グランド・イリュージョン 見破られたトリック（ネタバレ）

グランド・イリュージョン 見破られたトリック



原題：Now You See Me 2
2016／アメリカ　上映時間130分
監督：ジョン・M・チュウ
製作：アレックス・カーツマン、ロベルト・オーチー、ボビー・コーエン、デヴィド・カッパーフィールド
製作総指揮：ケビン・デラノイ、ルイ・レテリエ、エド・ソロモン
キャラクター創造：ボアズ・イェーキン、エドワード・リコート
原案：エド・ソロモン、ピート・チアレッリ
脚本：エド・ソロモン
撮影：ピーター・デミング
美術：シャロン・シーモア
衣装：アンナ・B・シェパード
編集：スタン・サルファス
音楽：ブライアン・タイラー
音楽監修：ランドール・ポスター
出演：ジェシー・アイゼンバーグ、マーク・ラファロ、ウッディ・ハレルソン、デイブ・フランコ、ダニエル・ラドクリフ、リジー・キャプラン、ジェイ・チョウ、サナ・レイサン、マイケル・ケイン、モーガン・フリーマン
パンフレット：★★（720円／登場人物の相関図があるのは好き。中村樹基さんのマジックコラムも愉快）
（あらすじ）
アトラス（ジェシー・アイゼンバーグ）がリーダーのマジシャン集団、フォー・ホースメン。イリュージョンショーを繰り広げては不正に搾取された金を奪取してきた彼らが、再び出現し注目を浴びる。しかし、新たなショーでハイテク企業の不正を暴こうとするが、何者かによってイリュージョンは失敗に終わる。その裏に、ウォルター（ダニエル・ラドクリフ）という天才ハイテクエンジニアの存在があった。（以上、シネマトゥデイより）

予告編はこんな感じ↓




55点


※今回の感想は、この映画が好きな人は不快になる可能性が高いので、読まない方が良いです。
※今回の映画に関しては、僕はそんなにオススメするつもりはありませんけど、ネタバレを知って観ると超台無しな気はするので、観ようと思っている方は読んじゃダメ絶対！
※で、モロに話が繋がっているので、観に行く時はなるべく前作を観といた方が良いです。
※今回の感想は非常に雑なので、「楽しかったわ〜 (´∀｀し ｽｷｽｷ」という方はナイトウミノワさんのブログや「熱に羽化されて」さんの感想を、「まぁまぁだな ┐(´ー｀)┌ ﾔﾚﾔﾚ」という方はカゲヒナタさんの記事を読むと良いと思います。

「『グランド・イリュージョン』みたいな英語の邦題って紛らわしいな… (`Δ´;) ﾇｩ」ということは置いといて（原題は「Now You See Me」）。前作の「グランド・イリュージョン」に関しては「それなりには好き」というか。謎解き要素に関してはあまりにバカバカしくて乗れなかったけど、派手なCG全開マジックはそれなりに愉快だし、ジェシー・アイゼンバーグが「ソーシャル・ネットワーク」の時っぽく喋りまくって、ウディ・ハレルソンがいつものように胡散臭くて、モーガン・フリーマンがよくわからないけどニヤニヤしていて、マーク・ラファロが緑色になって大暴れしてくれれば、それなりに楽しいじゃないですか（１つウソ）。


本編で流れる前作のダイジェストを貼っておきますね↓　




要は「劇中のマジックは実演可能なのか？」という疑問や「それだと何でもアリなのでは…」といった不満は置いといて。登場人物たちが超能力に近いド派手なマジックを繰り広げながら「実はこうだったのだッ！m9`Д´) ﾋﾞｼｯ」とドヤ顔で披露する雑な種明かしを深く考えずに「なんだってー！Σ(ﾟдﾟ;)」と受け止めればいいのだろうと。最初からそういう目線だったら続編となる本作は前より楽しめる気がしたし、予告編の雨を止める場面が超カッコ良かったので、前売り券を購入しましてね。今週のムービーウォッチメンの課題映画になったのもあって、水曜日にTOHOシネマズ渋谷にて観て来たんですが、「まぁ、いいか (´∀｀) ｳﾌﾌ」と思ったり。


５番スクリーン、８割ぐらいは埋まってた印象。



いや、基本的には楽しかったんですよ。パンフやらネットの記事やらによると、本作は「実現できるマジックにこだわった」そうで。確かにド派手ながらも「もしかすると現実でもできちゃうのカモ… (･ω･;) ｳｰﾝ」と思わせるマジックが多かった印象。で、キャストは相変わらず豪華だし、オチを知っても「なんでこいつらはこんな犯罪をする必要があったの？」と思わざるを得なかった前作と比べると、「罠にハマったホースメンたちがやり返すために、影に隠れた男を衆人環視の中へ引きずり出す」というストーリーは「観客の前でマジックを披露する」というホースメンの手段とマッチしていて、実に飲みこみやすかったし…。「メリット（ウディ・ハレルソン）の双子の兄チェイス（ウディ・ハレルソンの２役）にジャック（デイヴ・フランコ）が催眠術をかける」という展開や「悪党どもを偽の飛行機で騙す」というオチが読めた→騙されなかったのも良い気分だったし、ハッキリ言って、ほとんどの部分は前作よりも好きだったりします。


雨が止まったり、上がったりするマジックは、実際に可能なんだとか (ﾟ⊿ﾟ) ﾍｰ




だがしかし、かなり納得がいかない部分があって。「相変わらず万能な催眠術」とか「ホースメンの一員だと暴かれて、FBIから逃走した後に刑務所を堂々と訪問できるディラン（大ニュースになってると思うんですが…）」とか「『ハリー・ポッター』のダニエル・ラドクリフが天才科学者として登場→予告編の『科学vs魔術』みたいなアオリにドキドキしたけど、実際はそんなことなかったぜ（って、そもそもマジックも科学だしね）」とか「チップを盗み出すくだりは楽しかったものの、あの場所に監視カメラはないの？」とか「アクションシーンのつなぎが下手で、見にくい場面が多かった」とか「結局、実現不可能っぽいマジックも多いよね」といったところには目をつむるとしても。「前作でホースメンが罠にハメたサディアス（モーガン・フリーマン）が実は秘密組織『ジ・アイ』のメンバーで善人でした♪ (´∀｀) ﾅｧﾝﾀﾞ」という展開が１ミリも飲み込めなかったんですよね…。

だって、前作のサディアスってマジックの種明かしをして多くのマジシャンの職を奪ってたし、脱出マジックで失敗して行方知れずになったライオネル・シュライクを「二流マジシャン、バカな男だった」「ケチな詐欺師だとバレた」なんてディスってましたよね？　まぁ、「今の時代、マジックの種明かしは避けられない→あえて暴露することで資金調達＆マジシャンのレベルアップを図る目的」とか「一応、今も“マジシャンたちを煽る役”を担当してるから、泣く泣く憎まれ口」といった擁護はできると思うんですが…。しみじみと“亡くなったシュライクの盟友ヅラ”をするなら、父親の死後に保険が下りなくて困っていたディランとその母親を援助してやれよと。母親、貧困にあえいで死んじゃってるじゃん。『ジ・アイ』、クソみたいな組織だなと心から思いました。


サディアスが善人だと発覚した時の僕の気持ちを代弁するジェイソン・ステイサムを貼っておきますね（「ブリッツ」より）。



「今回の一連の事件は、すべてディランのためだった」みたいなオチも気持ち悪くて、いくら試練だとしてもさ、あの金庫の脱出に失敗して父親と同じように死んだらどうすんのよ？　ううむ、なんて言うんですかね、「熱に羽化されて」さんの考察によると、例えばダニエル・ラドクリフが演じたキャラには細かい設定がちゃんと考えられているみたいなんですよね（「オクタは８という意味→自分が警視庁捜査一課にある7個捜査班のいずれにも属しない８番目の男アーサー・トレスラー（マイケル・ケイン）の８番目の子だから？」とか）。その他、雨を止めるマジックの元ネタっぽい装置がマジック店に置かれていたり、「盗んだチップは偽物だったハズなのに飛行機で起動した→あの飛行機が偽物ということを表していた」とか、意外と伏線が張られていたりするところは好きなんですよ。ただ、続編を優先するあまりに前作をないがしろにした感じがして、ちっとも良い作品に思えなかった次第。


烈海王vsセルゲイ・タクタロフの試合を観て不快感を覚える範馬刃牙の画像を貼っておきますね（「グラップラー刃牙」より）。



って、文句まみれだったりするんですけれども！　本作鑑賞後、トイレに行ったら隣で用を足していたのが宇多丸師匠だったから口がアングリ状態かつ小便が手にかかりまくりですよ。劇場を出たところで、24時間ラジオに出演させていただいたことの感謝を伝えましてね…（しみじみ）。５分ほど立ち話をしたんですが、「これも『グランド・イリュージョン』が見せてくれた夢なのかもしれないな… (´∀｀)」なんて思ったりして、映画の方も好感度が上がって55点という着地（信用できない採点基準）。ちなみに、どうやら３作目が作られるそうで、「金庫ごと行方不明だったシュライクが生きていてーー？」みたいな話になるのかもしれませんが、どうせ後付けで物語を作っていくのなら、「ワイルド・スピード」シリーズぐらいには受け入れやすいストーリーにしてほしいと思っております。おしまい。




ルイ・レテリエ監督による１作目。僕の感想はこんな感じ。



サントラを貼っておきますね。



唯一観ていたジョン・M・チュウ監督作。僕の感想はこんな感じ。