこまで真面目に受け取っていいのか、よくわからなかったです。

吉高由里子さんの演技は良かったんですけど、キャラ的にはくノ一感が強かった印象。


それ以外でも「最上が帰宅したら奥さんが二胡を弾いている」とか「ヤクザへの対応が異常に荒っぽい女性警官」とか「最上が座禅に行く寺の住職が外国人」とか「最上と丹野が話している向こう岸で白いヒラヒラした服を着た女性たちがダンス」とか「ボウリング玉をぶつけるヤクザの新人教育」とか「『あの2人、そんなにヤリたいか!』と吐き捨てるファミレスの店員」とか「沖野と橘沙穂が入ったラブホの部屋がSMルーム」とか「丹野の葬式で踊る泣き女たち」とか「弁護士事務所が倉庫」とか「弁護士の奥さんがリーゼント」とか「弁護士事務所のSM用拘束椅子で遊ぶ沖野たち」とかとか、劇中のリアルな雰囲気に微妙に水を差す要素がスムースに入ってくるから、脳内はすっかり「なぜ?の嵐」だったというね。

ということで聞いてください、吉沢秋絵さんで「なぜ?の嵐」↓(ラジオパーソナリティ風の口調で)





で、映画化の際、これら上記の要素を新たに加えただけでなく、重要な改変ポイントが2つあって。1つ目は、丹野の自殺の動機が、原作では「尊敬する政治家の義父を検察から守るため」だったのが、映画では「右寄りな政治家の義父と対立→罠にはめられる→戦いに疲れた… ('A`) シノウ」という風に変えられているから、死んだ意味が全然違ってくる。2つ目はラストで、原作小説では「最上の弓岡殺しは沖野サイドに暴かれてしまい逮捕される→結局、松倉は野放し」だったのに、映画では「弓岡には共犯者がいて、そいつの証言によって松倉は無罪になるも、諏訪部によって殺される→最上は裁かれない」という180度違う着地にしちゃってるから、原作小説のファンなら高確率で怒るだろうし、その怒りは決して間違っていないとも思うんですよ。


運び屋の女が高齢者ドライバーを使って松倉を始末…って、リアリティゼロでしたな。



だが、それがいい ( ̄ー ̄) ニヤッ まぁ、僕なりの解釈を書くと、もともと「木村さんと二宮さんのW主演で『検察側の罪人』を撮る」という話が最初にあった→そのオファーを原田眞人監督が受けたという経緯がありまして。で、監督的に“スター映画としてのエンタメ性”と“自分の作家性”を両立させようとした結果、こうなったんじゃないかと。というのは、原作小説を読むと「文章では気にならないものの実写にしたら厳しいのでは」と思うところがいくつかあって。いくら憎い相手だとしても一流の検事が容疑者を自分で殺害→その罪を他の人にかぶせるのはハードルが高いし、現役検事がブローカーから銃を買うなんてリスクがありすぎるし、事務次官・橘沙穂の勘が鋭すぎるし、最上が被害者と仲良しだったことを沖野が知るくだりも偶然がすぎるし、最上が仙人級に達観していたりするし…。そして何よりも後半に劇的なシーンがないため(小説の最上はジリジリ追い詰められていく)、そのまま映画化したら結構地味な作品になったと思うんですよ。

だから、監督的には実写化の際にエンタメ要素を強くしたことで、憎らしい松倉はより憎らしくなり(「少年時代、一家4人殺人事件に関わっていた過去」まで追加)、最上とブローカーの諏訪部は超仲良しになり、最後は松倉をキッチリ殺害するというオチになって、弁護士の奥さんはリーゼントになった…って、強引ですかね (´∀`;) エヘヘ あと、例えば「沙穂が諏訪部の賭けに乗ったのは彼女に潜入ライター経験があって、諏訪部の世界にも興味があったから?(ただ、そのせいで素姓を調べられた?)」とか「松倉に職場の社長をバカだとディスらせる→検体云々の知識を持っているレベルの頭の良さを補強している?」とか「弓岡が共犯者のことを話さなかったのはゲイだったから?(※パンフで裏設定だと大倉孝二さんが話してた)」とか「映画冒頭、検察庁前で高齢者ドライバー問題を訴えている→松倉を高齢者が轢き殺す伏線?」とかとか、監督なりに追加要素の中で作品内の整合性をとろうとした部分が感じられなくもないし、これらの要素に役者さんたちの熱演がプラスされることで、「社会的に成功していて家庭もある検事が法で裁ける真犯人をわざわざ殺す」という行為の不自然さに“原作以上の説得力”が生まれたような気がしないでもないです(全体的に自信なさげな文章)。


「取り調べを携帯で聞きながら指示を出す」という展開も、最上の怒りがわかりやすく伝わる良い改変でした。



被害者の女子高生が「Cry Me A River」を歌うのもオリジナル要素。歌詞が意味深なのです。




インパール作戦についても、ラストの“階段を昇る最上”に“降りる沖野”という対比が示すように、正義を体現する沖野を犠牲にしても強引に前へ進もうとする最上の姿勢は無謀な日本軍と重なる…ってのは無理矢理な解釈ですカネー (ノ∀`) テヘ 社会問題要素については、僕もかなりノイズに感じましたけど、同じように政治的メッセージが入ってくる1995年製作の原田眞人監督作「KAMIKAZE TAXI」を今見直してみれば、当時の世相や空気感が伝わってきて面白かったりするので、これはこれでアリなんじゃないかなぁと。まぁ、トータルすると贔屓目全開ということでね(苦笑)、ゴーメンナサイヨ!( ゚д゚) ゴーメンナサイヨ!


ということで、唐突ですが、在りし日のアンディ・フグを貼っておきますね↓




ううむ、ダラダラと駄文を書き連ねてしまって、我ながらサッパリになってきましたが、何はともあれ、とても面白かったですYO!ヘ(゚∀゚*)ノ ヤッタァ! 変なところは多々ありますけど、スター2人&芸達者な人たちの熱演が楽しめるだけでなく(例えば、弓岡役の大倉孝二さんの粗暴演技も最高だった!)、「取り調べの可視化」や「冤罪が発生するシステム」、「人質司法」などについても考えさせられる良い作品なのでね、一応、観ておくと良いんじゃないかなぁと。僕的には本作の恫喝シーンが本当に大好きであり、3回目を観に行こうかと迷っております。おしまい。




雫井脩介先生による原作小説。これはこれで面白かったです。



サントラを貼っておきますね。



近年で観た原田眞人監督作。僕の感想はこんな感じ









OVER DRIVE オーバードライヴ(ネタバレ)

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OVER DRIVE オーバードライヴ



2018/日本 上映時間104分
監督:羽住英一郎
脚本:桑村さや香
製作:吉崎圭一、市川南
共同製作:加太孝明、角田真敏、高橋誠、板東浩二、田中祐介
エグゼクティブプロデューサー:井口高志、上田太地
企画:早川英、安藤親広
プロデュース:蔵本憲昭、石黒研三
プロデューサー:鈴木聡、岸田一晃、古屋厚
撮影:木村信也
照明:三善章誉
録音:小松崎永行
特機:実原康之
VFXプロデューサー:赤羽智史
美術:相馬直樹
美術デザイン:大西英文
装飾:小山大次郎
衣装:丸山佳奈
ヘアメイク:望月志穂美
ドローン:請川博一
編集:松尾浩
音響効果:柴崎憲治
選曲:藤村義孝
音楽:佐藤直紀
主題歌:WANIMA
スクリプター:谷恵子
キャスティング:緒方慶子
助監督:吉川祐太
制作担当:高瀬大樹
出演:東出昌大、新田真剣佑、森川葵、北村匠海、町田啓太、要潤、吉田鋼太郎
パンフレット:★★★☆(720円/関係者インタビューが充実した“邦画のパンフ”)
(あらすじ)
真面目で確かな腕を持つメカニックの兄・檜山篤洋と、世界ラリー選手権へのステップアップを目指す天才ドライバーの弟・檜山直純。篤洋の助言を無視して、無謀で勝気なレースを展開する直純はラウンドごとに篤洋と衝突を繰り返し、いつしかチームにも険悪なムードが漂い始めていた。ある日、直純の新しいマネジメント担当として、ラリーの知識がまったくない場違いな遠藤ひかるがやってくる。そんな彼女を待ち受けていたのは、檜山兄弟の確執に秘められた過去、そしてチーム全員を巻き込む試練だった。(以上、映画.comより)

予告編はこんな感じ↓




70点


※この記事は「シグマ15」に従って書いています。

「『OVER DRIVE』というタイトルの創作物にハズレなし!」なんて、ジュディマリの歌ロック様主演作しか知らないくせに迂闊な文章を書いてしまったことについては、後で自分自身と向き合うとして。本作のタイトルが気に入った以上に、予告編での新田真剣佑さんの「怖いと思った瞬間、負けなんだよ!」の台詞&演技には「働いたら負けだと思ってる」級にグッときたので、観ることに決定(なにこの理由)。とは言え、なかなか劇場へ足を運べなくて、上映が終わりそうな7月上旬某日、やっと立川シネマシティにて、「パンとバスと2度目のハツコイ」と続けて鑑賞してきました。普通に燃えましたヨ (・∀・) ヨカッタ!


劇場は「j」。10人ぐらいはいたかなぁ。



最初にお話をザックリ書いておくと、主人公はメカニックの檜山篤洋(兄/東出昌大)とドライバーの檜山直純(弟/新田真剣佑)。小さいころは仲良しだったのに、幼なじみの女性を巡る三角関係のもつれ(後に女性は死亡)から、すっかり仲が悪くなりましてね。でも、思い切って本音をぶつけ合ってみたら仲直りして、最終戦のレースで勝利→優勝! 弟はチームを移籍して世界ラリー選手権(WRC)に参戦するようになりまして。ラストは、幼いころのように兄弟が自転車で坂道を下っていって、終わってたんじゃないかな、たぶん。今まで僕が観たことがある羽住英一郎監督作は“わかりやすい感動”を安易に優先するあまりに登場人物たちが常軌を逸した行動をとるところが不快だったんですけれども。本作に関しては、森川葵さん演じる“自分探し女”には結構イライラしたし(映画の後半で改心するとしても「広報担当がラリーの勉強をまったくしないで現場に来る」なんてあり得ないのでは)、弟の酒を飲んでの狼藉振りはやりすぎに見えつつも、大きな破綻はなくて。ベタな燃え展開と演出がそれなりに飲み込みやすく堪能できるのです(ところどころ違うけど、全体的には「疾風スプリンター」を連想した)。で、何よりも素晴らしかったのが、羽住監督が「本物の雰囲気」を追求したというラリーシーンで、かなり迫力がありましてね。メンテナンスシーンも素人目にも説得力があって面白くて、モータースポーツには1ミリも興味がない僕ですけど、「邦画でもこんな映像が撮れるんだ!Σ(゚д゚)」と感心いたしました。


このシーンが観られたのもうれしかった。怖いと思った瞬間、負けなんだYO!m9`Д´) ビシッ



WANIMAによる主題歌「Drive」も作品にハマッてたんじゃないでしょうか。




その他、「スリルの頭文字は『S』じゃなくて『T』」という台詞がタメになった…というのは置いとくとして。実は思いのほか、新田真剣佑さんが半裸になるシーンが多いから驚いて。「男の裸を観に来たんじゃない!」と不満に感じた人もいたみたいですが、僕的には「ありがとう」のひと言ですよ(微笑)。彼の筋肉の発達振り以外にも注目しておきたいのが「わき毛描写」で、リアリティを損なわず、でも激しく主張してこない絶妙な処理具合には唸らされましたねぇ…(しみじみ)。ということで、普通に燃えて楽しい映画だったんですが、しかし。やっぱりモータースポーツにはまったく興味がないので70点という台無しな着地なのでした (ノω・、) ゴメンナサイ つーか、羽住監督は“さりげないユーモア”を演出できたら、もっと良くなるんじゃないか…なんて偉そうなことを唐突に書いて、この駄文を終えたいと思います。


新田真剣佑さんのわき毛の残し方、勉強になりました。僕の“わき毛観”に関してはこちらの記事をどうぞ。



おしまい。




デジタル盤のサントラ。CD盤もあります。



原作小説…というよりはノベライズなのかな。



「RALLYPLUS ラリープラス」による本作の特集号。お好きな方はどうぞ。








ジュラシック・ワールド 炎の王国(字幕版)(ネタバレ)

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ジュラシック・ワールド 炎の王国(字幕版)



原題:Jurassic World: Fallen Kingdom
2017/アメリカ 上映時間128分
監督:J・A・バヨナ
製作:フランク・マーシャル、パトリック・クローリー、ベレン・アティエンザ
製作総指揮:スティーブン・スピルバーグ、コリン・トレボロウ
キャラクター創造:マイケル・クライトン
脚本:デレク・コノリー、コリン・トレボロウ
撮影:オスカル・ファウラ
美術:アンディ・ニコルソン
衣装:サミー・シェルドン・ディファー
編集:ベルナ・ビラプラーナ
音楽:マイケル・ジアッキノ
テーマ曲:ジョン・ウィリアムズ
視覚効果監修:デビッド・ビッカリー、アレックス・ブトケ
アニマトロニクス&特殊効果監修:ニール・スキャンラン
出演:クリス・プラット、ブライス・ダラス・ハワード、レイフ・スポール、ジャスティス・スミス、ダニエラ・ピネダ、ジェームズ・クロムウェル、トビー・ジョーンズ、テッド・レビン、ジェフ・ゴールドブラム、B・D・ウォン、ジェラルディン・チャップリン、イザベラ・サーモン
パンフレット:★★★(720円/高橋諭治さんのシリーズ全体の考察が面白かったけど、恐竜図鑑とかほしいよね)
(あらすじ)
前作でハイブリッド恐竜のインドミナス・レックスとT-REXが激闘を繰り広げ崩壊したテーマパーク「ジュラシック・ワールド」を有したイスラ・ヌブラル島に、火山の大噴火の兆候が表れ、恐竜たちの生死を自然に委ねるか、あるいは危険を冒してでも救い出すか、人間たちは判断を迫られていた。そんな中、恐竜行動学のエキスパートのオーウェン(クリス・プラット)はテーマパークの運営責任者だったクレア(ブライス・ダラス・ハワード)とともに、恐竜たちを救うべく行動を開始するが、その矢先に島の火山で大噴火が発生する。(以上、映画.comより)

予告編はこんな感じ↓




60点


※本作については、尊敬する映画評論家の町山智浩さんの映画ムダ話(216円)が超タメになるので、ぜひ聴いて!
※この記事は「シグマ15」に従って書いています。


2016年に公開された前作「ジュラシック・ワールド」ったらバカバカしいながらも迫力があって愉快な映画でしてね。で、あそこからどうやって話を展開するのか気になったし、この手の作品は大画面で観た方が絶対面白いということで前売り券を購入。まぁ、どうせ長い期間公開されているだろうと、他の映画を優先した結果、なかなか観に行けなくて、やっと8月下旬、「グッバイ・ゴダール!」を観てから、TOHOシネマズ新宿にて鑑賞いたしました。3作目に期待!m9`Д´) ビシッ」と思ったり。


前売り特典は「ミニフィギュア」。僕はスティギーでした (〃∇〃) カワイー


シアター8、ほぼ満席でしたよ、確か。



あらすじを適当かつ雑に書いておくと、舞台は前作の3年後。「ジュラシック・ワールドがある島の火山が爆発寸前→恐竜を保護しなければ!」ということで、ロックウッド財団の依頼を受けて、現在は恐竜保護団体のリーダーであるクレア&ヴェロキラプトルのブルーを扱えるオーウェン with 便利な仲間たちが島に渡ってみたところ! 財団の本当の目的は「恐竜を保護して富裕層に売る」「新種を作って軍事利用する」という嫌な感じだったので、新種の恐竜インドラプトルに襲われながらも、みんなで財団の野望を挫きましてね。最後は恐竜たちを毒ガスで処分しようとするも、実はクローンだった少女メイジーが「アタシと同じ… (´・ω・`し」とすっかり感情移入してしまって、解放! 人類と恐竜が共生する世界=ジュラシック・ワールドが始まったーーって感じで終わってましたよね、たぶん。まぁ、先に好きなところを書くと、前半の火山大爆発&恐竜軍団大暴れシーンは迫力があって楽しかったし、傭兵のリーダーみたいな奴が片腕を食われる→メソメソ顔で死んだり、いけ好かない奴を演じさせたら天下一品のトビー・ジョーンズがアホっぽい末路を迎えたり、レイフ・スポール演じる“本作の悪党”イーライ・ミルズが恐竜たちに踊り食いされたりといった因果応報シーンはとにかく最高で、かなり留飲が下がりました。


最後は、動物園のライオンに向かってT-REXが大人げなく吼えたりして終わってたような。



で、微妙に感じたところも結構あって。ブライス・ダラス・ハワード演じるクレアの“前作の所業”があまりに酷すぎただけに(どれだけの犠牲者が出たのかと)、わずか3年で「第2の人生をスタートしてます」ヅラをしているのはイラッとしたし、さまざまなホラーのオマージュだろうと、クライマックスが「洋館で恐竜と隠れんぼするだけ」というのは、前作の大恐竜バトルが素晴らしかっただけに、ちょっと拍子抜けしましたよ。主要な悪党以外の金持ちどもがまんまと逃げおおせたのもガッカリしたし、何よりも感情的になったガキの理屈が通る展開は好きじゃないのでね、別にメイジーが恐竜を解放するのは良いとしても、「解放された恐竜軍団が人間どもを襲撃する」といった彼女の安易な選択の結果を無惨に見せてほしかった…ってのは大人げないですかね。ただ、「人類が恐竜と共生する時代に突入した」というオチ自体は面白かったので、2021年6月11日に全米公開されるという3作目にはそこそこ期待しております (・∀・) タノシミー 例えば、今度こそ本格的な「屈強な人間(素手)vs恐竜」が描かれたりするのではないか。「いやいや、そんな展開になるワケないじゃん(笑)」なんて思う方もいるかもしれませんが、夢見る気持ちはずっと大切にしていたい、ですな(知った風な口調で)。




デジタル盤のサントラでございます。なんとアナログ盤もありましたよ。



とりあえず前作を貼っておきますね。僕の感想はこんな感じ



昨年観たフアン・アントニオ・バヨナ監督作。僕の感想はこんな感じ








モリのいる場所(ネタバレ)

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※今回の記事は、どうでも良い文章や性的な文章がダラダラダラダラと書かれているので、そういうのが苦手な人は読まないで!

<ザ・心底どうでも良い前書き>

先日、練馬の「か和もっち」で飲んだ時のこと。映画仲間のはちごろうさんに「三角絞めさんは幅広く映画を観てますよね (´∀`)」みたいなことを言われて、結構ショックでしてね。自分の立脚点を考えると「アクション映画にこだわりたい」という強い気持ちがあって。基本的には“三つ揃えのスーツを着た男がカンフーの達人とムエタイ使いを相手に「サッポーロン!(`Д´)ノヽ(`Д´)(`Д´ )」と命を削り合うような格闘アクション”ばかりを観ていたいハズなのに、ちくしょう、「ムービーウォッチメン」の付き合いだ、「前売り券をもらっちゃった」だ、「前売り特典が気になった」だ、「間違えてパンフを買っちゃった」だとか、そんな理由で「あまり興味がないジャンルの作品」をそこそこ観ていたりして。まぁ、それはそれで良い映画体験に着地していたりはするから良いんですけど(特に「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」は超観て良かった!)、そのせいで「本来は一番観たいハズのアクション映画」が疎かになってしまっている…ってのは微妙だなぁと。

念のため、「ドラゴン×マッハ!」の予告編を貼っておきますね↓



で、本作の話ですよ。気が付けば沖田修一監督作は「このすばらしきせかい」以外はすべて劇場で観ていて、いつもグッときているのは確かなんですけど、とは言え、「この監督の映画こそ観てはいけないのではないか」という根強い思いがあって。しかも今回の「モリのいる場所」なんてさ、どうせ「人生フルーツ」ライクな“良いお話”なのでしょう?(ナレーションが樹木希林さんという繋がりもあるし) 「“本当の豊かさ”ってこういうことなのさ」とか「森の声に耳をすませてごらん?」とか「地道にコツコツが一番なのさ」とか「あの~、テレビや何かで言うでしょう、『開発が進んで、キツネやタヌキが姿を消した』って。あれ、やめてもらえません? そりゃ確かにキツネやタヌキは化けて姿を消せるのもいるけど…でもウサギやイタチはどうなんですか? 自分で姿を消せます?」といったことを“やんわりとした上から目線”で言われそうなムードがムンムンであり、ムカつきすぎて発狂しかねないというか。だから、今回こそは確実にスルー予定であり、1ミリも観るつもりはなかったハズにもかかわらず、つい特典が気になってしまって前売り券を購入しちゃったアンビバレントなアタシ。で、5月19日の公開されたものの、なかなか観に行く気が起きなくて、都内の上映がすっかり終わってしまった9月上旬某日、横浜のシネマ・ジャック&ベティの最終上映日に観てきました(その後、「北朝鮮をロックした日」「ストリート・オブ・ファイヤー」をハシゴ)。

この3枚の前売り券を使う…時はきた!m9`Д´) ビシッ


ということで、横浜のシネマ・ジャック&ベティにやって来たというね。


劇場はシネマ・ベティの方。7割ぐらい埋まってたと思う。









モリのいる場所



2018/日本 上映時間99分
監督・脚本:沖田修一
製作:新井重人、川城和実、片岡尚、鷲見貴彦、宮崎伸夫、佐竹一美
エグゼクティブプロデューサー:永山雅也
プロデューサー:吉田憲一、宇田川寧
撮影:月永雄太
照明:藤井勇
美術:安宅紀史
装飾:山本直輝
衣装:岩崎文男
ヘアメイク:宮内三千代
特殊メイク:百武朋
録音:山本タカアキ
音響効果:勝亦さくら
編集:佐藤崇
音楽:牛尾憲輔
VFXスーパーバイザー:小坂一順
スクリプター:押田智子
キャスティング:南谷夢
助監督:安達耕平
制作担当:大田康一
ラインプロデューサー:濱松洋一
出演:山崎努、樹木希林、加瀬亮、吉村界人、光石研、青木崇高、吹越満、池谷のぶえ、きたろう、林与一、三上博史
パンフレット:★★★☆(800円/知りたい情報はちゃんと入ってる。森谷守一語録が良かった)
(あらすじ)
昭和49年の東京・池袋。守一が暮らす家の庭には草木が生い茂り、たくさんの虫や猫が住み着いていた。それら生き物たちは守一の描く絵のモデルであり、じっと庭の生命たちを眺めることが、30年以上にわたる守一の日課であった。そして妻の秀子との2人で暮らす家には毎日のように来客が訪れる。守一を撮影することに情熱を傾ける若い写真家、守一に看板を描いてもらいたい温泉旅館の主人、隣に暮らす佐伯さん夫婦、近所の人々、さらには得体の知れない男まで。老若男女が集う熊谷家の茶の間はその日も、いつものようににぎやかだった。(以上、映画.comより)

予告編はこんな感じ↓




85点


「小宇宙!Σ(゚д゚;) コスモ!」と思ったり。


なんとなく名曲「ペガサス幻想」を貼っておきますね↓




お話の舞台は昭和49年の東京都・豊島区でして。すっかり老人になった熊谷守一&秀子夫婦の家には、家事を手伝ってくれる姪っ子の美恵ちゃんやら、近所の人やら、「旅館の看板を書いてほしい」と頼んでくる人やら、守一の撮影をしているカメラマン&助手やら、近所にマンションを建てるオーナー&工事の現場監督やら、いろいろな人が訪れましてね。とは言え、夫婦はマイペースであり、埋め立て予定の庭の池が宇宙と繋がる→守一は異星人に「一緒に宇宙へ行きませんか?」と誘われるんですけど、「母ちゃんが疲れちまいますから (´∀`)」と拒否。埋め立てた池の跡地にはすでに芽が出ていて、2人の日々は続くーーといったムードで終わってましたよ、たぶん。


クライマックスは「宇宙への誘い」を断りまして。


いろいろあった夫婦の日々は、これからもホッコリと続くのでした。



ちくしょう、またも沖田監督にしてやられたというか、スゲー良い映画でしてね…(しみじみ)。役者さんたちの達者すぎる演技に沖田監督の絶妙な演出、良い感じの音楽に撮影、そして素晴らしい美術が融合した結果、沖田監督が得意とする「自然体の人々が織りなすホッコリしたムードのコメディ」の完成形が生まれた印象。僕的には「樹木希林さんの前でジュリーの歌を歌う」という「寺内貫太郎一家」を連想させるシーンや、守一が問い掛けると葉っぱが頷いたように動く演出、ドリフの話をしていたらタライが落ちて来る場面、ラストに三上博史さんが異星人(異次元人?)だということが判明する展開などなど、映画に散りばめられた少し不思議なムードもプラスに感じましたよ。恥ずかしながら、僕は熊谷守一という人をまったく知らなかったんですけど(汗)、知らなくても十分面白かったし、むしろ本作のおかげで興味が湧いたというね。あと、本作の食事シーンは凄まじく美味そうで、帰りは黄金町の「えきめんや」でカレーうどんを摂取して帰宅した次第。


そりゃあ、この芸達者な2人の老夫婦振りは愛しすぎて文句ナシ。


対立していたハズのマンション工事の人たちと仲良くすき焼きを食べる展開とかも最高でしたね〜。


役者さんは全員素晴らしいんですが、強いて書くと美恵ちゃん役の池谷のぶえさんなら抱かれても良かったです(なぜか受け身)。


「えきめんや」のカレーうどん、オーソドックスに美味でした (o^-')b ウマイ!



僕的に感動したポイントは2つあって。1つ目は、夫婦の映画だったということ。主人公の守一にとって庭はとても大事な場所であり、説教臭い「自然大事にしようぜ」話になるかと思っていたら、結局、「モリのいる場所」は「奥さんがいるところ」という着地だったから、スゲー泣いた。唐突にプライベートの話を赤裸々に書くと、実は先日、家族旅行に行く際、僕は8年になるセックスレスを解消すべく、ちょっとした策を弄したんですが、奥さんに拒否されてしまいましてね…。これはかなりショックだった。前までは「いつかはセックスすることもあるだろう」と思っていたんですが、もう無理ということが確定したワケで。となると、浮気及び風俗にでもいかない限り、僕はセックスができないじゃないですか。だから、ここ数日は何気に悩んでいたんですけれども。

性的なことがなくとも、奥さんと2人でいる時の幸せな空気感はかけがえのないものであって。本作の老夫婦は、お互いに思いやって、一緒の時間を過ごしてきたからこそ、本来は“他人の2人”が血よりも濃い関係になっていて、性的欲求云々は関係ない境地に達しているワケですよ(もしかすると見えないところで何らかの性的なプレイに興じている可能性もありますが…という台無しな考察)。芸術家としては、宇宙に行きたい気持ちもなくはないだろうけど、何よりも「愛しい人が隣りにいること」こそが人生の喜びではないか。そう諭されたようで、涙が止まらなくて。別に奥さんも僕が嫌いということではなく、恋人から家族になってしまっただけなのだから仕方なし。僕はもう一生セックスできないことをあらためて覚悟したし、むしろリアルシャドーのスキルを高めることで「相手がいない&オカズがなくても自在にイケる男=イクメン」を目指すことにした…って、なんだそりゃ ( ゚д゚)、 ペッ


当ブログで頻出するジェイソン・ステイサム画像を貼っておきますね(「ブリッツ」より)。 三角絞めでつかまえて-なんだそりゃ


2つ目は、「足るを知る」が描かれていたこと。これは「身の程をわきまえて、むやみに不満を持たない」という意味ではなくて、なんて言うんですかね、世界というのは自分の捉え方で変わるものなんだなぁと。本作のラスト、加瀬亮さん演じるカメラマンがマンションの屋上から守一の家を見下ろすと、劇中であれほど広く見えた庭はとても小さく、狭いものであって。でも、守一からすれば宇宙であり(本作の庭の見せ方は、ある意味、老人版「となりのトトロ」とも言える)、凡人全開な僕らだって気持ち1つで身近なものが宇宙になるのではないか。というか、そもそもオレたちは誰もが心に小宇宙(コスモ)を抱いていて、熱く燃やして奇跡を起こせば、未来(あした)の空はブルー…。ごめんなさい、すっかりこの文の着地を見失いました… (ノω・、) スミマセン


ということで、名曲「永遠ブルー BLUE FOREVER」を貼っておきますね↓




あとね、本作の前売り特典も勉強になりました。ペチュニアの種を植えたのは5月上旬のことで、一緒に暮らすお義母さんの指導を受けながら、水を毎日やっていると、それなりにスクスク育ってくれましてね(微笑)。微妙にやり方がわからなくて、最後は生やしたい放題みたいになったものの、花を育てるなんて小学校のアサガオ以来であり、植物なんてどうでもいいと思っていたけれど、不思議と愛情が湧いてくるものだなぁと。ペチュニアの花言葉は「あなたと一緒なら心が和らぐ」「心の安らぎ」だそうですが、僕も奥さんとずっとそんな関係でありたいと思った…というNO-RO-KE!m9・∀・) ビシッ


前売り特典は「ペチュニアの種」。こういうのって珍しいよね。


とりあえずはこんな風に咲きましたよ。


種も収穫したので、来年もまた育てる予定。アサガオの種と比べるとスゲー小さい。


一応、ペチュニアの成長具合をgifにしてみました。



ということで、ただでさえ完成度が高い沖田監督作の中でもさらに完成度が高いし、素晴らしいことをいろいろと教えてくれたし、池谷のぶえさんがストライクだったし、最初は「100点の映画ダナー ( ;∀;) イイエイガダナー」と心底感動したんですが、しかし。根っからのインドア派の僕的には(爪の間に土が入るとか不快!)、網戸がなくて虫が入り放題の暮らしなんてノーサンキューであって、そもそも自然が大の苦手なので85点という台無しな評価なのでした (ノ∀`) エヘヘ 何はともあれ、都内でも結構なロングラン上映だったし、まだ公開されている劇場もあるみたいなのでね、興味がある方はぜひ観ると良いザマス。おしまい。




沖田修一監督や山崎努さん、カメラマンのモデルになった藤森武さんなどの証言がまとめられた一冊。ちょっと読みたい。



デジタル盤のサントラでございます。



本作のノベライズっぽい。



こういう本が普通に出ている人だったのね… (´∀`;) シラナンダ



沖田修一監督の前作。僕の感想はこんな感じ



11月にはBlu-rayなどが発売されるのでした。



最近観た“良い夫婦”の映画。僕の感想はこんな感じ








バンクシーを盗んだ男(ネタバレ)

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バンクシーを盗んだ男



原題:The Man Who Stole Banksy
2017/イギリス、イタリア 上映時間93分
監督:マルコ・プロゼルピオ
製作:フィリッポ・ペルフィド
製作総指揮:ルチア・ニコライ、マルコ・プロゼルピオ
脚本:マルコ・プロゼルピオ、フィリッポ・ペルフィド、クリスティアン・オモデオ
撮影:ヤコポ・ファリーナ
編集:ドメニコ・ニコレッティ
音楽:フェデリコ・ドラゴーニャ、マッテオ・パンサーナ
ナレーション:イギー・ポップ
出演:ロン・イングリッシュ、スティーブ・ラザリデス、ステファン・ケスラー、クリスチャン・オモデオ、ベラ・パブウン、パオロ・プッジャーニ、フィリップ・トイヒトラー、カミッロ・タロッツィ、ワリド・“ザ・ビースト”・ザワラー、アブ・ヤメン、マイケル・カナワティ、イギー・ポップ(ナレーション)
パンフレット:★★★(800円/少し高くてコンパクトながらも、コラムは読み応えがあって良いです)
(あらすじ)
パレスチナ・ヨルダン西岸地区にあるベツレヘム。紛争地区に指定されているその場所にはパレスチナとイスラエルを分断する高さ8メートル、全長450キロを超える巨大な壁が存在する。その壁にバンクシーが描いた「ロバと兵士」の絵は、パレスチナの住民たちの反感を買い、絵が描かれた壁はタクシー運転手のワリドによってウォータージェットカッターで切り取れてしまう。ワリドはその壁画をオークションに出品し、最高額の入札者への売却を試みるが……。(以上、映画.comより)

予告編はこんな感じ↓




70点


※この記事は「シグマ15」に従って書いています。

“覆面芸術家”のバンクシーについては、とても便利なwikipediaなどを参照していただくとして(手抜き)。前に彼自身が監督した「イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ」を観たらスゲー面白かった記憶があって。特典も気になったので、前売り券を購入。とは言え、なかなか足を運べなくて、公開から1ヵ月経った9月上旬、新宿シネマカリテにて、1000円で観られる映画ファンサービスデーにもかかわらず1500円の前売り券を使って鑑賞いたしました(その後、同じ劇場で「ブッシュウィック 武装都市」をハシゴ)。それなりに面白かったです!(・∀・) ヨカッタ!


前売り特典は「オリジナル“ステンシル風”トートバッグ」でございます。


名物の水槽にはウミシダが飾られてました。劇場は2番スクリーンで、4割ぐらいの入りだった記憶。



若干のウソを交えながら内容をザッと書いておくと、バンクシーが分離壁のパレスチナ側にストリートアートを描いてみたら、世界中の話題になったんですけれども。その中の「ロバと兵士」が「我々をロバに例えるとは何事だ!」と一部のパレスチナ人の反感を買った挙句、現地の有力者に壁ごと切り取られてオークションで販売されまして(重量は4トン!)。その出来事を中心に、「ストリートアートは違法なんだから勝手に売っても問題ないよ派」や「ストリートアートは民衆のものであって、美術品として保存するのは文脈が違うよ派」、「保管しないとピカソたちの作品のように後世に残らないよ派」、「金になるなら売るよ派」、「僕はバンクシーには興味なくて、他の人のストリートアートを集めているよ派」、「ストリートアートは壁をなくしてくれないし、貧困者を直接救えよ派」、「バンクシーはうんこしないよ派」、「うんこしてもそれは“別の何か”だよ派」などが、「あーだ!ヽ(`Д´)ノ」「こーだ!ヘ(゚∀゚*)ノ」「そーだ!m9`Д´) ビシッ」と自分たちの意見を主張する…ってな調子。最後、「ロバと兵士」は売れなくなって、盗むことを提案したタクシー運転手のワリドは今もバンクシーを敵視しながらボディビルに精を出して終わってましたよ、たぶん。


この壁に描かれた「ロバと兵士」が壁ごと切り出される→売られて、波紋を呼ぶのです。



ワリドとボスの言い分動画があったので、貼っておきますね↓




身もふたもない感想を書くと、面白い議論を観たという印象。昔、JR桜木町駅と旧東横線高架下に描かれていたストリートアートを好んでいた僕的には「消えちゃうところがいいんじゃない派」なんですが、残したいという主張もわからないでもないし、金になるなら売りたい人の気持ちも他人事ではない感じ。つーか、本作でバンクシーを批判する人って、結局は「売る側」なので、なんか拝金に走った己を誤魔化すための強弁に見えた…ってのは穿った見方ですカネー。僕的に感情移入したのは、ボディビルが趣味でロニー・コールマンを尊敬するタクシー運転手ワリド“ザ・ビースト”で、人にはそれぞれの役割がある→バンクシーは世界から注目を集めるという役割を果たしているんだから、「バンクシーは貧者を救え」という彼の主張はあまりにガキだし、そもそも「ワリドだってボスから分け前をもらっていれば、敵意は多少和らいだのではないか…桃屋の穂先メンマのように(上手いことをいった風なドヤ顔を添えてーー)」なんて意地悪なことも思うんですけど、でも、彼の気持ちはスゲーわかる。失礼な文章ですが、「金持ち喧嘩せず」の逆は「貧乏人、キル・ストラグルであり、心に余裕なんてないものね。だから、世界中のお金持ちは貧乏な人たちをもっと積極的に救ってほしいし、ついでに僕にもお金をくれたらいいのになそうだったらいいのにな (・ε・) ナンダコレ




僕がバンクシーを知るキッカケとなった作品。僕の感想はこんな感じ



バンクシーがニューヨークで仕掛けた展示を追った映画。未見でございます。



バンクシーの作品をマップ付きで網羅した本だとか。面白そう。








北朝鮮をロックした日 ライバッハ・デイ(ネタバレ)

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北朝鮮をロックした日 ライバッハ・デイ



原題:Liberation Day
2016/ラトビア、ノルウェー、スロベニア 上映時間100分
監督:ウギス・オルテ、モルテン・トロービク
製作:ウルディス・ツェクリス、モルテン・トロービク
撮影:バルディス・ツェルミニュシュ、スベン・アーリン・ブルスレットー
編集:ガティス・ベログルードフス、ウギス・オルテ
出演:ミラン・フラス、ヤネズ・ガブリッチェ、ルカ・ヤムニク、ロク・ロパティッチ、イバン・ノバック、ミナ・シュピラル、ボリス・ベンコ、プリモシュ・フラドニック、トマシュ・チューベイ、トミスラブ・ガングル、マテイ・ゴベッツ、グレゴール・ムサ、サショ・プシュニク、メリー・スン・キム、スラボイ・ジジェク
パンフレット:★★★☆(600円/安い割に結構頑張った作りのパンフ。映画の補完にどうぞ)
(あらすじ)
2015年、祖国解放70周年記念日に海外からミュージシャンを招くこととなった北朝鮮政府は、スロベニア(旧ユーゴスラビア)のロックバンド「ライバッハ」を招へいする。ナチスを思わせる制服姿や軍隊を思わせるサウンドから、ヨーロッパでは何かと問題視されているライバッハだったが、北朝鮮を訪れた彼らを待っていたのは、想像を超えた厳重な監視体制。到着初日に空港でライブ用のデータ没収、会場での現地スタッフとのかみ合うことのないミーティングなど、思い通りにならない事態にバンドメンバーの不満は募っていき、さらにバンドのリーダーが固く禁じられている街を勝手に散策するという違反を起こし、バンドと北朝鮮サイドはさらなる緊張関係へと突入。そんな中、韓国と北朝鮮の間で重大事件が発生してしまう。(以上、映画.comより)

予告編はこんな感じ↓




70点


※この記事は「シグマ15」に従って書いています。

恥ずかしながら「2015年8月15日、北朝鮮の祖国解放70周年記念日にライバッハが欧米のバンドとして初の公演を開催した」なんて出来事があったのをまったく知らなかったので、興味が湧いて前売り券を購入。7月14日から公開が始まったものの、他の作品を優先していたら都内の上映がすっかり終わってしまったため、9月上旬某日、横浜のシネマ・ジャック&ベティの最終上映日に「モリのいる場所」と連続鑑賞いたしました(その後、「ストリート・オブ・ファイヤー」をハシゴ)。胃が痛かったです… (`Δ´;) ヌゥ


前売り特典は「特製トートバッグ」だったり。


劇場はシネマ・ジャックの方。半分ぐらい埋まってたような。



僕がライバッハを知ったのは、彼らがサントラを担当した“ナチスが月から襲撃してくる映画”「アイアン・スカイ」が公開された時でして。“ファシズムなどを皮肉った活動をしている実験的なバンド”といった程度の知識しかなかったんですが、「よりによって、なぜそんな人たちが北朝鮮に…?」と思っていたら。ライバッハはユーゴスラビア社会主義連邦共和国出身→権力側とのギリギリのやりとりには慣れているようで。この公演は、本作の監督であり、北朝鮮のアーティストや文化人と何度もコラボをしているモルテン・トルーヴィクが仕掛けたんですけど、観終わってみれば納得の人選というか。意外と引くところはしっかり引いて、北朝鮮サイドが納得のいくライブに仕上げながらも、こちらの記事にあるような“皮肉な選曲”をしたりと(もちろん「サウンド・オブ・ミュージック」の曲をカヴァーしたのも意味があると思う)、自分たちなりのメッセージも込めているのだから、そのプロフェッショナル振りには感心いたしました。ただ、ゾッとする場面もあって、「リーダー的存在のイヴァン・ノックが禁じられていた単独行動をする」というシーンはハラハラしたし(劇中では「北朝鮮で逮捕されたアメリカの大学生」の映像が流れたりもする!)、北朝鮮側から「ニヤニヤして偉そうだけど、お前は誰? (゚⊿゚)」みたいな奴がゾロゾロ現れては監視&勝手なダメ出しをしてくる展開はムカつきながらも怖かったし(「船頭多くして船山に登る」感が全開)、まぁ、厭な国だなぁと。一応、オチを書いておくと、あまり盛り上がらずに公演は無事終わって、エンドクレジットが流れてましたよ。


モルテン監督は北朝鮮のミュージシャンに「Take On Me」を演奏させたりと“いろいろやってきた人”なのです。




その他、興味深かったところを書くと、「北朝鮮の少女たちによるコーラス隊が素敵」とか「社会主義国で育ったイヴァンの『北朝鮮はユートピアだ』という視点」とか「北朝鮮の言葉は外来語が入っていないから、韓国語と比べて純粋」とかとかとか。予想外に感情移入したのは、ライバッハのお目付役&通訳のリさんでして。例えばライバッハのメンバーの1人がバカなことをしても、さすがに彼らは手を出されないと思うんですが、リさんあたりにはその責任がモロに襲いかかりそうじゃないですか。今回の公演が失敗しても大変なことになりそうだし、とは言え文句はやたらと言われるし…。“一歩間違えたら死が待っていそうな国(※イメージです)での“生死をかけた板挟み”を観たというのは、決して大げさな表現ではないというか。ある意味、日本社会でも似たような光景をよく見るのでね、なかなか胃が痛かった次第。


右がモルテン監督で、中央がリさん。今も元気なのかな…。



おしまい。




ライバッハの2017年に発売されたアルバムを貼っておきますね。



ライバッハが音楽を担当した映画。僕の感想はこんな感じ



昨年観た北朝鮮絡みのドキュメンタリー。僕の感想はここの3本目








ブッシュウィック 武装都市(ネタバレ)

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ブッシュウィック 武装都市



原題:Bushwick
2017/アメリカ 上映時間94分
監督:カリー・マーニオン、ジョナサン・ミロ
製作:ネイト・ボロティン
製作総指揮:ニック・スパイサー、トッド・ブラウン、カリー・マーニオン、ジョナサン・ミロ、デビッド・バウティスタ、ジョナサン・マイスナー
原案:カリー・マーニオン、ジョナサン・ミロ
脚本:ニック・ダミチ、グレアム・レズニック
撮影:ライル・ビンセント
美術:サラ・K・ホワイト
衣装:シエラ・ウェルズ=ジョーンズ
編集:J・ヘンリー・ホーベック
音楽:イソップ・ロック
出演:デビッド・バウティスタ、ブリタニー・スノウ、アンジェリック・ザンブラーナ、ジェレミー・ハリス、マイラ・ルクレシア・テイラー、アレックス・ブロー、アルトゥーロ・カストロ
パンフレット:なし
(あらすじ)
家族に会うためにニューヨーク州・ブッシュウィックにある地下鉄の駅に降りた大学生のルーシー(ブリタニー・スノウ)。地上に出たルーシーの頭上をヘリや戦闘機が旋回し、銃撃戦が繰り広げられている地上では銃弾が飛び交い、ミサイルが容赦なく落下……見慣れた街は地獄のような戦場に成り果てていた。突然のことに戸惑い、逃げるしかないルーシーは謎の男スチュープ(デビッド・バウティスタ)と出会いにより、自らも生き残るために戦うこととなるが。(以上、映画.comより)

予告編はこんな感じ↓




70点


※この記事は「シグマ15」に従って書いています。
※本作は、ネタバレを知らないで観た方が面白いので、これから観ようと思っている人は読まないで!
※本作については、加藤よしきさんの紹介記事がタメになるので、読んでみて!


「大好きなデビッド・バウティスタと若い女性が主演のアクション」程度の事前情報しかなかったものの、それだけで十分、僕好み&お母さん味ごのみなムードが漂っていたので、観る気マンマンでしてね(微笑)。とは言え、なかなか足を運べなかったら都内の上映が終わりそうだったので、9月上旬の新宿シネマカリテでの上映最終週、「バンクシーを盗んだ男」を観てから、映画ファンサービスデーを利用して鑑賞いたしました。「えっ、そんなオチ!? Σ(゚д゚;) マジ!?」とビックリしましたよ。


ロビーにあった記事の切り抜きを貼っておきますね。


「バンクシーを盗んだ男」と同じ2番スクリーンで鑑賞。1/3ぐらいは入っていたような。



映画は、「ピッチ・パーフェクト」で観たことがあるブリタニー・スノウ演じるルーシーが、ニューヨーク州の街ブッシュウィックに彼氏を連れて里帰りするところから始まりましてね。ところが、地下鉄の駅から出ようとしたら火だるまになった人が走ってくるわ、地上の様子を見にいった彼氏が爆死するわ、スナイパーが路上にいる人をバンバン射殺してるわ、路地に逃げ込めば暴徒に襲われるわと、地獄のような状況になっていたからミニヴァ先生ライクに口がアングリですよ。で、ひょんなことからデビッド・バウティスタ演じるスチュープ(元海軍所属の衛生兵で戦闘力高め)に助けられて、一緒にサバイバルする…ってな内容。「突然、謎の軍隊に街を制圧される」という展開は、クリス・ヘムズワース主演でリメイクもされた「若き勇者たち」っぽいなぁ…なんて思ったのはどうでも良いとして。本作はなんと「全編10カット・長回し!」で描かれているんですが、そのおかげで映画全体が緊迫感に包まれてましてね。「知人を刺したクズとすぐ再会→射殺」といった不自然な展開はあるし、「頼まれた“お使い”が上手くいかなくても話が進む」という無駄足を踏ませる脚本には少しイラッとしたし、「どうせなら全編ワンカット風に繋いでほしかった」「ある優しき殺人者の記録」のように)という気持ちもなくはないんですが、しかし。“ワンカットで見せるためのアクション演出”の数々に工夫が感じられたので、基本的には「これからどうなるのかしら… (´Д`;) ハラハラ」ハラハラしながら楽しめた次第。


この2人が戦場となった街を何とか脱出しようとするお話なのです。



公式の冒頭映像があったので貼っておきますね↓ 火だるまが最高!




結局、謎の軍隊の正体が「アメリカ連合国」だったのは、「彼らの戦術のリアリティのなさ」は別としても、アメリカらしくて好きでしたよ。で、何よりも驚いたのがラストで、「スチュープが“過去のトラウマ話”をした直後、怯えた少女に射殺される」のは予想済みだったんですけど(というか、告白を始めた途端、劇中に死亡フラグムードが漂いまくる)、まさか「妹を助けようとしたルーシーも死んで、ヤク中の妹だけ生き残る」というオチになるなんて! スチュープが死んでからルーシーの戦闘力がモリモリ高まる→盾を構えて敵の銃撃を「ワンダーウーマン」のように防ぐシーンには感動すら覚えていただけに、彼女の死はかなりショックだったし、人によっては「なんだそりゃ( ゚д゚)、ペッ」と乗れなかったりもするんじゃないかなぁ。いや、正直なところ、僕もそれほど好きなオチではないんですけど、でも、トータル的には「ワンカット長回し連発アクション」として楽しかったので70点という着地。まだこれから公開される地域も多いということで、気になる人はぜひ劇場のスクリーンで観てみてくださいな。




デジタル盤のサントラ。輸入盤もあります。



ジョナサン・ミロ&カリー・マーニオン監督作。未見ですが、そこそこ楽しそう。



主観視点のワンカット長回し連発映画。僕の感想はこんな感じだッ!ヽ(`Д´)ノ ブッコロス!








先週の備忘録(2018/9/4~9/10)

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さて、毎週火曜日は備忘録を更新する日ということで、先週の出来事や思ったことを適当に書いておきますね↓

火曜日、仕事
水曜日、映画を2本鑑賞→大事な打ち合わせ→仕事
木曜日、仕事→Mくんと飲み
金曜日、横浜で仕事&映画を3本鑑賞
土曜日、娘関連の行事→家族と過ごす
日曜日、カレーを3杯食べる→妻子と西武園ゆうえんち
月曜日、ボランティア→仕事
※先週観た映画は5本でした



先週の仕事については、いろいろな取引先から細かい業務をお願いされましてね。非常にありがたいことではあるんですが、今のうちに段取りをちゃんと組んでおかないと、間違いなく11月あたりに破綻しそうなムードが漂っているにもかかわらず、どうにも働く気が起きなくてね…(ダメ人間の文章)。つーか、木曜日はアメコミ好きの元部下のMくんと適当に飲みながら駄話をしたワケですが、なんと彼からも仕事を頼まれたからビックリですよ。まぁ、「前に会った時より元気に見えてホッとしました」なんて言われたのは、きっと良いことなんだろうし、家族のためにもしっかり頑張らないとなぁ (´・ω・`) ウーン


ちなみにMくんが未見だったので、「クロウ 飛翔伝説」原作本を貸してあげた…というメモ書き。




先週は5本ほど映画を観て、どれも良かったんですけど、一番ハートを掴まれたのはウォルター・ヒル監督の名作「ストリート・オブ・ファイヤー」のデジタル・リマスター上映ですよ。今まで何度もテレビやビデオで観ていながらも、今回、初めて劇場の大きいスクリーン&良い音響で観たら、最高すぎて死ぬかと思いました (`Δ´;) アブナカッタ... いくら「ロックンロールの寓話」だとしても、やはり昔の映画ならではのおかしなところは多いんですが(ヒロインを顔面パンチで気絶させたりとか)、クライマックスのマイケル・パレとウィレム・デフォーによるハンマーバトルは永遠の輝きであり、ずっと観ていたいほど素晴らしかったです。


本作のマイケル・パレのイイ男振りは最強! 「ファイナル・ファイト」のコーディーのモデルなのです。


そして「イサキおじさんコピペ」を思わせる格好のウィレム・デフォーも素敵だったり。


ダイアン・レインのパフォーマンスも圧巻!


エイミー・マディガン演じる女戦士マッコイがまた良いんですよね。



正直なところ、若いころはラストの別れのシーンが心底どうでも良くて、「タイマンで終われば良かったのに… (・ε・) プー」と不満を抱くほどだったんですが、しかし! 現在、45歳の目で観直してみれば、凄まじく感動したからビックリですよ。とても切なく、でも輝かしい別れであって、ダイアン・レインが歌っている“風”の「今夜は青春!」も最高としか言いようがなくて、涙が止まらなかったというね (ノω・、) グスン それにしてもマイケル・パレ、あんなにイイ男だったのに、なんでドルフ・ラングレンに爆殺されたりとか、スティーブン・セガールに爆殺されたりとか、パッとしなくなっちゃったのかな…ってのは失礼ですかね(こちらに現在のインタビューがあります)。鑑賞後、サントラを聴きながら帰ったのは言うまでもないでしょう(偉そうに)。まだ都内の二番館で上映されているみたいだし、もう一度観に行こうかなぁ。


前売り特典は「特製ステッカー」でした。


シネマート新宿にはこんな展示があったのです。


が、僕が観たのは横浜のシネマ・ジャック&ベティ。観客は15人ぐらいだったような。


帰り道に聴くサントラ、心に沁みましたよ… ( ;∀;) イイサントラダナー



ということで、名曲「今夜は青春!」を貼っておきますね↓ 冷たく見つめてるぅ〜冷たく見つめてるぅ〜(椎名恵さん風に)




プライベートでは、土曜日は娘のマナ子(仮名/7歳)の某行事を終えてからは、ずっとおままごとをして過ごしてまして。日曜日は一人でカレーを3杯食べてから妻子と合流→3人で西武園ゆうえんちに行って、今年最後のプールを堪能いたしました。それと、月曜日はスゲー迷った挙げ句、ちくしょう、ジャン=クロード・ヴァン・ダム出演作である「キックボクサー ザ・リベンジ」を観るために、仕方なくWOWOWに加入しちゃったんですよね…。ううむ、こうなったら元を取るべく観まくるしかないワケですが、すでに加入済みのNetflixの作品すらまったくチェックできていない今、どうやって時間を作ればいいのかサッパリですな ┐(´ー`)┌ サッパリ ただ、先月から頑張ってブログを更新した結果、アップしていない作品の感想が7本まで減ったのはスゲーうれしくて。これからもっと仕事が忙しくなるのでね、今後は映画鑑賞のペースもグッと落として、週3〜4回ぐらいの更新に落ち着ければ…と思っております。


「キックボクサー ザ・リベンジ」の予告編↓ なんとマイク・タイソンも出るのです。




一応、今週の予定を書いておくと、久しぶりにボランティアに参加しつつ、火曜日はスケジュールを調整してヴァン・ダム主演作「スティール・サンダー」(2回目)をキネカ大森で観るし、木曜日は横浜のシネマ・ジャック&ベティにて「菊とギロチン」(2回目)を観るつもり。あと、週末の三連休は、家族と過ごしながら夜は仕事…といった感じですかね。まぁ、今週は年末までスムースに仕事が進むよう、頑張りますYO!ヽ(`Д´)ノ ヤルゼ!


最後に、今月の推薦曲、hy4_4yhによる「人間交差点 午前10時40分」を貼っておきますね↓




以上、先週の備忘録でした。ではでは〜。








企画展「映画パンフは宇宙だ!」に参加します…というご報告<初秋編>

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すでにニュースサイトツイッターなどでは情報が流れていますが、このブログでもあらためて告知いたします。映画のパンフレットに焦点を当てた企画展「映画パンフは宇宙だ!」に参加することになりました。


チュル(⚡️)さんが書いた素敵なチラシを貼っておきますね。

 

 

日時は、今年の11月20日(火)から25日(日)までの期間で(※22日(木)は休館日)、会場は「銭湯×ギャラリー×茶室」というホッコリするコンセプトの「自由が丘 yururi」こちらのサイトによると、「編む人(=編集者)」「組む人(=デザイナー)」「書く人(=映画ライター/映画評論家)」「刷る人(=印刷会社)」「覆す人(=プロデューサー)」「売る人(=映画館/専門古書店)」「読む人(=監督/俳優/読者)」の7つの視点から、各方面のプロフェッショナルが厳選したパンフレットを紹介するとともに、それら識者の方々のトークショーが連日繰り広げられるというイベントでしてね。なんと、僕は「読む人」の1人としてオファーされたのです!Σ(゚д゚;) ナンダッテー!

 

僕ごとき低偏差値のブロガーに声がかかったのは、今はなきラジオ番組「ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル」24時間ラジオ2016にて、「映画はアレだった割に出来が良かったパンフ特集」をやったからだと思うんですが、同じ「読む人」カテゴリに国立映画アーカイブ主任研究員の岡田秀則さん(「アトロク」にも2度出演されてる!)がいたりする時点で、ドン引きというかさぁ…。常に小並み感あふれる文章を垂れ流している僕と比べたら、マイク・タイソン級の戦闘力じゃないですか。他の“現時点で決まっているメンバー”も戦闘力高めな方揃いで、むしろ「僕がトークショーを聞きに行きますYO!ヘ(゚∀゚*)ノ」って感じであり、幼児向け番組のお姉さんに「仲間ハズレはどれかな?川 ・∀・)」と設問にされそうなムード…って、伝わりますかね。

 

 

どう見ても僕だけジャンルが違うような気がしてなりませぬ。

 

 

とは言え、このイベントは「運命が用意してくれた大切なレッスン」だと思っていて(なんだこれ)。僕がなぜか今年5月から「読み聞かせボランティア」に参加するようになったのも、実は“多くの人々の前で話すためのトレーニング”を無意識に始めていたのではないか? そりゃあ、前売1300円・当日1500円というお金を払っていただくトークショーの“出演者側”になるなんて、あまりにバーベルが重すぎて首と腰のヘルニアが悪化しそうなワケですけれども。素人ながら映画業界に1ミリでも貢献できるのはとてもうれしいことだし、「退かぬ!媚びぬ!省みぬ!」が当ブログのモットーということで、その日までに頑張ってスキルを上げようと思っております。

 

 

まぁ、サウザーの末路を考えると「やらない勇気」も必要な気がする…という余計な文章(「北斗の拳」より)。

帝王に逃走はないのだー!

 

 

ハッキリ言って、僕も詳細はまだよくわかってないんですが(汗)、とりあえず公式サイトクラウド・ファンディングサイトが立ち上がっているので、興味がある方はそちらをチェックしていただければ。たぶん普通に“面白いイベント”になると思うのでね、当ブログをいつも読んでくれている方が足を運んでくれたら超うれしいし、富裕層の方はぜひクラウド・ファンディングに協力していただけると幸いです。おしまい。

 

 

 

 

 

 

 

 

タリーと私の秘密の時間(ネタバレ)

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タリーと私の秘密の時間



原題:Tully
2018/アメリカ 上映時間95分
監督・製作:ジェイソン・ライトマン
製作:メイソン・ノビック、ディアブロ・コーディ、シャーリーズ・セロン、ベス・コノ、A・J・ディックス、ヘレン・エスタブルック
製作総指揮:ジェイソン・クロス、アンディ・ポラック、ポール・テニソン、デイル・ウェルズ、スタン・トーマス、ロン・マクレオド、ジェイソン・ブルーメンフェルド
脚本:ディアブロ・コーディ
撮影:エリック・スティールバーグ
美術:アナスタシア・マサロ
衣装:アイーシャ・リー
編集:ステファン・グルーブ
音楽:ロブ・シモンセン
音楽監修:トリシア・ハローラン
出演:シャーリーズ・セロン、マッケンジー・デイビス、マーク・デュプラス、ロン・リビングストン、アッシャー・マイルズ・フォーリカ、リア・フランクランド
パンフレット:★★★(720円/コラム2本の解説が良い感じでした)
(あらすじ)
仕事に家事に育児にと何でも完璧にこなしてきたマーロだったが、3人目の子どもが生まれて疲れ果ててしまう。そんなマーロのもとに、夜だけのベビーシッターとしてタリーという若い女性がやってくる。自由奔放でイマドキな女子のタリーだったが、仕事は完璧で、悩みも解決してくれ、マーロはそんなタリーと絆を深めることで次第に元の輝きを取り戻していく。タリーは夜明け前には必ず帰ってしまい、自分の身の上を語らないのだが……。(以上、映画.comより)

予告編はこんな感じ↓




70点


※本作は、ネタバレを知らないで観た方が絶対面白いので、観ようと思っている方はこの感想文を読んじゃダメ!m9`Д´) ビシッ

本作を観たのは愛聴しているラジオ番組「アフター6ジャンクション」の週刊映画時評コーナー「ムービーウォッチメン」の課題作品になったから…ではなく(余計な前書き)。ジェイソン・ライトマン監督×シャーリーズ・セロン主演作の「ヤング≒アダルト」が最高かつ激痛だったので、同コンビによる本作が気になってしまって、前売り券を購入。で、今週金曜日、宇多丸師匠が批評するということで、いそいそとTOHOシネマズ シャンテで観て来ました(その後、大森に移動して2回目の「スティール・サンダー」を鑑賞)。「予想通り…まさに予想どおりだ ( ´_ゝ`)」と思ったり。


前売り特典は「タリーと私のランチトート」でございます。


スクリーン3、半分ぐらいの入りだったような。



最初にほとばしるほど野暮な文章を書くと、「ナイトシッター(夜間専門のベビーシッター)のタリーの正体は?」という予告編でも流される謎に関しては、まぁ、勘の良い方ならすぐ気付くと思いますが(苦笑)、僕も「これはオルターエゴだな ( ̄ー ̄) ニヤッ」と即看破しましてね。パンフによると音楽遣いなどで伏線を張ったりもしているそうで、それにはまったく気付かない体たらくでしたが、中途半端に登場した元友人(ルームメイトだった)、朝はマーロに会わずに去るタリー(ちょっと「小人とクツ屋」っぽい)、馴れ馴れしい冷蔵庫利用、夫ドリューに会わない、不自然なコスプレ3P展開、タリーのルームメイト云々相談などにより、「実は本人の別人格が助けてくれているのでは?」というのは薄々勘づいていたから、最後にマーロが「タリーが26歳のころの自分だったと気付くシーン」でも驚かなかった…って、偉そうですかね (´∀`;) スミマセン 一応、オチを書いておくと、事故を起こしたことで「タリーはマーロの旧姓(?)であり、すべてマーロが無理して頑張ってたことが発覚→夫ドリューが反省して彼女に無理をさせないことを決意→息子ジョナに諭されて、彼のためにやっていたブラッシングを止める」といった感じで終わってたんじゃないかしらん。


ハードな日々にマーロがキレて、ナイトシッターを呼ぶことにしまして。


タリーが来てくれるんですが、実は若いころのマーロ自身だったというね。


僕の気持ちを代弁するシコルスキーを貼っておきますね(「バキ」より)。
三角絞めでつかまえて-予想通りだ


ただ、本作のキモは別にあって。「家事や子育てを女性だけが一手に引き受けることの大変さ」わかりやすくポップに描いているところが素晴らしい。ダーレン・アロノフスキーのヒップホップモンタージュを想起させる加速する「ワンオペ育児」描写は、面白いながらもその苦労がビンビン伝わってくるので、「専業主婦は楽だよな!(`∀´) ケケッ」なんてほざいている御仁も「こんなの無理ですわ… (`Δ´;) スミマセン」と即反省するのではないでしょうか。さらにマーロを演じたシャーリーズ・セロンの18キロ増量して挑んだという役作りもまた良くて、「モンスター」の時もハードな増量をしたそうですが(未見)、本作で見せる“だらしない体”は100点のクオリティでして。僕は「KUBO クボ 二本の弦の秘密」で彼女が声を担当したサルにすら股間を踏まれたくなった男ですからね(微笑)、当然ながら今回もまた超ストライクであり、あの体型でウェイトレスのコスプレを着用して迫ってきてほしい…という、どうでも良い願望。


見事な増量! この肉体を観られただけでも前売り券を買った甲斐がありました。


搾乳シーンに関しては「マッドマックス FR」のこのシーンを連想して複雑な気持ちになったりもして。


なんとなくロック様にどうかと思う提案をするファルコンの画像を貼っておきますね(「ペイン&ゲイン」より)。
母乳友だちになろう!


公式の特別映像があったので、貼っておきますね↓ これは大変だわ… (・ω・;) ウーン




それと、僕的にグッときたのは「現状の不安や苛立ちを受け入れていく映画」でもあったこと。己の人生を振り返ってみれば、全体的に若いころの方が「良いことがなかった」イメージが強いので、本作の主人公マーロの「20代のころは良かったわ… (´・ω・`し ションボリ」的な心境って、理解はできるけど共感はできなかったりするんですが、しかし。なんて言うんですかね、彼女のように僕にも大切な奥さんと娘がいて十分幸せなハズなのに、結局、何かにあがいてしまう部分があるので、どことなく他人事とは思えなかったというか。タリーが指摘する「家族がいる“今”が夢を叶えた状態」というのは「Exactly(そのとおりでございます)」でグウの音も出ないんだけどさ、それでも“何か”が納得できなくて (・ε・) グゥ でもその“何か”を諦めたり、飼い慣らしたりしていくことが人生であり、成長なのかもしれない。そんなことを考え始めるとね、知恵熱が出て具合が悪くなる45歳なのでしたーー ('A`) アタマイタイ


タリー=“26歳の自分”からの指摘はごもっともなのです。


まぁ、こういうことなんですよね(「テイク・ディス・ワルツ」より)。
三角絞めでつかまえて-ジェラルディン、容赦せん!


その他、「デカフェにもカフェインが入ってるとクソリプするババア」とか「ブルックリンを目指すシーンでのシンディ・ローパーのアルバムの使い方!」とか「タリー役のマッケンジー・デイビスが魅力的!」とか褒めたいところはいくつもあるんですけれども。正直、どうかなぁと思うところもある…という面倒くさいアタシ。「いくら無関心な夫でも、自分の家に入れるんだから、一度はナイトシッターに会っておくだろ」とか「いくら兄が金持ちでも支払い&請求がなかったら気付くだろ」とか「いくら人間の潜在能力を使って無自覚に行動しているとしても、最終的には過労が判明するんだから、マーロの肉体に兆候が出るだろ」といったツッコミは置いとくとしても。

ハッキリ言って、夫ドリューの設定がクソすぎるというか。“1人目の子ども”だったらまだ現実味があるけどさ、“手が掛かる2人目を経ての3人目”であの無関心振りなのに、さらに「理解がある良い夫」なんてキャラ設定は今どきあり得なくないですかね?(いくらマーロが「自分で何でもこなせる完璧な主婦になりたい願望”を持っていた→彼に何もやらせないようにしていた」としても!) 最後に反省して善人ヅラするけどさ、それまでがあまりにも異常すぎたから、ごめんなさい、「お前、バカなの?(゚Д゚)」と呆れちゃいましたよ。それとマーロがジョギングするシーン、若い子と張り合って負けた後、「これからハードトレーニングに打ち込んで肉体を鍛え上げるのか!(*゚∀゚)=3 ムッハー」とスゲー期待したので、そのまま「もうアタシも若くないのね 川´_ゝ`)」なんてボンヤリと終わったのは少し残念でしたね。例えば、「バラクーダ」を流しながらドッグフードを担いで走る…なんて演出は無理な注文でしょうか(間違いなく無理な注文)。


正直、この「冷凍ピザ」発言を聞いた瞬間…。


僕の脳内ではこんなイメージで殴ってました(「グラップラー刃牙」より)。
三角絞めでつかまえて-殴られるロジャー・ハーロンさん

このシーンも決して悪くはないんですが…。


僕はこんな特訓が観たかったなぁ…という勝手な要求(「アイ、トーニャ 史上最大のスキャンダル」より)。



そんなワケで、100パーセント乗れたワケではないんですが、「僕ももっと協力すれば良かったなぁ」と娘が生まれた時を思い出したりしたし(でも、実家で育てたりしたし、お義母さんが来てくれたりもしたし、家事は僕が担当してたんですヨ…というI-I-WA-KE!m9・∀・) ビシッ)、笑えるシーンも結構あったし、トータルするとシャーリーズ・セロンが堪能できて楽しかったです (´∀`=) ヨカッタワ- 何はともあれ、間違いなくワンオペ育児の大変さがビンビン伝わってくる作品なのでね、女性の方が高確率で共感できると思いますが、男性も観ておくと良いような気がします。おしまい。




ちょっと良さげなサントラ(デジタル盤)。アナログ盤もあります。



ジェイソン・ライトマン監督×シャーリーズ・セロン主演作。僕の感想はこんな感じ



シャーリーズ・セロン主演作で一番好きなのは、これでございます (´∀`=) ウフフ



「自分の人生、これでいいのか」話を観ると思い出しがちな映画。僕の感想はこんな感じ



久しぶりに聴きたくなりましたよ。






スティール・サンダー(ネタバレ)

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スティール・サンダー



原題:Black Water
2018/アメリカ 上映時間105分
監督・製作総指揮・撮影:パシャ・パトリッキ
製作:リチャード・スウィッツァー、タイラー・W・コニー、アレクサンダー・ファーガソン、ジェイソン・チェルビニ
製作総指揮:デビッド・アレン、チャド・ロウ、ジャン=クロード・バン・ダム、ビビアナ・ザラゴイシャ、エリック・フィッシャー、ルーク・テイラー、マシュー・ヘルダーマン、パトリック・デペーターズ、ジョー・リスタウス、ウィリアム・V・ブロマイリー、ネス・サバン、シャナン・ベッカー
脚本:チャド・ロウ
美術:フェルナンド・バルデス
衣装:アシュリー・アレン
編集:マイケル・レーン
音楽:スペンサー・クリーガン
出演:ジャン=クロード・バン・ダム、ドルフ・ラングレン、アル・サピエンザ、ジャスミン・ウォルツ、パトリック・キルパトリック、クリス・バン・ダム、コートニー・ターク、アレクサンダー・バイシェルボイム、ランス・E・ニコルズ、マーク・シャーマン、カフル・ペンドレッド、アーロン・オコンネル、イアン・ネイルズ
パンフレット:なし
(あらすじ)
CIAの極秘情報を流出させた容疑者を追っていたウィーラー(ジャン=クロード・バン・ダム)は、武装組織に襲われて身柄を拘束され、テロリストたちの収容所になっている潜水艦「ブラック・サイト」に連行される。艦内にはマルコ(ドルフ・ラングレ)という謎の男が幽閉されており、CIAの流出したデータを開くために必要な鍵について尋問されたウィーラーは、隙を突いて取調室を脱出し、マルコに協力を依頼。マルコを独房から解き放ち、潜水艦からの脱出を図るが……。(以上、映画.comより)

予告編はこんな感じ↓




70点


僕はアクション俳優ジャン=クロード・ヴァン・ダムのファンであり、さらに主演作をほぼすべてチェックしている程度にはドルフ・ラングレンも愛しているのでね(苦笑)、「今年の2月22日にドイツでソフトが発売される」という情報をキャッチしてからは「2018年に絶対観たい新作映画10本」の1本に選ぶほど楽しみにしていたところ! なんと日本では「期間限定ながら劇場公開される」ということになりましてね… (ノД`) アリガタイ さらに愛聴しているラジオ番組「アフター6ジャンクション」で勝手に宣伝させていただけることになったドイツ版DVDを購入→視聴→出演が惨憺たる結果に終わった…なんて話は、遠く離れゆくエボシライン。で、公開が始まった7月下旬にヒューマントラストシネマ渋谷で1回、9月上旬にキネカ大森で1回観て来ました。「それでいいんだ… ( ´_ゝ`)」と思ったり。


ドイツ版のDVD、日本語字幕がない=言語がまったくわからない中、3回観ましたよ。


1回目はHTC渋谷にて。「WCC ワンダーナイト・シネマカーニバル2018」の1本として上映されたのです。


入場者特典として、表がヴァン・ダムで裏がラングレンの団扇などをもらいました ヘ(゚∀゚*)ノ ヤッタァ!


劇場は、4分の1ぐらいは埋まってた気がします。


2回目はキネカ大森にて。ヴァン・ダムファンがケチだと思われたくないので、飲食物を多めに購入。


観客は、10人ぐらいはいたような記憶。


キネカ大森先付ショートムービーの「もぎりさん」が観られたのはうれしかったです (´∀`=) ウフフ


入場者特典だと思った団扇が劇場ロビーに置いてあったのは複雑な気持ちだし、ラングレン側が表なのはヴァン・ダムへのディス?(考えすぎ)


結局、ひだっちょさんからもらったのも合わせて、我が家には団扇が三枚あるのでした。



なんて言うんですかね、「観る側にリテラシーが求められる」と書くと偉そうですが(汗)、「観る側に優しさが求められる」のは確かなんじゃないかなぁと。例えば、「ミッション:インポッシブル フォールアウト」と同じレベルの“アクションの質”を求める人にとっては高確率で残念な作品に見えるだろうし、ストーリー的にも“どんでん返しのために無理矢理入れた不自然な展開”には辟易したし…(「ラングレンが提案する囮作戦がクソ」といった脚本への不満はいろいろありますが、とにかく「最初に殺されたと思った女エージェントのバラードが実は生きていて敵の仲間だった!」という展開は、わざわざそんな工作をする意味がサッパリだったけど、ラストにラングレンが始末するシーンを撮りたかったんでしょうな)。ハッキリ言って、「駄作認定する人がいても仕方ない類の映画」であることは、僕もキッパリと否定できないと言わざるを得ない気がしないでもないというウワサを耳にしていて、ちょっとせつない、かなりキワドイ、恋に落ちそうフルーティーキッス(なんだこれ)。


ラングレン演じるマルコが提案した囮作戦、リスキーすぎてビックリいたしました。


この女が生きていた展開、心底どうでも良かったです。



でもね、カーテンを開いて、静かな木洩れ陽のやさしさに包まれたなら、きっと目に映るすべてのことはメッセージ。歩きスマホをしている人にぶつかられても「きっとあの人は友人が緊急搬送された病院を入力したものの、目的地までナビされる機能に慣れてなくて、ついつい画面を見てしまっているのだろう (´∀`) シカタナシ」と、スムースに許せる級の優しい気持ちで観てみれば、僕にとってはとても素敵な映画でしてね…(しみじみ)。「アトロク」出演時にアナウンサーの宇垣美里さんが指摘されたことと被りますが、テレビ東京の「午後のロードショー」で放送されていたら「ちょうどいい」というか、洗濯物を畳みながら観ていたら、ついつい作業の手が止まっちゃう程度には面白いんじゃないかなぁと。アクションに関しては、予算があまりなさそうな中で頑張って銃撃戦してるし、格闘シーンはリアル寄りで寝技を取り入れたりして悪くなかったですよ。


ヴァン・ダムが三角絞めを繰り出したりしてましたぞ。



主演のヴァン・ダムはちゃんとグッドシェイプだし、息子クリスとのタイマンシーンも「ファイナル・ブラッド」の時よりは練られていた印象。で、共演するラングレンも安定の「知的ラングレン」振りにはグッときたし、半裸トレーニングシーンが観られたのもうれしかったし、アクションは省エネ感全開ながらもゴツンゴツンと落とすマウントパンチはなかなかの迫力だったし、まぁ、満足 (´∀`) ウフフ それに何よりも「製作総指揮のヴァン・ダムが誘ってラングレンが出演することになった→本作は潜水艦が舞台→『ヘイル、シーザー!』出演シーンが削られたラングレンへのプレゼント的なオファーだったのでは?」なんて妄想をすると、ちくしょう、萌えざるを得ない。つーか、本作が5度目の共演ながらも、ここまで仲良しな2人が観られたことはなかっただけに(「ユニバーサル・ソルジャー」のメイキングぐらい?)、「物語上、あまり必要がなさそうなコントっぽいやりとり」とか、あまりの不要ムードにヤレヤレと思いつつ、すっかり顔はほころんでいたのでした (´∀`=) ンモウ! 一応、オチを書いておくと、ヴァン・ダムとヒロインが生き残るとCIAでコンビを組むことになり、裏切った女エージェントは逃亡するもラングレンに始末されて終わってましたよ。


ラングレンもちゃんと良い体。半裸での腕立て伏せが観られただけで映画代の元はとれた気分。


そして、この2人のイチャイチャ振りったら! 物語的には不要だけど好きさ!



その他、「『ブルージーン・コップ』でラスボスのサンドマン役だったパトリック・キルパトリックが出てるので、ファンは要チェック」とか「クライマックスのメキシカンスタンドオフがグダグダすぎてビビった」といったことは置いとくとして。そりゃあ、僕だって本作が傑作だとは思わないけどさ、こんな気軽に観られる安めのアクション映画があったっていい…。それが多様性の世界じゃないですか(一気に範囲を広げた文章)。パシャ・パトリッキ監督、初の長編映画だったようですが、そこそこ頑張ったというか、僕的には「それでいいんだ… ( ´_ゝ`)」と、そっと抱きしめてあげたくなった次第。興味がある人は、前述のように、優しい気持ちで観ていただけると幸いです。


そんなワケで、玉置浩二さんの名曲「田園」を貼っておきますね↓




おしまい ( ´_ゝ`) イインダヨ




もう11月にはDVDが発売されるので、ううむ、予約せざるを得ない。



ヴァン・ダムとラングレンの初共演作。優しい心で観れば、とても良い映画な気がします、たぶん。



パシャ・パトリッキ監督が撮影で携わった作品。まぁまぁ面白いでやんす。



「快適生活」で知られる村井忠大さんが一番好きなヴァン・ダム映画を貼っておきますね (`Δ´;) ヌゥ








先週の備忘録(2018/9/11~9/17)

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さて、毎週火曜日は備忘録を更新する日ということで、先週の出来事や思ったことを適当に書いておきますね↓

火曜日、仕事→映画を2本鑑賞
水曜日、仕事
木曜日、仕事→映画鑑賞
金曜日、寝坊→仕事→映画を2本鑑賞
土曜日、仕事関係の人と飲み→練馬の「か和もっち」
日曜日、妻子とお出掛け
月曜日、妻子とお出掛け
※先週観た映画は5本でした



先週は、金曜日に大失敗しましてね… (ノω・、) グスン 思いっきり寝坊してしまって、ボランティアをすっぽかしてしまい、仕事の打ち合わせの時間もズラしてもらうという体たらくですよ。もうね、平均3時間睡眠の生活に無理がきているなぁと。前から何度も何度も何度も何度も何度も何度も書いていることではありますが、仕事が忙しくなっている今、今度こそブログの更新ペースを落として、しっかり体調管理しないとダメなんじゃないか。つーか、11月20日(火)から25日(日)まで、映画のパンフレットに焦点を当てた企画展「映画パンフは宇宙だ!」に参加する予定なんですが、その時までにできるだけ“いい体”にしたい気持ちもあるのでね、10月から11月にかけては、「世界睡眠会議」の記事などを読みながら、筋トレ&睡眠重視で頑張ろうと思います(肝心の仕事は?)。


先週はあまりブログを書かず、溜まった「週刊 マーベル・ファクト・ファイル」を読んだりしましたよ。



映画について書いておくと、先週は5本ほど観られましてね。予定通り、火曜日はキネカ大森でジャン=クロード・ヴァン・ダム主演作「スティール・サンダー」(2回目)を観て、木曜日に横浜のシネマ・ジャック&ベティ「菊とギロチン」(2回目)を観られたのは良い感じでしたよ。それと「ムービーウォッチメン」の課題映画「タリーと私の秘密の時間」や、前2作が最高すぎた香港アクションムービー「SPL 狼たちの処刑台」、偶然、今週の課題映画になっていた「ザ・プレデター」に足を運べたのも良かったなぁと。つーか、あまり期待していなかった「ザ・プレデター」が予想以上に僕好みだったということで、今週はシリーズをすべて観直してから、もう1度、劇場に足を運ぶつもりなのでした。


最近、よく来ているジャック&ベティ。「菊とギロチン」、やっぱり良い映画でした…変だけど。


「ザ・プレデター」、こんなツイートをするぐらい好きでした (´ε`) ウッフン



土曜日は、妻子がママ友と遊ぶというのもあって、昼間はあちらこちらでカレーを食べてから、新宿で“見逃していた「フートボールの時間」を焼いたBlu-ray”を映画仲間のスターリング・エレファントさんからいただいたりしましてね(諦めるつもりだったのに「もう焼いちゃった」ということで、つい… (´∀`;) エヘヘ)。夜は仕事関係の人と中村橋の寿司屋で軽く飲んだら、ハートに火が点いてしまって、歩いて練馬の「か和もっち」まで行ってみれば! なんと当ブログの読者だというアカコアラさんがご友人とたまたま来店されていて、あーだこーだと映画話ができたのだから、世の中にはこういう偶然があるものなんだなぁと。この日はチートデイだったので、暴飲暴食をしてしまったものの、とても良い1日になりましたヨ (´∀`=) ウフフ で、日曜日と月曜日は、妻子と適当な無料イベントに行って愉快な時間を過ごしたんですが、詳細は内緒でございます。


基本的に土曜日は外で飲まないんですが、行って良かったです。


日曜日、娘が食べたアイスをなんとなく貼っておきますね。


月曜日、娘が食べたちゃんこ鍋も貼っておきますね。



今週の予定を書いておくと、火曜日と水曜日は連続でとても大事な打ち合わせがありまして。水曜日の夜は次姉と飲んで、木曜日は横浜で仕事→映画鑑賞→渋谷の「MeWe」にて開催される「タマフル・トップ5・生活は踊る・アフター6ジャンクションリスナーオフ会」に行ければなぁと(行き方ははちごろうさんのブログを参照のこと)。で、週末の三連休は家族とまったり過ごす予定なのでね、休みの日に仕事をせざる得ない状況に陥らないよう、今週も頑張って働こうと思います。


最後に、今月の推薦曲、ハイパヨちゃんによる「人間交差点 午前10時40分」を貼っておきますね↓




以上、先週の備忘録でした。ではでは〜。







ザ・プレデター(2D版、IMAX3D版)(ネタバレ)

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ザ・プレデター(2D版、IMAX3D版)



原題:The Predator
2018/アメリカ 上映時間107分
監督・脚本:シェーン・ブラック
製作:ジョン・デイビス
製作総指揮:ビル・バナーマン、アイラ・ナポリエッロ
キャラクター創造:ジム・トーマス、ジョン・トーマス
脚本:フレッド・デッカー
撮影:ラリー・フォン
美術:マーティン・ホイスト
編集:ハリー・B・ミラー3世、ビリー・ウェバー
音楽:ヘンリー・ジャックマン
音楽監修:デイブ・ジョーダン、トリグ・トーベン
出演:ボイド・ホルブルック、トレバンテ・ローズ、ジェイコブ・トレンブレイ、キーガン=マイケル・キー、オリビア・マン、スターリング・K・ブラウン、トーマス・ジェーン、アルフィー・アレン、アウグスト・アギレラ、ジェイク・ビューシイ、イボンヌ・ストラホフスキー、ブライアン・プリンス、マイク・ドプド、ニオール・マター、ピーター・シンコダ
パンフレット:★★★(720円/過去作の紹介ページで、ジャン=クロード・ヴァン・ダムに触れてくれた鷲巣義明さんが好きさ!)
(あらすじ)
元特殊部隊員の傭兵クイン・マッケナ(ボイド・ホルブルック)は、メキシコのジャングルに墜落した宇宙船と、その船に乗っていたプレデターを目撃。プレデターの存在を隠匿しようとする政府に拘束されてしまう。クインは、墜落現場から持ち帰っていたプレデターのマスクと装置を自宅に送り届けていたが、クインの息子で天才的な頭脳をもつ少年ローリー(ジェイコブ・トレンブレイ)が装置を起動させてしまう。装置から発せられるシグナルによってプレデターがローリーのもとに現れ、さらにそのプレデターを追い、遺伝子レベルでアップグレードした究極のプレデターまでもが姿を現す。(以上、映画.comより)

予告編はこんな感じ↓




85点


「シェーン・ブラック監督作、大好き!ヘ(゚∀゚*)ノ ホエホエ!」と思ったり。


ということで、岡村靖幸さんの名曲「だいすき」を貼っておきますね↓




1987年に公開されたアーノルド・シュワルツェネッガー主演×ジョン・マクティアナン監督作「プレデター」は、「ロッキー」「エイリアン」が合体したような最高の脚本(by ジョン・マクティアナン)に、「プレデター」という新しいクリーチャーの設定&ビジュアル、工夫されたアクション、そして筋密度の高いマッチョな俳優たちが見事に融合した、僕的には傑作認定せざるを得ない奇跡の映画なんですけれども(オールタイムベストの1本)。残念ながらその後の続編や関連作に1作目を越えるものはなくて。特に2010年公開の「プレデターズ」にはかなり期待→失望したのが結構キツかったりしましてね…(遠い目)。それゆえ、本作についても、予告編から「『ガキがプレデターを地球に呼んだ』という設定」とか「マッチョ感が伝わってこない」といった不安要素が感じられたというのもあって、正直、いくら趣味が合うシェーン・ブラック監督作だろうとも全然期待してなかったのです。


有名な話ですが、脚本修正の関係もあって、若かりしころのシェーン・ブラック監督は「プレデター」に出演してまして。


プレデターによる“最初の犠牲者”になるんですが、とにかく“女性器にまつわる下ネタ”の印象が強め。


このギャグの意味、大人になってからやっとわかったというね (´∀`) アホダナー



そんな心境で迎えた9月14日の公開日、「どれどれ観てやるか ┐(´ー`)┌ シカタナシ」とTOHOシネマズ新宿に足を運んでみれば、チートデイでもないのに夜中に生ビールとチャーハンと餃子を摂取してしまうぐらいに超ストライクだったから驚きですよ。で、ちょうど愛聴しているラジオ番組「アフター6ジャンクション」の週刊映画時評コーナー「ムービーウォッチメン」の今週の課題映画になったのもあって、「映画秘宝 2018年 10 月号」の巻頭特集「歴代プレデター完全クロニクル」(ファン必読!)を読んでから、「プレデター」「プレデター2」「エイリアンVS.プレデター」「AVP2エイリアンズVS.プレデター」「プレデターズ」「Batman: Dead End」「ZVP」を一通りチェックしてから再度観てみれば、やはり僕好みのお母さん味ごのみだった次第。


1回目は、TOHOシネマズデイを利用して2D版を鑑賞。


2回目は、奮発してIMAX3Dで観てみたら、真っ二つにされた人体から内臓が3Dで出てきて良い感じ♪ (o^-')b イイネ!


ちなみに、「映画秘宝」の「プレデター特集」は、このスチルが観られただけで幸せでした… (ノω・、) ウレシイ



ハッキリ言って、怒る人がいても不思議じゃない出来ではあると思うんですよ。話はとにかく雑で乱暴というか。映画冒頭、主人公のクイン・マッケナがプレデターの装備を偶然手に入れるくだりから「なんで装備を外してたの?(゚⊿゚) ナゼ?」と疑問が湧くし、その後も「クインの息子ローリーがプレデターのシステムを理解できるほどの天才児だった」とか「クインたちが連れ去られる予定の場所や、秘密機関スターゲイザーの研究施設、マッケナ家、宇宙船の落下地点が意外と近所」とか「人間に懐くプレデター犬」といったご都合主義というのもバカらしくなる展開が連発されるし、結局、秘密機関スターゲイザーは何がしたかったのかよくわからなかったし…。登場人物たちの行動の数々も尋常じゃないレベルで迷いがなくて(例えば、息子が連れ去られたクインが宇宙船を必死に追うのはわかるけど、多少は躊躇いながらも仲間2人まで飛び乗ったのはスゲー驚いた)、「これはない」と思う人がいても仕方ないんじゃないかと。いや、僕だって1作目のシリアスなムードを愛してるだけに、シェーン・ブラック監督作特有の“軽薄なブラックユーモア”が散りばめられてコメディ色が強くなった部分にはね(流れが停滞するやり取りも多い)、思うところがないと言えばウソになるという気がしなくもない。それと、プレデターは「狩猟にしか興味がない種族」でいてほしかったので、「地球に移住しようとしていた」という設定はあまり好きじゃなかったですね。


このプレデターは人間を守りに来ましてね。


最終的には、こっちの大きいプレデターが大暴れしてましたよ。



だがしかし! とは言え、『ナイスガイズ!』のノリでプレデターと戦ってみました (o^-')b ドウ?」みたいな本作は、ちくしょう、やっぱり大好物 (ノ∀`) エヘヘ というか、80〜90年代のころの「人の命が安いアクション」を心から愛していた僕ですよ、本作で主人公やプレデターが織りなす殺傷描写の数々はとても愉快でしてね…(例えば「子どもに物を投げたクズが“プレデターの装備”の反撃で即死」とか「麻酔銃で目を撃って殺す」とか最高!)。それに、ストーリーは本当におかしいんですけど、キャラが立っている上に役者さんたちの演技も素晴らしいため、主要登場人物が恐ろしいほどに全員魅力的でして。予告編でイラッとした天才少年ローリーについては「発達障害のいじめられっ子で両親の期待に応えられていないと思ってる」なんて設定だったから「お父さんは君が元気でいてくれるだけで期待に応えてもらっているんだよ… (iДi) ウェェェェ」と勝手な父気分で泣いちゃったし、ケイシー博士が兵士並みの胆力があってなぜか戦闘力が高めでも、むしろその勢いに好感が持てたという不思議。


主人公クインを演じたボイド・ホルブルック、モロに「ナイスガイズ!」のライアン・ゴズリングみたいでしたな。


ローリーを演じるのは天才子役のジェイコブ・トレンブレイ。「ダメな父親が子どものおかげで成長する」という「アイアンマン3」「ナイスガイズ!」と同じお話。


オリビア・マン演じるケイシー博士、勢いがあって好みでした。「X-MEN:アポカリプス」のサイロックだったのね。


「2」に登場したゲイリー・ビジーの息子ジェイク・ビジーが科学者役で出演。設定でも父親が演じた役の息子なんだとか (゚⊿゚) ヘー



そして、何よりもPTSDを抱えた退役軍人チーム“ルーニーズ”が最高! 「役立たずの烙印を押された男たちが、子どもを救うために命がけの戦いに挑む」という舞台設定だけでグッとくるし、その散り方もみんな良い感じだったなぁと。お互いを射殺することになるコイルとバクスリーはもちろんのこと、何よりもトレヴァンテ・ローズ演じるネブラスカが超カッコ良かった!ヽ(`Д´)ノ ウォォォッ! なんて言うんですかね、「死に場所を探していたネブラスカが、微笑んでから宇宙船のタービンに乱射しながら突っ込んで破壊するシーン」は、まさに男の中の男であって。スゲー良い役者さんだなぁと感心していたら、トレヴァンテ・ローズは名作「ムーンライト」で“大人になったシャロン”を演じた人だったから「あの人か!Σ(゚д゚)」とスムースに納得。最後、遺品を埋める場面はね、「いつ集めたんだよ」的に思わなくもなかったけどさ、そりゃあ涙が止まらなかったです。一応、オチを書いておくと、ルーニーズは全滅したものの、クイン、ケイシー博士、ローリーが力を合わせて“最強のプレデター”を見事倒しましてね(泥まみれになる1作目オマージュ有り)。その後、すっかりお偉いさんになったっぽいクインが研究施設で“実は人間を助けるために逃げてきたプレデター”が遺した“贈り物”を調べてみたら、プレデター・キラーというアイアンマン風味の人間用バトルスーツだということが判明して終わってましたよ、確か。


ルーニーズ、気の良い仲間たちだったなぁ… (ノω・、)


ケイシー博士が目覚めた時のグダグダなやり取り、スゲー面白かったです。


トレヴァンテ・ローズ、今後も頑張ってほしいですな。



そんなワケで、あらためて歴代作品を僕的に比べると、「プレデター」>>>越えられない壁>>>「ザ・プレデター」←NEW!>>>「プレデター2」>>>「エイリアンVS.プレデター」>>>「プレデターズ」>>>「AVP2エイリアンズVS.プレデター」って感じですかね。「優秀な人間のDNAを集めていた」とすると「プレデターズ」の「なんで殺人鬼程度の“実際の戦闘力が低めの人間”までさらってくるんだよ ( ゚д゚)、ペッ」という不満を解消してくれる感もあったりして、そういうところも嫌いじゃなかったです。何はともあれ、大画面で人の命が安めのSFアクションが観られて、とても楽しかったですYO!ヘ(゚∀゚*)ノ ホエホエ! まぁ、別に本作の世界観を続けても、またリセットしてもどーでも良いんですが、今回は初めて良いプレデター(でも、戦士なので邪魔する奴はちゃんと殺す)が出てきたということで、次はプレデター星を舞台にしてほしいなぁと。例えば、あまり狩猟に興味が持てなかった文系の少年プレデターが、他の星を守るために死んだ父(=本作のプレデター)の意思を継いで立ち上がる…とか、そんな続編を適当に期待して、この駄文を終えたいと思います。


まぁ、こんな「プレデター」でも良いんですけどね (´∀`=) スキヨ




おしまい。




シェーン・ブラック監督の前作。僕の感想はこんな感じ



デジタル盤のサントラでございます。その他、竹書房からノベライズも出てました



記念すべき1作目。僕の感想はこんな感じ



街が舞台になった2作目。逃げまどうダニー・グローヴァーが好き。



エイリアンと戦うことになった3作目。コミックみたいで嫌いじゃないです。



4作目。画面が暗くて何をやっているのかわからないのが本当にイヤ。



1作目の続編的な5作目。僕の感想はこんな感じだったけど、先日観直したら70点ぐらいの評価でしたよ (ノ∀`) テヘ



過去に出たコミックと同じっぽい。続きもリリースしてくれるのかなぁ。



「映画秘宝」のプレデター特集号。ファンはマストバイ! m9`Д´) ビシッ



なんとなく貼っておきたい忍者とエイリアンが戦う映画。僕の感想はこんな感じ








2018年10月公開で観たいと思っている映画の覚え書き

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毎月の恒例として、僕が2018年10月公開で観たいと思っている映画を貼っておきますね↓


※①などの番号付きは「絶対に観る」、○は「一応観たい」、△は「興味ある~」って感じです。

10/5〜6
イコライザー2 ①
教誨師 ②
ブレイン・ゲーム ○
LBJ ケネディの意志を継いだ男 △
薄墨桜 GARO △
チューリップ・フィーバー 肖像画に秘めた愛 △
モルゲン、明日 △


10/12〜13
スカイライン 奪還 ③
アンダー・ザ・シルバーレイク ④
日日是好日 ⑤
負け犬の美学 ⑥
ルイスと不思議の時計 ○
止められるか、俺たちを ○
ナミヤ雑貨店の奇蹟 再生 ○
ムタフカズ MUTAFUKAZ ○
バーバラと心の巨人 △
ジェノサイド・ホテル △
スモールフット △


10/19〜20
ザ・アウトロー ⑦
デス・ウィッシュ ⑧
ファイティン! ⑨
遊星からの物体X〈デジタル・リマスター版〉 ⑩
テルマ ○
ピッチ・パーフェクト ラストステージ ○
ギャングスタ △
エンドレス・ウォー △
劇場版 はいからさんが通る 後編 ~花の東京大ロマン~ △
マイ・プレシャス・リスト △


10/26〜27
ライ麦畑で出会ったら ⑪
バーフバリ 伝説誕生〈完全版〉 ⑫
search/サーチ ○
心魔師 △
13回の新月のある年に △
第三世代 △
嘘はフィクサーのはじまり △



最近、ブログを書く量を減らしてみたら、しっかりと睡眠がとれる上に仕事が驚くほどはかどることに今さらながら気付きましてね…。できれば新作映画の鑑賞量も減らしていきたいところなんですが、しかし。ちくしょう、今月はスゲー僕好みの作品が公開されまくるから、困ったものですよ。まず、絶対に観なくてはならないのが、「スカイライン 奪還」でして。あの「スカイライン 征服」の続編であり、主役はアクション俳優のフランク・グリロっぽいんですけど、僕の注目ポイントはやはりイコ・ウウェイス&ヤヤン・ルヒアンという「ザ・レイド」組の参戦。雄度の高い男たちがエイリアンどもをシラットでぶちのめす…。そんなSF格闘アクションが展開されることを超期待しております!ヽ(`Д´)ノ


特典の「ヤヤン・ルヒアンのエイリアン除けステッカー」が保存用にもほしくて、前売り券を2枚買っちゃった…。



「スカイライン 奪還」の予告編↓ 貼っておきながら、僕自身はまだ見ていないのです。




そして当然ながら「イコライザー2」は見逃せませんな。1作目は2014年のベスト2位に選ぶほどストライクでしてね…(しみじみ)。今作の予告編がまた「19秒で敵を倒す」みたいなことを言っているのは信用していませんが、とにかく楽しみでしかない1本であり、前売り券はすでに購入済みなのです ( ̄ー ̄) ニヤッ あの「狼よさらば」をブルース・ウィリス主演でリメイクしたという触れ込みの「デス・ウィッシュ」も前売り券は買っていて。間違いなく劇場に足を運ぶ予定ではありますけど、ごめんなさい、正直なところ、チャールズ・ブロンソンを越えるのは厳しいんじゃないかしらん (´・ω・`) ウーン


現時点で購入済みの前売り券。



「イコライザー2」の予告編↓ 「19秒で〜」って、今度こそ本当なのかなぁ。




その他、ジェラルド・バトラー刑事(デカ)が強盗団とバトルするという「ザ・アウトロー」は確実に楽しそうだし、人気爆発中のマッチョ俳優マ・ドンソク主演の「ファイティン!」はモロに韓国版「オーバー・ザ・トップ」というムードが大好物だし、「父親が家族のためにリングに上がる」というベタなストーリーだけでごはんがススムくん状態の「負け犬の美学」もスゲー観たいなぁと。それと、やっぱり公開されることになった「バーフバリ 伝説誕生〈完全版〉」や、大好きだけど劇場で観たことはなかったジョン・カーペンター監督によるSFホラーの傑作「遊星からの物体X〈デジタル・リマスター版〉」も絶対観るつもりだったり。


「ファイティン!」の予告編↓ 応援するために前売り券を買わなきゃ… (`Δ´;)




最後は、何とか観に行きたい名画座系ですが…。今回は、新文芸坐で10/08(月)~10/09(火)の「リミット・オブ・アサシン」「アメリカン・アサシン」キネカ大森で10/27(土)~11/02(金)の「ストリート・オブ・ファイヤー デジタル・リマスター版」「スパイナル・タップ」ぐらいですかね。以上、2018年10月公開で観たいと思っている映画の覚え書きでした。ではでは~。





先週の備忘録(2018/9/18~9/24)

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さて、毎週火曜日は備忘録を更新する日ということで、先週の出来事や思ったことを適当に書いておきますね↓

火曜日、仕事→映画鑑賞
水曜日、大事な打ち合わせ×2→次姉の家に泊まる
木曜日、映画を3本鑑賞→仕事
金曜日、仕事→仕事仲間と飲み
土曜日、娘と遊んで過ごす
日曜日、カレー三昧
月曜日、妻子と横浜の実家へ
※先週観た映画は4本でした
※東堂俊介からの指令有り



8月に無理をしてブログを書いたおかげで、溜まっていた新作映画の感想がやっと一桁になった…ということで。先週は更新ペースを一気に落として、空いた時間を仕事や睡眠にあててみれば、仕事がはかどる&体調がスゲー良い!Σ(゚д゚;) マジカ! 実は最近、上り階段を何度も踏み外すという「何らかの病気の前兆では? (`Δ´;) ヌゥ」的な出来事があって、我ながらヤバさを感じていたので、思い切って平均6〜7時間睡眠の生活を送ってみれば、マグネット・コーティングされたかのように体が軽くてね…(しみじみ)。心なしか筋肉も増えた気がするし、人間は寝ないとダメ、ですな(知った風な口で)。

とは言え、先週は2回目の「ザ・プレデター」を別にすると、「沖縄スパイ戦史」「スターリンの葬送狂騒曲」、前売り券を買っていた「クレイジー・フォー・マウンテン」など新作映画を3本観てしまっただけに、やはりその分の感想はアップしておきたいなぁと。ただ、木曜日とか、本当は渋谷の「MeWe」にて開催された「タマフル・トップ5・生活は踊る・アフター6ジャンクションリスナーオフ会」に行くつもりだったのに、突然、具合が悪くなったりと、やっぱり体調が変だったりするのでね。なるべく寝て、あまり無理をしないで、適度に更新しようと思っております。


2回目でも面白かった「ザ・プレデター」。3回目を観に行く余裕はないかなぁ。



仕事について書くと、水曜日、1件目の打ち合わせは我ながらベストの仕事ができたと思う。ただ、2件目の打ち合わせは、無駄だったかなぁ。仕事に繋がる繋がらない以前に、人間として噛み合わないというか。決して悪い人じゃないし、僕よりもはるかに優秀なんだけど、「きさまにオレの心は永遠にわかるまいッ!」気分になったし、向こうもわからなくていいんだろうな…ってな調子。働くって難しいですよね…。プライベートでは、木曜日は横浜で早い時間から用事があったので、前日に次姉の家に泊まって、姉&甥と飲んだり、猫と戯れたりしまして。土曜日は、奥さんが大学のゼミの友だちと飲むので、午前中は録画してあった「キックボクサー ザ・リベンジ」を鑑賞して(このためにわざわざWOWOWに加入した!)、午後は娘のマナ子(仮名/7歳)と遊んで過ごした…ってな調子。で、日曜日は、妻子に予定があったので、カレーを食べて歩いて、月曜日は、妻子と横浜の実家に行って、昼間から母親&姉と飲んだりした次第。


「キックボクサー ザ・リベンジ」、僕は嫌いじゃないけど、オススメはしません (o^-')b シナイヨ!


土曜日は我ながらマナ子にかなり接待したと思う。


日曜日は家のカレーを合わせて6杯食べましたよ。



最後に今週の予定をなんとなく書いておくと、確定しているのは水曜日に北村龍平監督作を観に行くことと、金曜日にミズタニーが出演する「テアトロコント vol.30」を観に行くこと、日曜日に妻子と「若おかみは小学生!」を観に行くことぐらいですかね。今週はボランティアが2回あるので、至極当然の話ですが(苦笑)、今度は絶対に寝坊しないようにするし、もし寝坊したら舌を噛み切って死ぬつもりでございます。


最後に、今月の推薦曲、ハイパヨちゃんによる「人間交差点 午前10時40分」を貼っておきますね↓




以上、先週の備忘録でした。ではでは〜。








妻よ薔薇のように 家族はつらいよIII(ネタバレ)

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※今回の記事は、映画の内容とはまったく関係のない心底どうでも良い文章がダラダラダラダラ書かれているので、ちゃんとした感想が読みたい人は別のブログを読んだ方が良いです。
※今回の記事は、林家正蔵さんが好きな人は不快になる怖れがあるので、読まない方が良いです。


<僕が本作を観るに至った理由について>

「家族はつらいよ」シリーズに関しては、月に1〜3回ほど足を運ぶ練馬の「か和もっち」のオーナー・かわもっちさんが「結構良かったんだよねぇ (´∀`) シミジミ」なんてことを1作目の公開時にしみじみ語ってたぐらいの印象しかなくて。僕は基本的に「異星人が人類を乱暴に殺すような映画」などを好んでいるのでね(苦笑)、こんなコメディ風味のホームドラマなんて1ミリも興味がナッシング。一生観ることはないと思っていたんですけれども。3月下旬某日、新宿ピカデリーのパンフ&グッズ売り場の近くにある「前売り特典の展示」を見て驚いたのです。

「妻よ薔薇のように 家族はつらいよIII」の前売り券は「夫婦で観ろ」ということなのか、ペア券でして。


しかも、前売り特典は「へそくり封筒」。一体どんなものなのか?


ところが、前売り特典が展示されている場所には…置かれてない!? Σ(゚д゚;) ナンデスト


「へそくり封筒」なんて前売り特典は初めてだったから、スゲー気になっちゃって。どんなものか確認しようとすれば、なぜか「本作の特典だけ展示されてない」というミステリー。ううむ、いくら特典ほしさに前売り券を購入しがちな僕でも、まったく興味がない作品…どころか、正直なところ、大嫌いな林家正蔵さん(元・こぶ平)が出演されている映画のペア券を買うのはさすがにハードルが高いなぁと。ただ、その日以来、寝ても覚めても、脳裏に浮かぶのは「へそくり封筒」のことばかりで仕事も手につかなくてね…(誇張アリ)。結局、「惚れているんだ…」と自覚して、ペア券を購入してみれば、単なる封筒だったというね ('A`) イヤーン

この範馬刃牙のように、やっと自分の想いに“気付き”まして(「範馬刃牙」より)。


思い切ってペア券を買ってみたところ…。


見て、このイラストとロゴがプリントされただけの封筒を!


一応、裏面には「へそくりの極意」がいろいろ書いてあるけどさぁ… (・ε・) ウーン


いや、これは僕が悪い。よくよく考えれば「へそくり封筒」なんてこんなものだろうし、そもそもネットでちゃんと検索すれば良かったんじゃないの? とは言え、買った数日後には金券ショップで680円になっていて悲しい気持ちになったし、「本作の特典だけ新宿ピカデリーで展示されていなかったのは、売る側もショボいと思っていたからでは?」と深読みすると自分が罠にかかった気分になって悔しいし、こんな興味のない映画に2000円も払って2回観に行かなくちゃならない状況がスゲー腹立たしいし、封筒の「へそくりの極意」に書いてある「この封筒をふたつ手に入れて、ひとつはダミーにするのも効果的!」という、ペア券をもう1セット買わせようとするさもしい根性も許せない。でも、券を無駄にするワケにはいかないし、他の人に売ったりあげたりするのは逃げるようでイヤだし、何よりも「アフター・アース」を観てスミス親子への憎悪が霧消したように、大嫌いな林家正蔵さんが出演されている本作をあえて観ることで、元こぶ平さんへのヘイト=こぶヘイトを乗り越えようと思いまして(上手いことを書いた気になっている文章)。4月に1作目と2作目を観てから、6月下旬にTOHOシネマズ日本橋で1回目を鑑賞して、2回目は7月下旬に「東京家族」を観てから丸の内ピカデリーへ足を運んだのでした。

公開前から680円って…。ちなみに300円になった「北の桜守」も前売り券を買った作品だったり。


1回目。2番スクリーンは7割埋まってましたよ。その後、「友罪」「ミッドナイト・サン」をハシゴ。


2回目は早朝の回で、観客は10人ぐらい。この日の夜、「家に帰ると妻が必ず〜」を観たというね。











妻よ薔薇のように 家族はつらいよIII



2018/日本 上映時間123分
監督・原作・脚本:山田洋次
脚本:平松恵美子
プロデューサー:深澤宏
撮影:近森眞史
照明:渡邊孝一
録音:岸田和美
美術:倉田智子
編集:石井巌
音楽:久石譲
出演:橋爪功、吉行和子、西村まさ彦、夏川結衣、中嶋朋子、林家正蔵、妻夫木聡、蒼井優、藤山扇治郎、広岡由里子、北山雅康、大沼柚希、小林颯、小川絵莉、徳永ゆうき、小林稔侍、風吹ジュン、木場勝己、立川志らく、笹野高史、笑福亭鶴瓶
パンフレット:★★★★★(720円/「史枝の家事労働年収」などの企画ページが充実してて、好みのパンフ)
(あらすじ)
平田家の長男・幸之助の妻・史枝がコツコツ貯めていたへそくりが何者かに盗まれてしまった。史枝が落胆する一方で、「俺の稼いだ金でへそくりをしていたのか!」と心ない言葉を口にする幸之助の姿に史枝の我慢が限界に達し、ついには家を飛び出してしまう。掃除、洗濯、朝昼晩の食事の準備など、これまで平田家の主婦として史枝がこなしてきた家事の数々をやるハメになった平田家の人びとは大混乱となるが……。(以上、映画.comより)

予告編はこんな感じ↓




70点


憎しみが消えましたヨ (´∀`=) ウフフ


2回目は、劇場の売店で焼きおにぎりとお茶を購入→食べながら観ました。



ザッとあらすじを書いておくと、主婦・平田史枝さんがつい昼寝をしていたら、家に泥棒が入りましてね。史枝さんはレイプされてシャブを打たれた挙げ句、「このことを旦那に言われたくなかったら… (`∀´) ケケッ」と強請られるようになってーーなんてことはなく(不要な文章)。彼女に危害は加えられなかったものの、冷凍庫に隠しといた「へそくり40万」が横取り40万されちゃうのです(※伝わりにくい ※そもそも「横取り」じゃないのでは?)。で、そのことを知った夫・幸之助は「オレの稼いだ金をピンハネしやがって!(`Δ´)」「オレがあくせく働いているのに昼寝とは、いい身分だな!(`Δ´)」と、妻を心配するどころかハードに罵るから、史枝さんは家出。今まで家事全般を一手に引き受けていた彼女がいなくなったせいで平田家は大混乱に陥りまして。最終的には、周囲の説得もあって、幸之助が茂田井にある実家に戻っていた史枝さんを迎えに行く→スムースに和解して帰宅→シリーズ恒例の“絶滅危惧種に指定されているうなぎ”を注文して、アットホームなムードで終わってたような気がします、たぶん。


まぁ、最後は「みんな仲良し」的なハッピーエンドでしたよ。



なんて言うんですかね、起きる事件は違えど、大まかな流れやら何やらは1作目&2作目と大差なくて。ただ、前2作はスゲー不快だったのに、本作がかなり面白く観られたのは、橋爪功さん演じるウザいジジイ・平田周蔵の出番が多かった前2作と比べると、夏川結衣さん演じる主婦・史枝さんの話が中心だったから。「夜がまた来る」を観て以来、夏川結衣さんは大好きで、阿部寛さんと共演したドラマ「結婚できない男」はDVDBOXを持っているほどなんですが、彼女のいろいろなお芝居が観られるのは実に楽しくて。僕もすっかり彼女に感情移入して「いい旅・主婦気分」だったし(なにその気分)、茂田井の実家に帰ってから友人と会って活き活きする姿はキュートとしか言いようがなくてね…。ハッキリ言って、ずっと「幸之助なんかとはさっさと別れちまえ!m9`Д´) ビシッ」と思いながら観ていたし、彼女のためなら僕も家庭を捨てる覚悟はすでに出来ているのですーー(奥さんに読まれたら確実に激怒される文章)。


夏川結衣さんは、僕の「抱かれたい女優ランキング」では常に上位だったり(サラリとゲスな文章)。



あと、Twitterで「本作を好きな人の意見」を読んだのも大きかった。迷惑がかかるといけないので名前は出しませんが(汗)、その相互フォローしている人は本シリーズが大好きであり、平田家のような「思ったことを言い合える家族」に憧れているみたいで、「そういう見方もあるのか!Σ(゚д゚)」と。僕は幼少時の体験から、本シリーズに出てくる平田周蔵やその息子・幸之助のような“偉そうな物言いをする父親”が大嫌いでしてね。一応、本作では彼らのそういった“前時代的な部分”を笑えるようには作っていて(妻夫木聡さん&蒼井優さんによる“良心的な若い夫婦”がカウンター的に存在するし)、それゆえ多くの人に受け入れられているんでしょうけど、僕はそれでも不快で無理。2人が出てくるたびに「乗っていた飛行機がアマゾンの奥地に墜落して、現地の人に美味しくいただかれる」といった無惨な死を迎えることを願っていたし(リンク先、グロ注意!)、「幸之助が泥棒に出くわした史枝さんの身を案じずにへそくりしていたことを罵る展開」を観た時は、あまりに激怒しすぎて脳がダメになったほどだったんですが、しかし。確かに本作の登場人物たちはいろいろあっても伝えたいことはちゃんと伝え合っていて。特に本作は終盤で幸之助がちゃんと史枝さんに謝る→エンドクレジットでの2人の雰囲気が良かったりするからさ、僕も怒りが桃屋の穂先メンマのように和らいだというか。「クズみたいな発言及び態度にムカつく→即殺す」といった短絡的な思考ではなく、「機会を与えて赦す」ということも大事なんだよなぁと、不思議と大らかになった…って、伝わりますかね。


本作ではあまり出番が少なめだったせいか、前2作ほど橋爪功さんにはムカつかなかったです。


西村まさ彦さんが最後に謝るくだりは少しほだされたけど、できれば焼き土下座してほしかったかなぁ。



でね、そんな大らかな気分で林家正蔵さん(元・こぶ平)を観てみれば、別にムカつくこともなく。僕が彼を憎むようになったのは、もともと二世タレントが嫌いだった上に「尊敬してた泉麻人さんが『テレビ探偵団』を降板→代わりに出てきた」のがキッカケだったワケですが、なんでそんな小さいことにこだわっていたのだろう。本作の林家正蔵さんはコメディリリーフに徹していて、1つ間違えると「頭が弱い人なのかな… (・ω・;)」と危惧してしまうレベルのバカッぽさを発揮するんですけど、劇場を占めている50〜70代の観客には結構好評であり、彼の出番では笑いが起きたりしましてね。つーか、劇中に登場する男キャラの中では妻想いだったりする点には好感すら抱いたりして、少し前までは「こぶ平を憎む人間を8人集めて、こぶヘイトフル・エイトを結成する!ヽ(`Д´)ノ」なんて息巻いていた僕の中から、なんとなく憎悪が溶けていった次第。



ここまで読んだ人の気持ちを代弁する範馬刃牙の画像を貼っておきますね。
どうだっていいんだ


その他、「笹野高史さん演じる泥棒が捕まって、石打の刑で死ななかったのが残念」といったことは置いとくとしても。共働きの夫婦が増えている→自分の銀行口座&クレジットカードを持っているのが普通の今、「へそくりを冷凍庫に隠す」なんて発想自体が「昭和」という気がしたんですけど、そんなことはないんですカネー。何はともあれ、「職人が作った人情ホームコメディ」って感じで2回とも面白かったし、林家正蔵さんへの憎悪も消えたし、思い切ってペア券を買って良かったです (´∀`=) ヨカッター たぶん1作目と2作目を観なくても楽しめると思うのでね、気になる人は機会があったら観てみてくださいな。




デジタル盤のサントラ。CD盤もあります。



小路幸也先生によるノベライズ。パンフに寄稿された文章を読んで、少し興味が湧きました。



「東京物語」をモチーフにした山田洋次督作。同じメンバーが出ております。



「さっさと離婚しちゃえばいいのに…」と思ったシリーズ1作目。今、観直したら意外と許せるのかな。



「ジジイ、死ね!」と思ったシリーズ2作目。今、観直したら(ry



で、11月には本作のソフトが発売されるのでした。



劇中で読まれる林芙美子先生の小説。読んだことないし、読む気もないです (ノ∀`) テヘ








2018年8月に観たDVD等の覚え書き

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※今回の記事は、「ルドルフとイッパイアッテナ」「必殺処刑チーム」「サイコキネシス 念力」のネタバレに触れているので、気をつけて!

例によってすっかり月末ですが(汗)、毎月の恒例として「8月に観たDVD等の感想」(動画サイト含む)を雑にアップしておきますね↓


<1本目>
ルドルフとイッパイアッテナ




(あらすじ)
岐阜でリエちゃんと一緒に暮らしていた黒猫のルドルフ(声:井上真央)は、ひょんなことから長距離トラックに迷い込んでしまい、岐阜から遠く離れた東京にやってきてしまう。そこで出会ったのは、身体が大きく街を牛耳るボス猫のイッパイアッテナ(声:鈴木亮平)。自分がどこに住んでいたのかもわからないルドルフは、もう故郷には戻れないと知り、悲しみに暮れる。驚くべき能力を身につけているイッパイアッテナと一緒に行動しながら、ノラ猫としての生き方を学んでいくルドルフ。そんなある日、友達になったお調子者の猫ブッチー(声:八嶋智人)から、恐ろしい犬デビル(声:古田新太)の存在を知らされる。(以上、Movie Walkerより)

予告編はこんな感じ↓




60点


7月下旬に奥さん&娘のマナ子(仮名/7歳)と「ルドルフとイッパイアッテナ」人形芝居を観てみたら、これがなかなか面白くて。娘も楽しかったようなので、今度は近所のレンタル屋でDVDを借りて一緒に鑑賞したんですけど、それなりに良かったです (´∀`=) ウフフ 「普通に会話できる奴が『いっぱいあってな』という言葉を名前と誤解する展開って、無理があるのでは?」とか「『おまえうまそうだな』のパクリかと思ったら、こっちの方が先だったぜ… (`Δ´;) ヌゥ」とか思うところはあるんですが、しかし。「黒猫が不吉だなんて言う奴は無教養のクズなので死ねばいい」といったメッセージは嫌いじゃないし(誇張アリ)、2016年8月に公開される前に予告編を観た時は同時期に上映されていた「ファインディング・ドリー」とクオリティを比較して切ない気持ちになったCGも「それはそれ」として観れば悪くないし、何よりも娘が楽しんでいたのでね、まぁ、観て良かったザンス。一応、オチを書いておくと、イッパイアッテナのおかげで人間の文字を読めるようになったルドルフは飼い主のところに帰るものの、飼い主はすでに他の黒猫を飼っていたので、東京に戻って仲間と愉快に暮らした…って感じだったんじゃないかしらん。



<2本目>
必殺処刑チーム




(あらすじ)
元S.W.A.T.リーダーで現在はNYPD(ニューヨーク市警)の刑事デヴィッド(ドミニク・パーセル)。無口だが一目置かれる存在だった。そんな彼の下に問題を起こし社会奉仕活動の一環としてムービースターのブロディ(コディ・ハックマン)が働くことになった。一匹狼を貫いてきたデヴィッドは、チャラくてヤンチャなブロディが疎ましくて仕方がない。ある日、デヴィッドは古巣でもあるS.W.A.T.の戦略特殊チーム(SRT=Strategic Response Team)に呼び戻される。新たにチームを組む一癖あるメンバーたち、そしてブロディも訓練に参加することに。しかし、その施設が謎の傭兵部隊に襲撃される。!部隊は施設に保管されているパナマ国債を狙っていて、首謀者コーヴァ―(スティーヴン・ラング)は、なんと、かつてデヴィッドと共にS.W.A.T.を率いた仲間だった! 私欲から悪に染まった元S.W.AT.仲間を裁くべく、デヴィッドはたった5人の新チームで立ち向かう! (以上、amazonより)

予告編はこんな感じ↓




70点


7月下旬、ジャン=クロード・ヴァン・ダム×ドルフ・ラングレン共演作「スティール・サンダー」「アトロク」で勝手に宣伝させていただいたりしたんですけれども。その作品の監督だったパシャ・パトリッキが撮影で参加している上に、出演者がドミニク・パーセルにスティーブン・ラング、ダニー・グローバー、ビニー・ジョーンズ、トリッシュ・ストラタスジーナと、微妙に豪華だったのでNetflixで観てみたら、そこそこ面白かったですヨ (°∀°)b ヨカッタ! いわゆる“籠城モノ”の本作、脚本は結構グダグダなんですが(特に「メンバーに裏切り者がいる!→女性隊員のジーナだった!」という展開はスゲーどうでも良かった)、それなりの銃撃アクションにドミニク・パーセルのキメ顔が観られて、なんとなく満足したというか。一応、オチを書いておくと、悪党は全員死亡して、デヴィッドとブロディ、他1名が生き残りまして。エンドクレジットが流れる中、映画スターとして復活したブロディがトークショーに出演している様子が映って終わってましたよ、確か。



<3本目>
サイコキネシス 念力




(あらすじ)
突然超人的な能力に目覚めた父親と、大切なものを守るため必死で戦う娘。頼りない中年男はスーパーヒーローになれるのか。すべてを賭けた戦いがいま幕を開ける。(以上、公式サイトより)

予告編はこんな感じ↓




75点


僕の2017年のベスト3であるゾンビ映画の傑作「新感染 ファイナル・エクスプレス」を撮ったヨン・サンホ監督のNetflixオリジナル作品となれば、そりゃあ気になるワケでして。配信から結構経っちゃいましたが(汗)、やっと鑑賞してみれば、「面白かったけど… (´・ω・`) ウーン」って感じですかね。いや、韓国のオッサン版「童夢」という例えは乱暴ですが、リュ・スンリョンのクズ親父振り&超能力を発動する際の顔芸の数々や、シム・ウンギョンの安定の“娘”演技、キム・ミンジュの味わい深い顔面、そしてチョン・ユミの冷徹な女上司振りと、褒めるところまみれの作品であって。基本的に楽しかったのは間違いないんですよ。

リュ・スンリョン、松谷みよ子先生が絵本にしたくなるような“いいおかお”を連発してました。


チョン・ユミ演じるホン常務、にこやかに冷徹で最高でしたな。


ただ、ヨン・サンホ監督の鬱アニメ「ソウル・ステーション パンデミック」「フェイク 我は神なり」を観た身からすると、アタシ、もっと酷いことになると思ってた。超能力をバカなことに使ったせいで、娘が殺されてしまい、怒りで暴走した父親が次々と周囲の人間の体をサイコキネシスでちぎって殺害していくも、能力の使いすぎで死んでしまう…的な? でも、本作の超能力は「疲れます (´∀`;) フゥ」程度のデメリットしかないし、その力で誰を殺すこともなく。「警察に虐げられた庶民を助ける→ちゃんと服役→出所したら娘がフライドチキン屋をオープン→超能力でビールを配ってみる」というハートウォームなオチだからさ、もちろん父娘モノとしてはストライクだったので涙が止まらなかったものの(って、よくよく考えると、この監督は「父と娘」ばかり描いてるのね)、「ヨン・サンホ監督ならもっと違う次元の映画が作れたんじゃないか」なんて贅沢なことを思っちゃった次第。

ちなみにこちらの記事によると、「龍山惨事」という実際にあった強制撤去事件が元ネタなんだとか (゚⊿゚) ヘー




ということで、8月に観られたDVDやら動画作品は合計3本。僕的にはやっぱり「サイコキネシス 念力」がオススメなんですが、そのためにわざわざNetflixに加入するほどではない…かなぁ (・ε・) ウーン 以上、先月観たDVD等の覚え書きでした。ではでは~。







愛しのアイリーン(ネタバレ)

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愛しのアイリーン



2018/日本 上映時間137分
監督・脚本:吉田恵輔
原作:新井英樹
企画・製作・エグゼクティブプロデューサー:河村光庸
製作:瀬井哲也、宮崎伸夫
エグゼクティブプロデューサー:岡本東郎
プロデューサー:佐藤順子、行実良、飯田雅裕
アソシエイトプロデューサー:市川尚三、ビアンカ・バルブエナ、長井龍
撮影:志田貴之
照明:斉藤徹
録音:川本七平
美術:丸尾和行
ヘアメイク:橋本申二、岩谷友子
スタイリスト:小磯和代
音楽:ウォン・ウィンツァン
主題歌:奇妙礼太郎
助監督:松倉大夏
キャスティング:おおずさわこ
制作担当:三村薫、松川浩
ラインプロデューサー:古賀奏一郎
出演:安田顕、ナッツ・シトイ、河井青葉、ディオンヌ・モンサント、福士誠治、品川徹、田中要次、伊勢谷友介、木野花
パンフレット:★★★★☆(720円/コラム4本がどれもタメになった!)
(あらすじ)
42歳まで恋愛を知らず独身でいた岩男が、久しぶりに寒村にある実家に帰省する。しかし、実家では死んだことすら知らなかった父親の葬式の真っ最中だった。そんなタイミングで帰ってきた岩男がフィリピン人の嫁アイリーンを連れていったため、参列者がざわつき出し、その背後からライフルを構えた喪服姿の母親ツルが現れる。(以上、映画.comより)

予告編はこんな感じ↓




88点


新井英樹先生による原作コミック「愛しのアイリーン」については、尊敬する映画評論家の町山智浩さんの解説がスゲーわかりやすいので、そちらを読んでいただくとして。僕は1995年の連載時に読んでいて、「面白いけどキツいなぁ… ('A`)」という感想でしてね(つーか、新井英樹先生の漫画は大体そんな感じ)。で、それを「胃がキリキリするようなコメディの名手」(by 宇多丸師匠)として知られる吉田恵輔監督が実写化するとなればキツさがバイバインになるのは間違いないため、スルーする予定だったんですが…。ちくしょう、愛聴しているラジオ番組「アフター6ジャンクション」の週刊映画時評コーナー「ムービーウォッチメン」の課題作品になったということで、昨日、TOHOシネマズシャンテで鑑賞してきました(その後、仕事をしてから新宿で「いつも月夜に米の飯」を観た)。「愛」について考えさせられましたよ (´・ω・`) ウーン


劇場はスクリーン2。早い回でしたが、1/3ぐらいは席が埋まっていたような。



本作のあらすじを驚くほど乱暴に書くと、42歳で恋愛経験ゼロの岩男が斡旋業者に大金を払ってフィリピン人のアイリーンと国際結婚しまして。少しずつ仲良くなっていくんですが、アイリーンを激しく憎む母ツルと、アイリーンに惹かれたヤクザ・塩崎の思惑が一致→アイリーンが拉致されそうになる→岩男が塩崎を殺害しちゃいましてね。塩崎の仲間のヤクザたちに精神的に追い詰められると、岩男はあえてアイリーンに嫌われるように振る舞った挙げ句、足を滑らせて死亡。ツルもアイリーンのお腹に岩男の子どもがいることを知ると、かつての自分とアイリーンを重ねながら、ホッコリと死亡。最後は「アイリーン、愛してっど」という岩男の言葉を耳にしたアイリーンが「Love Letter」の中山美穂さんっぽく空を見上げて、終わってたんじゃないかな、たぶん。


この2人が国際見合い結婚をしたら、大変な事態に発展するというね。



吉田恵輔監督は原作コミックLOVEで、ずーっと映画化したかったというだけあって、今回の映画版は換骨奪胎の見事な成功例という印象。同じ“吉田恵輔監督による漫画の実写化”である「ヒメアノ〜ル」と比較すると、あっちは大幅に変えられていたのに対して、本作は少しだけ現代風にアップデートしながら原作のメッセージをわかりやすくした印象。さらに、フィリピン人の役者さんであるナッツ・シトイさんのアイリーン振りはあらゆる角度から見ても100点だったし、岩男役の安田顕さんやツル役の木野花さんたちの情念全開の演技も素晴らしくて(ビジュアルは原作と似てませんけど気にならなかった)、これ以上ない実写化作品だと非常に感心いたしました。


ナッツ・シトイさんのアイリーン、ハマッてましたな。


安田顕さん、パンフに載っていた相田冬二さんの「無様が様になる」という表現がピッタリでしたよ。


木野花さんの鬼ババア振りも最高だったり。



僕が感じたことを雑に書き残しておきますと。ハッキリ言って、「金で女性を買う」なんて論外だし(ふとインスリン殺人未遂事件を思い出した)、40歳を過ぎた男が親に逆らえずに同居なんて気持ち悪いし、そもそも「面倒を看てくれ」なんて言い出す親とは縁を切るし、住みづらい街なら出て行けばいいし…といったことは「他人事だから言えること」でしかなくて。誰もがしょうもなく仕方がない“自分なりの問題”を抱えていて、どう折り合いをつけようか悩んだりしているものですけれども。本当の「愛」や「人間関係」というのは、お互いのそういった「しょうもなくドロドロとしたもの」に目をつむらず、しっかり見据えて向き合ったところに生まれるのではないか。もうね、ラストの「アイリーンがツルを説得するシーン」は圧巻で、何を言っているのかサッパリなのに意味と気持ちが伝わってくるからスゴいとしか言いようがなくて。普段の僕は軋轢を避けるタイプなんですけど、ああいう風に感情をストレートにぶつけることも大事なんだよな、なんてことを考えさせられた次第。

その他、「村上和成選手のヤクザ役がいいね」といったことは置いとくとして。本作で僕が一番グッときたのは、岩男とアイリーンの心の距離が近づいていく場面でしてね。好きな人がうれしそうな時、愛しいと思う。どんな出会い方だろうと、そういう瞬間に「愛」が生まれるのかもしれないと感じさせる名シーンじゃないでしょうか。例えば、僕と奥さんはずっとセックスレスなので、そこにまったく寂しさを感じないと言えばウソになりますが、でも、一緒にいるだけで愛しく感じるから大丈夫……という唐突なNO-RO-KE!m9・∀・) ビシッ 何はともあれ、本作は、三波春夫さんの「おまんた囃子」の「おまんた」並に女性器の呼称が連発されるし(不要な例え)、安田顕さんの自慰シーンや暴力的な場面が繰り広げられるしと、なかなかキツいんですが、「愛」に向き合わされる良い映画でしたよ。吉田恵輔監督、本作でさらに一皮剥けた気がするのでね、次の作品にも期待しております (´∀`) エラソウ


なんとなくビスケット・オリバの名言を貼っておきますね(「バキ」より)。



おしまい。




新井英樹先生による原作コミック。下巻もあります。



今年観た吉田恵輔監督作。僕の感想はこんな感じ



吉田恵輔監督による漫画の実写化作品。僕の感想はこんな感じ








菊とギロチン(ネタバレ)

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菊とギロチン



2018/日本 上映時間189分
監督・脚本:瀬々敬久
脚本:相澤虎之助
プロデューサー:坂口一直、石毛栄典、浅野博貴、藤川佳三
撮影:鍋島淳裕
照明:かげつよし
美術監修:磯見俊裕、馬場正男
美術:露木恵美子
装飾:中込秀志持
道具:上田耕治
衣装:真柴紀子
ヘアメイク:島田万貴子
録音:高田伸也
編集:早野亮
音楽:安川午朗
ナレーション:永瀬正敏
助監督:海野敦、山嵜晋平
VFXスーパーバイザー:立石勝
サウンドエフェクト:北田雅也
VFXディレクター:内海大輔
CGディレクター:西尾和弘、村松直之
レコーデイングエンジニア:本谷侑紀
ダビングエンジニア:板橋聖志
サウンドエンジニア:宮本明子、田邊萌乃、小笠原良汰
サウンドコーディネート:志田直之
仕上げ:田巻源太
キャスティング:神林理央子
ラインプロデューサー:坂本礼
協力プロデューサー:田所大輔
題字:赤松陽構造
スチール:今井俊裕、夏野苺
メイキング:榎本敏郎
タイトル制作:川口和子
制作主任:山田智也、酒井識人、北川帯寛
制作進行:坂野達哉
出演:木竜麻生、韓英恵、東出昌大、寛一郎、嘉門洋子、前原麻希、仁科あい、田代友紀、持田加奈子、播田美保、山田真歩、大西礼芳、和田光沙、背乃じゅん、原田夏帆、渋川清彦、嶺豪一、荒巻全紀、池田良、木村知貴、飯田芳、小林竜樹、小水たいが、伊島空、東龍之介、小木戸利光、山中崇、井浦新、大西信満、川本三吉、高野春樹、中西謙吾、大森立嗣、篠原篤、菅田俊、川瀬陽太、嶋田久作、渡辺謙作、宇野祥平、中田彩葉、鈴木卓爾、小林節彦、松山カオル、飯島大介、上木椛、村上由規乃、森田晋玄、下元史朗、奈良大介、金城左岸、内堀太郎、中村修人、荒堀舞、和久本あさ美、三村晃傭、松村厚、武田一度、吉岡睦雄、柴田一樹、西村達也、申芳夫、渡辺厚人、松倉智子、海野恭二、辻凪子、白井良治
パンフレット:★★★★★(1000円/値段は高いけど、「私の母は女大関・若緑」を始めコラムが最高だし、年表も面白い)
(あらすじ)
大正末期、人びとが閉塞感にあえぐ関東大震災直後の日本。ある日、東京近郊に女力士たちに交じって、元遊女などワケあり娘が集う女相撲の一座「玉岩興行」がやって来る。新人力士の花菊は、夫の暴力に耐えかねて家出をして女相撲に加わり、「強くなって自分の力で生きたい」という一心で厳しい練習を重ねていた。興行当日、会場には師と仰ぐ思想家の大杉栄が殺害され、その復讐を画策するためにこの地に流れ着いた中濱鐵と古田大次郎らアナキスト・グループ「ギロチン社」の若者たちの姿があった。「格差のない平等な社会」を標榜する彼らは、女力士たちの戦いぶりに魅了され、彼女たちと行動を共にするようになる。(以上、映画.comより)

予告編はこんな感じ↓




90点


※今回の記事は、「イナフ」のネタバレに触れているんですけど、なかなか面白くて僕は結構好きな映画なので、未見の人は観てから読んで!
※本作については、映画評論家の町山智浩さんの「たまむすび」での紹介や、瀬々敬久監督のインタビューなどを読むと良いザンス。


なんとなく気にはなりつつも、189分という長めの上映時間がキツそうだし、前売り券も1700円と高めなので(通常料金は2000円!)、スルー予定だったんですが…。ううむ、どうしても「女相撲」×「ギロチン社」という組み合わせに好奇心が抑えられなくなってしまって、前売り券を購入。8月中旬某日の朝方、「アフター6ジャンクション特別編・徹夜で夏期講習 in下北沢 独占生中継」に急遽出演した後(マスクを持ち歩くようになって、本当に良かった… (ノω・、) ヨカッタヨゥ)、横浜のシネマ・ジャック&ベティにて鑑賞。さらに、本作のノベライズである「菊とギロチン ーやるならいましかねえ、いつだっていましかねえ」のkindle版と、中濱鐵の後半陳述と詩を収録した資料本「中濱鐵 隠された大逆罪―ギロチン社事件未公開公判陳述・獄中詩篇」を購入→読破して、9月中旬の木曜メンズデーにもう一度観てきました。変な映画だけど好きでしたヨ (´∀`=) ウフフ


前売り特典は「赤松陽構造・書 特製題字ステッカー」だったり。


予定外の番組出演。うれしかったものの、マイクを意識してない自分を殺したくなりました…。


スクリーン・ジャック、6割ぐらいは埋まってたような。


で、関連本を2冊購入。実は「中濱鐵 隠された大逆罪」の方は原文が難しくて読破できてなかったり (ノ∀`) ウソデシタ


2回目は、メンズデーを利用して鑑賞。1100円では観られなかったものの…。


なんと1500円→前売り券より安い! この日、無理して横浜に来て良かったYO!ヘ(゚∀゚*)ノ ホエホエ


今度はスクリーン・ベティの方。観客は20人ぐらいだった記憶。


ご飯を食べてなかったので、劇場で販売されているカメヤのパンを摂取しながら鑑賞したというね。



あらすじを雑に書いておくと、舞台は関東大震災直後の日本。後妻として嫁いだ先で、DV夫に虐げられる日々を送っていた女性(木竜麻生)が、「女相撲」の玉岩興行の巡業を見て、「女でも強くなれるんだ!Σ(°д°し クワッ」と開眼! 家出して入門→「花菊」と名付けられて鍛錬の日々を送っていたら、テロを画策しながらもどこか呑気な「ギロチン社」中濱鐵(東出昌大)と古田大次郎(寛一郎)が「女相撲」にシンパシーを感じて、行動をともにするようになりましてね。なんとなく青春の日々を過ごしてみれば、夫の元から逃げて力士となっていた小桜(山田真歩)が警察に連行されたり、正力松太郎(大森立嗣)の暗殺に失敗したり、元遊女の朝鮮人力士・十勝川(韓英恵)が朝鮮人虐殺の余波を受けて在郷軍人会に拷問されたり、実業同志会の森本一雄(宇野祥平)に「リャク」をしようとした中濱鐵が逮捕されたり、玉岩興行の下っ端の三治(嶺豪一)が恋仲の勝虎(大西礼芳)と揉めて殺害したりと、すったもんだがありました (´∀`し アラアラ

で、クライマックスは花菊の夫・定生(篠原篤)が彼女を連れ戻しにきまして。花菊は抵抗するもまったく敵わずレイプされたりしたので、彼女の相撲を愛する古田が死闘の末に爆弾攻撃を炸裂! 古田が「花菊と別れること」を条件に負傷した夫を病院に連れて行く中、花菊が一座に戻ると、みんなで死んだ勝虎を弔ってましてね。そこに警察がやってきたので、座長と女力士が全員で抵抗! 花菊ったら、仲間を制圧しようとする警官たちを次々と投げ飛ばしていくのでした。最後は、ギロチン社のメンバーの「死刑が執行されました」的な末路やら女相撲の終焉やらがテロップで流れて、映画は終わってたような気がします、たぶん。


テロリストが女力士を守るために、DV夫に爆弾を投げたりしてましたよ。



正直なところ、「女相撲」には「リトルトウキョー殺人課」に出てきた国辱感溢れるイメージしかなかったし(というか、エロがメインだと思ってた)、「ギロチン社」についても何かの本を読んだ時に名前を見た程度というか、「大正時代にテロ行為をした左気味の集団」といったボンヤリした印象しかなくて。そんな「女相撲」と「ギロチン社」を組み合わせてみれば、パンと牛乳、スティーブ・オースチンとビール級に「こんなに合うなんてー!Σ(゚д゚;)」と思わされるほどにスゲー面白かった。もちろん本作が「ゴールデンカムイ」ライクな「歴史の登場人物や出来事を組み合わせたフィクション」なのは大前提としても、「はいからさんが通っていた時代、こういう人たちも存在したんだなぁ」と勉強にもなった…ってのはバカっぽいですかね (´∀`;) エヘヘ 


多幸感溢れる砂浜のシーンとか、撮影も良かったですよ。


低予算ながら、大正時代を再現した美術も見事でしたな。京都で撮影したとか。



まず、「女相撲」について書くと、本作の役者さんたちは大学の相撲部に指導を受けたそうですが、最初は「女相撲をやっている人を役者にしたのかな?(゚⊿゚) ホンモノノ?」と思うぐらいに相撲&稽古シーンが真に迫ってたので感動いたしました。「GAEA JAPAN」に密着したドキュメンタリー「ガイア・ガールズ」で見た“女子プロレスラーたちの練習風景”が重なったというか。以前、「女子プロレス」の起源について、「キャバレーなどで腰巻きを奪い合う見世物」みたいな説を何かの本で読んだことがありましたが、直接の繋がりはないとしても、井田真紀子先生が「プロレス少女伝説」で書かれているように、その源流は「日本書記の時代から存在した」という「女相撲」の方にあったのではないか。女相撲を観て憧れた花菊の姿には、ビューティーペアクラッシュ・ギャルズを観てプロレス界に入った&入ろうとした少女たちを重ねたりもしてね…(遠い目)。この「女相撲」要素だけでも観て良かったです。


主役の花菊ともよを演じた木竜麻生さん、スゲー頑張ってました。


酷い目に遭う朝鮮人力士・十勝川役の韓英恵さんも素晴らしい演技でしたよ。


女大関を演じた嘉門洋子さんとか、他の役者さんたちも良かったですぞ。



なんとなく「ガイア・ガールズ」の予告編を貼っておきますね↓ 機会があったら観てみて!




そして、「ギロチン社」ですが、「行動が短絡的でバカっぽいけど熱い!」という描き方は、ちくしょう、かなり好みのタイプでしたよ。そりゃあ無政府主義だなんだと偉そうに言うだけで何も実現できてないし、無関係の銀行員を殺したりしてるし、迷惑なバカの集まりと言っても差し支えないんですけれども。とは言え、劇中でも引用される“実際の中濱鐵や古田大次郎が書いた文章”を読んでみれば、彼らは才能の塊であって、そこには繊細な心があって。本作で描かれたのは、あくまで瀬々敬久監督と「空族」の相澤虎之助さんが共同で作り上げた「ギロチン社」像ではありますが、「女1人救えないで、何が革命だ!」といった彼らの熱い(熱い)台詞の数々には、胸をギュッと掴まれまちゃいましたね。社会主義者たちが次々と弾圧されていった時代、彼らのような無軌道な集団の登場にも何らかの必然性があったのではないか。な〜んて、難しいことを考えて知恵熱になったりした45歳の残暑なのでしたーー (゚⊿゚) ナンダコレ


中濱鐵を演じた東出昌大さん、今まで観た役の中でもベスト級に良かった。全裸シーンもあるヨ (o^-')b アルヨ!


古田大次郎役の寛一郎さん、存じ上げませんでしたが、良い役者さんでしたな。


ギロチン社のメンバーたちですが、後半に見せ場がある倉地(荒巻全紀)以外は影が薄かったり (・ω・;) ウーン



で、「関東大震災→朝鮮人虐殺の後」を舞台にして、「外国人や女性への差別」という“現代日本にも通じる問題”を描いているのが、「なるほどなぁ」と。本作に登場する在郷軍人会なんて、モロにネット右翼っぽくて。ハッキリ言って、面倒くさいカスにしか見えないんですが、しかし。「なぜ彼らが暴走するのか?」という部分も見せつつ、中濱鐵に「隣りにいる奴は敵じゃない。敵じゃないぞ! 共闘しろだァ!(`Δ´)」と叫ばせることで、「彼らの暴走は彼らだけのせいじゃない」と描いているあたりに、バッシングして留飲を下げるだけで終わらない、製作者サイドの大きい視点が感じられて良かったです。いつの時代も、庶民同士があーだこーだと憎悪をボーボー燃やして揉めるだけで、搾取している側はノホホンと無傷なんでしょうな…。


在郷軍人会の飯岡を演じた大西信満さん、イヤ〜なムードが見事すぎ。「キャタピラー」の人だったのね。



最も感動したのはラストの展開。定生が花菊を連れ戻しにきた夜、彼女は相撲で培った力で立ち向かうもまったく歯が立たずに暴力を振るわれて、犯されてしまうんですね。僕的には、クラブ・マガを修得した妻がDV夫をぶちのめして殺す「イナフ」のように、1年間積み重ねてきた力でクズ夫を倒してほしかっただけに「何のための相撲だったのか」と、心底失望したんですけれども。その後、爆弾で定生を倒した古田が花菊に「本当の力は、本当の強さは命なんか奪わない」「花菊、お前は本当に強くなるんだよ」と語りかけるシーンで涙が出た。童貞野郎・古田は花菊にキスはするものの、しっかりと心で愛していて、「自分の身を犠牲にしてまでも“推し”が強くなることを願う」というまさに相撲ファンの鑑であって。で、ラストの乱戦の中、警官を次々と投げ飛ばす花菊の姿は、古田の言葉を受けて覚醒したかのようで、これは「社会にはびこる女性差別の解消には男性の力も必要」ってことを意味しているんじゃないかなぁと。本作のタイトルの「菊」は天皇とも受け取れますが、とは言え、やっぱり「花菊と古田」による「1人の女性を救う革命の話」だと勝手に思ってね(もちろん中濱と十勝川の物語でもありますがー)、スゲー泣いた次第。


「恋人たち」で知った篠原篤さん、本作の“巨体を活かしたDV夫”役は超不気味でした… (´Д`;) イヤーン



って、べた褒めですが、微妙に感じたところも結構あって。「登場人物の名前のテロップがいきなり出てくる」といった変な演出は気にしないようにするとしても、ギロチン社関連についての説明が不親切だと思いました。僕は本やネットの記事を読んだりしたから2回目はスムースに理解できましたが、例えば「黒パンの意味は、大さんならわかるな」と言われて投げっぱなしにされたら、普通の観客はわからないままじゃないですか(爆弾のことを指すそうな)。“その時代”をリアルに描くためには仕方ないんでしょうけど、初見の時は登場人物が何を言っているのかサッパリな部分が少なくなかったです。あと、「朝鮮人の十勝川が在郷軍人会に拉致・拷問されたのを中濱と古田が助ける中、花菊が自分よりも大きい小天龍を内無双で投げる」という中盤のクライマックスは大好きなんですが、彼女が内無双を体得するキッカケとなった「古田が花菊に内無双を決めるシーン」はもっとしっかり見せた方が良かったような…。つーか、普段は編集とか構成とかに気が付かない僕ですら、本作は「この四股を踏むシーンは、カットを割って真正面から花菊を見せた方が良いのでは?」なんて感じるところが結構あったんですが、まぁ、低予算だから仕方ないんでしょうな。

ギロチン社の残党・倉地が古田に怒るシーン、荒巻全紀さんの演技自体は素晴らしいんですが、すぐ出てこなくなるから「なんだかなぁ」感が否めなかったし、エンドクレジットの前にギロチン社の面々の末路が流れる構成も「劇中であまり活躍してない人たちまで出てこられてもなぁ… (´・ω・`) ダレ?」なんて身もフタもないことを思ったり。それと、さっきも書いたことではありますが(汗)、ごめんなさい、やっぱり花菊には自分の力でDV夫をぶちのめしてほしかったという強い気持ち、強い愛。1年間のトレーニングにより、雄牛のような肉体を獲得した花菊が、夫のビンタにも怯まず、何度も何度もブン投げまくった挙げ句、最後は四股でギロチンのように首を踏みつけて頸椎を寸断する秘奥義「菊のギロチン」を決めてほしかった…というのは無理な相談でしょうか(確実に無理な相談)。


最初はこんなに頼りなかった花菊ですけど…。


1年後には、驚異くべき成長を遂げていてほしかったなぁ(「刃牙道」より)。



その他、思ったところを書いておくと、「何気に出演者が豪華」とか「花菊の『よしんばエロで何が悪い!川 ゚д゚)』という台詞が良かった!」とか「爆破を受けた定生の右腕はもげてほしかった」とか「ノベライズの“勢い溢れる文体”は面白かったし、長渕剛さんの『西新宿の親父の唄』が好きな僕的には刺さるところも多かったけど、あまりに現代的すぎる気もする」とか「ノベライズの『その後の菊とギロチン』は、嫌いじゃないものの、やはり蛇足感が強い」とかとかとか。何はともあれ、189分もあるし、鑑賞料金は高めだし、変なところもある作品ですけど、僕は大好きでしたヨ (´∀`=) ウフフ 今まで観た瀬々敬久監督作の中では断トツで良かったです。本作のパンフに「私の母は女大関・若緑」を寄稿した方の息子さんからDMをいただいたのも素敵な映画体験だったなぁ…(しみじみ)。なんとまだあちこちの劇場で上映されているのでね、気になる人は足を運んでみてくださいな。




栗原康先生によるノベライズ。kindle版で買っちゃいましたよ… (`Δ´;) オカネガ...



コラムで紹介されていたので買おうと思ったら、高値になっておりました … ('A`) イヤーン



今年観た瀬々敬久監督作。僕の感想はこんな感じ



関東大震災での朝鮮人虐殺については、こちらの本を読むと良いです。



なんとなく思い出したジェニファー・ロペス主演作。ラストバトルが大好き。



劇中に出てくる中濱鐵の詩の数々が収録されております。読み終わってないけど、買って良かった。







セラヴィ! C'est la vie!(ネタバレ)

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セラヴィ! C'est la vie!



原題:Le sens de la fete
2017/フランス 上映時間117分
監督・脚本:エリック・トレダノ、オリビエ・ナカシュ
製作:ニコラ・デュバル=アダソフスキ、ヤン・ゼヌー、ローラン・ゼトゥンヌ
撮影:ダービッド・シザレ
美術:マチュー・バドピエ
衣装:イザベル・パネッティエ
編集:ドリアン・リガール=アンスー
音楽:アビシャイ・コーエン
出演:ジャン=ピエール・バクリ、ジャン=ポール・ルーブ、ジル・ルルーシュ、バンサン・マケーニュ、アイ・アイダラ、スザンヌ・クレマン、アルバン・イワノフ、バジャマン・ラベルネ、ジュディット・シュムラ、エレーヌ・バンサン
パンフレット:★★★★☆(800円/フランスの結婚式ついてのコラムがタメになったし、ポップアップの仕掛けが素敵!)
(あらすじ)
30年間にわたり数多くの結婚式を手がけてきたベテラン・ウェディングプランナーのマックス(ジャン=ピエール・バクリ)は、近頃、引退を考え始めていた。そんなある日、ピエールとヘレナというカップルからの依頼で、17世紀の城を式場にした豪華絢爛な結婚式をプロデュースすることに。いつも通り、式を成功させるため様々な準備を整えて当日に臨むマックスだったが、ウェイターはシワシワなシャツに奇妙なヒゲ、スタッフのひとりは新婦を口説き始め、オーケストラはワンマンショー気取りだったりと、トラブルが続発。マックスの努力は全て泡と消え、感動的になるはずの式は大惨事と化してしまう。(以上、映画.comより)

予告編はこんな感じ↓




55点


※この記事は「シグマ15」に従って書いています。

実は若いころに結婚式の配膳のバイトをしていたので、予告編を観た時に「フランスの結婚式の裏方ってどんな感じかしら?」と興味が湧きましてね。それにこの手のコメディ映画は嫌いじゃないのもあって、前売り券を購入。8月中旬、新宿で「ウインド・リバー」「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」を観てから、恵比寿ガーデンシネマで鑑賞いたしました。まぁ、良いんじゃないですかね… (・∀・;) ラヴィ~ ちなみに「セラヴィ! C'est la vie!」は邦題で、原題は「Le sens de la fête(人生の意味)」だったりします。


前売り特典は「『PAPIER TIGRE』オリジナルメッセージセット」でした。オサレ!


記事の切り抜きはこんな感じ。劇場はシネマ2で、半分ぐらいは埋まってた記憶。



お話をザッと書いておくと、引退を考えていたウェディングプランナーのマックスが、自分がプロデュースする結婚式にて、さまざまなトラブルに見舞われるも、ダメだと思っていた部下たちの頑張りもあって、なんとなく成功しましてね。最後は会社の売却を止めて、またみんなで仕事しようねムードで解散して、終わってましたよ、たぶん。この映画は「最強のふたり」を撮ったエリック・トレダノ&オリビエ・ナカシュ監督作ということでね、普通に良く出来たコメディではあるんじゃないですかね。ただ、正直なところ、本作は「プロフェッショナルたちがボタンの掛け違いなどで失敗→大変なことに!」というよりは「プロ失格の奴らが仕事をちゃんとやらない→大変なことに!」という展開が多めなので、全員が仕事を舐めているように見えたというか。ごめんなさい、僕は結構イライラする場面が少なくなかったです。一番ムカついたのは、カメラマンのギイ(ジャン=ポール・ルーブ)で、「みんながスマホで撮影するからカメラマンの需要がなくなった」という状況自体は決して“なくはない”んだろうけどさ、アイツの場合、仕事そっちのけでメシを食ったり、女性を漁ったりと、「お前の仕事振りが不真面目だから需要がねーんだよ ( ゚д゚)、ペッ」としか思えなかった次第。


本作を鑑賞中の僕の気持ちを代弁する愚地克巳を貼っておきますね(「範馬刃牙」より)。



とは言え、だ(突然、偉そうに)。なんて言うんですかね、上記の不満って、僕の心に大らかさが足りないだけなのではないか。パンフに載っていたYUKO FURUYAさんによるコラムやこちらの記事を読むと、フランスの結婚式ってざっくばらんな雰囲気らしいし、そもそもコメディ映画の登場人物に「100-1=0」の帝国ホテル並みのサービスを要求しても詮無きことだし、「人生には上手くいかない時ってあるもんな ┐(´ー`)┌ セラヴィぐらいの優しい気持ちで楽しめば良かったのではないか。だがしかし、やっぱりイラッとした部分が忘れられないので、55点という台無しな着地。ううむ、人間とは業の深い生き物、ですな(勝手に多くの人を巻き込んだ文章)。何はともあれ、たぶん僕の心が狭いだけであり、基本的には誰もが楽しめる作品だと思うので、気になる人はぜひ観てみてくださいな。




エリック・トレダノ&オリビエ・ナカシュ監督作。僕の感想はこんな感じ



非常に良さげなサントラ(デジタル盤)。輸入盤もあります。



結婚式映画で一番好きなのはこれですかね。僕の感想はこんな感じ








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